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Troopers Depo:ワーテルローの戦い/ウォーゲーム・ハンドブック2015(K2P)(0101)


手堅く小ぶりなゲームが付属してくるウォーゲームハンドブック2015年版の付録ゲームである表題作をプレイしてみました。
戦場としては幾度となく同テーマのゲームをプレイしていますので今更説明の必要もないかと思います。
(ただし個人的には雰囲気やイメージアップのため本誌記事や関連情報を軽く漁って再確認しました)
このゲームといえば、3年前のKGGに鹿内さんがいらした時にShanghai 1937の後にこれをプレイされていたのが理由はよくわかりませんが印象に残っています。


1.ゲームの概要

(1)全般
基本はイニシアチブを取り合って、先攻側から任意のフォーメーションを活性化させて移動/戦闘を行わせるのが基本となりますが、以下の点で特徴的となっています。
・活性化できるフォーメーションは全てではなく、事前に取捨選択が必要
・両軍の活性化の前に砲兵による砲撃が行われますが、この処理がなかなかの妙味となっている

特に後者の砲兵は、従来見たことがない面白い処理です。
各陣営の手番前に決定したイニシアチブ順に交互に砲撃を行います。
目標となったユニット上に、砲撃されている旨のマーカを配置しますが、これだけでは目標には影響はありません。
ただし後の手番で目標となったユニットが何らかの戦闘に参加する段階でマーカを裏返します。
マーカの裏には砲撃結果が書かれており、効果なしから退却/損害まで幅広い結果が得られます。
つまり、戦闘時に砲兵により所定の戦力が完全に機能しないこともあるわけで、目標となった部隊を先のリスクを取ってそのまま戦闘に参加させるのか、損害を恐れて戦闘に参加させないかを決断せねばなりません。
後者は、損害こそないものの戦力が無力化されるわけで、つまり制圧下にあるともいえるでしょう。
砲撃結果を後出しとすることで砲撃する側、される側にそれぞれ決断を強いる面白いシステムで、砲撃の効果と同時性、それによって引き起こされる不確実性を簡単に再現できます。

その他に気になるプロイセン軍来援の処理ですが、基本固定ターンに来援します。
ただしターン毎に行うイニシアチブ判定の結果で発生するイベントにより来援が早まる可能性もあります。

勝利条件ですが、双方とも敵後方への突破によるサドンデスがあります。
それ以外は、敵損害及び重要拠点(村)の占領で得られるVPの多寡による判定となります。
戦域は南北がマップの短辺となり縦深があまりないこと、およびフォーメーション活性化によるシステムと相まって、完全な“通せんぼ”ができないため、サドンデスも十分可能性があるためかなりスリリングとなりそうです。

各軍それぞれに数フォーメーションずつを持ちますが、1ターン中に活性化できる数は仏軍が2個、連合軍が3個となっており、単純にフォーメーション数の多寡が有利/不利には繋がりにくいものとなっています。

地形はラ・エイ・サントとラ・ベル・アリアンヌをそれぞれ中心にそれらの村を東西に走る街道沿いに英軍、仏軍が対峙しています。
両街道も概ね丘陵の上にありますが、両者の間にも丘陵地帯が広がっています。
(なお、表題作の砲兵にはLOSルールはありませんが戦闘時に)


2.シチュエーション分析と方針

(1)分析
地形はおなじみであり、セットアップも固定のため、プレイ開始までの敷居は非常に低いです。
プロイセン軍の来援までやや仏軍より戦力面で劣る英軍で戦いの凌がねばならず、プロイセン軍参入時がひとつの局面になろうかと思われます。

(2)フランス側の方針と配置
ナポレオンの戦略論に基づき、空間より時間を重要視するものとします。
しかし、そうなると速攻による英軍後方への突破を指向することとなります。
具体的には、ここは史実通りラ・エイ・サントの西を予備軍団の騎兵で突いて突破によるサドンデスを指向することとし、事前に第1、第2軍団で英軍両翼を拘束しておくものとします。
また近衛軍団はいずれ右側面から現れるプロイセン軍に備えるものとします。
右翼第1軍団はプロイセン軍が登場するまでに英軍左翼をある程度撃破できていれば近衛軍団の支援に回るものとします。

(3)イギリス・プロイセン側の方針と配置
まずはサドンデス阻止のためにラ・エイ・サント〜メル・ブレーヌ間を第2、予備軍団で封鎖することを再優先とします。
第1軍団が右翼へシフトするため手薄となるラ・エイ・サント〜右翼へは第1軍団を派遣してこれを補強します。
また騎兵軍団は予備として北への突破を図る仏軍を拘束撃破するために拘置しておくものとします。
左翼は突破されても追撃せず、プロイセン軍の登場を待って、東方より仏軍右側面に圧力を加えることで牽制あるいは仏軍右翼を分断してロッサム突入によるサドンデスを指向するものとします。

では、早速プレイしてみます。


3.プレイの経過

第1ターン(1815/06/18 12:00)。

主導権:仏軍
仏軍は第2軍団砲兵でウーグモン守備隊を、第1軍団砲兵がラ・エイの英軍を砲撃。
これに対し英軍は予備軍団砲兵が正面の仏軍第1軍団第3師団に対して牽制砲撃を行います。

仏軍は第1、第2軍団を活性化して先手をとります。
第2軍団は英軍右翼に殺到、まずはウーグモン館を包囲急襲し、庭園を守るオランダ兵師団を撃破し、館内の英軍守備隊にも損害を与えました。
また館の西からメル・ブレーヌ方面に騎兵を先行させて英軍の出方を伺います。
東では砲兵により制圧中のラ・エイを守備するオランダ軍師団を、第1軍団第4師団と騎兵が街の東西から挟撃を行います。
この戦闘で第4師団に損害が出るもののオランダ兵にも損害を与えることに成功します。
一方、ラ・エイ・サント方面に進出しつつあった第1軍団本隊だが、第3師団が正面の英軍の砲撃を受け、損害を受けてしまいます。

英軍は右翼第2軍団を活性化させます。
ひとまず、メル・ブレーヌ方面へ突破を図る仏軍騎兵を丘の上で第4師団が捕捉し、これを撃破します。
英軍のウーグモン館守備隊は守りに徹し、来援した第2師団が庭園に居座る仏軍第9師団と交戦に入ります。
同様に東のラ・エイでも蘭第2師団は守りに徹して、仏軍の拘束を図ります。

(続く)