福島第一原発事故・津波被害に関するサイト

事件、事故、災害の情報を幅広く扱うつもりで始めましたが、直後に東日本大震災が起こりまして、それ以降は地震、津波、福島第一原発事故を中心にして検証を交えて情報収集して行くつもりです。 タイトルも「事件・事故・災害に関する情報サイト」から変更しました。

東日本大震災から1年が来るので、テレビでは新たに入手した津波当時の映像が流されたりしていた。その中に津波に遭遇した父と息子を取材したのがあって、車を取りに戻った息子が津波にのまれ、何とか九死に一生を得たのだが、父親は高台から息子の名前を叫んで「戻れ、戻れ」と言っていながら、しっかり映像を撮っていたし、息子は波にのまれながら自らの状況を映像に撮っていた。もう両方ともプロカメラマン顔負けの命を張った撮影で、原発事故で政府があたふたして議事録も残さなかったことから考えて、東日本大震災で素人が残した数々の映像は日本人のみならず、世界の人々が驚嘆したに違いないと思う。

2011年05月

〇〇委員長の発言がおかしいぞ

 ○○委員長は発言がおかしい。

 

 インタビュアーに「重要度の高い非常用ディーゼル発電機をそれよりも重要度の低いタービン建屋に置いておくのはおかしくないか」と質問された時に、「それはおかしくはないんです。仮にタービン建屋が地震で、建物の上の方が壊れても、地下の地震に強い所で守られていれば良いんです。津波が来て水を被っても、津波が引けば、使える訳です。」と言っていた。

 

 おかしいでしょ。小学生でもそんな答えでは間違いに気付きますよ。

 

 良いですか、非常用ディーゼル発電機はタービン建屋の地下にあるのです。そこに地震があって、その後に大津波に襲われた。

 

 そして、どうなったかというと、完全に水没してしまった訳です。

 

 水は引いて行きませんよ。

 

 恐らくこの人は、津波を高波と勘違いしてそういう発言をしたのだろう。

 

 台風などで高波が来て、ざぶんと水を被って、多少の水が建屋の地下に溜まっても大丈夫だと思っていたのだろう。

 

 原子力の何を専門にしている方かは知らないが、津波と高潮との区別が付かないことだけは明白になった。

放射線量の計測方法に問題はないか

 足柄茶に続いて、栃木や茨城や千葉のお茶でも基準値を超える放射線量を計測した場所があった。

 例えば茶摘みで、人が摘むような新芽の葉は高給茶で、恐らくそれには含まれていないのだろう。
 しかし、一番茶は機械で上の方の茶の葉っぱを刈るみたいだから、葉に付いていた放射性物質が検査して出たと思われる。
 根から吸い上げた可能性も考える人があったが、葉に付着したものと理解した方が良いだろう。

 毎日のように放射線量の値が新聞に載っているが、ほぼその値は変わらない。

 という事は、空気中に飛んでいる放射性物質ならば、風向きや原発から今もどれ位かは知れないが出ている放射性物質の量で、変わって来るはずである。
 しかし、変化がないという事は、風向きやその後に出ている原発からの放射性物質には左右されていないと言える。

 それらを勘案してみると、いま各地で測って出している放射線量は、事故当初に大気中にまき散らされた放射性物質が地表に落ちて、それが留まって放射線をはなっているという事になる。
 だから、値はいつもほとんど変わらないのだろう。


 またその計測においても、ビルの4階で測ったり、地表に近い所で測ったりと自治体によって違いがあるという。

 そういう事があるとすれば、人口密集地ではなるべく地表から高い所で測って数字を低めに出し、過疎地では地表に近い所で測って高くしたりと操作が行われているのではないかと勘ぐってしまうのだ。

 ここで言いたいのは、今すべきことは放射線量の高い学校のグランドの表土を一刻も早く取り除き、それを下げるという事だ。

  

原発事故当初の住民避難はどうだったか

 福島第一原発から放射性物質が大量に大気中に出たのは、ベントの時と水素爆発の時が考えられる。

 ベントの弁は電動と手動とあるようだが、これまでどこにあるのか描いた図面を見たことがなかったが、最近になって見たのは、圧力抑制室の所にあって、そこから原発の高い煙突へと繋がっていた。

 弁は圧力容器内の圧力が高まって、容器が危険になった時にその圧力を外に逃がす役目をする訳だ。

 そして、そのままでは容器内にあった放射性物質が外へと放出されてしまう。

 その間には、放射性物質を取り除くような除去装置とかはあるのだろうか。

 そのまま外へ出てしまう事を考えた場合、燃料棒が水の中にすべてある場合と、燃料が溶けだしたり、相当溶けてしまった状態では、大気中に放出される放射能の濃度とかも違って来る。

 その辺りが、その後に水素爆発で放射性物質が放出された事とも関連して、それぞれの時点で風向きや周辺での放射線量の観測結果から、あるいは、その結果が出る前に、住民を避難させる事がどのようになされたか、十分できたかどうか。

 今後、検証の対象になってくるだろう。

SPEEDI(スピーディ)で見る放射能汚染の広がりの様子

SPEEDI(スピーディ)による調査データ

SPEEDI(スピーディ)とは何か

 SPEEDIというのは、文部省が百数十億円の予算で作った、放射能事故があった時にその広がり方を知り、人々の避難に役立てるシステムという事だ。

 が、なぜか知らされることもなく、福島第一原発の事故で飛び散った放射性物質は、同心円状の避難地域の外まで広がり、その地域の人々が被爆してしまったという。

 私はまだ余り詳しくは知らないが、風向きから放射能の広がりとか汚染の濃度を推測するようで、問題になる3月15日に風向きが北風から南風へと変わっている。

 そしてその時が2号機の爆発の後になるので、2号機から出た放射性物質が北西方面の飯館村とかを汚染したという内容になっている。

 しかし、1号機、3号機、2号機、4号機と連続して水素爆発しているので、果たして2号機と断定できるかとなると、今ひとつ確信が持てない。

 とは言っても、爆発で高く舞い上がれば、放射性物質はそれだけ拡散するが、2号機の場合は、地下の圧力抑制室での爆発で、低い所で漏れて、それが風に流されれば、余り拡散せずに低い所を飯舘村の方へ向かい、細長い形で汚染されることになる。

 そうすると、佐藤議員の国会での発言の信憑性は高いという事になるのだ。

原発事故について佐藤議員の熱弁と首相のちょいボケ

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 菅首相は、福島第一の2号機に関しては記憶が飛んでいるようだ。

 佐藤議員は、2号機の爆発の時に、高濃度の放射性物質が大気中にばら撒かれたと言っているが、菅首相の頭に全くなかったとなると、やはり3号機の爆発の時だったのかと思われる。

 佐藤議員は2号機の圧力が高まって、それを下の方にある圧力抑制室に逃がしたと言っていた。

 へー、あの下の方のドーナツリング見たいなのは、圧力を逃がすためにああなっているのか。

 逃がした後に、ボンという音がして爆発があった。

 もう燃料棒はかなり溶けていたので、水素は発生していたから、やはり水素爆発ではないだろうか。

 そこへ、水素を含んだ汚染された蒸気を流してやるというのだから、何らかの弁が付いていて、それで開け閉めしていると思われる。

 そこが爆発で壊れて放射能漏れがあったとしても、大気中に出るものだけではなく、溜まっている水に溶けるのもある。

 海江田大臣も、原発の正門付近で高濃度の放射能が検出されたのが、2号機のものかどうか分からないと答弁している。

 という事は、政府や専門家はやはり3号機の爆発でと見ているのではないだろうか。

 惜しむらくは、佐藤議員は3号機でやって欲しかった気がする。

 その後の風向きに関しては、さすがに自衛隊に在籍していただけの事はあって詳しかった。


 しかし、事故発生当時は寒い時期だったから、風向きは当然北方向から吹くものと思っていた。

 記憶では北西から海へ向かって吹いていた図があったように思う。しかしまさか南東から北西方向に向かって吹いていたなんて思いもしなかった。

 

 

米仏の専門家は3号機のプールの核燃料は吹っ飛んだとの見解

http://a09b150087.iza.ne.jp/blog/entry/2291383/

 3月14日午前11時1分に福島第一原発3号機が水素爆発を起こした。そして保安員は半径20キロメートルの残っている約600人の住民に屋内退避を指示した。

 そしてこの夜、東電が菅首相に現場にいる関係者の全員退避を願い出て、拒否されている。
 この時、東電側は一時避難を申し出たと言うが、「一時」という事は首相には伝わっていなかったのだろうか。

 これから推測すると、使用済み燃料プールの中の燃料棒が爆発とともに空気中にまき散らされたとは言っていないのかも知れない。

 東電は、今もってそういう事があったとは言っていない。

 しかし、現場から一時避難しようとした事は、相当な事態が起きたという認識はあったと思われる。
 そして原子炉の冷却が一時止まるという事は、さらに事態が悪化し、深刻になる訳だ。

 それからすると、菅首相の判断は英断だったかも知れない。

 しかしこの一連の流れが事実だとすれば、燃料棒が大気中に飛び散った事があれば辻褄が合うのだが・・・。

 

アレバ社(フランス)が制作した福島第一原発の事故概要

http://www.seyth.com/ressources/quake/AREVA-Document.pdf

 水素が発生してから、原子炉建屋に漏れ出て行く流れが良く分かる図解が、他にはない特徴です。

ベントは水素発生以前にすべきか

http://blog.livedoor.jp/a09b150087/archives/1693835.html

 ベントの時期は、燃料棒が露出し、ジルコニウムが溶けだして水素が発生するその前に行わなければ手遅れになるようだ。

 ベントをし、圧力を下げ、温度を下げてから早めに注水をする、海水でも何でも。

 とにかく露出して溶けだして水素が発生してしまうと、手遅れになるって事だと思う。

 そしてこの1号機は、その構造からか燃料が溶けだす時間が早かったようである。

 全電源喪失後に、早くベントし、海水注入して冷却し、放射能を閉じ込める。

 これが出来なかった。

 電気の回復とともに、注水する高圧ポンプ車の用意が必要だって事か。

福島第一原発プラントデータ(震災発生当時)

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index10-j.html#anchor04


  1. 提出データ範囲説明書

  2. チャート

  3. 警報発生記録等データ

  4. 運転日誌類

  5. プロセス計算データ

  6. 過渡現象記録装置データ

  7. 各種操作実績のまとめ

     ① 非常用復水器系の操作実績

     ② 原子炉隔離時冷却系の操作実績

     ③ 高圧炉心注水系の操作実績

     ④ 逃がし安全弁開閉実績

     ⑤ 原子炉格納容器ベントの開閉実績

     ⑥ 電源確保及び電源復旧の実績

     ⑦ 消防ポンプの使用、海水注入等による代替注水の操作実績

     ⑧ タービン建屋、屋外トレンチ及びダクトの滞留水の処理実績

  8. プラント関連パラメータ 
   

ベントと水素爆発の関係

 テレビのニュースで、福島第一原発4号機の水素爆発は、使用済み燃料プールから出た水素が爆発したのではないような事を言っていたのをチラリと見た。

 何でもパイプが繋がっているので、それを伝って水素が4号機の原子炉建屋の天井に溜まって爆発した可能性があるらしい。

 水のパイプだけではなく、気体もパイプで繋がっているのか。

 そうすると4号機のプールでは、燃料棒が完全水没出来ず、水面から突き出た部分の燃料棒が溶けて、水素が発生したのではないという事になる。


 また、ベント(容器内を減圧するために弁を開けて気体を外に逃がす)と水素爆発の関係だが、時系列にあげて見た。

    12日10時17分 1号機でベント開始


    12日15時36分 1号機で爆発


    13日11時00分 2号機でベント開始

    
    14日5時20分  3号機でベント開始


    14日11時01分 3号機で爆発

   
    15日0時02分  2号機でベント開始


    15日6時10分  2号機で爆発       
                                          
                                         (朝日新聞参照)


 こうして見てみるとベントを開始してから、5時間から6時間経って爆発している事が分かる。


 所で、ベントの開始時刻は載っているが、終わった時刻が記載されていない。

 どのくらいベントして、どれくらい圧力が下がったのか。

 そしてどのくらい放射能が大気中に放出されたのか。

 知りたいところだ。

3号機の使用済み燃料プールの映像から分かること



 福島第一原発の3号機は水素爆発によって、原子炉建屋の上部にあった使用済み燃料プールのプール自体や中の燃料棒に損傷がなかったか心配されている。

 この映像を見る限りでは、一見するとプールの水は漏れていないような印象を受ける。

 ただ燃料棒の損傷がどうかは、爆発による瓦礫が多くて、燃料棒は見えていない。

 燃料棒に損傷があったかなかったかは、カメラをもう少し深くまで入れて、その映像を見ないと、何とも言えない。

 本当は映像があるのに、見せないのだろうか。

 ここまで映すのなら、専門家でなくても何としても燃料棒を見たいと思うでしょ。

5.6号機の事実関係を探る

 新聞に載っていた記事だが、宮城県女川でダンプの運転手として働くために大阪で雇われた男性が、実際に働かされたのは福島第一原発の5・6号機で、仕事の内容は原子炉にポンプで注水する仕事の一部だったという。

 男性は3月19日に大阪を出発したというから、原発事故から8日も経っている。

 という事は、非常用ディーゼル発電機も止まったのだろうか。停電も回復していないか、あるいは電気は通っても他が壊れたのか、5・6号機の冷却システムは動かないからポンプをで注水という事なのだろうか。

非常用発電機1台が動いたので5・6号機は爆発しなかった

 福島第一原発の事故原因の一つに、非常用ディーゼル発電機が津波で水没して故障した事が知られているが、この発電機の情報が中々少ない。

 割と知られているのは、タービン建屋の地下にあって水没して壊れた。全部で13機あった。原発は合計で6機だから、1機につき2台で予備なのかもう一台あったという事だ。

 停電になった時は、この発電機が動くようになっていて、原子炉内の燃料を冷却する水を循環させるための電気を作るようになっていた。

 冷却システムの全体は、原子炉建屋とタービン建屋をぐるぐる回って循環しながら発電している水と、その熱せられた淡水を原子炉の方へ再び持って行くために、途中で冷やすために海水をポンプで汲み上げて循環させる全く別のルートがある。

 そして、日経新聞よれば、この13台の発電機のうちの1台が、運良く冠水を免れて使える状態にあったという。

 記事によると、発電機自体も熱を冷やすのに海水が必要で、これが動くには海水を汲み上がるポンプが壊れていない事が条件だとある。

 ところがその1台だけは、他と違い空冷式だったのと原子炉建屋内にあったのですぐに使う事が出来、そのために5号機と6号機の冷却システムは作動したのだと言う。

 私は4号機の使用済燃料プールが爆発して、5・6号機の使用済燃料プールが爆発しなかったのは、燃料棒が少なかったり、時間が経って、温度が低かったからプール内の水がそれ程蒸発しなかったのだろうと思っていたが、この記事では冷却システムが動いていたからという事である。

  

地震や津波予測の信用度が問われている

 何年か前に書かれた地震予知の本を見ていたら、今後30年間以内に起こる可能性のある地震の発生確率が載っていて、「宮城県沖 M7.5前後 99%程度」とあった。

 他が数パーセントの所がほとんどだから、ほぼ当たっている訳だ。

 しかし、柏崎刈谷原発の変圧器で火災のあった2007年の新潟県中越沖地震は大きな被害をもたらしたが、名前さえも出て来ない。

 当たったものもあれば、全く当たらないものもあり、どの程度信用出来るものか分からない。

 ここでは菅首相の停止宣言で話題になっている浜岡原発が含まれる東南海地震の方は60%と出ている。

 結局、どういう根拠でこういう数字を出して来るのか、そこを吟味しないと何とも言えない所がある。

 東日本大震災で未曾有の被害をもたらした大津波にしても、三陸地方では毎年のように避難訓練をしていて、更にはちょくちょく津波警報も出ていたのだが、その度にほとんど来ないのだという。

 そして、どうせまた来ないのだろうと高を括っていたら、とてつもない大津波が来て、多くに人が犠牲になってしまったという。

   

徐々に分かって来た福島第一の真実

 1号機の格納容器への水の注入を増やしたり減らしたりした事で、3号機の温度や圧力に変化が出ているようだとニュースで保安委員が言っていた。

 つまり1号機と3号機は水の配管が繋がっているという。多分1~4号機まで、それらの配管は繋がっているのだろう。

 だから一つがやられると、連鎖的に繋がっているのが全部やられる図式になる。

 リスクヘッジがなされていない。リスクの分散をしないで、効率だけ考えて仕組みを作ると、上手く行っている時は良いが、一端事が起きると全滅してしまう。

 東京の一極集中にも似たような所はある。

 目先のカネ儲けしか頭にない民間企業や一部の専門家に、国家の運命を丸投げしてしまう恐ろしさが、今回一辺に表に出た。

 さて3号機に温度や圧力の変化が出ているとの事だが、パイプが繋がっていれば、何号機から注入しようと何ヶ所あるのか分からないが、破損箇所から汚染水は漏れ出す訳だ。
 
 漏れている場所を特定するにも、範囲が広がる事もあって厄介だ。
 

福島第一原発3号機の水素爆発を米専門家が解説



こちらも同じユーチューブの映像ですが、日本語の字幕があります。
<iframe width="640" height="390" src="http://www.youtube.com/embed/P4KXX24Dv1U" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>

福島第一原発1~6号機を検証する

    <iframe width="1280" height="750" src="http://www.youtube.com/embed/iAffjP1nrlA" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>    

         <震災前の状態> 

 福島第一原発の1~3号機は震災当時には運転中であった。

 4号機は圧力容器内の核燃料棒は抜かれていて空の状態であった。

 5・6号機は核燃料棒は入っていたが、定期点検のために停止中で、圧力容器の中は冷温状態に保たれていた。

          <震災直後の緊急事態>

 そのような状態で地震と津波に襲われたのであった。

 その結果、地震で変電所が破壊されて停電し、ほとんどの非常用ディーゼルエンジンも津波で水没して使えなくなり、全電源喪失の状態に陥ってしまい、原子炉の冷却システムのすべてが止まってしまった。 

 緊急事態である。

 稼働中の1~3号機は、地震の直後に原子炉を止める制御棒が作動して、稼働は止められたという。
 
 しかしその時点では、まだ燃料棒は高い熱を持っているために、それを水を循環させる事によって、冷やし続けてやる必要がある。

 だが電気を使えず、ポンプを動かす事が出来ず、冷却システムは壊れたまま、動かない。

 こうなるとあっという間に燃料棒の熱で、冷却のための圧力容器の水は蒸発してしまい、水の中にあった燃料棒が水面から頭を出して、蒸気に晒されてしまい、高温になって次第に溶けだす様になってくる。

 燃料棒は、ペレットという固めた状態になったものを、ジルコニウムという金属で覆って棒状にしたものだが、そのジルコニウムが溶け、それからペレットが高温で溶けだす事になる。

 そして、このジルコニウムが溶けた時に、酸素と反応して水素を作るのだという。

 こうして作られた水素が容器内の高い圧力で隙間から圧力容器や格納容器の外に漏れ出し、原子炉建屋というコンクリートの四角い建物の天井に溜まったという事だ。

          
          <水素爆発>

 それが何らかの原因で爆発を起こしたのだという。

 この現象が、1~3号機で起きた。

 そしてこの水素爆発は稼働中だった1~3号機以外の4号機でも起きたのであった。

 4号機は中が空だったので、水素爆発の原因は原子炉建屋上部の使用済燃料プールから発生した水素によるとしか考えられない。

 この使用済燃料プールも、水を循環させて冷やし続けなければならないのだが、電気系統がすべてやられてしまった結果、冷やされなくなって水位が下がり、頭を出した燃料棒が溶けて水素が発生したのだろう。

 使用済燃料プールから発生した水素による爆発という事になると、他の原子炉建屋にもこのプールはあり、燃料棒が入っていたのだから、1~3号機でもプールからの水素発生は十分に考えられる。
 そして4号機には使用前の燃料棒も含めて一番多く入っていたと言われるので、他以上に多くの水素が発生したと思われる。

 また2号機では原子炉下部での水素爆発だったが、1・3号機では建屋上部が吹き飛んでいるので、圧力容器の中とプールとの両方から発生した水素が爆発したとも考えられる。


          <5・6号機の経過>

 次に電源についてだが、5・6号機は何日か経って回復しているのだ。

 ここでの水素爆発はないので、定期点検で停止中の圧力容器の水位の低下はほとんどなく、燃料用プールの方も多少温度は上がっても量が少なかったために、水素は発生しなかったと思われる。

  
          <冷却システムの回復>

 冷却システムは5・6号機は回復したものの、1~4号機は回復していない。

 なぜ回復しないのだろうか。

 水素爆発の影響によるのだろうか。

 放射線量が高いので作業出来ないのだろうか。

 それとも津波による破壊が5・6号機とは違っているのか。

 あるいは電気の系統が何か異なるのだろうか。


                              (11.5.5 更新)


 

なぜ福島第一原発の津波だけが15mもあったのか

http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110409a.pdf

 鉄筋コンクリート3階建ての建物が呑み込まれるような津波に襲われたのは、田老町や陸前高田市や南三陸町や女川町など三陸海岸に近い方で、松島町や仙台市や福島県に掛けての南半分の海岸地域は、石巻市とか仙台市などでも一階部分の天井くらいまで津波の水面が来た所がほとんどではないかと思われる。

 そう考えると、福島第一原発を襲った津波の高さが15mというのは異常だ。

 福島第二の6~7mを考えても、なぜここだけが際立って高いのか不思議に思われる。
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