久しぶりの更新となりました。
今回はライブとオンラインのキャッシュゲームの比較をしてみたいと思います。
ポーカーの世界で生き残るためには自分が最もエッジの出せるフィールドを把握しておくことが重要。
それぞれの特色、違いについて見ていきましょう。


ライブはオンラインと比べるとソフト

まず挙げておくべきは、ライブとオンラインのレベル差でしょう。
全般的にライブキャッシュのレベルはステークスによるある程度の違いこそあれ、オンラインのそれとは相当な開きがあります 。
必要とされるのはとにかく相手の大きなリークを exploit するポーカー。
オンラインで言えばマイクロレートでのプレーがイメージとしては近いと思います。
むしろオンラインの中~高レートで繰り広げられるポーカーとは全く別物と言ってもいいぐらいです。

ライブとオンラインでこれほどまでにレベルの差が生まれるのは、ひとえに単位時間あたりにプレーできるハンド数の圧倒的な違いによります。
オンラインでは多面打ちが可能で、加えて上手いプレーヤーほど多くのテーブルをプレーします。
結果、テーブルにおけるシャークの比率が異様なまでに高くなります。
レクリエーショナルプレーヤーは圧倒的に期待値マイナスの状況でプレーすることになり、
しかも分散はより短時間で収束するので、まざまざと負けという現実を突きつけられます。

それに比べてライブでは多くても一時間に30ハンド程度。
たとえステークスは高くともセッションあたりの損失には限度があります。
おまけにそのタイムフレームの長さが長期的に期待値マイナスという事実を覆い隠してくれます。
要するに、ライブキャッシュという形式は比較的レクリエーショナルプレーヤーにやさしいのです。
ポーカーをギャンブルあるいはホビーとして嗜むプレーヤーの存在ゆえに、ライブキャッシュのレベルは低く抑えられているのです。


ライブキャッシュゲームの限界

ここで湧いてくる一つの疑問は、もしそんなに易しいなら、なぜもっと多くの強いプレーヤーがライブキャッシュゲームに流れてこないのかということです。物理的・環境的な制約以外にわざわざオンラインをプレーするメリットはあるのでしょうか。

その答えは、先ほどと同様にこなすハンド数の違いにあります。
ライブキャッシュにおいてレクリエーショナルプレーヤーの損失を出すスピードに限りがあったように、ライブキャッシュで強いプレーヤーが上げる利益の額にも自然と上限が生まれます。
世界的に見てライブキャッシュで安定的にプレーできるステークスは大体$ 5/10程度で、ここでの勝ち組プレーヤーの利益は数十ドル/1時間という規模感です。100ドルを越えるのはかなり大変だと思います。
(「今回の滞在で俺、時給200ドル出してるけど?」 はい、それは上ぶれです。ここで話しているのは下振れも何もかも含めた長期的な数字についてです。)

ポーカーの収益で生活することを考えた場合、ライブではここから旅費・滞在費を計上しなければならないので実収支はもっと下がります。
何だか世界のトーナメントを転戦する華やかなポーカープロのイメージとは違いますね。
でもライブキャッシュの性質上、多かれ少なかれこういったあたりが現実です。
(もちろんハイステークスゲームという選択肢も存在しますが、コツコツ稼いで上りつめるというよりは、裕福な実業家以外のポーカープロの多くはステーキングを受けてプレーしています。要は人の金で商売するわけで、一歩間違えればダークサイドに落ちることも少なくない危ない世界という側面もあるのです。)
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真のトップを目指すならオンラインで勝てる実力をつけるべき

もしあなたがポーカーで頂点に立ちたいと思うのであれば、オンラインでのプレーに特化することをおすすめします。
ライブキャッシュゲームは比較的ソフトで、ある程度までのお金を稼ぐには都合がいいですが、その代わりに技術的な上達という意味では犠牲にしてしまう部分もあります。

その上、オンラインのタフな競争の中でも勝てる実力を身につけることができたなら、究極的にはライブ以上のリターンが見込めます。Winrate は下がっても、やり方によってはライブの20倍以上のボリュームをこなせるのですから、投資で言うところのレバレッジをかけているのと同じようなことです。

確かに一昔前と比べるとプレーヤー全体のレベルも格段に上がって、ある程度上手ければ大きなエッジを生み出せたオンラインポーカー黎明期とは事情が変わっていますが、それでもライブとオンラインの基本的なエコシステムは大体以上のように説明できると思います。


ライブとオンラインの融合が進む?

最近になって ポーカーをプレーするAIの進歩が大きく取りざたされています。
結局、現在トッププロと呼ばれる4人がことごとく破れるという結果になってしまいました。

オンラインの世界ではこれまでもこういったbotの脅威が存在してきたわけですが、今回の件で優秀なbotがまぎれこんでいたら、現実的にはオンラインで我々に勝ち目はないということが誰の目にも明らかになりました。
当然、運営側は取締りを試みてきましたし、これからもそうだとは思いますが、オンラインポーカーの今後の行く先はいかにbotを排除できるか、そしてそれを対外的に示していけるかにかかっています。

そういった意味で、オンラインからライブへの流れ、回帰というシナリオが今後あるかもしれません。
ただ、それがライブキャッシュの隆盛という形で表面化するのか、競争の激化で今までのプレーヤーが市場を追われるようなことになるのか、はたまたポーカー経済全体が共倒れすることになるのか、今はまだ正確なところはわかりません。

冒頭にも述べましたが、ポーカーでやっていくには自分がエッジを出せる市場を追求し続けていくことが求められます。市場が変化したのであれば、それに合わせて自らも柔軟に変えていけるように常に心がけておくことが重要なのではないでしょうか。

以上、ライブとオンラインのキャッシュゲームの比較についての考察でした。