環境省は26日、新潟県佐渡市でひなの誕生が期待されていた放鳥トキのペアのうち、雄が卵1個を巣の外に捨てたと発表した。22日にもこのペアの雌が卵1個を捨てている。巣にはまだ1個以上の卵があり、ふ化の可能性は残っているという。

 同省によると同日午後5時15分ごろ、巣に座り込んで卵を温めていた雄が、卵1個をくちばしで割ったうえで巣の外に捨てた。様子を観察していた環境省佐渡自然保護官事務所の笹渕紘平自然保護官によると、割られた卵の中にひななどは確認されず、無精卵か、発育が止まった有精卵とみられるという。

 このペアは08年に放鳥された4歳の雄と09年放鳥の1歳の雌。3月28日に雄と雌が交代で卵を温める「抱卵」行動が確認されて以来、トキのひなが通常かえる28日を経過しており、近くふ化することが期待されていた。

 ふ化の36時間前には、ひなが卵の中から殻を破るのを親鳥が助ける「はし打ち」という行動を取るとされるが、26日午前にはこのペアが巣の中で頻繁に立ち上がるなどの様子が観察されていた。笹渕保護官は「もう1個(の卵)が無事にかえることを願っている」と話した。【畠山哲郎】

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