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Troopers Depo:SOMALI PIRATES/MODERN WAR 003(DG)(106)


★既に海賊側を武力で制圧して多国籍軍が勝利したのですが、ここで既に攻撃予定であった部隊の戦闘も解決してみたいと思います。

南ソマリアではMOGADISHU中心部にて統合任務部隊と米海軍による共同攻撃が行われ海賊側拠点を破壊することに成功。
またその北東沿岸XARARDHEERYEに潜伏するアル・カイーダに対し米海軍航空機によるスタンドオフ攻撃が行われ、アジトごとテトリストを粉砕します。
ここ南ソマリアの戦闘では多国籍軍が9NPに相当する戦果を得ます。

一方、プントランド北では初参戦の中国軍が早々に戦闘を開始。
DHAROOR油田地帯に潜伏中の海賊側民兵に対し、その潜伏先にコマンドと空挺が突入し、民兵を殲滅します。
またアデン湾西方でもうまく偽装して多国籍軍をやりすごしていた海賊船団を中国軍の海上部隊と航空機による問答無用の攻撃で一気に潰滅させます。
ここでも多国籍軍は15NP相当の戦果を獲得しますが、この苛烈な戦い方が世論の反発を招き、海賊側に6NP献上に等しい名声損失となりました。

★中国軍の特徴は通常必要な"ISR"ネットウォーチットを使わずにキネティック戦闘に持ち込むことが可能なことです。
★つまり一般住民がいるようなエリアでも平気でドンパチを始めるというややステレオタイプな演出となっています。

4.プレイを終えて

非常に興味深いシステムでした。

非戦闘地域に浸透して武力だけでは倒せなくなった敵との戦いを再現するためのオープン/アンダーグラウンドというレイヤー的発想と、他の現代戦でもよく使用されるネットワークポイントを勝敗の物差しとすることで、武力優勢のみが勝利につながるとは限らないという状況をうまく再現できていると思います。

ただし今回のプレイでは、海賊側が海上での勢力を失い始めると急激にネットワークポイント上ジリ貧となり、逆に多国籍軍側にそれがたまりだすとその差は開く一方となりNATO軍は出る幕もなく多国籍軍が勝利したという展開となりました。
海賊側はエリア支配による高ネットワークポイント獲得に執着しすぎたかもしれません。
海賊側は土地を捨ててゲリラ戦で多国籍軍の損害によるNP獲得が効果的だと思われますが、多国籍軍のゾーン支配による獲得NPを阻止するためには、ある程度ゾーン支配も行うほうがよいと思われます。
具体的にどうするとはいえないのですが、そもそも戦力面で不利な海賊側は“自分は勝てないけど相手にも勝たせない”戦い方を指向すべきであったかと思われます。

そうした視点でよりシビアなマネージメントが要求されるであろう海賊側の立ち回り方を主に考えてみます。

●UN
・ゾーンの支配
・キネティック戦闘で攻撃側としてOK/EA/VAの結果を得る
・キネティック戦闘で防御側としてMDの結果を得る
・非対称戦でHVTを実行してSの結果を得る

●海賊
・ゾーンの支配
・キネティック戦闘で攻撃側としてIA/OK/EA/VAの結果を得る
・キネティック戦闘で防御側としてMDの結果を得る
・非対称戦で海上強襲/テロ攻撃を実行してSの結果を得る
・非対称戦にてUAV攻撃にてFの結果を得る

上記が両陣営のネットウォー・ポイントの獲得手段となります。
実際は各手段で獲得できるポイントに幅があるものの海賊側としては非対称戦、特に海賊行為が効率的であった印象です。
確かに獲得ポイントがダイス決定のため振り幅がありますが、海賊船をその後の多国籍軍との戦闘で失っても再建を繰り返してでも平均的には内陸部の戦闘でゾーン支配をするよりも“旨味”があるように感じます。
(文字通りソマリア海賊が主役となるわけです)

ただし、海賊船を“生産”するにはいずれかの港湾に海賊側拠点(基地)が必要となりますので、望まざるとも内陸でのゾーン支配(基地を建設するため)が必須となり、海賊側としては“割の合わない”活動も要求されるわけですが、ここで登場するのがアル・カーイダとなります。
神出鬼没でありテロ攻撃等の特殊能力を持つ彼らは内陸部で多国籍軍を翻弄あるいは直接的ダメージを与え得る存在となり、恐らく目的は違いますが相互にWin-Winな補完関係を構築できます。
こうして序盤安価な海賊の経営でゲームが開始された後、多国籍軍がまだゾーン支配を確立する前に獲得したネットワークポイントを使って高価ですがアル・カーイダ勢力をリクルートしてくる…という展開は実際にイスラム原理主義勢力がソマリア海賊に付け入ろうとした史実や、本誌記事が想定した仮想設定に近い展開にうまく誘導されているように思います。

話は戻って、拙が考える海賊側の“勝てないけど勝たせない”戦略は、ゲーム上においては、極力ローリスク・ハイリターンな手法を中心に回しつつ、アル・カーイダ等による撹乱戦を用いて多国籍軍に多方面作戦を強いる、という作戦と、“叩かれればアンダーグラウンドに潜り、いなくなればまたオープンに出てきて活性化する”という、いわゆるskulkingの繰り返しで多国籍軍リソースの浪費を強いる戦術により、戦況を閉塞的状況に陥らせてネットワークポイント上も大差を付けずにゲーム終了に持ち込む、イメージです。

かなり消極的なプレイですが、イタチごっこに持ち込むことでゲーム後半(最大12ターン)にはダレるかもしれませんが、優勢である多国籍軍側の継戦意志を挫き(=ゲーム継続を諦めさせて)、それで得たボーナスポイントを加えて僅差での勝負に持ち込む、というのはある意味現実をうまく再現しているとも言えるかもしれません。

一方の多国籍軍は、順当にゾーン支配などでネットワークポイントが増加していきますので、多種多様な陣営をリクルートし続けていけばよいでしょう。
また、キネティック戦闘は可能な限りアウトレンジ攻撃を指向し、逃してアンダーグラウンドに逃げ込まれないよう一撃で勝負を決めるような戦い方が求められるでしょう。
キネティック戦闘力では圧倒的に勝りますが、損害を出すと大きなネットワークポイントを海賊側に献上することになりますので、注意が必要です。
海賊船に対しては海上での制圧活動もさることながら、港湾に海賊側拠点を作らせないようにすることで海賊船を生産?できないようにするといった戦略も重要となります。

それから多岐にわたる選択ルールですが、これらは全て採用した方が面白いと思います。
例えばロジスティックスのルールは多国籍軍のアクションに大きな制約が課されます。
これにより多国籍軍はソマリアへの基地構築およびネットワーク化を考慮せざるをえなくなり、単に海賊のモグラ叩きだけでは済まなくなります。
ただし基地も数が限られているため、“アフリカの角”の全域をつなぐことはできませんので、どこに重点を置くかといった決断も迫られます。

毛色が変わっている上に、できることが沢山あり、それらがどう作用して…というのが見通しにくいのですが、そうしたカオティックな所がまた表題作の魅力かもしれません。

5.ルールについて

多少ルール中に齟齬が見られたり、国内で添付されている和訳に誤記や訳出漏れが見られましたので、フォローできる範囲でまとめておきます。

■Consimのフォーラムに挙げられているエラータ

2.11 歩兵のシンボルは空中移動(距離無制限)が可能なユニットを意味します。

2.12、2.13および2.14(省略):ユニットタイプチャートは除外されました。
これはオンラインで公開されます。

次の航空ユニットは「C」(艦載機)と誤って記載されています。
・7段目の3、4、5、6番目のカウンタ(具体的にはUSAFCOMの航空ユニット×4)
・9段目の6、7、8番目のカウンタ(具体的にはNATOのハリヤーとF35のシルエットの2ユニットと中国軍のC航空ユニット×1)
これらは爆撃機のユニットで、"S"と記載されるべきです。

3.0 E)1)(追加)このステップで海賊は基地を選択することもできます(ポイント不要)。

3.0 E)3)(明確化)海賊の基地等への言及は、この時点で追加の基地とユニットを購入できることを意味します。

4.0 プレイシーケンス
(6a)延長された紛争フェイズ
多国籍軍プレイヤーは、シナリオを続けるかどうかを決断します。

(1)シナリオを続けるために、多国籍軍プレイヤーは、現在のターン数と等しい数のネットウォー・ポイントを消費しなければなりません。

(2)シナリオを終了するには、多国籍軍プレイヤーが単にそれを宣言します(ポイントは消費しません)。
また多国籍軍が消費するための十分なネットウォー・ポイントを持っていない場合もシナリオは終了します。

(3)多国籍軍プレイヤーがシナリオを終了することを決定した場合(またはそれを延長するポイントがなかった場合)、海賊プレイヤーは、現在のターン数と等しい数のネットウォー・ポイントを消費してシナリオを続けることができます。
例:第2ターンの終わりに、多国籍軍プレイヤーはゲームを続けるためにネットウォー・ポイントを2ポイント消費することになります。

7.10(明確化):"海賊ユニットが1個以上存在するオープン・エリアに進入したら、そこで停止しなければなりません。"の文を無視します。
ユニットが移動を停止しなければならない状況については、移動ルールを参照してください。

11.4 (明確化)地上移動:「オープン状態」への言及は、地下ボックスにない敵ユニットを意味します。
これは、オープン地形を指すものではありません。

11.7 (明確化)航空移動:無限大のシンボルを持つユニットは、移動距離に制限がありません。

■上記以外のプレイ中の疑義について

Q:海賊側のMothershiopはAttack Shipをいくつ海輸できるのか?
A:明記されていないので数に制限はないものとする(「同一派閥のみ」とあるため最大4ユニット)。

Q:[18.2]項で海ゾーンの支配には陸ゾーンのように“オープン状態である”との制限はないのか?
A:明記されていないが陸ゾーンに準じるものとする。

Q:CJTFHOAのAVGの海輸能力はどうなるか?
A:明記されていないが、おそらく米海軍の派遣したLHD-4 Boxerを指していると考えられるのでUS上陸戦闘群と同様とする。

Q:非対称戦闘の"F"等で除去されたユニットのNPは相手に献上となるのか?
A:[15.6]項より献上となると考える。

Q:多国籍軍が初期配置可能なAden Baseとはどこにあるのか?
A:マップ上にはないため無視するものとする。

Q:移動フェイズ終了後に同じゾーンのオープン状態に両陣営のユニットがいた場合、非対称戦闘を行えるか?
A:[12.0]項では「キネティック戦闘が発生する」とあるが[15.7]項の海上強襲やテロ攻撃は上記のような状態を想定して書かれており、選択可能ならキネティック/非対称戦闘を行えるものと考える。

Q:ネットウォー・チットの使用タイミングは指定されているフェイズのどの段階でも可能か?
A:ルールで指定されていなければ可能と考える。

Q:選択ルール[31.0]項フル・スペクトラム・ドミナンスは同一戦闘中に複数実行できるか?
A:明記されていないので条件が整えば可能と考える。