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菅野覚明『神道の逆襲』(2001年、講談社現代新書)

 これは名著。神道に対する、というよりも日本の文化一般に対する目を開かされた。
 第一章で述べられている、日本における神のあらわれ方に引き込まれる。

> 人々の見慣れた日常世界と「骨牌(カルタ)」の裏表のように一体のものである(略)同じものの反転において、ただの猫、ただの狐、ただの雨、ただの雷が、それぞれ神であるのだ。(P.33)

 この認識! この認識にどれだけ多くのものを与えられたか。
 章名のみ写す。

 はじめに
 第一章 神さまがやって来た
 第二章 神道教説の発生
 第三章 神国日本
 第四章 正直の頭に神やどる
 第五章 我祭る、ゆえに我あり
 第六章 神儒一致の神道
 第七章 神道の宗源は土金にあり
 第八章 危ない私と日本
 第九章 人はなぜ泣くのか
 第十章 魂の行方
 結び 神さまの現在
 あとがき

 第二章以下も面白い。概ね第二~四章が伊勢神道に、第五章が吉田神道に、第六~七章が垂加神道に、第八~九章が復古神道について書かれている。
 もう一度じっくり読み返したい一冊だ。