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その他の写真はこちらから。
Troopers Depo:Panzer Blitz(AH)Steppe leader Variant/Scenario 06"August Storm"(0101)


今月のコマンドマガジンの付録テーマをきっかけとしたのか、満州末期戦に関するツィートが非常に目立ったところに,
そういえばPanzer Blitzにノモンハンを扱った同人モジュールがあったと思いシナリオを眺めてみると1939年だけでなく1本のみですが1945年のソ連軍侵攻に関するものを見つけました。
某所で公開されている日本軍カウンターセットもカット中であったことから、これはいいタイミングだと思い、シナリオ特別ルール等を訳して表題シナリオをプレイしてみました。


1.シナリオの概要

(1)全般
ちなみにモジュール名には"Leader"を冠してはいるものの、ボードとルールはArab-Islaeri Wars(以下AIW)、ユニットはPAnzer Blitz(以下PB)及びオリジナルのものを、またCASについてはPanzer Leader(以下PL)を用います。
ルールがPB/PLを統合整理されたAIWを基本的に使用するのに対して、航空機のルールに関してはAIWにもありますが、原則間接砲撃(プロットから攻撃まで1ターンのラグがある)となっており、PLのようなタイムリーに地上支援が行えるルールが採用されているのは面白い点です。
(扱う時期としてもジェット時代のAIWよりレシプロ時代のPLの方が確かに妥当かもしれません)

状況設定は、1945年8月10日にソ連軍第36軍前衛部隊が鉄道線遮断の命を受け、ハイラル奪取のために陣地化された国境エリアから満州中央への進出して南方を攻撃する、というものです。

ゲームは全15ターンで戦われ、サドンデスはなく、勝敗はVPの多寡によって決定されます。
ソ連軍は敵の撃破および戦闘部隊をマップ南端より退出させることでVPを得ます。
また日本軍も同様に敵の撃破およびソ連軍の南端への突破を阻止することでVPを得ます。

ボードはAIWのものを2枚使用しますが、いずれも森や小さな街が点在するのみで大半は荒涼とした平地(ステップ)が広がります。
このように障害地形種は少ないものの起伏は多く、小さいもの(AIWでは砂丘で表現)から小高いもの(AIWでは丘陵で表現)が数多く点在し、視界は良好とはいえない地形です。

(2)攻撃側(ソ連軍)について
ソ連軍は第153狙撃兵連隊と第205戦車旅団からなります。
全体では9個狙撃兵中隊、4個短機中隊、1個工兵中隊と主に迫撃砲からなる5個砲兵小隊を主力に、車両はこれらを輸送するトラック/馬車とT34/85 の6個小隊からなります。
これに加え、122mm榴弾砲による毎回2回の盤外砲撃とスポットで航空支援(戦闘機×3、攻撃機×1)が来援します。
潤沢な砲兵と航空支援を得た、機動力を持つ諸兵科連合部隊という典型的な侵攻部隊です。

(3)防御側(日本軍)について
日本軍は第80独立混成旅団が守備する陣地となります。
全体では歩兵12個中隊、工兵1個中隊を主力に野砲、歩兵砲、対戦車砲等8個小隊からなり、さらに陣地化されており要塞、防御拠点、塹壕の他、多数の障害物を利用できます。


2.シチュエーション分析と方針

(1)分析
上記でまとめたように地形、勝利条件、両軍の戦力からは典型的な突破戦闘のシチュエーションとなります。

因みにPB>PL>AIWで若干ルールの相違や変遷があったり、AIWになって明示されていない(あるいは使用できなくなった)ルールもあります。
混乱しないように紛らわしい(AIWで変更が加えられている)箇所や不明確な箇所について事前に以下に整理、明確化しておきたいと思います。

■AIWでは表現されていない/モジュール上不明確な箇所
・航空機ルールはPanzer Leader準拠ながらシークエンス上の位置が明示されていません。
 →PLの航空/対空攻撃フェイズの位置に倣うこととしました。
・同じく市街/森等の非視認地形にいる場合の航空機の視認についても明記されていません。
 →AIW上級ルールI.C項以下に準拠としました。
・シナリオ中、機会砲撃ができる兵種の指定が不明となっています。
 →AIWのユニット機能表を元に対戦車砲("A")、迫撃砲("M")、野砲("H")、戦車のみ機会砲撃が可能としました。
・対空射撃はAIW 上級ルールI.D.及びI.D.1.を適用します。
 →つまり射程内でかつWECに該当していれば、いずれのユニットも対空射撃が可能となります。
・移動力1の迫撃砲もSteppe Leaderモジュールの歩兵ルールを適用するものとします。

■AIW/PLとで差分があり紛らわしい箇所
・PLまでで行えた戦車に跨乗したままのオーバラン及びそのまま下車して同一目標に近接突撃を行う、いわゆる"電撃躑弾突撃"はできないものとします。
・ただし"C"以外のキャリアがパッセンジャを輸送している場合、"戦車跨乗"とみなしパッセンジャー単独で攻撃を受ける可能性があるものとしました。
 →具体的にはPL/5.C.6.a項を適用します。
 →AIW準拠なら"C"表記がないとキャリアとなれませんが、Panzer Blitzの各ユニットの機能表をAIW準拠で同人が書き直したチャートを参考に、それら機能が明示されていないユニットについて運搬能力やスタック値を判断しました。
・航空機は兵器種に関わらず解決方法は直接砲撃と同じとしました。
 →因みにAIWの航空攻撃は兵器種によって対象がユニット個々/ヘクス全体と違っており、射程もあります。

■モジュールオリジナルユニットとの差分
日本軍カウンタについては以下のサイト(Imaginative Strategist)で公開されているものを使用しました。

IMSTRAT PL Counter Art

日本軍歩兵/工兵は小隊規模ユニットしかないため2-i-2-6-1×2と1-i-2-5-1×1の3ユニットで1個中隊としてカウントしています。
ただしゲーム中の運用にはスタックしたままでないといけない等の制約は設けないものとしました。
上記以外のユニット(砲兵等)は兵器種等を合うものが見つかりますので、それを使用しました。
(多少レーティングが違ってもそのまま適用しています)

(2)攻撃側(ソ連軍)の方針と配置
ソ連軍は潤沢な車両を持っていますが、実は全てのパッセンジャーを運ぶには不足しています。
よって突破に際して一部はタンクデサントによる輸送としました。
日本軍の配置を見てから侵攻ルートを決定できますが、原則以下の方針に基づき臨機判断するものとします。
・突破可能な地形かつ日本軍火力が脆弱な箇所を突破点とする。
・盤外砲兵、航空支援によりトラック等の最大の脅威となる75粍野砲等の有射程部隊を早期に無力化させる。
・突破点陣地は歩戦共同により無力化、安全な回廊を開通させた後、一気に走破するものとし、その際に残った敵部隊は無視するものとする。
・敵部隊の撃破はあくまで突破の障害となるものについてのみ最小限とする。

(3)防御側(日本軍)の方針と配置
日本軍は全く機動力がなく、一旦配置してしまうとほとんど配置転換が効きません。
このままでは先攻で盤上に進入してくるソ連軍が自分で戦場を選択できることになります。
しかし、日本軍には潤沢な障害物がありますので、これらと地形を利用して完全とはいえなくとも日本軍が通ってほしいルートに強制/誘導することで日本軍も戦場の選択ができる状態を作りたいと考えます。
戦場は横に広く、決して少なくない部隊ではありますが、このまま展開させても守り切ることは困難です。
ソ連軍は機動力に頼って短い南北の戦場を一気に走破してくると思われますので、まずはこの機動力を無効化することを考えます。
塹壕は車両の通行を阻止(通過不可)できますので、これらを集中的に使って車両が通過できないエリアを設けます。
またブロックは足を絡め取ることができますので、足止めして砲兵の的にするのに最適です。
(進入停止、次ターンに退出して停止)
地雷原は秘匿性はないものの、塹壕同様進入忌避区域を設けることができますので、これも集中運用します。
(1-1で攻撃を受ける地雷原を複数スタックさせて2-1、3-1等の地雷原とできます)
ではどこに陣地帯を設置するかですが、現状兵力では物理的な銃深陣地は構築困難なため、視界が悪く接近するまで発見されにくい中央の丘陵地帯を利用します。
丘陵の切れ目に上記障害物を設置し東西は車両が通行できないエリアを構築します。
道路が東西にそれぞれ2本通っており、中央に南北に抜ける道路があります。
ソ連軍は道路による効率的な移動を行いたいでしょうから、ここにはブロック等の足止めと陣地を東西に比べ濃密に配置して道路を機能させないようにします。
これら前線の陣地帯で足止めした敵に対しては、付近の拠点の歩兵が砲爆撃のFOとなったり直接近接突撃をかけるなどして侵攻部隊を路上で頓挫させます。
上記丘陵地帯の戦線は一層となりますが、この丘陵地帯を抜けると平地が広がっており敵は遮蔽物がない状態で移動することになります。
この平地に出た敵に対しては最南端の森や街に配された砲兵からの直接射撃を加えて各個撃破を狙います。
なお、砲兵の位置が露見するとソ連軍の盤外砲撃やCASによる対砲兵射撃が行われると思われますので、各砲兵は要塞ないしは森林内の拠点に隠蔽するものとします。

両軍の損害と盤上へ足止めしたソ連軍部隊の数からVP上の勝利分岐点の目処がある程度立つとは思いますが、ここはとにかくできるだけ敵突破戦力を撃破する、という一点に注力したいと思います。
(相打ちでもVP相殺となります)

これら両軍の方針をボード上に記入した写真が上記Tumblrリンク内にありますので、そちらもご覧ください。
では、早速プレイです。


3.プレイの経過

第1ターン。

戦場の北半分を大胆にも放棄して南のやや険しい丘陵が多い地形で布陣、戦線東西を地雷原と塹壕でほぼ完全に封鎖してきた日本軍に対し、ソ連軍は中央の道からやや西側に突破しやすい地形を見つけ、中央から戦車に跨上した歩兵を2個大隊、その左翼にトラック、馬車等で助攻用の狙撃兵1個大隊と支援用の軽火砲2個中隊を送り込みます。

日本軍としては右翼の部隊をほぼ遊兵化されてしまったことになりましたが、ソ連軍が車両に積載されたままであり、実際に下車して攻勢地点が明らかとならないとまだわからないところがあります。
移動できる歩兵は、ソ連軍主攻点が明らかとなってから移動を行わせるものとします。
またソ連軍航空部隊による空襲にも警戒が必要となりますので、不用意にソ連軍視認下の平地を移動するようなことは避けたいところです。
日本軍前線の部隊もソ連軍がまだまだ射程外にいるため、目視できる敵の攻勢発起点と思しき2箇所に対して75粍榴弾砲による砲撃を要請します。
(間接砲撃のため実効は次ターンとなります)

(続く)