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写真はこちらでどぞ。
Troopers Depo:Pocket Imperium(LudiCreations)@KGG_09(0101)
※写真をクリックするとスライドショーで見ることができます。

N黒さんのブログにもあるように先週末にゲームをご一緒させていただきました。
完走、途中下車含め5タイトルを午後から夜まで遊び尽くすという至福な時間を過ごすことができました。

どこまで書けるかわかりませんが、1タイトルずつ思い出しながら記録にまとめていこうと思います。

まずは表題作。
プレイ前より周辺のTL上でにわかに盛り上がっていたのですが、元はフリーのPnPゲーム(拙はそちらを所有していました)のようですが、リデザインされたものがボックスゲームとして2013年、2015年と出版されており拡張もあるようです。
今回プレイしたのはその中の2015年出版の英語版第二版となります。

非常にざっくりまとめれば、基本はランダムなマップ上での陣取りで、プレイ人数に応じた規定ラウンド毎にアクションを行って効果的に星系を支配してVPをより多く得ることが目的となります。
VPもよくあるように3種類ある星系毎に点数が決められており、これらを一定のルールの元で合計していく、というオーソドックスなものです。

しかし、以下の点で特徴的なゲームとなっています。

1.ラウンドで行える三種類のアクションの順番を各プレイヤーがカードでプロットすること。
これにより1ラウンド中に3回のサブフェイズが行われますが、各プレイヤーは自身のアクション順を事前に決定した順に行わなければならず、計画性と相手との駆け引き(各プレイヤー共、同じ3枚のカードを持っており、それぞれに行いたいアクション順をプロットしています)が生じます。

2.アクション毎の実行優先順とプレイヤーの手番(時計回り)で手番がランダムに変わること。
サブフェイズ中に場に出されたカードの各アクション(3種類)にはそれぞれ実行優先順があり、カードの種類順>いわゆる時計回りのプレイ順という優先順で手番が実行されます。
つまり、やりたいことが必ずしも自分の思うタイミングで出来るわけではなくなるためカードのプロット時に戦略を要求されることになります。

3.同じサブフェイズ中に同種のアクションを行うプレイヤーが多いほどアクションの効果が低下する。
競馬の配当のような感じで、同タイミングで同種のアクションを行う人が多いほど、その効果が低下していきます。
例えば、ある手番で開拓アクションを行うプレイヤーが1人なら3艦隊を移動させることができますが、2人いた場合2艦隊、3人いれば1艦隊という具合です。

4.星系に艦隊を置いているだけでVPは取れない。
表題作は得点フェイズを単なるハウスキーピングで済ましておらず、やはり駆け引きが影響するようになっています。
VPは自分が艦隊にて星系を占領しているタイル(1ヘクスのその周辺の6ヘクスからなる単位の小分けマップで、ウォーゲーマーの方なら“メガヘクス”でも通じるかもしれません)を順に1枚ずつ選択していきます。
その1枚に含まれる自身が占領する星系と他のプレイヤーの占領する星系に応じてそれぞれのプレイヤーにVPが渡ります。
ですから自分にとって高得点が得られるタイルでも、他のプレイヤーにも得点が入ることで総合的に他者を利する場合もあり、迂闊にタイルを選択できないジレンマが生じます。
また、自分の意志で選択できるタイルは1枚のみですから、他のプレイヤーがどのタイルを選ぶのか等プレイヤー間で読みや駆け引きが生じます。
加えてマップ中央に置かれるタイルはワームホールともいうべきもので、移動時には距離的なショートカットとなるのですが、ここを支配することでタイルを追加1枚選択できる特典を得ます。
つまり他陣営より多くVP源を得ることになるためこのタイルの確保も視野に入れておかねばなりません。
(ただ一点、ラウンド終了時のタイル及びタイル上の艦隊コマの扱いがややわかりにくく感じました)
さらに最終ラウンドでは全マップ上の支配星系が集計されるため、序盤では特定のタイルを占有しているだけでもVPは得られますが、終盤はできるだけ広範囲に進出した方が有利となり、自然に拡大方針を促す仕掛けとなっています。
(もちろん“孤立主義+他陣営攻撃による拡大妨害”等、それ以外の方針もありです)

こうしてプレイヤーは自分が当初プロットしたときの思惑通り得点できる保証がない“ままならなさ度”が非常に高い状況下で自陣営の版図を広げるための策をめぐらせ銀河に飛び出していくことになるわけです。

ちなみに今回の二人プレイではカードセットを2セット持ってプレイしますので1ラウンド中に6手番プレイできることになります。
通常の2ラウンド毎に1回集計を行う感じですが、実際は同じカードを連続してプレイする、所謂ダブルムーブも可能となりますので、展開のスピードや派手さという点で3,4人プレイとはまた違った印象だと思います。
(恐らく衝突が早期に発生しやすくなり、よりカオティックな展開になるかと思われますので、機会があればぜひプレイしてみたいところです)

さて、肝心のプレイですが、手探りプレイでしたのであまりプレイの参考にはならないと思いますが、簡単にまとめておきます。
標準6ラウンドの二人ゲームは、双方自陣に近い側に展開してのスタートとなりましたが、カードが2セットずつあるため艦隊の拡張〜展開は思いのほか速いものでした。
ゲーム前半は艦隊の生産とそれらを各タイル上に空いた星系の支配に差し向けるというアクションが中心となりました。
このあたりは移動時に中央タイルをもっと活用できればよかったかも知れません。
しかし、戦闘が起きないから退屈かといえば、相手のタイルにうまく浸透することで得点時に棚ぼた式にVPを得ることができますので、ラウンドが進み両陣営が接触した境界部分ではそうしたムーブが随所で行われるようになります。
終盤ではそろそろ無血占領による領土拡大の限界に達した双方が辺境の星系を含むタイルを巡って数カ所で戦闘状態に入ります。
殲滅コマンドによる戦闘は終盤にわずかに生起したのみでしたが、これら戦役の終結でゲームが終了し最終的なVPの算定となります。
今回は合計VPでTORO帝国を上回るN黒帝国が銀河宇宙に覇を唱え勝利しました。

二人プレイ&ルール読みながらお試し初プレイですのでやや予定調和的に進んだきらいがありますが、プレイして感じた点をまとめてみます。

まず“時間”というリソースが一番不足しており思うようなペースで進まない、ということです。
もちろん3つのカード(アクション)はいずれも全て実行できるのですが、無思慮にカードをプロットしても3(あるいは6)手番では案外何もできず、本来重点を置きたいアクションのためには他のアクションが少々無駄になってもよいというくらいプロットに気を使わないとクリティカルな局面で他陣営を出し抜くことは難しいかもしれません。
つまるところ、いかに開始前の艦隊配置に始まり各ラウンド中の手番を最大限に活用して拡大と妨害(多分コレ大事!)を行うか、がキモとなりそうです。

次に、プロットからアクションそして得点集計に至るまで“混沌”が全てダイスなしで演出されているという点です。
このゲームの随所に仕込まれたエフェクトを味わうにつけ、実はこの部分が一番琴線に触れました。
(確かにゲームエンジンとなるカードがありますが各プレイヤーがコントロールするのはたった3種3枚のカードのみです)
ただし、どうしてもダイスを振りたい!という拙のようなゲーマーのために(?)デザイナー自らが“殲滅”コマンド実行時の戦闘をダイスで判定するルールをBGGのフォーラムにて公開されていますので導入してみても面白いでしょう。
(殲滅コマンドの処理が若干煩雑になる分、プレイ時間は長くなりますが…)

まとめると“コンパクトかつシンプルながら洗練されたシステムで混沌を演出しているゲーム”という印象で非常に魅力的に感じました。

なお、表題作の入手についてですが、先日の神戸のゲームマーケットでも販売されていたと聞きていますし、国内でも購入できるサイトがいくつか引っかかりますので、国内でも和訳付きで入手できるかもしれません。
最新版ではない(Ver0.18)ようですが製品版(今回プレイしたもの)の和訳がBGGにて入手可能ですので、海外から直接購入して上記和訳を参考に不明点があれば原文にあたる、という方法でもプレイできるかと思います。