tumblr_p0pvmjjCJG1rcrybbo4_1280

その他の写真はこちらから。
Troopers Depo:戦車戦カードゲーム(同人)@KGG_11(0101)


今回のプチKGGの直前にデザイナーであるN黒さんのブログやツィート等でアナウンスされていた表題ゲームをお願いをしてプレイさせていただきました。

1.ゲームの概要

(1)全般
製品版ではないためパブリッシャからなされるであろう公式な発表を待ちたいと思いますが、ひとこと?でいえば「東部戦線後期を舞台に戦車を中心とした戦場をカードゲームとして再現しており、プレイヤーは戦車の性能だけでなく戦車/対戦車戦術を駆使して敵戦車の突破を防ぐとともに自軍戦車による敵戦線突破を図りつつ敵継戦能力を奪うことを目的とする」というゲームといえます。

登場する両軍の装備からは1944年〜の東部戦線中〜末期の戦場を想定されていると思われます。
その時期の東部戦線の独ソ両軍の装甲車両に興味がある方にはそれだけでも魅力的に映るでしょうが、インスト時に拙が一番惹かれたのはやはり戦線という概念と戦車性能に頼らず各種戦術の組み方が戦況を大きく左右する点です。

システムについては、デザイナー氏自身が具体的に紹介されているこちら(せんしゃせん!)を参照ください。


2.シチュエーション分析と方針

(1)分析
独ソそれぞれ内容が違う山札が用意されており、ここから規定のポイントでデッキを構築することになりますが、有利なカードのみで固めるとデッキの枚数が少なくなり、短期的には大立ち回りができますが継戦能力が低くなります。
またその逆に安価なカードでデッキを構築すると継戦能力は高まりますが、決め手に欠き相手にダメージを与えにくい(敵リソースを削りにくい)デッキとなってしまいます。
これらのバランスを取りつつその陣営毎の山札の特徴に応じた戦術を組み立ててデッキを仕込む必要があり、非常に悩ましいです。
プレイ前のデッキ構築フェイズ?から非常に楽しめました。

(2)方針と配置
一回目はソ連軍を担当してインストプレイを受けて雰囲気を掴んだ所で、二回目にドイツ軍でがっつりプレイさせていただくことに。
ドイツ軍は装甲車両については少数精鋭(当然性能的にそうでもないものも混じっています)といった印象で恐らく車両だけを並べると数の劣勢は否めない感じです。
それに対して先にプレイしたソ連軍と大きく違う印象を受けたのは、戦術が豊富な点です。
独軍はこれらアクション/リアクションといった車両以外のカードをうまく使って損害を可能な限り抑えて戦うのがよさそうです。

デザイナー氏のアドバイスを受けつつ、上記分析を踏まえて以下のような方針でデッキを構築します。
「車両は性能を犠牲に数を確保しつつ温存、パックフロントや地雷原、待ち伏せ、スツーカといった戦術/間接攻撃によりソ連軍の攻勢を無効化また戦力漸減せしめ、ソ連軍リソースの枯渇を図った上で、機動防御等で自軍戦車による敵戦線突破を企図する」

具体的には、そもそもリソースを消費する重戦車は避けて、マーダー、III突、IV号等で編成し、火力不足となる分は火力ボーナスが得られる“待ち伏せ”や“88!”等を織り交ぜてカバーし、ソ連軍にリアクションの暇を与えずに敵戦線へ突破し勝負を決めるべく“機動防御”といったカードを加えるという、いかにも東部戦線末期のとある独軍戦線…といったデッキとなりました。
(ま、実際は思うようにカードが出てくるとか限らないのですが…)

初期配置のみ選択可能なカードには上記方針にもとづき、装甲車両を配置せずに戦線を構築してソ連軍の突撃を待ちます。


3.プレイの経過

カードプレイに最大限集中していたため、細かな記録は取れていません。(汗

序盤は独軍の思惑通り、パックフロントに飛び込んでくるソ連軍に一泡吹かせることができたように思いますが、さすがに手練のソ連軍、物量飽和攻撃(デザイナー氏、曰くアクション等より戦車の数で押し切るショックアーミー的戦いがよいとのこと)に強固な独軍防衛線が破られかなり危うい局面となります。
途中のソ連軍のカードプレイのアヤで最後に残った独軍の機動戦イベントが発動、ソ連軍戦線を突破した状態でリソースを枯渇させたことで勝利できました。
(実際は悪手のまま打っていただいたのですが、選択肢としてあった違うカードを選択していれば独軍の機動防御も防がれていました…)

終局の様子/デザイナー氏のツィートより



4.プレイを終えて

戦車戦を扱ったカード(オンリー)ゲームといえば、タンクハンターやワールド・オブ・タンクス・ラッシュ等が思い浮かびますが、いずれも戦車というハードの魅力を前面に出した作りとなっている印象です。
(いろいろな戦車を多種少数で登場させる等の演出>新版タンクハンターはモロにそういう言い方[戦車図鑑]をされています)
表題作もプレイするまでそうした方向性のゲームを想定していましたが、全く違っており、プレイ後の印象は“戦車を中心とした戦場を再現するカードゲーム”という印象で、スピーディーながら単にカードの出し合いとならないプレイ前の仕込みが必要であったり、プレイ中もそれなりの計画や駆け引きがあり、リアクションもあるため相手手番でも気が抜けないスリリングなゲームとなっています。

パッと見にはいわゆるデッキビルディングのシステムに東部戦線のスキンを載せただけに見えるかもしれませんが、「戦闘の激化=プレイの進展でデッキ=補給が消費されていく」といったデッキビルドシステムの各要素や動きが逐一リアルな事象の置換となっているので、「ゲームシステムから軍事の仕掛けの一側面が見えてくるモデル」という点でノンミリタリーなゲーマーの方に戦場の様相をイメージしてもらいやすい効果も期待できそうです。

また個人的には「自分なりの戦術に基づく準備はできるが、それを思うようなタイミングで機能させることができるかどうかは、その時の戦機しだい」という作りが、自分の意思の反映と不確実性の両立を実現する手法として非常にグッとくるポイントでもありました。
陣営毎の山札の構成が既にその国の特徴や戦い方を反映していますので、この特徴をうまく掴んでその陣営なりに効果的な戦術をとることが求められますが、こちらの意図だけでは効果が発動できず、相手の戦術によっては悪手となったり、逆にあまり重要視していなかった戦術が相手のカードプレイのアヤで思わぬ戦果をもたらすなど、いわゆる“最強技”ができないことも魅力的でした。

現時点では独ソの二陣営のみですが、東部戦線の期間中の装備/戦術/練度の違い等を編成時のポイントや手札枚数、使用可能カードの制限等を設けるなどして調整が比較的しやすそうですので、この二国デッキだけでもシナリオという形でいろいろな戦場を再現する、といった楽しみ方ができそうです。
また、各陣営が専用デッキとなっていることから、この二国以外のデッキを単体追加できるシステムとなっていますので、いずれ陽の目を見るであろう表題の基本セット?出版以降もそうした展開が期待できそうです。


5.ルールについて

製品版ではありませんが、プレイ中疑義となるような点はなく、システムとしては既に完成されている印象でした。