tumblr_oo4vywIO4D1rcrybbo1_1280

写真はこちらでどぞ。
Troopers Depo:わが青春のアルカディア(バンダイ)@KGG_09(0101)
※写真をクリックするとスライドショーで見ることができます。

さて、期せずしてほとんどSF(1936:What If?も広義にはSFですね…)大会となったのですが、二番目にプレイしたのが表題作です。
これも事前にやりましょう!ということで準備していましたが、持ち主である拙が事前に序盤しかプレイできておらず、半分くらいはまたまたルールを読みながらの論考プレイとなりました(汗。

テーマは1982年に公開された映画を元にバンダイが出版したものですが、今見てもかなりシステムが斬新で、恐らく年代的に第一次ウォーゲームブーム?が始まった頃であったであろう当時、いわゆるヘクスマップ(一応ありますが…w)でもなく、対称型シークエンスでもない表題作がどのような評価をされたのかは興味があるところです。
映画のストーリーがわからないとピンと来にくいかと思いますが、ざくっとまとめてみます。

遠い未来(30世紀頃?)、外宇宙へ進出した地球人は異星人イルミダスの攻撃を受け、地球は占領されてしまいます。
地球には傀儡政権が誕生し、イルミダス人指揮官と同じくイルミダスの被占領星トカーガ人の部隊により管理されていました。
しかし、地球人の中には地下へ潜ってイルミダスへの抵抗を続ける者もおり、ハーロックもその一人でした。
抵抗運動を続ける中でトチローと彼が作ったアルカディア号に乗り、同じく宇宙海賊のエメラルダスと共にイルミダスへの反旗を翻し、母星を人質とされた同じ境遇のトカーガ人も味方につけてトカーガと地球奪還を図るが…

という感じです。

コンポーネントは地球と宇宙に大きく分けられたポイントトゥポイントのマップに数種類のカードとカウンター(マーカーはターンマーカー他少なめです)となり、システムは非対称カードドリブン?となります。
プレイシークエンスの大きな流れは、
・レジスタンスの補充
・イルミダス軍アクション
・レジスタンス側アクション
・トチローの出現判定
・トカーガ爆破司令判定
という感じになっています。

レジスタンスはターン開始時に手札に加えて“自由アルカディアの声”という地下放送のカードをドローしますが、このカードが許せば初めて増援や移動、戦闘を行えます。
(ただしハーロック等のキャラはカードフリーにアクションが行えます)

一方のイルミダスは指揮官(いわゆるキャラ)が率いることで自由にアクションが行えます。
アクションとして行える移動や戦闘、戦闘前の捜索等は全て所要時間(時間単位)が設定されており、1ターン10時間を使ってこれらのアクションを組み合わせて実行していきます。
各ポイント間のパスには移動時間が、各ポイントには捜索時間が個別に記載されており、人混みと野外におけるアクションコストの違いが演出されています。
(プレイした印象では1ターンあたり2アクション程度しか実行できないイメージでした)

勝利条件ですが、これはイルミダス側にのみ提示され、レジスタンス側はそれを妨害すれば勝利となります。
面白いのはイルミダス側の勝利条件は4枚のカードからランダムに選択され、地球の平定、レジスタンス首謀(つまりハーロック一味)の捕縛/殺害や、はたまたレジスタンスのアイコンである艦船(アルカディア号とクイーン・エメラルダス号)の破壊であったりと条件は様々な点です。
これら勝利条件によりイルミダス側の動き方も大きく変わってきますが、レジスタンス側も的確な対応を行うためにイルミダスの目的を見極めることが序盤の重要な目的となってきます。

さらにこの勝利条件に絡んで興味深いのは「レジスタンス首謀の捕縛/殺害」や「アルカディア号とクイーン・エメラルダス号の破壊」が条件であった場合、ランダムに現れるトチローがハーロック達と合流するまで泳がせておかねばならない(アルカディア号もトチローがハーロックに会って初めて姿を現します)等、イルミダス側は序盤から勝利条件を目指して全力投球するわけにはいかない状況が生じる点です。
逆に「地球平定」が条件であった場合はイルミダス側は序盤から苛烈なレジスタンス狩りを指向することもありえます。

一方のレジスタンス側は、後半トカーガ星からミラを救い出すことでトカーガ人勢力を味方に引き入れることができますので、後半の展開を考えるとトカーガ人部隊とのガチ殲滅戦は避けたいとも考えるでしょう。

このようにイルミダスの勝利条件や双方の優劣により、状況が徐々にエスカレートしていったり序盤から激戦展開となったりと、いろいろな様相を見せうる点も非常に面白い点です。

このように現在の目で見てもかなり個性的な要素が詰まっており、初見ではかなり理解するのに手間取りましたが、なんとかプレイ開始です。
今回は、N黒さんがレジスタンス側を、拙がイルミダス側を担当します。
初期配置はイルミダス側はほぼ固定、レジスタンス側もイニシャルで引いた“自由アルカディアの声”カード2枚を元手にレジスタンスの配置を行います。
(キャラクターは固定ですが、任意でダミーを混ぜることができますので、位置を隠匿できます)

いよいよプレイ開始。
序盤、レジスタンス側は地下放送により闘士の動員に努めます。

★ターン開始時にレジスタンスは全てのアクションのリソースとなる“自由アルカディアの声”放送カードをドローしますが、カードの効果を使用する際には実際にカードの放送内容を読み上げる(!)という凝りようです。
★さらに放送の声の主であるレジスタンスの女性指導者であるマーヤのどれだけ近くにイルミダスがいるかで、放送文の太字だけ読む/全文を読む等の差を付けることでイルミダス側にマーヤの位置やレジスタンス側アクションの内容を推理させる余地を設けるといった演出まであります。
(まさに「…聴こえ…ますか…今…あなたの…語りかけています…」の世界!w)
★ルールブックにはイルミダス側に事前にカードの内容を一覧して内容を把握しておくように、とのコメントもありますが、とてもではないですが初見でそのようなカウンティングができませんでしたw

イルミダス側はトカーガ人のゾル、ヘリクレスに制圧車を指揮させてあやしい輩が出入りしているであろうレストラン辺りの捜索に向かわせます。

★この移動/捜索所要時間の設定が絶妙で怪しい場所では移動して捜索〜戦闘が一度に行いにくような値となっています。

レストランゾーンにいると思われたハーロックはいち早くそこを離れており、シティゾーン等でレジスタンス部隊の編成を行っていました。

★移動/戦闘カードが序盤なかなか回ってこなかったのも一員のようでした。

この間にも人間嫌いのトチローは狙ったかのように誰もいないゾーンに現れてはまた行方をくらますという動きでハーロック達となかなか接触できません。

★原作では地球上で抵抗活動を続けるハーロックを含むレジスタンス側がトチローと出会い、アルカディア号を託され、トチロー経由でエメラルダスとも知り合う…という流れを演出するのがトチローフェイズで、トチローがランダムでどこかのポイントに現れます。
★同じ場所には一度しか現れないため最終的には場所が絞られくるのですが、彼と出会わないことにはアルカディア号を入手できないため、序盤レジスタンス側はイルミダス側に鎮圧されないように適度にイルミダス側戦力を漸減するために襲撃を行いつつ、トチローとの接触を図るためにハーロックをウロウロさせることになりますが、今回、皆を避けるように現れるトチローにハーロック達はかなり翻弄されたようです。

そうこうしている内にイルミダス側に補足されたレジスタンスがイルミダス側の襲撃を受けるなど空港周辺で数回の戦闘が発生しますが、イルミダス側の対応が不味く一番重要な空港を逆にレジスタンスに制圧されるなど劣勢となります。

★戦闘ですが、処理が非常に独特です。
★ダイスは使わずカードを使用しますが、まず捜索に成功しなければなりません。
★捜索結果はカードにより判定しますが、規模だけを回答すればよかったり、具体的な編成まで回答しなくてはならない場合や逆に全く嘘の情報を与えてもよい等、いろいろな結果があり、イルミダス側はこれを元に攻撃を行うか、別のアクションを行うかを判断しますので、捜索結果はなかなか無視できないものがあります。
★戦闘はドローした戦闘カードの数値に自軍ユニット数(=戦力)やキャラの指揮修正を加味した値が敵への損害となります。
★これを攻撃側から交互に実施、損害は即適用しながらどちらかが全滅または撤退するまで続けます。
★面白いのはカードの取扱いで、序盤戦闘カードは全てイルミダスが持っています。
★これを使用すると捨札となるのですが、レジスタンス側はこの捨札から戦闘カードをドローしますので、まずはイルミダス側が戦闘を行わないとレジスタンス側にはドローする山札がない、ということになります。
★そしてレジスタンス側が使用した戦闘カードは再びイルミダス側山札へと戻るという処理が行われます。
★恐らくこれは「奪ったイルミダス側の武器弾薬を備蓄して使用している」ことを再現しているのでは?と思われますが定かではありません。
★また、この処理も拙がルールを読む限りの解釈で、当日のプレイではカードがなければイルミダス側の山札から引いていました。
★いずれにせよ、単にカードをランダマイザ代わりに使うだけではなく循環させて補給やイニシアチブの概念をなんとなく演出しているのには驚かされました。

勝利に酔うレジスタンス側ですが、地球上での抵抗運動が成功している間に、トカーガ人部隊の手ぬるさに業を煮やしたイルミダス本星によるトカーガ星爆破が決定されます。

★ターンレコードトラックに記載された値を元にトカーガ星の爆破指令が出されたか否かを判定しますが、この値は徐々に成功率が高くなるように変化していきます。
★判定フェイズでトカーガ星爆破命令が出ると、再びダイスを振って実際のトカーガ星爆破ターンを決定(1〜6ターン後)します。
★こうしてトカーガ星爆破が行われると、そこで再びダイスを振ってゲーム終了ターンを判定(1〜6ターン後)します。
★トカーガ星爆破は特に勝利条件を課せられているイルミダス側にとってプレッシャーとなると思われます。

こうして地球上に覇権されているトカーガ人部隊に動揺が走ったときでした。
トチローがハーロック達の前に現れ、アルカディア号が処刑場付近に埋められていることが告げられます。
クイーン・エメラルダス号を残してハーロック達と行動をともにしていたエメラルダスもハーロックが乗るアルカディア号とともにトカーガ星へ向かうためにクイーン・エメラルダス号が隠された出会いの丘へ向かいます。

…といったところで協議終了しました。
イルミダス側の完敗といったところですが、イルミダス側が序盤でやや守勢に入ってしまい増殖するレジスタンス側を細めに狩れなかった点や“自由アルカディアの声”カードの処理で誤りがあり(レジスタンス側はやはり1ターンに動員/移動/攻撃/戦闘カード取得のいずれか1アクションしかできない)レジスタンス側アクションの自由度が高かったことなどもあるようです。

この後、アルカディア号とクィーン・エメラルダス号とそれを追うゼーダが乗るスターザット及びイルミダス艦隊との宇宙戦となりますが、基本は地上戦と同じ処理方法となります。
ただし艦船は耐久力を持っており、複数の損害を受けることでき、それなりの打撃戦となります。
また戦闘終了後、地球上に戻ることで損傷した艦の修理を行うことができます。

さらに上級ルールでは、地上戦や宇宙戦を戦術ボード上で詳細なルールにて処理できます。
地上戦では、戦闘が発生したゾーンに応じてレジスタンス側が選んだ複数のマップからイルミダスがランダムに選択したヘクスマップ上で射撃なり白兵戦を行います。
(なんとLOSルールまであります!w)
また宇宙戦ではプロットこそないものの射界が設定されたり、射撃戦においては命中箇所が複数種に別れ、その箇所により攻撃/移動力に影響が出る等、ダメージ処理が詳細になっている他、アボルダージュも可能など、それぞれ1P程ですが、かなり詳細な戦闘が可能となっています。
ただし、デザイナーも書いているようにこれらはメインゲームには組み込まないほうがストーリーの展開のテンポを損なわないのでよいかと思います。
戦術戦闘ルールは単独でもプレイできますので、適当な編成を使っていずれプレイしてみたいと思います。

ルールの記述やブラッシュアップが必要でしょうが、斬新なシステムと原作のフレーバーをできるだけスマートにかつ最大限に盛り込もうとした跡が見える表題作は、今現在の目で見てもグっとくるものがあります。

今回のプレイでルールがかなりクリアとなりましたので、上級ルールも含めて再度じっくりトライしてみたいと思います。