週末、最後の最後の大幅値引き品があったらいいな、でリバティに行ってみた。だいたいどこのデパートもセール最後のほうは大幅な値引きをやらかしてくれるのだが、この段階で当たりが出る確率は、私限定かもしれないが、リバティがいちばん高い。その昔、マックイーンのデニムジャケットを7割引きで買ったころから、2年に1回ぐらい、セール最終で当たりを引いている。

今年は、なんだかよくわからないフレンチブランドのジャケットが75パーセント引きぐらいの値段(私の脳内電卓は基本、どんぶり勘定モード)になっていて、ショート丈のテーラードは持ってないし、この値段ならいいか、ということに。

実は、先週別のセレクトショップで、半額にはなっていたけどそれでも安くはないシルクサテンのショートジャケット(クリストフ・ルメール)を試着して、迷っていた。嫌いじゃない。厚手のシルクサテンで肩パッドなしなので、コート下に着ることも考えれば1年中着られる。ドレスの上でもカジュアルでも行けそう。と思いつつ、なんか最後の決め手に欠ける感じで、ほしいけど、どうしよう、と思っていたのだった。何度も行っていて顔見知りの店なので「ちょっと考えて、忘れられないようならまた来る。その間に他の人がほしいって言ったら売っちゃって。来てみてなかったらそういう運命だと思うことにする」と言って出てきて、やっぱり「どうしようかな」から先に進んでいなかった。1週間近くぐるぐる考えたが、迷うときは買わないことにしよう、と決めた。仕事でもプラベートでも、「大丈夫かなあ」と思いながらやったことって、たいがい大丈夫じゃない。やだなあと思いながら目先の金に気を取られて引き受けた仕事は確率90パーセントでイヤな経験になるし、この人どうなの? と疑問を持ちつつ相手がぐいぐい来るから付き合った相手とは、いつまで経っても違和感がなくならなくて、最終的に疎遠になる。即断できないことは実行しないほうがいい、というのが、私の個人的経験則。

若いころは元気に好きな音出してたミュージシャンがコンセプチュアルだのアーティスティックだのになってきたら年取った証拠(最初からコンセプチュアルな奴は当てはまらない)、というのも個人的経験則ではある。とりあえず私が音楽を聞く理由は「いい気分になりたい」からだと思う(基本単純バカです)ので、じじいの愚痴みたいな歌詞が、ひと昔前の用語かもしれないが環境音楽(今なんて言うの、ああいうたるい音)みたいなメロディに乗ってふがふがしてるような音は、聞きたくない。いるんだよなあ、40代も半ばを過ぎたあたりとかからこういうことやり出して、「高尚」を気取る奴。古楽器持ち出してみたり、やたらデジタルに走ったり、オーケストラ用の曲書いてみたり。どいつもこいつも気に入らない。ポップミュージックに必要不可欠な要素は「カッコよさ」であって「高尚さ」ではないんだってば。

いきなりこんなことを言い出したのは、デーモン・アルバーンの新曲を聞いてしまったから。新曲出た、聞くぞ、で聞いたわけではなく、たまたま耳に入ってしまったクチ。デーモン、これ、おっさん宣言じゃんよ。

結構な悪口を書いておいてビデオ埋め込むのもナンなので、ここには入れません。気になる方はご本人のYoutubeチャンネルにあるのでそちら検索してみてください。