バルバラ、1996年の曲。
彼女の死去が97年なので、最晩年の曲です。
死を予感しているかのような詩ですが、余計なことは書く必要はないでしょう。
そこから何を感じ取るかは人それぞれなのですから。。。
しかしまた、死をまったく予感させない、創作活動にいそしむ映像の中のエネルギッシュなバルバラの姿も切なく胸に迫るものがあります。

彼女が、安らかで幸福な最後を迎えたことを願ってやみません。




 私は還っていく

私は思い出に還るでしょう
私は思い出に還るでしょう
私は思い描いてきた場所に還るでしょう
あの村に
私の村に
私は思い出に還るでしょう
私の知らない
夢のような
この物語
そして遠くてヴェールに包まれた
走馬灯のような
私の幼き頃
私の幼き頃

そうあれは、そうそう、日曜だったと思う
そうあれは、そうよ、11月だったわ
一体何があるのかと
だけど私は工場を覗いた
そうよ、工場だったわ
彼が現れる
現れる…
絵本の中の
鋼の曇り空
苦悶
そして重苦しい足取りで
その人は這いつくばる
そして翳(かげ)のなかで
その人は歩んでいく

そうあれは、これはたしかなこと
それは日曜のことだった
そうあれは、これはたしかなこと
それは11月のことだった
そして写真を破いたわ
あの顔を
あなたの顔を
あなたはどこへ行ってしまったのか
この路で
まるで
それは遁走する軍隊?
そして、すべては透明で
そして、あなたは不在になる

すべてが私に還って来る
思い出のすべてが…

そして11月に
そして物語は
そして足音
誰が近づいて来るの
そして現れる
リズミカルに
あなたは…あなたはどこにいるの?
私はあなたを探す
あなたはどこにいるの?
私はあなたを探す
あなたは、私の過去そのもの
私の思い出そのもの
ねえ、
もう一度物語から出てきてください
誰かがいた、それはたしかなこと
日曜日、
11月に、
あなたの顔があった
あなたが…
この路で…
凍りつく
そして翳(かげ)のなかで
誰が打ち叩いたのか
そして、あなたをさらってください

私は思い描いてきた場所に還るでしょう
あの村に
あなたの顔に
あなたに…
この路でたった一人で
まるで遁走する軍隊のように…
そして足音
誰が近づいて来るの
リズミカルに
リズミカルに…


(訳:ああ)