tumblr_pkvcr5F0dx1rcrybbo1_1280

その他の写真はこちらから。
Troopers Depo:日露戦役(堀場工房)(0107)


第8ターン(1905/05-06月)

★いよいよ両軍の攻勢限界(最終ターン)となりました。
★日本軍はなんとか奉天を確保すか、取り逃がしたバルチック艦隊に打撃を与えなければこの戦争に勝利宣言ができません。
★意外にロシアがボロボロになりながらも日本に勝たせない戦いをしているのが驚きでした。

後がない日本軍は乾坤一擲、奉天への大攻勢をかけます。
貯蔵量だけは潤沢な補給ポイントを大量につぎ込んでの奉天攻略戦は大成功に終わり、退路を絶たれたロシア軍第10軍団は鎧袖一触で撃破されます。
これでなんとか陸上戦では優位に立った日本軍は、奉天北東へ逃げ遅れたロシア軍第1軍団を追い詰めて遼東半島のほぼ全域の制圧に成功します。
しかし、ロシア軍も諦めません。
包囲網で一番脆弱と思われる東方の鴨緑江軍に対して、もはや持て余している補給ポイントを最大限投入して突破戦を試みます。
ロシア軍乾坤一擲の反撃でしたが、これは双方手応えなしで膠着状態のまま終わり、結局ロシア軍は包囲環内に取り残されてしまいます。

★この時点で3VPとなり日本軍はなんとか勝利の可能性が見えましたが、残る海戦でバルチック艦隊を仕留めることができない場合、2VPでロシア軍の勝利となります。
“皇国の興廃、この一戦にあり。各員一層奮励努力せよ”
東郷提督が訓示を読み上げると旗艦三笠にZ旗が上がり、第一/第二艦隊は対するロシアバルチック艦隊に向かっていきます。
★いよいよ、名実ともにこの(ゲームの)勝敗を決める決戦となります。

両艦隊の戦いは激しい砲撃戦となり、第一艦隊がロシア側に命中打を放つと、バルチック艦隊もこれに呼応して日本側艦隊に返礼弾を浴びせ、一歩も譲りません。
日本側第二艦隊も至近弾を放ちますが、ロシア側に損害を与えることができず、この海上決戦は引き分けに終わります。
バルチック艦隊はウラジオストックへ、第一/第二艦隊はそれぞれ舞鶴、佐世保へ引き上げていきます。

日本軍:+2P
ロシア軍:+5P
日本軍:5P
ロシア軍:8P
VP:2

以上でゲーム終了です。
第8ターンまでに奉天を占領で+1VP、ゲーム終了時にバルチック艦隊がウラジオストックにいるで-1VPとなりトータル2VPで日本軍敗北となり、ロシア軍の勝利となりました。


4.プレイを終えて

最後は正に絵に描いたような海上決戦となりました。
たらればですが、バルチック艦隊に命中弾がなく、第一/第二艦隊のダイス目が逆ならバルチック艦隊を撃破して劇的に勝利できたのですが…。
地上戦では圧倒的ながら最終的に惜敗した印象の日本軍でした。
第7ターンまでに奉天を奪取できなかったことと、バルチック艦隊になんらダメージを与えることができなかったのが大きかったと思います。
ロシア軍としては艦隊戦で損害を受けるとVPを献上してしまうバルチック艦隊は、早期に到着すれば旅順艦隊他味方艦隊を支援できるというメリットもありますが、最終的にウラジオストックにたどり着ければよかったので、終盤ギリギリで日本側艦隊に迎撃チャンスをほとんど与えなかった、というのは逆に良かったのかもしれません。

むしろロシア側にとってバルチック艦隊の到着は遅くても全く構わないかもしれず、ホントはウラジオストックまで会敵したくないのに黄海/日本海に到着してしまう…というのを、ダイスでコントロールできないようにしているのかなとも思いました。

一方、地上戦ですが、ロシア軍の徹底した遅滞戦術は最終的に全軍を消耗させることになりましたが、戦役全体を通してみればそれなりに有効であったのでは、と思いました。
日本軍は勝利条件となるマイルストーン達成のために、かなり綿密なタイムスケジュールを要求されますので、“この計画をあらゆる手段で狂わせる”というのがロシア軍の大筋の方針となるのかなと思いました。
もちろん日本軍後方に浸透できるチャンスがあれば策源地を突いてのサドンデス勝利も狙ってよいかと思います。

逆に日本軍は、ロシア軍の戦力が十分に整っておらず、日本側には潤沢な補給ポイントがある序盤にできるだけ大きな戦果を獲得しておくことが肝要ではないかと感じました。

この他、プレイしていて感じたのは、コンパクトかつエリアなゆえ戦役全体がどのように動いていっているのかが俯瞰しやすかったという点です。
同じサイズのマップでもヘクスマップだとやはり戦場の広大さに対して部隊数が少ないため、実質的に戦線となっているのになかなか“戦線”として目に映りにくかったのですが、少なめのエリアで描かれているため“ここをこういう風に敵を押している”というのが見た目にわかりやすかったと思います。
また、こうした抽象化に伴うと思われる旅順攻略戦の処理もスマートだと感じました。

海戦の扱いについても、従来陸戦のサブ的扱いという認識でしか捉えられていなかったのですが、自分の中での海戦の重みが大きく上がったと思います。
特に日本軍において補給状態の良し悪しに直結する要素となっていることから、日本海、黄海の両海域の制海権獲得について両軍共に意味が生じ、結果としてそれを争奪するための海戦が生起することになる、という流れが自然に理解できました。
また、ほぼダイス1振りといった超絶シンプルな処理の海軍ですが、陸、海それぞれの戦況に応じて単に海に出ていくだけでなく敵艦隊撃滅を狙うのか/制海権を狙うのかといった点についても決断を迫られる場面があり、駆け引き等で意外に考えさせられるところがあるのも非常に印象的でした。

また、本作の大きな特徴の一つであり、戦局をここ一番で変えてしまう力も持った戦術カードについて、盤上の戦況を睨んだ入手のタイミングや、いざ切る段になって陸海戦のどちらに使うかといった点で、序盤有利であろう日本軍はロシア軍よりも頭を悩ませることになるかと思います。
今回、戦術カードの入手ペースについては、双方にそれなりの補給ポイントがあった時点で両軍がカードを欲したために一気にカードが売り切れる、という状況が生じました。
これはこれで、両軍がじっくり物資や作戦検討に事前に時間を割いていた、という流れになるかと思いますが、積立式や頭一括購入等、いろいろな購入パターンを取ることでいろいろ展開も変わってきそうで興味があります。

総じてコンポーネント、ルールとも軽量で戦場の見通しの良さを持ちながら、ゲーム中に決断の場面が多く、短時間でもかなり頭を抱えることになるゲームという印象を持ちました。


5.ルールについて

プレイ中にいくつか疑義が生じましたが、ルールを参照する等して以下のように自己解決してプレイしました。

Q:海戦の解決方法は基本的に陸上戦闘と同様とあるが、結局は双方が得たヒット数の差分が少ない側に適用される、ということでよいか。
A:Yes、プレイ例はそのようになっており1回で解決する、と考える。

Q:戦術カードの使用時、先に出す側はカウンタを受ける前に内容を公開しておくのか?
A:明記されていないが、Noとしてプレイしました。
  Yesとしてプレイしたほうが、無効なカードも欺瞞に使用できますが、現行ルールでは不都合な場面も出てくるためです。