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写真はこちらでどぞ。
Troopers Depo:Nation at War:White Star Rising(LnL)/Scenario:Point213@KGG_08(0101)
※写真をクリックするとスライドショーで見ることができます。

さて二戦目は、ぐちーずさん持ち込みの表題作をプレイさせていただきました。
World at Warと同じLock'n Load社のゲームで、タイトルがなんとなく似ている通り、WW2を部隊としている以外基本システムはほぼ共通のシステムを持ったシリーズの一作となります。
西部戦線の著名な戦いがシナリオ化されており、WaW譲りのドハーディーなプレイ感とともに楽しめるシリーズとなっています。
(東部戦線等の他の戦域を扱ったモジュールも出版されているようです)
もう少しシステムについて振れておくとWaWとの差異はミサイル等の長射程兵器がない代わりに、フェイト(戦場の幸運?)ポイントなるものが追加されています。
このポイントは文字通り、ここぞというときにアクティベーションチットを再びカップに戻す、アクション済みマーカーを取り除きリアクション可能にする、ダイスをリロールする、といった自軍にとっての“ラッキー!”を演出するものです。
ぐちーずさん評では、近接航空支援(この時代だとCASではなくTACとかでしょうか)がWaWより凶悪だとのことですが、表題シナリオには残念?ながら登場しません。


1.シナリオの概要

(1)全般
ノルマンディ上陸後でのミハエルヴィットマンとその重戦車大隊によるヴィレルボカージュの戦いを扱ったシナリオでサポート誌の付録として掲載されたもののようです。
マップの中央を通る道を英軍の隊列が進みますが、その先にはエースを擁するVI号戦車の重戦車大隊が待ち構えていました…というシチュエーションです。

両軍の勝利条件は以下のとおりです。
英軍はドイツ軍側マップ端の指定範囲から指定数の部隊を脱出させるか、ヴィットマンを除去すれば勝利となります。
対するドイツ軍は英軍を指定数撃破すれば勝利となります。

両軍の戦力ですが、英軍には斥候のM3初め、クロムウェル、シャーマンといった戦車一個大隊に加え、ハーフトラックに搭乗したPIAT装備の歩兵が二個中隊、さらに牽引砲(6ポンド砲だったか)まで連れた機械化された諸兵科連合の大隊規模部隊です。
対する独軍はVI号戦車三個小隊で内、一個小隊はステップロスしていますが、中隊長のほかにヴィットマンが搭乗しています。
(因みにヴィットマンの能力はDR2/モラル9の指揮官相当)

戦場について見てみます。
英軍が突破しなければならない盤端までは一本道
A4サイズ程度のマップは全般的には平地ですが、森林や畑が点在しており、本シナリオの特別地形となるボカージュがそれらを区切る形で網目のように走っています。
またそうした地形の中央をややクランクしながら道路が通っており、その大半は両脇をボカージュによる“壁”で覆われています。
高低差はないものの障害地形が多く、見通しの悪い地形となっています。

(2)英軍について
兵力では独軍を完全に上回っていますが、道路以外では踏破性が悪い地形ですので、道路以外でドイツ軍と勝負する距離まで近づくまでにはそれなりの時間を要しそうです。
ドイツ軍としては英軍が近づくまでに各個撃破できるポジションを取りたい所ですが、如何せん見通しの悪い地形ですので、油断しているとあっという間に英軍の間合いに取り込まれてしまいそうです。
如何に英軍をアウトレンジ(空間的にではなく機能的にという意味で)のまま自軍キルゾーンに誘導するかがポイントとなりそうです。

(3)ドイツ軍について
数は劣勢で足も非常に遅いのですが、救いはその攻撃能力です。
地形や数の面では機動戦はまずありえませんので、戦端を開く前に如何に効果的な待ち伏せポジションに着けるかで決まりそうです。
なお、勝利条件にはヴィットマンの撃破も入っていますが、多勢ならばいざしらずこの戦力では彼にも最前線で大活躍してもらわねばなりませんので、躊躇せず戦闘に投入します。


2.シチュエーション分析と方針

(1)分析
両者はボード両端におり、ちょうど英軍が抜けるべきマップ端付近にドイツ軍が布陣しています。
英軍は、他のヴィレルボカージュのゲームで見られるように攻撃を受けるまで道路を直進せねばならない、といった“陰謀”ルールがありませんので、英軍はドイツ軍の布陣を見ながら路外へ展開することも可能です。
(ただし味方の突破、という勝利条件を達成するのでしたらそれなりにタイムキーピングが必要です)

(2)ドイツ軍の方針と配置
英軍がそのまま路上をノコノコと進んでくるとは思えません。
壁に「並行した射線は妨害しないヴィレルボカージュの特徴を活かして、英軍の突破エリア付近を死角がないようにカバーします。
またターゲットは戦車を含む対戦車戦力の減殺を図ります。
また
英軍に対して先制を加えることを念頭に位置取りや活性化の

フェイトポイントは、ヴィットマンの実はそこにいなかった!というような消極的な用途ではなく、ドイツ軍が攻勢で連続手番を取れるような目的に使用します。
(もしヴィットマンが撃破されてタイトル通り“Ghost”となるようなことがあれば、拙の失策か敵の効果的攻撃によるものでしょうから投了するつもりでした)


3.プレイの経過

さて、活性化は英軍からとなります。
斥候のM3を先行させますが、ドイツ軍はこちらに気付く間も与えずにスチューアートを撃破。
英軍の後続に反撃の隙を与えません。

やはり英軍は慌てて道路を外れて警戒モードに入ります。
歩兵が下車して道路右側の田園を横一列で捜索、その横をクロムウェルやシャーマンが随伴して、さながら平押しのスチームローラのようです。
先行した戦車の一部がボカージュを使って功名にVI号に接近を試みますが、活性化のアヤなどもあり、この小隊はボカージュから顔を覗かせた所でVI号により鉄塊に変えられてしまいます。

重戦車大隊が陣取るのは英軍突破ポイントを囲むようにめぐらされたボカージュの生け垣の中にある森です。
英軍はまずここを囲むボカージュから一斉に飛び出して飽和攻撃を企図したようです。
しかしVI号は逆に森の反対側から出て待機します。
これで森に潜むことでボカージュを越えてくる英軍からの射撃を受けるリスクを避けて、英軍が森の中に飛び込んできて隣接するまでVI号を視認できない位置に付くことで、英軍後方の視認を受けずに森の中の英軍のみを至近距離で撃破することを目論みます。

英軍はPIATを抱かせた歩兵をVI狩りのために森へ浸透させます。
ドイツ軍の活性後を狙っての飽和攻撃を企図していたのだと思いますが、ドイツ軍は迷わずフェイトポイントを使用して再度活性化を図り、英軍の企図を挫きます。
まさにドイツ軍の狙い通りの状況となった所でVI号が一斉に森の中へ榴弾を放ちます。
後方の戦車の視界外で支援を受けられず森の中で孤立した英軍歩兵はあっという間に無力化されてしまいます。

後方の英軍戦車の一部は、この“屠殺”の隙になおも突破点を囲むボカージュを迂回するようにして突破点へ向かいますが、この部隊も突破エリアを縦深にカバーするよう巧妙に配置されたVI号のスクリーンに引っかかってしまいボカージュを乗り越えようとした所で、次々に被弾、擱座していきます。

遅れて6ポンド砲が街道を走って支援に駆けつけますが、時既に遅く、先行していた歩戦の英軍部隊はほぼ壊滅していました。

…とここで英軍が勝利条件を達成できなくなった所で、協議終了としました。


4.プレイを終えて

プレイ感そのものはWaWをプレイしたばかりでしたので、ルール的にほとんど躓くことなく盤上に集中できました。
チットによる不確実な機動からなるタイムライン構成と戦闘における両者のダイス振りによる丁々発止の攻防のドラマチックさはWaW譲りで健在です。
この中に、WaWにはないフェイトポイントが加わることで、いわゆる“切り札”としてプレイヤーの意思を投影することができるわけで、非常に面白く機能していると感じました。
フェイとポイントをどのタイミングでどのように使うか、はそれぞれにプレイヤーのカラーが出そうで興味深いです。

表題シナリオについてですが、一回のプレイでは判断できないものの導入あるいはシチュエーション重視?シナリオ的位置付けだったのでしょうか、やはり待ち受けるドイツ軍が優位だったかもしれません。

特にただでさえ精強なVI号三個小隊に司令部機能は持たないものの高いDRとモラルを持った“パンツァーリーダー”と司令部がいる編成はチート的といえるくらい強力だと感じました。
このマップ上では英軍の攻め方により多少変わるもののドイツ軍としては英軍を待ち構える良好な位置が概ね見つけやすそうな印象を持ちました。

英軍はどう立ちまわるのがよいかと考えたのですが、拙がプレイしたとしても概ね今回の英軍のような方針となるかと思います。
大方針は“ドイツ軍に撃たれる前に英軍が撃つ”ですが、実際の所一発も被弾せずに独軍を撃つというのは非常に困難だと思われますので、“ドイツ軍が一発撃つ間に英軍が三発撃つ”という辺りを指向することになろうかと思います。
英軍は時間との戦いもあり、あまり重戦車大隊に対する準備周到な攻勢は実施が困難な中で、如何にVI号小隊同士が連携を取れない/取りにくい状態で各個戦闘に持ち込み、かつ波状攻撃により同一ターン中に連続でダメージを与える状況をどう作り出すか?と四苦八苦するのが英軍の要所であり、戦術上の妙味になりそうな気がしました。


5.ルールについて

プレイ中特に疑義を感じるところはありませんでした。


実は拙も所持していながら、対戦の機会が持てていなかった表題作のプレイができて非常によかったです。
ぐちーずさん、ありがとうございました。