2009年09月04日

BIOS を用いた OC 設定の基本 ― OC 初心者専用です

 ごく軽めの OC は,OS を立ち上げてから,Ai Suite を用いたり(ASUS),Easy Tune を用いたり(GIGABYTE)してもできるが,本格的な OC は BIOS 上で行われる.その設定の一部はすでに 空冷 4GHz OC 常用への試み4 の中で解説したが,その部分を独立させて,より初等的な解説を加える.ここが分かると BIOS は怖くないし,過剰な電圧・電流を加えて CPU やメモリー・マザーボード(M/B)をお釈迦にする危険も減るだろう.

OC 前のパーツ確認
 OC をやり出すと,パソコンの一番弱い部分が耐えきれずに悲鳴を上げる場合があり,これがブルースクリーンとそれに続く再起動となって現れる場合が結構ある.ネット巡りをしていて,その主な原因を調べてみると,昔は安物の電源による不安定な電気の供給によることが多かったようである.最近では,メモリー関連のブルースクリーンが多いようである.OC による負担はメモリーが一番多く被るので,2個以上のメモリーを用いるときは必ず同じクロック数のものに限定し,特に Dual Channel 設定の際は必ずそれが可能なメモリーの2枚挿しを行なおう.また,4枚挿しの メモリー OC は基本的に無理である
 各パーツの接触不良は思いの外多いので,接点部の弛みを点検して KURE 5-56 を注しておこう.

OC 前の CPU 定格情報
 パソコン(PC)を自作して,無事 OS のインストールが済んで,PC が使えるようになったとしよう.この時点で,BIOS は CPU やメモリーを定格に固定しているはずである.この定格値をまず確認することが必須条件である.それらは CPU やメモリーの包装に書かれているが,パソコン上で確認するのも大事です.それらを見るフリー・ソフトがあるのでダウンロードして,インストールしよう: CPU-ZCore TempReal TempPC WIZARDMemSetなど.ついでに GPU-ZCrystalDiskInfoHD Tune3DMark06Prime95 などもダウンロードしておこう.
 まず,CPU-Z を立ち上げてみよう.CPU-Z は,OC に関係する全般的な情報を与えますが,特に CPU 欄の Bus SpeedBus Clock(=ベースクロック),Multiplier(=CPU 倍率),Core SpeedCPU Clock(= CPU クロック=ベースクロック×CPU 倍率 ),および Core Voltage(≒BIOS の CPU 電圧)が重要です.(※ 用語の呼び名は統一されておらず,BIOS における呼び名も会社によって違う.そのつもりで覚えよう)
 Core Temp には CPU の VID 電圧(=CPU が VID と呼ばれる信号で M/B に知らせる CPU 定格電圧.OC をしないときの CPU 電圧である),CPU の Core 温度,それの危険温度の目安となる Tj Max 温度 などが載っています( Real Temp も役立ちます).OC においてはこれらが最も重要な CPU 情報です.(※ 負荷をかけないときに,もし CPU の Core 温度が 室温+10°C 以上 だったら,CPU クーラーの取り付けがちゃんとしていないと疑うべきです).

OC 前の メモリー 定格情報
 OC をやる人は,殆どの人が DDR2 Dual Channelデュアル チャンネルメモリーを使うでしょう.そのつもりで解説します.
 CPU-ZSPD 欄を開くと,メモリーの定格設定が分かります.例えば,MAX BandwidthPC2-6400 とあれば,それは モジュール規格 と呼ばれるもので,数字 6400 はデーターの転送速度が 6400 MB/sec であることを表します.モジュール規格に対応してチップ規格が定まり, PC2-6400 にはチップ規格 DDR2-800(※ 800=6400/8)が定まり,数字 800 は メモリークロック の定格値が Dual Channel 設定のときに 800 MHz であることを表します( Dual Channel 設定でないときは半分の 400 MHz です).
Timings Table 項目の1番下に(メモリーの)Voltage(=電圧)が 1.8 V と書かれている.これが DDR2-800 メモリーを定格で使うときの電圧である.もし BIOS でメモリー電圧を上げても,それを読み取れるソフトは無いようです.
 次に,Memory 欄を開くと DRAM Frequency(=メモリークロック)には定格値 400 MHz が書かれているはずです.もしその上の方に Dual Symmetric と書かれていれば,実際のメモリークロック(正しくは,メモリー転送速度 というべき?は2倍の 400×2=800 MHz です.
Memory 欄の FSB:DRAM は整数の比が書かれています.この比は CPU 欄の Bus Speed が 266 MHz なら 2:3 ,333 MHz なら 5:6 です.DRAM は DRAM Frequency のこと,また FSB はここでは Bus Speed のことであり,DRAM Frequency は公式

DRAM Frequency = Bus Speed×(DRAM / FSB) ( Dual Channel でない場合)
にしたがって計算されます.上の例では 400=266×(3/2),400=333×(6/5)です(※ 近似値です).
(※ 用語 FSB は,CPU の転送クロック数としては,Bus Speed の4倍のクロック数 として定義されるので注意しよう).

BIOS で使われる用語
 次に,BIOS における用語を解説しよう.OC ( Over Clock ) の基本クロックは M/B 上の水晶発振器などで作られる ベースクロックバスクロックBus Clock( = CPU-Z の Bus Speed )である.これが BIOS では,ASUS で FSB Frequency と表され,GIGABYTE では CPU Host Frequency (Mhz) と表される.我々は ベースクロック で統一しよう.
ベースクロック を何倍かして CPU クロック がえられる.その CPU 倍率(= CPU-Z の multiplier ) を BIOS で選ぶ項目が ASUS で CPU Ratio Setting と表され,GIGABYTE では CPU Clock Ratio と表される: CPU クロック = ベースクロック × CPU 倍率.例えば,Core 2 Duo E6600 の定格 CPU クロック = 266×9≒2400 MHz = 2.4 GHz です.
 ベースクロック をメモリークロック( BIOS 表示: DRAM Frequency(ASUS), Memory Frequency(GIGABYTE) )に換算する比率が CPU-Z に書かれている FSB:DRAM である.FSB:DRAM は,簡単な整数比で,1:1,5:6,4:5,3:4,2:3,3:5,1:2 などに制限される.これを用いたメモリークロックの計算式は,デュアルチャンネル・メモリーでは2倍に速くなるので,

メモリークロック= ベースクロック × ( DRAM / FSB ) × 2
である.ただし,最近の BIOS では上の式を見せずに DRAM Frequency を項目から選ぶ( ASUS ),または System Memory Multiplier = ( DRAM / FSB ) × 2 を項目から選ぶ( GIGABYTE )という形でメモリークロックが表示されるようになっています:
 DRAM Frequency = FSB Frequency × ( DRAM / FSB ) × 2 ( ASUS ) ← FSB Frequency=333 のときの BIOS 図
Memory Frequency = CPU Host Frequency × System Memory MultiplierGIGABYTE )← BIOS 図

温度と電圧の確認
OC とは,CPU やメモリーなどパソコン各部の処理速度を速くするために各部のクロック数を上げることであるが,それには電圧を上げて電流の通りを良くすることが条件になる.その結果,パソコンの処理速度は上がるが,一方では電気抵抗が増大して温度が上がり,パーツを破壊する確率も上昇する.パソコンを壊して高額な出費をしなくて済むように備えよう.
第1に, よく冷えるパソコン にしておこう.最も重要なのは CPU の冷却だから,CPU クーラーの選択 は重要である.次にメモリーの冷却も大事で必ずファンを付けよう.お薦めは これM/B の冷却(中央の大きなファン)も大事で,特に(フィンが付いている)ノースブリッジを冷やすのは大事である.パソコン各部から出た熱は速やかに排出しなければならないが,そのためには パソコンのケース選択 も大事になる.簡便な方法は,サイドパネルを取り払ってしまって,家庭用小型扇風機 で M/B (および,HDD)を冷やすことです.
第2に,OC はパソコンの状態を確認しながら進めることが必要です.CPU-Z や Core Temp を活用して,CPU 電圧や CPU Core 温度,メモリークロックなどを確認しよう.残念ながら,ソフトで計れないのがメモリーの温度とノースブリッジ・サウスブリッジ温度である.特に OC に弱いのがメモリーであるから,温度計でしっかり測ろう.お薦めは熱電対を利用した KRDT-2000 である.2箇所同時に計測できるので,一つの熱電対をメモリーのヒートスプレッダー部分の隙間に差し込み,もう一つをノースブリッジの銅製フィンの間に差し込んで測れば本当の温度とそう違いはないようだ.私の経験では,メモリーに酷い負荷を与える Prime95 の Blend テスト中に,メモリーが 40°C 以下,ノースブリッジが 50°C 以下であれば,それらの冷却は十分なようだ.

初めての BIOS 設定 OC】参考:M/B 別 メモリ設定手順BIOS設定 完全ガイド2008
 さて,いよいよ BIOS で OC を行おう.パソコンのスイッチを入れて,画面に何か(BIOS のロゴ)映ったら,Delete キーを押すと BIOS の Main 画面 に入る.左右矢印キー → ← や上下矢印キー↓↑で各メニューやそのサブメニューに入ります.サブメニューがハイライト表示されると画面の右側に選択項目の簡単な説明が表示される.戻るときは Esc キーです.
 さて, CPU 倍率を自分の CPU に合わせて選択する(ASUSGIGABYTE).次に,ベースクロックを CPU の定格(266 MHz,333 MHz など)から,10 MHz 程度上げてみる.これが当に OC である.このとき,PCI Express Frequency が【Auto】になっていると,一般にグラフィクスのクロックが連動して上がるので,【100】に固定する.
また,メモリークロックも【Auto】だと連動して上がる.初心者はメモリークロックの定格値(800 MHz など)によく注意して,これ以上にならないように設定する.ASUS では DRAM Frequency を選択項目にして Enter キーを叩くと OC したベースクロック xxx MHz に対応する DDR2-XXX MHz の選択項目が現れる.これら一連の項目は先に見た FSB:DRAM の整数比に対応している.定格値が 800 MHz のとき,DDR2-(800以下) MHz 項目を選べば,メモリーは OC していないことになります(つまり安全です).GIGABYTEGAE では System Memory Multiplier をハイライト表示して選択項目を選び(右側に解説が出たら注意),Enter で戻ると Memory Frequency にメモリークロックが表示される.定格値を超えないように注意する.
 次に,CPU 電圧を【Auto】から Core Temp で確かめてある VID 電圧から+αだけ加圧する.+αは 0.1 V 以内だと(パソコンがよく冷える設定という条件で)安全である.(【Auto】のまま OC するのは,Tj Max に注意を払えるなど,相当慣れてからです.失敗したら CPU がお釈迦様です).
 次に,メモリー電圧を【Auto】から,CPU-Z の SPD 欄に書いてある定格電圧(1.8 V など)にする.この設定はほぼ絶対で,これを守ってさえいれば,メモリーを OC して失敗しても,メモリーが熱によってお釈迦になるのだけは防げる.ただし,OC メモリーでは貼ったシールに書いてある許容メモリー電圧の範囲内で(メモリーをファンで冷やすことを条件に)高く設定できる.(参考:メモリーの OC それ自身の効果は,メモリーの容量がある程度あれば,殆ど無いと言ってもよいくらいである.それは,CPU の処理速度とメモリーのそれでは比較にならないからである.メモリーは容量を大きくしよう(Dual Cannel メモリーで 4GB が理想)).

 これで最重要の設定は一段落である.M/B にもよるが,残りの項目は【Auto】で差し支えないであろう.【Auto】とは,CPU クロックなどの基本項目の設定値にしたがって,自動的に(高く!)定められる設定値です.最後に F10 キーで初めての BIOS OC 設定が完了する.
OC によってファンの風切り音がうるさくなった場合は,BIOS 設定と M/B に備え付けのソフトによって,負荷が小さいときには回転数を高くしない設定ができる.

OS を立ち上げて,確かめること
 CPU-Z や Core Temp ,GPU-Z を立ち上げておいて,3Dmark06 を走らせてみよう.GPU-Z の Sensors 欄の各項目をクリックすると,MAX 値に設定できるから,走らせる前にそうしておくと,グラフィックカードの最大温度が分かる.70°C 以内だと大丈夫なようだ.
 Prime95 を走らせたときは Core Temp の Tj MaX に注意しよう.それより 25°C 以下なら安全である.先に述べた KRDT-2000 によるメモリーとノースブリッジ温度の測定値にも気をつけよう.
 以上のことに注意して少しずつ OC をやっていこう.Prime95 に失敗して赤マークが出たら,いろいろネット検索をして対策を考えよう.不幸にして,ブルースクリーンになったら,OC の致命的失敗である.そのときは先ずメモリーの設定から疑おう.
 何度もブルースクリーンを繰り返すと,BIOS がやられたり,HDD に傷が付いたりする.BIOS の CMOS クリアHDD のチェックデスク は嫌がらずに実行しよう.

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a266622689 at 01:25コメント(0)トラックバック(1)パソコン OC など  

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1. Core i7 875K+P7P55D-Eでオーバークロックやってみた 空冷で3720MHz常用  [ 激突体当たり! ]   2010年06月30日 11:45
Core i7 875K BOX 31477円 http://kakaku.co...

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