国立西洋美術館リニューアル記念展「自然と人のダイアローグ」の第一章「空を流れる時間」では、ピサロが雪景色ならばと、モネのそれも展示されています。
連載記事: 自然と人のダイアローグ
◇ モネ: 雪のアルジャントゥイユ 1875年 油彩/カンヴァス 55.5×65.0 cm(旧松方コレクション)
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◇ モネ: 雪のアルジャントゥイユ 1875年 油彩/カンヴァス 55.5×65.0 cm(旧松方コレクション)
モネがアルジャントゥイユに住んでいた1871年から78年までは、この画家の印象派様式が確立した時期で、私達が知る最も印象派らしい作品が生み出されました。ドービニーから影響を受け、セーヌ川の水辺を画題に選び、そこを行き来するヨットや水面に反射する光の彩を、印象派の筆触で鮮やかに表現しました。一方、この《雪のアルジャントゥイユ》のように、市街の風景も画題として取り入れ、パリ近郊の街の日常を描いています。ここでは、煌めく光の表現から離れて、通りには白い絵具による積雪を表しておきながら、樹木のそれには、様々な色を用いることで陰影を表現し、降雪後の曇天の空気を見事に描き出しています。
画像出典: 筆者撮影
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