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写真はこちらでどぞ。
Troopers Depo:USAAF/WaW004(DG)(0111)
※写真をクリックするとスライドショーで見ることができます。

最終ターン後半です。

南グループの最遠はマンハイム、ミュンヘンですが、独軍は南方へもバランス良く迎撃機を配しており、こちらへ向かった編隊も無視できない損害を受けます。

連合軍としては想定していた規模を上回りつつある損害に焦燥感を感じつつも残った爆撃隊の成果を信じるしかない状態です。
こんな中、独軍に心理的ダメージを与える戦果がありました。
ベルリンへ向かった編隊がほぼ無傷でベルリン上空へ到達し、激しい対空砲火を受けつつも、同市街への大規模な爆撃を成功させます。

結果、爆撃に成功した都市はベルリンを始めハンブルグ、カッセル、キール、マンハイム、ミュンヘンであり、個々の価値を度外視すれば計画した都市の60%程度の成功率に終わりました。
要求された爆撃量に対して10%程度不足していましたが、アナリストの判断で効果があったとみなされました。
また、この交通機関の麻痺の影響は3ヶ月であると判断されました。

★爆撃量-4での判定に成功し、目標システムの破壊と判断されました。
★交通機関へのダメージは戦争終結への効果が大きな合成燃料製造工場に匹敵する程度の価値があります。
★ダイス判定で3ヶ月短縮という望外に大きな戦果が得られました。

以上で全10ターンが終わりゲーム終了となります。

1944年のトータルでの爆撃成果は戦争短縮に5ヶ月程しか寄与せず、連合軍の戦略としては失敗とみなされ独軍の勝利となりました。

★10ヶ月短縮してやっと引き分け、12ヶ月短縮して連合軍の勝利となります。


4.プレイを終えて

最後で大きく追い上げましたが、それでも目標に大きく及ばず連合軍は戦略的に敗北となりました。
序盤以後後半途中までほとんど成果が上げられなかったことを考えれば、それでもここまではいけたことに拍子抜けする感じでした。
試行錯誤した中盤で手堅く戦果を上げることができていれば、ひょっとして最終的には勝利出来たかもしれません。

今回のプレイでは、連合軍は独軍を消耗戦に引きずり込む方がダメージを与えやすい、という印象でしたが、これが妥当なのかどうかは、もう少しプレイしてみないとわかりません。
その他、迎撃と護衛機の戦力比や任務ターン中の爆撃隊の時間差爆撃と迎撃機のローテーションの駆け引き等、ややゲームテクニカルな知見も得られましたが、そこは本作の本旨ではないような感じがしますので割愛します。

ゲームを通してその背景を見聞する過程で感じたいくつかの点について自分なりに整理しておきます。

まずは一番興味深く感じた両軍のスタンスの差異についてです。
まず連合軍としては、奪うべき資源は上級司令部が決定(ランダム)しますので、先にも書いたように爆撃目標の選択肢から目標を選定し爆撃隊を編成し、プランニングするのがプレイヤーの主たる活動となり、その後は出撃した編隊の成り行きを見守るのみとなります。
コースも最短を通るためほぼ選択肢がない任務ターン中に、プレイヤーの決断が下せるのは爆撃隊の損害選択と任務中断の決定くらいとなります。
(一連の任務ターンは一ヶ月の戦役をアブストラクトに再現しているのですが、“発進ヘクス固定+目標まで最短距離で飛行すべし”ですので、いっそのことプランニングにもっと極端にフォーカスして、爆撃の実行はヘクスマップではなくエリアやディスプレイ等を使って処理するという方法も面白そうです)

一方の枢軸軍は準備段階では対空部隊の各都市への配置検討くらいで、任務ターン中により細かな迎撃機運用マネージメントを行うことになります。
連合軍が目的を達成するために規定の爆弾投下量を叩き出さなければならないのに対して、独軍は連合軍の戦果達成の妨害すればよいので、全域をカバーするのではなくピンポイントで必要十分な連合軍の爆撃を阻止することに注力することになります。
他の地域では大きな損害を受けることになるかもしれませんが、それにより連合軍の目的を阻止するという戦略的ソークオフを成立させるべく対空砲火網の配置と効果的な迎撃を行えばいいわけです。

広域をカバーしなければならない連合軍とピンポイントで連合軍の計画を阻止する独軍、といった構図はなんだかVictory at Seaの戦略海軍と戦術海軍の戦いを彷彿とさせるものがありました。

次に本作の特徴的な部分のひとつだと思う連合軍の爆撃成果を判定する目標システムについてです。

プレイ前に書いたように勝利条件は戦争終結時期が如何に早まったか、で評価されますが、対象となる資源/システムの爆撃による効果の得やすさと、得られた効果からダイス判定する戦争終結時期の短縮度が一致しないところが、これまたミソとなっています。
例えば航空機工場は敵迎撃システムを麻痺させますが戦争終結にはほとんど寄与しないとか、恐怖爆撃は逆に効率も悪くかえって終結時期を伸ばす可能性もあるといった感じです。
因みにチャート上では化学工場、発電所、合成燃料工場、交通網が継戦力を奪うのに効果的、との評価となっています。
このチャートの重み付け(特に無差別爆撃への低評価等)を眺めていると前任者のエイカーやドゥーリットルの“米軍は戦争経済システムの精密爆撃を是とする”という方針にも合致していてこの点についても非常に興味深いものがあります。

なおタイトルが“USAAF”なので致し方ないところですが、英軍との戦略爆撃の方針の違いや功名争い等は再現されませんし、ゲームが扱う期間的に米軍がサンダークラップ作戦辺りから無差別爆撃やむなしに舵を切っていく流れを俯瞰することはできません。

総じて全体としてはゲーム的な派手な展開はなく、プランニングにたっぷりと時間をかけてあとは多少の現場微調整はあるものの大半は成り行きを見守る、といった展開が表題作のプレイスタイルになろうかと思いますが、この辺りは本作に求めるものの違いで評価が分かれそうな気がします。
しかし、個人的には、あまり馴染みのない分野であり、フォーカスと抽象化の具合がなんとも心に引っかかるものがありいろいろと発見がありそうで、またプレイしてみたいところです。


5.ルールについて

ルールで一点、独空軍の撤退は連合軍の移動後に行うのですが、シークエンス上独軍はその連合軍移動前に受けるフリー護衛の飛行場襲撃を回避できません。
このため“独空軍の撤退”ルールの効果や運用法がイマイチ見えませんでした。
(これがフリー護衛襲撃の前なら、独軍はそのターンの迎撃任務の消極化で戦力を温存、という駆け引きができますが…)

その他プレイ中に生じた疑義です。

Q:6.1項でFLAK攻撃の戦闘結果で自軍への損害が出た場合、どう処理するのか?
A:和訳では省略されているが、5.0項のフリー護衛機による飛行場空襲と同様に任務にあてた戦闘機から持ち主の選択で損害を出すものとなっている。