パリで開催されていたロン=ティボー国際音楽コンクールのファイナル・ラウンドの動画が公開されています。前回も日本の三浦謙司と務川慧悟が一位と二位を獲得しましたが、今回も亀井聖矢が第一位を獲得しました。

前回記事: ロン=ティボー国際音楽コンクール2022で、亀井聖矢が第一位
関連記事: ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール、日本人が1、2位を独占

 亀井は、前回の務川と同じくサン=サーンスのピアノ協奏曲第5番《エジプト風》を弾きました。この曲は、サン=サーンスがカイロに滞在中に作曲したもので、その時の印象を反映した楽想が織り込まれています。従って、従来の絶対音楽的なピアノ協奏曲とは趣を異にした、異国情緒溢れる標題音楽風の楽曲です。何故か演奏機会は多くありませんが、他のコンテスタントが演奏した、チャイコフスキーやラフマニノフ、プロコフィエフの協奏曲に比肩し得る名曲です。



◇ サン=サーンス《エジプト風》 亀井聖矢(Pf) フランソワ・ブーランジェ/ギャルド・レピュブリケーヌ管弦楽団|ロン=ティボー2022ファイナル

 亀井のピアニズムは、鮮やかの一言。第一楽章では、快速テンポで瑞々しい音色を繰り出しつつも、それだけで終わらず、強靭な打鍵によるシャープな高域の音響によって鮮烈な異国風をもたらし、第二楽章では、ダイナミックさと深遠さを古代エジプトの神秘に重ね、終楽章は、軽快な推進力で突き進んで、華々しく結びました。


 
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第4番&第5番*
田中希代子(Pf)
ディーン・ディクソン&ピエール・デルヴォー*/NHK交響楽団 形式: CD

サン=サーンス : ピアノ協奏曲第3-5番
[SACD Hybrid] [Import] [日本語帯・解説付]
アレクサンドル・カントロフ(Pf)
ジャン=ジャック・カントロフ/タピオラ・シンフォニエッタ
AD by amazon