いよいよ開始だ。
美しい映像が流れる。
新海監督の特徴でもある。
冒頭で心理描写のコメントが流れる。
これぞ監督の真骨頂だ。
なんともいえないむず痒く、それでいてさわやかな気持ちにになる。
オープニングが始まった。
一言で言えば神オープニングであった。
まるでこの後の内容を物語っているような映像に、私は勝手に想像し、震えていた。
この鳥肌よ。
きっと素晴らしい映画に違いない。
私はそう確信した。
しかし。
この後想定した事態は、私の想像を遥かに越えていた。
オープニング映画ですでに満腹感すら覚える。
余韻だろうか、からだの底から込み下げてくるものがある。
込み下げる?
刹那。
私は感じ取った。
これははっきりとした意思だ。
悪意に近い、吐き気を催す意思。
人に、いや生物に皆、同様に、平等におとずれる「それ」。
生や死と同じく。おとずれる。
「それ」は私を今や激しく支配していた。
「それ」
支配者の名は。
君の名は。
便意。
お腹痛い。
食べたホットドッグがボディーブローのようにじわじわと胃を圧迫する。
ボディーブローくらったことないけど。
急にやばい。
KBK。
急に便意がきたから。
やばい。
もはやヤバイしか言えない。
開始30分足らずでこれってもう詰んでね?
トイレに…
いや、映画見たい。
つか映画中にトイレ行くとか色んな意味でないわ。
でも、今の私の事態もないわ。
これはなんだ。
一体どうしたというのかね?
はっ!総督!申し上げます!
腸内器官の反乱にございます!
首謀者は十二指腸!
肛門の前で爆弾を仕掛けたとの犯行声明が!
犯行声明っつーか反抗生命だよ。
俺の社会生命抹殺計画かよ。
自由はしすとも十二指腸はしせずかよ。
そう想像していると。
痛みが。
収まった。
私は笑顔になった。
映画は真面目なシーンなのに、一人満面の笑みに。
私は勝ちを確信した。
このまま行けば最後まで耐えられる。
まあ、どうせ波がきてまた腹痛はおこるだろうが、それまでは映画に集中で
「ドクン」
―力が欲しいか。
「ドクン」
―力が…
脳内に流れる力が欲しいかマンを背負い投げして私は全力で願った。
トイレがほしい!!!!!
なぜだ?
なぜ私がこんな目に合わなければならないんだ?
ただ映画が見たいだけなのに!
一人で映画を見るだけなのに!
十分みじめな状況なのに!
ささやかな楽しみすら享受できないのか!
神は!無慈悲か!
そこで私に語りかけてくる声が。
振り替えるとそこには。
トイレの神様がいた。
トイレの神様「トイレはきれいにするんやで」
私は耳を疑った。
トイレは…トイレとはなんだ?
トイレがトイレでトレイがドレインでコナンドイルがコナントイレでトイレがトイレなのか?
トイレとは…?なんなんだ?
そも。
トイレなぞ。
存在しないのではないか?
振り替えるとそこにはトイレの神様はいなかった。
つまり。
トイレなんてなかったのだ。
まやかしである。
私の便意が見せた、一時の悪夢なのだ。
あぶねぇ。
悪魔の囁きにかどわされるところであった。
私は固定概念にとらわれていたのだ。
そう。
ここが。
この座席が。
私の楽園だったのだ―
とまあ、なんやかんやあって便意が収まって、一命をとりとめて、映画が盛り上がってきて、便意も盛り上がってきて、映画がクライマックスで、便意もクライマックスで、なにを俺はしているんだろうと思って、今もなにをしているんだろうと思って、面倒くさくなって、漏らしていないのに体からくさくなって、君の名はって感じになりました。
オチというかその後。
映画が終わり、座席から飛び出した私はすぐさま個室に入り、用を足した。
快便である。
その後、帰ろうとしたら、なんか行き止まりになってました。
立ち入り禁止になってました。
まだ私がいるのに次の上映に向けて封鎖されてました。
どこから出れば良いか迷っているとtoiletっていう謎の部屋が見つかりましたが、なんとかこっそり出られました。
終わり。
美しい映像が流れる。
新海監督の特徴でもある。
冒頭で心理描写のコメントが流れる。
これぞ監督の真骨頂だ。
なんともいえないむず痒く、それでいてさわやかな気持ちにになる。
オープニングが始まった。
一言で言えば神オープニングであった。
まるでこの後の内容を物語っているような映像に、私は勝手に想像し、震えていた。
この鳥肌よ。
きっと素晴らしい映画に違いない。
私はそう確信した。
しかし。
この後想定した事態は、私の想像を遥かに越えていた。
オープニング映画ですでに満腹感すら覚える。
余韻だろうか、からだの底から込み下げてくるものがある。
込み下げる?
刹那。
私は感じ取った。
これははっきりとした意思だ。
悪意に近い、吐き気を催す意思。
人に、いや生物に皆、同様に、平等におとずれる「それ」。
生や死と同じく。おとずれる。
「それ」は私を今や激しく支配していた。
「それ」
支配者の名は。
君の名は。
便意。
お腹痛い。
食べたホットドッグがボディーブローのようにじわじわと胃を圧迫する。
ボディーブローくらったことないけど。
急にやばい。
KBK。
急に便意がきたから。
やばい。
もはやヤバイしか言えない。
開始30分足らずでこれってもう詰んでね?
トイレに…
いや、映画見たい。
つか映画中にトイレ行くとか色んな意味でないわ。
でも、今の私の事態もないわ。
これはなんだ。
一体どうしたというのかね?
はっ!総督!申し上げます!
腸内器官の反乱にございます!
首謀者は十二指腸!
肛門の前で爆弾を仕掛けたとの犯行声明が!
犯行声明っつーか反抗生命だよ。
俺の社会生命抹殺計画かよ。
自由はしすとも十二指腸はしせずかよ。
そう想像していると。
痛みが。
収まった。
私は笑顔になった。
映画は真面目なシーンなのに、一人満面の笑みに。
私は勝ちを確信した。
このまま行けば最後まで耐えられる。
まあ、どうせ波がきてまた腹痛はおこるだろうが、それまでは映画に集中で
「ドクン」
―力が欲しいか。
「ドクン」
―力が…
脳内に流れる力が欲しいかマンを背負い投げして私は全力で願った。
トイレがほしい!!!!!
なぜだ?
なぜ私がこんな目に合わなければならないんだ?
ただ映画が見たいだけなのに!
一人で映画を見るだけなのに!
十分みじめな状況なのに!
ささやかな楽しみすら享受できないのか!
神は!無慈悲か!
そこで私に語りかけてくる声が。
振り替えるとそこには。
トイレの神様がいた。
トイレの神様「トイレはきれいにするんやで」
私は耳を疑った。
トイレは…トイレとはなんだ?
トイレがトイレでトレイがドレインでコナンドイルがコナントイレでトイレがトイレなのか?
トイレとは…?なんなんだ?
そも。
トイレなぞ。
存在しないのではないか?
振り替えるとそこにはトイレの神様はいなかった。
つまり。
トイレなんてなかったのだ。
まやかしである。
私の便意が見せた、一時の悪夢なのだ。
あぶねぇ。
悪魔の囁きにかどわされるところであった。
私は固定概念にとらわれていたのだ。
そう。
ここが。
この座席が。
私の楽園だったのだ―
とまあ、なんやかんやあって便意が収まって、一命をとりとめて、映画が盛り上がってきて、便意も盛り上がってきて、映画がクライマックスで、便意もクライマックスで、なにを俺はしているんだろうと思って、今もなにをしているんだろうと思って、面倒くさくなって、漏らしていないのに体からくさくなって、君の名はって感じになりました。
オチというかその後。
映画が終わり、座席から飛び出した私はすぐさま個室に入り、用を足した。
快便である。
その後、帰ろうとしたら、なんか行き止まりになってました。
立ち入り禁止になってました。
まだ私がいるのに次の上映に向けて封鎖されてました。
どこから出れば良いか迷っているとtoiletっていう謎の部屋が見つかりましたが、なんとかこっそり出られました。
終わり。