皆さんあけましておめでとうございます。昨年は非常にたくさんの楽しいアニメを見ることができて、いい年でした。

というわけでもう2018年に突入してはいますが、2017秋アニメもすべて視聴を終えたので晴れて2017年のベスト10話を選んでみたいと思います。
まず最初にこのランキングの趣旨についてですが、これは決して2017年のベストアニメ10選ではありません。ベストアニメ10選を今後するかどうかはわかりませんが、少なくともここで俎上に上るアニメはすべてその話数限りの評価になっています。純粋な好みの話であり、評論的な話ではないということですね。ただこの記事に名前を挙げる作品はどれも大好きな作品ですから、もちろん未視聴の方には視聴をおすすめするものばかりです。ただまあ万人受けはしないだろうけど僕にぶっ刺さったタイプのアニメもありますから……判断はご自身でどうぞ。

今回はベスト10話を選出するにあたってぬんさく氏(@nun_tya_ku )のノミネート方式を参考にさせていただいきました(氏の2016年ベスト10話記事)。この方式は非常に良いものであったので是非皆さんも試してみてほしいですね。
それはそれとして少し自己流のルール変更も行ったので改めて今回のルールを記しておきましょう。以下の表記方法はぬんさく氏のブログに準拠しています。

①ベスト10話に選びたい話数を20話選び、これをノミネート作品とする。
②同タイトルからは1話までとする(ぬんさく氏のシステムからの変更点その1。折角一気に観るならできるだけ多くの作品を観たいという思いからこのようにした。)
③20話の視聴順をランダムに決定する(1~20の番号を書いた紙を箱に入れて抽選を行った。ありえん楽しかった。)
④視聴順に従って一気に観る(途中で30分ほど食事を買いに出かけた以外は一気に観た。また録画を間違えて消してしまっていたものはdアニメストアで視聴したのだが、その際にPCトラブルが発生ししかたなく17番目のアニメを20番目に回した。)
⑤改めて視聴しての感想をもとにまずはベスト10話内定か否かを決める
⑥そののち1位から20位まで順位付け(変更点その2。どうせなら全部ランキングをつけてやるぞと思いやってみたが11位以降はつけなくても良かった気もする。)


それからノミネート作品の基準ですが、1話あたりの最大瞬間風速、すなわちその話だけでどれくらい好きかをもとに選ぶようにしたつもりです。もちろん中には他の話数とのつながりの中で良さが最大限発揮されたものも含まれているのですが、単発のエピソードとして好きなものを拾い上げたいという意思が存在していたことは間違いありません。



ではまず惜しくもベスト10入りを果たせなかった11位から20位までを一覧でご紹介させていただきます。

20位 『異世界はスマートフォンとともに。』より第5章「スライムキャッスル、そして新機能。」
19位 『バトルガールハイスクール』より第6話「れんげがくるみでくるみがれんげ」
18位 『ハンドシェイカー』より第9話「Finally Fairy」
17位 『魔法使いの嫁』より第3話「The balance distinguishes not between gold and lead.」
16位 『けものフレンズ』より第1話「さばんなちほー」
15位 『アイドル事変』より事変06「TOO SHY SHY GIRL!」
14位 『天使の3P!』より第10話「まるっきりデート」
13位 『サクラダリセット』より第5話「ビー玉世界とキャンディーレジスト」
12位 『つうかあ』より第7話「Side by Side」
11位 『プリンセス・プリンシパル』より第3話「case2 Vice Voice」


以上になります。そのどれもがすばらしい輝きを持つアニメでした。
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ではここからついにベスト10を発表させていただきたいと思います。

第10位 『アクションヒロイン チアフルーツ』よりSTAGE12「情熱☆フルーツ」
チアフルーツは夏アニメ、俺たちのディオメディア君のオリジナルアニメです。特撮へのリスペクトが随所に見てとれるパロディと直球な部活モノに地方創世が折り合わさった作品でした。そんなチアフルーツがはじめて自分たちをパロディしたのがこのSTAGE12、つまり最終話になります。サブタイトルにもなっている「情熱☆フルーツ」とはこの作品のオープニング曲であり、そして作中のご当地ヒロインであるヒナネクターのテーマソングでもあります。今までずっとメジャー作品のパロディでサブタイトルを重ねてきたところに燦然と掲げられるオリジナリティに、放送当時息をのんだ記憶があります。さてその内容としては、自身の不幸体質にとらわれてしまっている城ヶ根御前が大舞台を前にいなくなり残されたチアフルーツたちは……というところからはじまりました。
自分がいては舞台は必ず失敗すると考え自分を犠牲にした御前とそれでも御前を信じて演目を変更しないチアフルーツたち。いや演目は変更されました。いつだってここぞというときに真っ先に動き出すのは美甘なのです。ショーをはじめるきっかけも、脚本が必要になった時も、アクシデントに遭遇した時も、いつだって美甘の行動から道は切り開かれたのです。大規模なアドリブによる改変ののち、ついに合流した御前と一緒になって舞台は大成功のうちに終わります。そしてそれは、御前が自身を縛る呪いに打ち勝ったということでもあったのでした。
以上があらすじになります。さて好きなシーンについて。王道だけどみんなからの寄せ書きシーンは泣いてしまったよね。9人は無敵だって本当だよな……このメンバーならなんでもできる、そう思えるみんなと一緒にいられることって本当に幸せなことだと思いますし、それ以上に自分がそのメンバーの一員としてそう思われる中にいることが幸せだと思います。僕も誰かにとっての必要不可欠な一人でありたい。
それからあと走っていて転んだ御前が今までの自分を振り切るシーンもすごい好き。「やっぱり行くなってことなのかな……なんて言わせるか!」の力強さ、今までずっと言ってきたからこそのリアルさがたまらないですね。一瞬「この期に及んでまだあきらめるのかお前は!」と叱りたくなったところに見せてくれる強い気持ちに心が打たれました。
そして満を持して流れる情熱☆フルーツだよね。この曲がこのアニメのテーマソングであり、そしてヒナネクターのテーマソングなんだってことがはっきりとわかる劇中歌でした。「ライブはまだまだはじまったばかり」という歌詞が本当に好きなんです。ショーが終わってからこの歌を歌うわけですが、それでもやっぱりライブはまだまだはじまったばかりなんですよ。これからまだまだ続いていく物語のその先を予感させるという点でアイドルものでは描けない考え方だと思います。

第9位 『エロマンガ先生』より第9話「妹と妖精の島」
2017年のベスト10を選んでみて、こうして振り返るとやはりどうしてもストーリー上の重要ポイントやあるいは展開が僕好みだったものがほとんどを占めています。そんな中でキャラクターへの愛だけで見事にベスト10入りを果たしたのがこちらのアニメです。
エロマンガ先生は春アニメ。あの激戦区において、1話単体の、もっと言うならばキャラクター単体の破壊力が群を抜いて強かった。
この第9話は言わずと知れた山田エルフ大先生個人回にあたります。山田エルフ大先生は主人公であるマサムネの最初の強敵ポジションとしてお隣のおうちに出没する金髪中二病裸族の売れっ子作家先生で、そのかわいらしい容姿から最悪(最高なんですが)の性格を溢れ出させる本作のメインヒロインであります(主観)(ひいき目)(現実逃避)。
もうな、かわいいんじゃ。かわいいとしか言いようがないんじゃ。そんな山田エルフ大先生の魅力が12381297%発揮されたのがこの第9話なんですね。まずいきなり南の島のビーチで誘惑してくる。かわいい。付き合いたい。さらにはお風呂場での会話を盗み聞きした結果真っ赤になっている。かわいい。一生一緒にいたい。そして極めつけは父親が母親にプロポーズしたという場所で事実上のプロポーズをしてくる。かわいい。愛している。結婚してほしい。
この話が放送されてからしばらくの間は1日1回は最低でも視聴していました。もう実質僕と山田エルフ大先生との新婚生活だったと言ってもいいでしょう。
さて話をアニメ本編に戻しますと、山田エルフ大先生のセリフがいちいち本当にかわいいんだよなあ。母親に対して婚約者の話を断ったという話をするときの芝居がかった言い回しと動きとか抱きしめたくなるし、ヘタレているマサムネの言葉に対して顔を赤らめながらも絶対自分を好きになると言ってのける愛らしさ、一度すれ違ってから振り返って本名を教えてくれる時の「エミリーよ! 告白するときはそう呼んでちょうだい」がもうありえん結婚するしかない入籍。まぁそんな一世一代の告白も次の話の冒頭でさらっと夢だったかも扱いされて「呼んでみただけ」のエミリー呼びをされるわけですが……野郎絶対許さねえからな。

第8位 『Just Because!』より第1話「On your marks!」
まだまだ記憶に新しい秋アニメの中で、まさにダークホース的な存在だったのがJB!というアニメだったと思います。そしてそんなJB!の存在をオタクたちに知らしめたのは間違いなくこの第1話でした。このようなくくりをすることに意味があるはわかりませんが、2017年に放送されたアニメの第1話の中で一番ワクワクしたのがこのアニメだったことは間違いがないと思います。何かが始まる、そんな予感をひしひしと感じさせる幕開けでした。
JB!は舞台になるのが高校三年生の冬休みから春休みまでということで、まさに子供の終わり大人のはじまりという過渡期に揺れる男女の機微を描いていました。そして最後まで視聴しきったあとにあらためてこの1話を見るとわかりやすくみんな「子供」なんですよね。瑛太と陽斗は中学2年生から止まったままだった関係が再び動き出したばかりでまるっきり中学生みたいなやりとりをしていますし、夏目はのちのちに輝いてくるワードでもある「ムカつく」を使ってやり場のないもやもやを表明しています。森川は最初から一番大人に近かったですが、それでもやっぱり部活という子供サイドの集団に浸かったままです。小宮は物語終了後も子供サイドに残るキャラクターですので少し違うかもしれませんが、それでもやっぱり中盤以降の甲斐甲斐しい様子からすればわがまま放題で扱いに困る子供らしさがあります。
とこのように物語的な意味における価値を再確認してもいいのですが、そんなことはどうでもいいんだよ。JB!第1話を僕が評価するのはただ一点、これほどまでに懐かしさとワクワク感を引き出される放課後の雰囲気を描いているアニメを見たことがないと感じたからです。どこか一か所の部活風景に注目してしまえばそれはもはや放課後ではありません。部活の時間です。そうじゃなくって、あの放課後、それも終業式後という少し普段とは違う放課後のワクワク感がこれほど画面からあふれてくることは今までになかった。用事のない生徒はもう帰ってしまって、部活もそんなにはやってなくって、でもまだ残っている人もいるというあの瞬間の、喧騒がどこか遠くへ行ってしまったような校舎。そこにBGMのようにかすかに聞こえる吹奏楽部の練習の音、ボールを打つ音、友達との会話。
しかしここで終わらないのです。バラバラだった放課後の音がやがて一つにまとめあげられていく。バットの音につられて吹奏楽部は応援歌を演奏しだし、やがてそれは一人の遊びから部員総出の遊びへと変わっていく。一方でかすかなBGMがまごうことなき応援歌になり、遊びの野球は真剣勝負へと様子を変えるのです。そしてそこには少ないながらも観客が生まれる。あの瞬間、バラバラだった放課後が一つの場面としてまとめあげられたんですね。なんという快感か、なんという視聴体験か。そこまで期待もなく適当に見ていた僕が気付けば食い入るように画面に見入っていたのも当然というものでしょう。僕もまたあの時、放課後の一員だったのです。

第7位 『アリスと蔵六』より第5話「帰るところ」
アリスと蔵六は春アニメ。そしてこの第5話というのは大きく展開が動くいわば第1部の最終話ともいうべきポジションでした。春アニメの感想を書いた時には第6話までで第1部としましたし、今もその分類への疑問はありません。しかし展開上の最終話はやはり第5話だったでしょう。
アリスの夢という不思議な能力を持つ少女・紗名と曲がったことが大嫌いな頑固爺さん蔵六の出会い、そして家族になるまでを描いたのが第1部でした。蔵六に叱られたまま連れ去られた紗名に告げられる自分が人間ではないという事実、存在するだけで蔵六たちに迷惑をかけてしまうからと涙する紗名に対して言う蔵六のセリフがもうかっこよすぎてかっこよすぎて……。「お前さん外に何があるのか見たくて出てきたんだろう? だったらそうしろ。言ったことは曲げるな。俺はな、曲がったことが大嫌いなんだ。」というこのセリフですよ。なんて優しい曲がったことが大嫌いなんだろうな。今この記事を書きながらまた泣いています。今までもずっとキーワードとして使われていたものがその意味するところを大きくかえて使われる、というのが僕はすごい好きなんですね。たまらない。
また物語の構成としても失った家族を取り戻すために戦うミギー・Cと新しく家族になる紗名&蔵六の対比というのが非常にうまいですよ。一見明暗わかれたようにも見えますが、そのどちらにも深い愛が流れているのです。愛ゆえに苦しみ、愛ゆえに救われる。
アニメ全体の感想のところでも書いたのですが、この物語において非常に重要な役割を果たしているのが早苗なんですね。彼女がいればこそ紗名と蔵六を最初の段階でつなぎ留めておくことができたと思います。そんな早苗が蔵六の「孫が増えた日」という発言に対して涙するシーンがもう本当に好きで好きでたまらないんだ。紗名に向けられた愛を感じ、そして自分に向けられた愛も感じるからこその涙でしょう。

第6位 『BanG Dream!』より第8話「走っちゃった!」
バンドリは冬アニメでした。もうあれから1年……まだ経っていないんだよなぁ。巷では色々と批判されることも多いアニメですが、僕は非常に好きなんですね。好きになったきっかけがまさにこの第7話第8話の沙綾編だったことは言うまでもありません。これについては以前個別記事を書いて内容の話をしたので今さら書くことはないような気もします。なのでベスト10に入れた理由だけ書いておきましょう。
まずはやっぱり気持ちのやりとりを非常に丁寧に描いている点です。これまで散々やりたい放題なキャラクターとして描かれていた香澄の気持ちが逆になかなか見えてこないというのは不思議なもどかしさがありますし、きっとそんなもどかしさを沙綾も感じていたのだろうと追体験することができます。
それから細かいギミックの丁寧さですね。文化祭を楽しんでいる香澄の笑った口元から沙綾を思い悩んでいる口元へとシャッターを通して変化するあのシーンとか、演奏中にスティックを投げてしまって照れ笑いする沙綾とか本当に好き。
そしてSTAR BEAT!~ホシノコドウ~とかいう名曲なんだよなあ。順番的にはこの曲が先にあってからのアニメのはずですが、それでもこのアニメのために書かれた曲のように感じてしまうこの一致。この曲からすべてが始まっているんだろうなあというのを感じます。

第5位 『フレームアームズ・ガール』より第8話「決起集会/秋に呼ばれて…」
FAガールは春アニメでした。間違いなく2017年のベストアニメ10選をやったとしたら入れるでしょうね。しかしこのアニメはそれゆえに逆に1話単位でどこをノミネートするのかというところから悩みました。おつかい、鍋パーティー、夢、そして最終話……どれもがベスト10話級の良さにあふれていました。
しかしその中でも僕が第8話を選んだのにはやっぱり理由があります。他の10話を見てもらってもわかると思うのですが、僕はベスト10話を選ぶにあたって展開が好きで選んだ話とキャラクターが好きで選んだ話をまぜこぜにしています。そしてFAガール第8話はその観点で言えば両方の要素において大好きなのです。
まずはAパート「決起集会」ですね。こちらはキャラクターの魅力が前面に押し出されています。楽しいことになると全力で協力してくれるバーゼ、ツッコミとしての地位を定着させたスティ子、何をするのか予想もできないアーキテクト、いつだって空回り気味だけど憎めない迅雷、まさか漫才をするとは思わなかったマテリア姉妹、全てを笑顔で受け入れる轟雷、そしてどこまでも彼女らしいあお……キャラクター一人ひとりの魅力が短い芸の中に詰まっているのです。あとマテリア姉妹の漫才が好き過ぎる。
次にBパートです。ここでAパートからのつながりが作られているのがうまいんだよなあ~。あおからの手紙の中で「もっと思い出を作っていこう」という話があり、そして次のパートで実際に二人で公園に出かけるんですよね。そしてそこで見つけるのがあおの思い出であり、それが二人の思い出になっていく。轟雷がなつかしさを理解したというときのセリフがたまりません。
それからおままごとですかね。あおとFAガールたちの関係性は母親と娘なのだという話は今までにも散々いろんなところでしていますから今更いいとは思いますが、それはFAガールたち、もっといえば轟雷のあこがれに自然とあおが答えているという形なのだと思います。だからこそ今回もおままごとをやってみたいと言い出した轟雷が子供役であおが母親役になるんだと思うんですよね。だっておままごとをやりたがる子供というのは大体母親役をやりたがるものですから。

第4位 『ひなろじ~from Luck & Logic~』より第11話「一年の計はカウントダウンにあり/据えチョコ食わぬは女の恥」
ひなろじは夏アニメでした。多くのオタクをノックダウンし、今なおひなろじの話ばかりしている界隈を生み出したほどの中毒アニメでしょう。
さてそんなひなろじから1話を選ぶということになって、僕は非常に悩みました。物語上の重要ポイントであり、僕がひなろじを大好きな理由であるリオンとニーナの関係性の変化という観点から言えば第10話こそがふさわしいからです。もちろんそれはわかっています。しかしそれでも僕は1話単位の瞬間最大風速という今回のフォーマットに従うならば第11話を選ぶべきだと思いました。
だってこの話をリアタイしたときの僕の様子がありありと思い出されるんですよ。本当に言葉にならない声を発しながらTwitterにも叫び声ばかりを投稿し、そして放送終了から2分後にはブルーレイの予約が完了していましたからね。これを瞬間最大風速と言わずしてなんというのか。
内容としては第10話ですでに二人の間にあったわだかまりは解消され、ただもうひたすらにいちゃついているリオンとニーナが描かれるAパートからはじまります。そして間髪入れずにBパートでは惚れ薬的サムシングでラブラブ空間が形成されていちゃこらします。いちゃこらしかしてねーな。これが見る麻薬。聞く麻薬なのです。マジで語る言葉をもたない。いつまででも何回でも観ていられる、それだけです。

第3位 『小林さんちのメイドラゴン』より第9話「運動会!(ひねりも何もないですね)」
小林さんちのメイドラゴンは冬アニメでした。ドラゴンと人間という異なる種族が一緒に生きていくということがどういうことなのかを常に投げかけながらもギャグまでこなす非常に多才な作品だったと思います。そんな中でも僕が選んだのは第9話でした。タイトルからもわかる通り運動会が描かれます。運動会に参加するのはカンナカムイ、カンナちゃんですね。人間の世界に来てから人間の子供に興味を示し小学校に通うようになったカンナが迎える初めての大イベントという感じでした。
Aパートでは小林に運動会に来てもらいたいカンナと仕事が忙しい小林のやりとりが描かれます。才川の話を聞いて家族が揃っていることを求めてしまうカンナが年相応でほほえましく、そしてそんなカンナが小林の仕事っぷりを見に行ってそっとあきらめるのがいじらしい。その気持ちに応えるべく奮起する小林の「行くべきだと思った」という発言の力強さにもう涙が出ました。それまで「行きたいかどうか」という話をしていたところからそういう結論に達するのはなんとも母親になったのだなあと。
Bパートでは実際に運動会が開催され、今度はカンナと才川の話がメインになってきます。才川はね、もうね、本当に一生見守っていたい。彼女の幸せを一生守っていきたい。きっとこれから才川とカンナの間には様々な問題が起こることになると思うんですよね。ドラゴンと人間という種族の違いを理解して付き合っている他のペアとは間違いなく違うわけです。これから彼女たちは種族の違いという事実にぶつからなくてはいけない。そのどうしても訪れる障害を予知できているからこそ、なおさら今の才川とカンナの関係性が尊いものとなるのです。二人三脚のあとの「才川大丈夫、次がんばろう」はきっとそんなくらい未来も二人なら乗り越えてくれるという希望の光でした。そしてリレー、わかっていたとはいえ失敗し涙をこぼす才川の姿に僕も心が締め付けられるような思いでした。だからこそカンナの「任せて」に心が救われ、すがるような気持ちでカンナの走りを見つめることができたのだと思います。優勝後にそっと輪を離れようとする才川の気持ちがよくわかるからこそそこで駆け寄ってくるカンナがうれしいわけですね。やはり良いアニメというのは気持ちが画面の中へと飛び込んでいってしまうものです。

第2位 『スタミュ-高校星歌劇-(第2期)』より第10話「第10幕」
スタミュ第2期は春アニメでした。というか春アニメばっかりだなこのランキング。スタミュという作品自体は登場人物がほぼ全員男のイケメンということもあり、明らかに女性向け作品としてターゲット戦略ははじまっていたように思います。しかしその内容の熱さは男女関係なく見る者を魅了する作品でした。特にその力が存分に発揮されたのが第2期だったと思います。
第2期ではシーズンを通してずっと綾薙学園の卒業公演について描かれ、その作中作についても触れずには説明できません。二人の主人公とその分身とも呼べる影、計4人の役者が演じるキャラクターの関係性と作中歌(ミュージカルなので当然ですが)……それらへの複雑な理解なくしてスタミュを完璧に理解することはできないのでしょう。僕もまだまだ理解できていないところがあるのではと感じます。
しかしこの第10幕に限って言えばそういった難しい作中作理解はそこまで必要ありません。もちろん役柄同士の関係性についても絡んでは来るのですが……。ただこの第10幕で描かれるのは星谷と鳳先輩、そして柊先輩と鳳先輩という二つの関係軸だけなのです。急きょブロードウェイ行きが決まり卒業公演を降板することになった柊先輩の代わりに星谷はランバート役(主人公の一人)に選ばれます。しかしそれは選ばれたというよりも最初からランバート役の控えとして育てられていることは作中で明白でした。その理由が明かされるのがこの第10幕というわけですね。
前半では育成の成果もあってランバート役を無事にこなしていた星谷が鳳先輩とデュエットする主題歌を歌えなくなってしまった様子が描かれます。周りのカンパニーたちにはその理由は告げられませんが、鳳先輩と歌うのは柊先輩だという強い意識が星谷を止めてしまうわけですね。そしてその様子に気付きながらも何も言わない鳳先輩の姿。余談ですがここでの天花寺が本当にかっこよくて大好き。そして星谷が失踪したとカンパニーたちは大騒ぎします。この大騒ぎパートもいいんですよねぇ。第2期の最初であれだけギスギスしていたメンバーが、本当に一丸となって星谷のことを心配しているんですよ……涙が出るでしょ。しかし星谷失踪事件のドタバタは戌峰の一言によって一気にギャグ化します。そんなバランス感覚も好き。
さて後半では気分転換にとはじめて鳳先輩と出会った場所に訪れる星谷と、そこにやってくる柊先輩とが描かれます。「夢をあきらめる方法なんて知らない」がキャッチコピーのこの作品で星谷が告げる「夢がかなうことが怖い」という本音。そして告げられる星谷抜擢の理由、それは柊先輩と星谷とが同じ想いで鳳先輩との舞台を望んでいたからだというものでした。役を託すということは、想いを託すということだったのです。いやそんなん泣くよ。オタク棒泣きだよ。
旅立つ前に柊先輩が教えてくれる「ランバートのセリフや歌はドアをノックする音」という話がまたすばらしい。これだけ真剣に作中作に向き合っている作品はそう多くないでしょう。是非ともこうであってほしいものです。ED曲である至高の名曲「Gift~カーテンコール~」の歌詞ともリンクしてきますね。ここで触れるのは少し違う気もしますが、この曲は本当に回を増すごとに、理解を増すごとに好きになっていってそして最終話で完成するのでマジで化け物みたいな曲ですよ。

第1位 『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』より第12話「世界で一番幸せな女の子」
さてついに第1位、すかすかは春アニメでした。今回ベスト10話を選ぶにあたって、最終話ばかりのランキングにならないようにしようという気持ちは正直ちょっとありました。だってやっぱり最終話って物語を終えるために一番大事なところですし、終わり良ければ総て良しではないですけれどきれいに終わるとそれだけで評価があがってしまうものです。だからこそ1位から10位まで全部なんかのアニメの最終話みたいになってしまっては面白くないなという思いがあったのです。しかし今回は逆にその思いのせいで最終話をエントリーさせなさすぎたかもなという気もします。言い訳をするならば最終話の良さって基本的にはそれまでの全部をまとめあげる良さであって、話単体の良さではない部分が大きいと思っているんですよね。
だからこそそんな中でもエントリーにまで至ったチアフルーツとすかすかの最終話というのは単体で非常に好きだったということなんですよ。
すかすかの最後についてはずっとCMでクトリのことを「15年を精一杯生きた」と言っていましたからおそらくすべてのオタクが死ぬことを理解していたと思います。言うなれば決まりきった結末へと突き進んでいくだけのアニメだったわけですね。いや本当にそうなのでしょうか。心のどこかで「そんなどうしようもないバッドエンドに直行して話が面白くなるはずがない、何かあるんだろう」と思っていたのではないでしょうか。僕は思っていました。だからこそバッドエンドをハッピーエンドに変換してそのまま突き進むどころか飛び込んでいったのには驚かされました。結末は変わらなかったわけですが、登場人物たちの認識が変わったわけですね。
しかしここで大事になってくるのが、僕たちの認識は変わったのだろうかという点です。ノフトも言っていましたが、自分は幸せだからって言って勝手に逝かれても残されたものには絶対もやもやが残るわけですよ。僕たち視聴者はこれからそのもやもやを抱き続けなければいけない、そういう気持ちを強いてくるアニメというのが僕は本当に好きなんですね。
CMの話をするならばもう一つ、ずっとCMでクトリの独白が流されており、また1話冒頭からもああ最期にはこの独白を流すんだろうなあと思っていました。そしたらね、それにね、返歌がついていたんですよ。この恋はクトリだけの物語じゃなかった。ヴィレムにとっても恋の物語だったわけですね。だからこその対になった独白だったわけです。完全にしてやられましたね。実際にクトリの独白がはじまってああはじまってしまったと思っていたらヴィレムの声がしてその内容でもうガツンと頭を殴られたような気分でした。
それから2017年のアニメの中で一番好きなシーンは間違いなくすかすか最終話の、クトリの髪の毛が夕陽に照らされながら真っ赤に染まるあのシーンなんですよね。もはや赤髪の少女としか思えないその髪の毛に幾筋か光る青い毛が美しくて美しくて、そうだクトリは青髪の少女なんだってすっと入ってきました。そしてそれが本当に真っ赤に染まったときのあの気持ちね。あれはなんと言葉にすればいいのだろうか。画面に映っているのは真っ赤な髪なんだけど、僕の脳みそはそれを真っ青な髪だと認識したんですよ。あの倒錯、あの混乱、きっとあそこで僕は自分もまたクトリに恋をしていたのだと気付いたんだと思います。

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以上で全10話の紹介を終えました。ぱぱっと数えてみたところどうやら2017年は冬アニメ16本+ショートアニメ5本、春アニメ19本+ショートアニメ7本、夏アニメ16本+ショートアニメ7本、秋アニメ27本+ショートアニメ7本で計75本の30分アニメ、3本の15分アニメ、26本のショートアニメを視聴したようです。多少話数のズレはありますがこれらを全部合わせて大体1200話くらいみたわけですね。その中から一番好きな10話を選んだわけです。そりゃもうこれぐらいポエム祭りになってしまうのもしょうがないというものですよ。許して。

あらためてぬんさく氏のシステムで一気に20話見て、本当に楽しかったです。是非この記事を読んでくださった皆様も、来年はこのシステムでベスト10話を決めてみませんか?

それでは2018年もこのようにすばらしいアニメに出会えることを祈っておわりとします。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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