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本記事は、Harpoon Arrowさんが企画されたWar-Gamers Advent Calendar 2018への参加記事となります。

さて今年も懲りずに書かせていただきたいと思います。
昨年はやや講釈がましい長文でしたので、今回はサラリといきたいと思いますがどうなることやら…。
(冒頭書いてる時点の方針です…)
今回はちょっと毛色を変えて、“ウォーと音楽とゲーム”について書いてみたいと思います。
(当社比でいうとウォーゲーム成分はいつもよりかなり薄めかもです)

TOROさんが音楽の話?!と思われるかもしれませんが、実はウォーゲームと同じ頃に初めたちょっとマイナーなスタイルの“音楽”があり、こちらもウォーゲーム同様途中のブランクはあるものの、再びこの趣味に復帰して以来、当時と同様に同時に活動を続けています。
今回は、その2つの趣味の間の不思議な縁について書いてみます。


まず“ウォーと音楽”の話。

通信手段が未発達の古代〜19世紀頃までは、戦闘は会戦と呼ばれる大軍が陣形を作って戦うスタイルがもっぱらでしたが、この際にそれぞれ適当な陣形/隊形に変換するために光や煙、音が利用されました。

この中で“音”について見てみると、これらはドラムの特定のフレーズであったり、ファイフ(笛)やビューグルと呼ばれる巻いただけのラッパによるフレーズの違いで情報が伝達されていました。
(ドラムをやったことがある方ならご存知のルーディンメンツ=数十通りからなる基本奏法パターン、も元は各種隊形変換用の合図パターンから始まっています)
こうした手段は電信等の技術が戦場に持ち込まれたり、会戦そのものが成立しなくなった19世紀後半より戦場から姿を消していくことになります。



(最近復活した米陸軍の独立戦争当時の編制を再現したOld Guard Fife & Drum Corps)


一般には“戦場での音楽”というと軍楽隊等による式典や慰問的な物がすぐに思い浮かぶと思いますが、より戦闘技術と密接に関わり、純粋芸術の音楽とはかなり違う系譜を辿って発達した、この種の“音楽”ですが、戦いにこそ用いられることはなくなったものの、WW1の頃、米国/カナダにてDrum & Bugle Corpsというスタイルの演奏形態として復活し、姿は多少変遷していくものの現在に至るまで生き残っていきます。
Drum & Bugle Corpsはビューグルと呼ばれるG調(通常管弦楽や吹奏楽で使用される金管楽器はB♭やF調)の金管楽器(のみ)とルーディメンタルな奏法を中心とした鼓隊、フラッグやライフル、サーベルといったセクションから編制され、青少年の健全育成等を目的に、主にVFW(退役軍人会)や教会、ボーイ/ガールスカウト等を母体として多数の団体が作られます。
またそうした団体を集めて隊形変換や鼓隊の演奏技術、フラッグやライフル、サーベルといった手具の操法の技量を競技する大会が盛んに行われるようになりました。



(21世紀の現在もDrum & Bugle Coprsスタイルを継承している米海兵隊のMarine Drum & Bugle Corps)

時代によりレギュレーションは変遷していきますが、当初より、教練的な物を意識しており、フィギアスケートのような細部に別れたカテゴライズとクライテリアが設定された厳密な採点方法で審査が行われるのが特徴です。
(2000年に入るまでアンプなどのPAも使用禁止であったり、70年代まで発声や据え付けの楽器もペナルティであったりします)
詳しくは下記サイトを眺めていただくとザクッと歴史的経緯やその編制の特徴を知ることができます。
(といってもマイナーなジャンルにしてはかなり詳細にまとめられています)

Drum and bugle corps (modern) - Wikipedia
ドラムコー - Wikipedia

このDrum & Bugle Corpsというスタイルも2000年を境にいろいろな大人の事情でその一番基本となる編制部分に手を入れてしまう形で大きく変わってしまいます。
(個人的には残念)

国内では遡ること1970年代前後在日米海兵隊にあったDrum & Bugle Corpsの指導を受けた横浜の学校/警察音楽隊からに徐々に全国に広まっていきます。
(といっても特殊なジャンル故、一般の吹奏楽/マーチングバンド関係者からは長くイロモノ扱いされていた時期がありました)
冒頭に書いたように拙も1980年代初め(ちょうど第一次ウォーゲームブームの頃です)からこのスタイルの団体に関わることになりますが、このときはまさか自分が遊んでいるウォーゲームの題材との間に少なからぬ接点があるなど知る由もありませんでした。


それから“音楽とゲーム”の話。

時は流れ、ウォーゲーム同様、このDrum & Bugle Corpsの活動も何度ものブランクがあったものの、40も過ぎた頃になり、それぞれなぜか不思議な縁で同時に活動を再開するようになりました。

'80sの頃はウォーゲームといえばWW2かSF!みたいなところがあったのですが、年を取ってウォーゲームの守備範囲もいろいろ広くなってくると、19世紀以前に起きた戦いにも興味を持つようになり、そうした時代の戦いを題材にしたゲームも嗜むようになってきました。
ここでおもむろに今まで関わってきたもう一つの趣味との接点が見えてくることになります。
直近この趣味に復帰した四十代になって初めて十代前半に初めた2つの趣味の不思議な関係を知ることになるわけで、大げさに言えば“人生の妙”みたいなものを味わうことができました。

そんなわけでそれまではあまり気にならなかった、カウンターが横長だったりカウンターの向きや裏表/マーカを置くことによって隊形/陣形の変化を表している17世紀〜19世紀の会戦を扱うゲームや、そもそもマップ上にキレイに戦列が出来る古代から中世辺りのゲームを見たりすると、脳内ではあんなこんな合図を出して陣形が…とグルグル想像が膨らみ、かなりワクワクしていたりします。
(あまり表には出しませんが…汗)

たまにそんなことを考えながらウォーゲームをプレイしていると、若い頃に何の意識もせずにピンときて始めた2つの趣味についてひょっとして自分でも気付いていない内に同じニオイを嗅ぎ取ってチョイスいたのかも…と思うとなんだか不思議だなぁと思うとともに、改めてこの2つの趣味が好きなんだなぁと感じます。

なんかオチのない話でしたが、どちらの趣味もこの先どれくらい続けることができるのかわかりませんが、これからもできるだけ長く続けて長く楽しみたいと改めて思った2018年の暮れでした。