2006年06月21日

〜Requiem〜


〜Requiem〜

ベッドに入る前に女は言った。
「私、抱かれていると顔が変わるの。」

若いときからずいぶん遊んできた俺だが、
そんなことを言った女は初めてだったので、正直驚いた。

キスから始まる一連の愛撫に、柄にもなく少し緊張して引き寄せたのだが、
なめらかな女の体が赤みを帯び、半開きになった口からあえぎ声がもれはじめると、
そんなことはかき消されていった。

それが・・・
女のあえぎ声がすすり泣きに似た声に変わり始めたとき、
その横顔に何かひっかかる気がした。

なんだ?
思い出しそうで思いだせない。

下手な考え休むに似たりだ。
頭から振り払うように、女の体にのめりこむ。
たしかに少し変わった女だが、抱いてしまえばみんな同じさ。

女の肌が汗ばみ、俺の肌と引き合うようになる。
たわいなくいってしまった女を見ながら、俺も動きを早める。
心拍数があがり、ゴールは近い。

頭の中が真っ白になったその刹那、
女が目を開け俺を見た。
俺は思わず息をのんだ。

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2006年03月24日

Adonis





光から隠れるようにその少年は立っていた。
私を見つめて、懐かしげな笑みさえ浮かべて
突然のことに私は目をそらせた。
なんだか、裸で抱きつかれるような錯覚を覚えたのだ。

「ぼくを待っていたのでしょう?」
少年の纏っている空気がゆらいで見えた。
彼に共鳴する私の何かが、交わり、離れていく。
顔も姿も覚えずに、感覚だけが強烈な残像を描いた。


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2005年11月29日

胡蝶の夢



*画像CLICKでflashへ*

昔者(むかし)荘周夢に胡蝶となる。
栩栩然(くくぜん)として胡蝶なり、自ら喩(たのし)みて志に適(かな)えるかな。
周たるを知らざるなり。俄然として覚むればすなわち■■然(きょきょぜん)として周なり。
知らず、周の夢に胡蝶なるか、胡蝶の夢に周なるかを。
周と胡蝶とは、すなわち必ず分あらん。これを物化という。
  ー荘子 胡蝶の夢ー
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2005年11月18日

トンネル


トンネルに入ると、なぜみんなスピードを落としてしまうのか?
長いトンネルになるほどそうだ。


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2005年09月24日

oto








kanashii yume de mezameta asa ha


anata no koe ga kikitai no


aino kotoba wo kikitaino


kawaranaiyo tte


kikitai no...... 


oto


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2005年08月09日

女神




男に生まれ、キリスト教徒で、アメリカ在住なら、神のモデルは父親だ。
チャック・ニューヨークの本にそう書いてあった。

では、女に生まれ、仏教と神道の影響を受け、日本在住なら、どうなのだろう?
弥勒菩薩や天照大神の中に見るのは誰なのだろうか。

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Posted by a_novel at 13:20Comments(0)TrackBack(0)小説

2005年08月02日




女が慣れない手つきで

帯を結び始める。

男は問う。


「あとどのくらいで、出かけられる?」
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2005年08月01日

刀 















「ここがすり減ってしまうんだ。」

男は刀の目抜きを指さしながら女に言った。

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2005年07月31日

オカルト






初めて男と見た映画はオカルトものだった。

それが、いわゆるデートにふさわしいかどうかは

わからない。

しかし、その映画は私にオカルトというと

なんだかおどろおどろしい、

害を及ぼすものといった印象を植え付けた。


 
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Posted by a_novel at 22:49Comments(0)TrackBack(0)

Black Bush




アイルランドの酒といえば、ブラックブッシュだ。
ギネスビールで胃を膨らませた後、止めにこれを呑む。
氷なんかは入れない。水をちょっぴりだけ。

呑むほどに頭の後ろ、盆の窪あたりから感覚がじわじわと鈍くなっていく。
ほのかなビートの香りが、昔を思い出させてくれるってもんさ。
 
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Posted by a_novel at 18:05Comments(0)TrackBack(0)