今回は少し趣向を変えて、あるポーカープレイヤーのサクセスストーリーについてお話しします。
彼の名前は Doug Polk。あるいは "WCGRider" というスクリーンネームの方がよく知られているかもしれません。
Doug Polk

ヘッズアップゲームの世界トップと言われるプレーヤーで、オンラインのハイステークスゲームで頂点に君臨していた人物です。AI vs. Brains のヘッズアップ対決が先ごろ行われましたが、このマッチに選ばれた一流と目される4名のプロのコーチを務めていたのが Doug Polk でした。このことからも彼のポーカープレーヤーとしての能力の高さがお分かりいただけると思います。

そんな超一流のポーカープレーヤーである Doug Polk ですが、実はそのキャリアは決してスタートダッシュからバラ色というわけではありませんでした。下の投稿は Doug Polk がまだ駆け出しの頃、2007年に有名なポーカーフォーラム "2+2" に書き込んだものです。かみ砕いて訳してみるとこんな感じになります。

reaching the end of my rope

" 「Reaching the end of my rope (絶体絶命です)」

以前に何回かここに書き込んだものです。そのうち何人かのメンバーとお会いし、有意義な議論もさせていただきました。しかしながら、状況はますます絶望的になりつつあります。やっと軌道に乗りはじめたかと思うたびに大きな下振れに見舞われ、結果 破産→再入金の繰り返しです。今回もまた残り30ドルになってしまって、もう何て言っていいか分かりません。別に手持ちのお金が尽きたわけではないけれども、このまま延々とバンクロールを増やせず負け越しプレーヤーに甘んじるのであれば、一体どこにやり続ける意味があるでしょうか?

Pokertracker と Gametime (HUDの一種) も使っていますが、期待したほどには成果が上がっていません。そして本当に初心者じみて聞こえると思いますが (この際もうそんなこと気にしていられません) 、もはや一体どうやってあるゲームにおいて勝ち越し得るのかすら分かりません。笑われるのも承知で書きますが、各ハンドで自分がどのような選択をしても毎回負けるような気すらするのです。今のところ大体15,000ハンドプレイしていますが本当にどうしていいか分かりません。

おそらく最もフラストレーションがたまるのは、このサイトの人たちがいとも易々といろんなことをこなしているように思われることです。自分はと言えば、マイクロレートのキャッシュゲームと安いSit n Goで苦戦していて、やっと勝ったと思ってもそれまでの負け分を補うにも足らないぐらいです。このサイトでいろいろ勉強していますが、一向に改善する気配がありません。

けれども、自分はポーカーというゲームが大好きです。それって重要なことですよね。もしそうでなければ、今ここに書き込んだりもしていないし、プレイを続けてここまで金を失うこともなかったわけです。たぶん自分はそこまでひどいプレーヤーではないと思います。わずかに負け越すぐらいの実力だと思います。途中で何回かひどい下振れをくらって、それに悪いプレーが重なって損失が膨らみました。

僕がここでお願いするのは、どなたか親切な方にバンクロール管理に関する問題、レートを上げる際のやり方、そして究極的にはこのゲームに対する新しいものの見方についてアドバイスいただけないかということです。僕自身は学習意欲はありますし、全くの初心者というわけでもありません。ただ、自分のプレイを見直す必要があるのです (さもなくば、もうポーカー自体を止めざるを得なくなってしまいます)。"



いかがでしょう、ポーカーを続けていてあなたも同じような気持ちを抱いたことがあるのではないでしょうか。少なくとも私は自分が書いたのではないかと思うぐらい共感するものがありました。何をやってもうまくいかない、負けが続いて何の希望も見いだせなくなるようなことが "WCGRider" ほどのトッププロでもあったんだということを知るだけでも大いに勇気づけられますね。

その後の Doug Polk はと言えば、大学まで辞めてポーカーに専念するも2~3年間はミドルステークスを上がったり下がったりするレーキバック頼みのプレーヤーに過ぎませんでした。ところが2010年にヘッズアップゲームに取り組むとここで才能が開花して、一気に世界の頂点まで駆け上がったのでした。一体誰が、上のような投稿をしていたプレーヤーが世界のトップにまで登り詰めるなどと想像できたでしょうか。

情熱を持ち続けること、あきらめないこと、自分にあったフィールドを追求し続けること… Doug "WCGRider" Polk のストーリーはポーカーをする者にとって多くの気付きを与えてくれます。

以上、ダウンスイングの只中にいるあなた (というよりは自分自身 ^^) に贈る物語でした。