□サントリーチーフブレンダー 輿水精一さん

 ■天体観測がウイスキーづくりの原点 大学で醸造研究し自然に就職。

 --もともとウイスキーはお好きだったのですか

 輿水 大学は工学部だったのですが、電気や機械にあまり興味がなく、発酵生産学科という特殊な学科に進みました。ワインの産地・山梨県の大学だったのでワインの醸造を研究していました。このため、通常の学生よりは酒をたしなむ機会は多かったのですね。でも、当時はほとんどが日本酒でした。ウイスキーを飲むようになったのは趣味の天体観測で山に出かけるとき、暖をとるために持っていったのがきっかけです。

 --天体観測をされるのですか

 輿水 小学校3年生のときに父親が買ってくれた「天体と宇宙」という本を読み、天体が好きになりました。山梨は星がきれいに見えるというのも大きかったです。中学、高校は天文部で、大学では天文好きの友人たちと同好会を立ち上げました。

 --いろいろな山に出かけるのですか

 輿水 当時は八ケ岳や清里が多かったです。天体観測は見たい星をひたすら待つことが多い。写真も撮りますが、長時間シャッターを開きっぱなしにします。こんなときに、ボトル1本で荷物にならないウイスキーを重宝しました。当時飲んでいたのが「ホワイト」や「レッド」です。

 --なるほど、ウイスキーづくりの原点は天体観測にあったのですね。サントリー(現サントリーホールディングス)に入社したのは、大学の研究の延長だったのですか

 輿水 山梨には山梨ワイナリーと白州蒸溜所というサントリーの工場が二つあり、身近な存在だったうえに、大学の研究でもよくお世話になっていました。就職は自然な流れで決まりました。

 --入社後、まず多摩川工場(川崎市)に配属されました

 輿水 はい。多摩川工場は当時、洋酒の瓶詰を行っていました。このころは今とは逆にブレンダーから指示を受けた原酒を調合して瓶につめていました。

 --ウイスキーの消費量が右肩上がりだったときですね

 輿水 テレビCMの効果などもあり、「ウイスキーはいいものだ」といった雰囲気でした。サラリーマンは上司に連れられて2軒、3軒と飲み歩くのが当たり前で、みんなそろってウイスキーの水割りを飲んでいましたね。いい時代だったと思います。入社4年目で山崎蒸溜所(大阪府島本町)の隣にある研究所に移りました。ウイスキー熟成のメカニズムの研究が主でしたが、もっとも注力したのが熟成に使う樽(たる)の研究です。

 --ウイスキーの味は樽の良しあしが重要なのですか

 輿水 もちろんです。樽に使う木は2年間ほど天然乾燥させます、ここでしっかりと水分を取っておかないと、原酒が漏れだしてしまいます。ところが乾燥させすぎると木材が割れることもある。一番いいバランスは貯蔵する場所によっても変わってきます。樽はまさに生き物のように振る舞うのです。一つの樽に約50枚の木材を使いますが、このときは試験樽を約450個つくりました。数万枚の木材の水分を一つひとつすべて検査していったわけです。(聞き手 藤原直樹)

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