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写真はこちらでどぞ。
Troopers Depo:Platoon Commander:India-Pakistan War 1965(Tiny Battle)/Scenario 1:Mighty Indian White Elephant@KGG_08(0101)
※写真をクリックするとスライドショーで見ることができます。

さらに戦術級三昧は続きます。
今度は新興メーカーTiny Battlesから出版されている表題作です。
Platoon Commanderという戦術級のシリーズで既に1980年代欧州/東欧、1950朝鮮戦争のモジュールが出版されています。
実はこれLock'n Loadで先のWaWシリーズ等を手がけたMark Walker氏のデザインによるものです。
ぐちーずさんと拙の一連のプレイは、もはやロックローダー大会というよりマークウォーカー大会という様相を呈してきていますw

カードデッキが1セット付属するDTPハンドメイドライクな出来のコンポーネントは、見た目でちょっと損しているかもしれませんが、そもそもリーズナブルなプライス設定の上にPDFとしてデータ購入もできるということで、実は拙も別モジュールを入手していたのでした。
軽く読んでみたところで、戦闘解決がファイヤパワーにコラムシフトを使用していて、いままでのウォーカー作品と少し毛色が違うなぁと思ったところで塩漬け状態となっていたのですが、今回ぐちーずさんのインストでPlatoon Commanderシステムをプレイできるということで非常に感激しています。


1.シナリオの概要

(1)全般
表題作のモジュールには1965年の印パ戦争を舞台にした5つのシナリオが含まれており、今回はその一つ、1965年8月に行われたパキスタン軍によるカシミール地方での奇襲攻勢を扱ったシナリオをプレイしました。

勝利条件ですが、パキスタン軍はマップ内に点在する市街8箇所についてより多く支配することを企てます。
支配していた市街の多寡により勝利レベルが変わります。

両軍の戦力ですが、パキスタン軍はシャーマン、チャーフィーといった米国性戦車とゲリラからなる一個大隊強の規模の部隊となります。
インド軍は序盤、各市街を守る歩兵のみしか盤上におらず、途中から無反動砲搭載ジープ、AMX-13、PT-76といった雑多な機動兵力が登場し、最終的に一個大隊近い規模の部隊となります。

全般的には山岳地帯であり、高低差がありますが、耕作地や起伏がある地形となっています。
道路は北のKumarからSidfuまで東西に走る運河を東に迂回するように走っており、南北には上記のような耕作地や起伏地を通らねばならず移動効率が悪い地形となっています。

(2)パキスタン軍について
攻撃側となります。
序盤から完全戦力を展開している上に奇襲効果によりカードを最初から4枚持っておける等、序盤でのイニシアチブを持っています。
完全準備下の攻勢ですので二個中隊(8個小隊)あるシャーマンや二個小隊のチャーフィー等まとまった機動戦力を持っており、序盤インド軍が脆弱な間に如何に大きな戦果を得るかがポイントになりそうです。

(3)インド軍について
防御側となります。
序盤は各市街にいる守備隊のみであり機動力もないため、パキスタン軍の攻勢に耐えるのみとなります。
全8ターン中の3ターン目にマップ北西から機動兵力が登場します。
とはいえ、打撃力があるもののMUTT装備のジープやPT-76といった軽装甲車輌となり防御能力はパキスタン軍に対して見劣りします。


2.シチュエーション分析と方針

(1)分析
マップ北端の市街に展開中のパキスタン軍は運河の南北に点在するそれぞれ4つずつの市街を確保せねばなりません。
先にも書いたように道路は東をぐるりと迂回するように通じていますので、道路移動で南の市街へ向かうと市街に到着するまでにインド軍増援が後背に到着することになりそうです。

(2)パキスタン軍の方針と配置
とにかく奇襲効果を最大限に活かすべきだと思いました。
序盤のカードも含めた戦力差を活かして、一気に同時並行的に各市街を攻めることにします。
戦力を分散させることになりますが、それよりもインド軍が対応できない3ターンの時間を有効に活用するべきだろうと判断したわけです。
これは少々損害を受けてもインド軍増援が登場するまでに市街の半分を確保しておき逆に守る立場になれば、インド軍の戦力ならば奪還にそれなりの時間を要することからいくつかの市街をインド軍に取り返されても時間切れで最終的にはパキスタン軍が戦術的勝利を得られるのではないかと考えたからです。
(確保した市街が4〜7なら戦術的勝利、満額の8で決定的勝利)

具体的には、インド軍増援から一番遠い南の4市街の制圧を優先して、北エリアの東部はKumar辺りを確保、封鎖してインド軍増援の全てかいくらかを誘引拘束します。
南はBadalあたりを封鎖線としてUpenda〜Sanghviライン以西を確保する形を最終型として指向します。
もちろん封鎖点であるKumar、Badalで粘ることができればそれでよし、インド軍が運河に沿って西へ進むなら南北から挟撃をかけて反撃戦力を漸減してインド軍の市街奪還能力を奪うことを企図します。
機動兵力以外は足の遅い歩兵となりますので、戦力集中は困難でしょう。
序盤のインド軍歩兵との戦闘以外は、極力インド軍機動兵力をターゲットに攻撃をかけるようにしたいと思います。


3.プレイの経過

ゲームシステム的にどのような展開になるのか全く想像がつきませんが、プレイ開始です。

序盤は、パキスタン軍の独壇場です。
計画通りインド軍が出てくる前に南へ大胆に、東へは慎重に戦力を展開していきます。

戦闘解決システムは全く初めてのものでどのような結果が出るのか未知数のままなのがコワイのですが、ここは自分が立てたプランを信じて進むのみです。
CRTはあるものの相手もダイスを降りますので、そうそう思惑通りの戦果は得られません。

それでもダイス目に助けられてUprndaを制圧、そこから二手にわかれ、部隊の大半は南進を開始します。
歩戦の一個中隊程度がKumar制圧に向かいます。
なんとかインド軍が登場するまでにKumarを抑えることができればここを北の封鎖点にできるのですが、双方が混乱となるなどやや手間取るもののなんとかインド軍の増援前にKumarを抑えることができました。

南でもNishan、Sanghviと戦闘を拡大し、概ね戦果が確認できれば間髪おかずに次の市街へ向かうことでインド軍機動兵力がいない貴重な時間を最大限に使います。
Sidfu、Badalではインド軍の激しい抵抗にあいなかなか制圧ができません。

結局インド軍増援前の攻略は間に合わず、Badalでは後背よりインド軍PT-76等が支援に駆けつけ混戦状態となります。
AMX-13はSaveerの高地上からKumarのパキスタン軍に対して激しい砲撃を加えてきます。
Kumarのパキスタン軍はシャーマンを前進させてAMXとの撃ち合いに応じます。

この隙にインド軍のM151が運河沿いに西進してKumar〜Sanghvi北辺りまで進出を果たします。
やや時間切れとなったパキスタン軍は、そろそろ防戦モードに以降しなければならないのですが、既に混戦状態となっているSidfu、Badalはそのままにするわけにも行かず、そのまま制圧戦闘を続けます。

特にBadalではインド軍増援により戦闘がエスカレーションし、これはこれでインド軍戦力の誘致拘束という意味では成功なのですが、パキスタン軍としてはやや送り込みすぎた戦力をなんとか回収できないものか悩ましい状況となってきていました。

…とここあたり(ターン数では終了間際7ターンまで進みました)で時間切れとなり、協議終了しました。

この瞬間の戦況的にはパキスタン軍が優位ではありますが、最終ターンで支援ができないBadal攻略は恐らく失敗に終わり、北のKumarも失陥の可能性がないわけではなく、当初の目論見通り西方の4市街をなんとか確保できるかどうか、といった結末になったのではないかと思われます。


4.プレイを終えて

小ぶりな作品でビジュアル的にも今風の綺麗なデザイン群の中では若干損している感じがしますが、なかなかどうして興味深い作品でした。
決していままでマークウォーカー氏のシステムの使い回しではなく、違う切り口で小隊戦術級の戦闘を描こうとしています。
WaWもそうでしたが全体のシークエンスについては特に奇をてらったところはなく、移動についてもあっさりしていますが、戦闘解決には並々ならぬこだわりを感じます。

射撃戦闘は火力を元に兵科と射程やその他諸々の修正でコラムシフトを受けたところで命中数が決定されます。
これに対して防御側が回避のダイスを降ってヒット数を減殺して最終的ダメージが決定される、といった流れとなります。
(面倒くさそうに見えますが、実際の判定は双方がダイスをジャララっと降って一発解決です)
複数ユニットの場合は、リードユニット以外は修正役に徹することになります。
さらに突撃戦闘では彼我の突撃値による比率で射撃戦闘同様に命中数が決まります。
突撃では双方に打撃がありますので、それぞれ回避判定を行い戦闘結果を求めます。
一見、高比率戦闘に見えても、ダイス目次第では大どんでん返しが起きることもあるわけです。
射撃、突撃戦闘とも双方にダイスを振らせる、という本作の戦闘解決はやはり盛り上がります。

このように戦闘ディテールを重視した本作ですが、戦闘だけでなくやもするとファイア&ムーブメントの単調な繰り返しになりそうなゲーム進行にカードを持ち込むことでプレイに色とメリハリを付けています。
上記のとおりファイアパワーとコラムシフトで調整したCRTを使うものの、もはやウォーカー節ともいえる“双方ダイス振り”はしっかり残されており、双方が視認距離でドカンドカン撃ち合うという戦術戦闘のカタルシスはきっちり抑えている等、決して●番煎じではない、デザインの“もがき”を感じる作りとなっている点は好感が持てました。


5.ルールについて

パキスタン軍ゲリラについてルール適用を誤っていたようです。
彼らは序盤マップ上には登場せず“ Infiltration”(浸透)のカードによって登場するようです。
手元に大量に残っていたカードがこれでした…(汗
これですと序盤の戦闘でゲリラがいなかった場合、展開がやや変わっていたかもしれません、気付かず申し訳ありませんでした。


まだコンポーネントを作っていないままのモジュールがあるのですが、これは早々に工作して遊んでみたいと思わせる小品で一気に“気になるゲーム”となりました。
ぐちーずさん、またイイものを教えていただきました、ありがとうございます!