弁護士阪口徳雄の自由発言(2)

裁判、地方自治、政治、企業、社会的事件などに関する弁護士の自由発言 Yahooブログ(“http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6)を使っていたが広告が多すぎ不愉快で本ブログに引っ越し。ヤフーブログは自分が関与した事件、裁判の記事が多かったが、パート(2)では思いつくままに自由に発言予定。

安倍派所属国会議員へのパー券キックバックの受皿は資金管理団体など表の政治団体ではなく、政治家個人(公職の候補者)ではないのか

検察は安倍派の裏金を貰った国会議員のうち4000万以下の議員について再捜査すべき.

安倍派の政治団体がノルマを超えた国会議員に「裏金」としてキックバックし、安倍派の議員の大半がキックバックを受けていたという。今までの政治とカネレベルの問題ではなく、国会議員の最大派閥の安倍派の底が抜けた「異常」な事態になったと思い、関心を寄せていた。

安倍派の収支報告書の虚偽、不記載罪は派閥の事務総長らを起訴せず、会計責任者だけを起訴したに過ぎない。派閥の事務総長=国会議員の起訴はなかった

キックバックを受けた国会議員も4000万円以上とかの「検察独自の基準」で、3名を起訴したに過ぎない

キックバックされた金であることは承知しているのだから、せめて1年に百万円以上貰った議員を略式起訴して公民権を停止して欲しいと国民の多くは期待していた。

しかし「検察独自基準」とかで「それ以下の国会議員」については収支報告書に訂正で終らせ何の処分をしない様子である。

検察独自基準など何の法的根拠もないのにだ。

安倍派は これで一安心となり、自分たちの収支報告書を「訂正」する方向で動きだしたようだ。
貰った裏金を脱税で起訴できないかとかいう市民の常識は裏金を受け取りながら、ばれたら国会議員に訂正だけで済ませる手法は「隠し得」を検察が認めたことになるからだろう

裏金で受け取ったキックバックのカネは安倍派の国会議員の表の資金管理団体などへの寄附ではなく、今回のキックバックは国会議員個人(公職の候補者と規正法はいう)への寄附ではないかと思う

派閥などの政治団体が「公職の候補者」に政治活動に関して寄附した場合に以下のようなピッタリの条文があり、起訴すれば公民権停止が出来、その上裏金を没収又は追徴することが出来る条文がある。
この条文を活用すると会計責任者と国会議員個人との共謀などの要件は不要であり、又あえて脱税など迂回の道も不要なのだ


政治資金規正法21条の2第1項に「何人も公職の候補者に政治活動について寄附をしてはならない」貰った国会議員は
第22条の2 「何人も、・・・第二十一条の二第一項、・・・・の規定のいずれかに違反してされる寄附を受けてはならない」とある。
(選挙活動の寄附については公職選挙法は厳しく制限しているので、キックバックの戻しは政治活動への寄附となると裁判官は認めるだろう)
貰った議員は規正法26条3号で「一年以下の禁又は五十万円以下の罰金に処する」とありこの条文を理由に略式起訴され罰金をうけると公民権は停止とある

国会議員個人の受ける寄附は政治団体を通じて寄附を受ける(8条)という規正法の根本があるので、国会議員個人が受けた寄附は犯罪収益金と同じように没収又は追徴の対象になる


第28条の2 ・・・・第26条第3号・・・の規定の違反行為により受けた寄附に係る財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

 違法に貰った金銭など(犯罪で得た収益金)などは没収、又は追徴されるのは、収益金はモトモト違法な金であるので、それが公職の候補者のふところに入った以上、その収益金を貰った議員に与えるべきでないという立法の意思である。
この点収支報告書の不記載罪、虚偽記載罪には没収又は追徴する条文がない点で異なる


しかしこの罰則の時効は3年である。
3年間のうちに安倍派のキックバックを受けたパーテーはこの間に適用になるのは2021年、2022年のパーテーになり、受け取った金額は少なくなるが、虚偽記載罪とか不記載罪と違い会計責任者との「共謀」なる要件が不要になる

問題はキックバックを受けた金が国会議員の表の資金管理団体に対する寄附か、政治家個人への寄附かどうかである

受け取ったのは現金であることは争いがない
問題はその後に政治家個人の表の資金管理団体など銀行口座に保管したとでもいうのであろうか。

それなら訂正も理解できる

しかし、そのようなことはないのではないか

裏金で表に出さないという以上、池田議員のように現金で金庫に保管するか、又は個人の銀行口座において保管するか、又は家族名義等で保管するかなど保管方法も「裏」にするのではないか。
政治家個人への寄附はモトモト政治家個人の収支報告書を作成すべき義務がない。

検察は収支報告書の訂正で安倍派に「了解」を正式に与えたとは思わないが、起訴しないので訂正で暗黙の了解を与えたのではないか
今まで黙っていた安倍派の国会議員たちが一斉に「訂正」に動きだしたからだ

ところで特捜はキックバックを受けた金について議員側の保管態様をどう調べたのか。それを明らかにして欲しい
訂正すると言うが、本当に表の政治団体に寄附する意思が最初からないのではないのか
もしないとなれば「訂正」は新しい虚偽記載罪になろう

違法な金を配る側と貰う側の常識では、表の政治団体に寄附する意思はないのではないかと思う

政治家個人への寄附という条文で告発があると検察は改めて捜査する必要があり、起訴、不起訴処分を改めてする必要がある。

その上でもし安倍派からキックバックを受けた議員を「検察独自基準」などで起訴せず、不起訴にするなら、検察審査会に審査請求をして、市民の目線で

①この寄附は政治家個人か、それとも表の政治団体への寄附とみるのか
②キックバックされた金をどのような保管方法で、誰が管理し支配していたのか
管理していたのが政治団体の秘書なら理解できるが、政治家個人が支配、管理しておれば政治家個人への寄附になる。実際はどうであったのか
③仮に政治家個人への寄附であった時に「いくらもらった金額」の政治家を起訴するかどうかの市民目線での「検察審査会の基準」を設定して貰いたいもである

キックバックという公職の候補者に裏の寄附について、改めて告発があり、仮に検察が従来の基準で不起訴にするなら上記①~③について市民目線の検察審査会の新しい基準を作るべきであろう

原告の上脇教授は2017年3月に近畿財務局に「財務局の担当者と森友学園との交渉、面談記録」等の情報公開請求をした。5月に近畿財務局は本件行政文書が存在するか、不存在かは一切答えず、既に国会などで開示されている土地の賃貸、売買契約書などの無関係な文書を開示してきた。

原告・弁護団は「森友学園との面談、交渉記録」が一切開示されなかったので、開示しないのは違法という不作為の違法確認訴訟を提訴していた。

国に釈明を繰り返す中で国は開示も不開示もないことは「不開示決定を出したという意味だとか、言い始めた。

裁判長もあきれ果て、国が「不開示決定」というなら、原告に不開示決定取消訴訟を追加されてはどうかと打診があった。

原告・弁護団は森友学園との面談。交渉記録については不開示決定があったということでその取消訴訟を追加し、判決を迫った。

2018年5月財務省は世論、国会、裁判などの追及の結果、217件の森友学園との面談、交渉記録を公表し、原告には2017年5月の決定を取消し、新たに217件の文書を開示してきた。

原告弁護団は、当時公文書を「廃棄、隠匿」した本省の中村総務課長を証人申請した。その課長は間もなく外交官として栄転させ、証人申請を回避しようとした。

原告・弁護団は2019年7月に2年も開示しないのは違法ということで国家賠償の請求に訴えの変更をした。
http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7713/

同時に財務省の隠ぺい工作について佐川らの証人申請もした。国は佐川らが法廷に呼びだされ、2時間も3時間も原告側の弁護士に尋問されては困るので、「遅くなったことについての違法性は特に争わない」と言いはじめた。

原告・弁護団はしつこく証人尋問の必要性を法廷で繰り返したが、裁判長は「違法性」について国が認めている以上は尋問の必要性がないとなり、今年2月20日終結し、判決は5月7日に決まったが、コロナの関係で延期になった

そして6月25日午後3時から判決の言渡しになった

以上の経過について裁判所がどう判断するかが焦点である。

今年3月に公開された近畿財務局の職員の赤木さんの「遺書」によれば、2017年3月から5月の時期は財務省内部では、森友との面談、交渉記録などは「改ざん、隠匿して、公開しない方針」であったと言う新事実が判明した。
内部の事情が初めて明らかになった。

弁論の終結後に判明した事実であるので、原告・弁護団としては大阪高裁に赤木遺書を提出して、真相解明をしようと、検討を開始した。

森友事件は未だ終りではない。

「政治と金をどうチェックするのか」

堺市の竹山修身市長が巨額の収入を政治資金収支報告書に記載していなかった問題で辞任しました。なぜこうした政治と金の問題は後を絶たないのでしょうか?公益財団法人「政治資金センター」が皆さんと考える為のセミナーを開催します。政治の透明性に関心のある多くの方に参加して頂きたいと思います。

日時 6月15日(土曜日)午後1時半から(午後1時受付開始)
場所 毎日放送本社 AVルーム(地下1階)
大阪府大阪市北区茶屋町17−1

プログラム

  • 「政治資金収支報告書から読み解く政治と金の実態」
     憲法学者 上脇博之氏
    (神戸学院大学教授、政治資金センター理事)
  • 「情報技術が変える市民参加の権力」
     情報学者 佐藤哲也氏
    (株式会社アンド・ディ代表取締役社長、政治資金センター理事)
  • 司会 亘佐和子 (毎日放送記者、政治資金センター評議員)

※資料代 500円  セミナー終了後に懇親会(有料)も有ります。
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公益財団法人政治資金センターは公益認定を受けてから2年近く経過します
国会議員や政党の収支報告書をHPにアップして、非常に閲覧しやくすしています。少しずつ広がりをみせていますが、未だ資金、人材不足等により、当初の目的を十分に達成できていません。
今回、このサイトをどう活用できるのか、政治とカネ問題では事あるごとにマスコミにコメントをしている上脇博之教授に解りやすく、解説して貰う予定です
同時に、情報学者である佐藤氏(元静岡大学の先生であったが退職して情報技術の活用についてのコンサルタント業も兼ねておられます)に「政治の社会に情報技術をどう活用するか」についてスピーチをお願いしました。
ある新聞社は収支報告書をデーターベース化して社内で活用できうる道を模索していますが大半のマスコミ業界では、このような試みはなされていません。
このような時こそ政治とカネ問題の透明性をどう高めるかそのシンポを開催することになりました。ぜひ参加されたくお願いする次第です
終ってから懇親会も開催します(参加費は4000円程度)

大阪第一検察審査会は森友問題で、検察審査会第1条の「民意」を反映して、大阪地検の不起訴処分に対して「適正を図る」為の「起訴相当決議」を!!

 

2018年5月31日大阪地検は森友問題に関して告発されていた佐川元理財局長をはじめ30数名を嫌疑不十分等の理由で不起訴にした。

 

 私達「森友問題の真相解明を求める弁護士、研究者の会」(略称)は、不起訴処分に対して、「安倍官邸に人事権を握られた検察の上層部まで財務省と同じように「腐敗」は進行していることに同じ法曹として悲しいし、極めて残念である。今後は安倍政権を忖度する必要性のない、普通の市民感覚で構成される検察審査会に審査申立てを行い、その上で起訴議決を受けて公開の法廷で、うやむやにされた本件事件の真相解明を求め続けるものである」とのコメントを出した。

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7679/

 

6月5日に大阪の検察審査会に審査申立を行った。

http://www.news-pj.net/diary/66478

 

当日、審査申立書を検察審査会に持参して提出したので大阪第一検察審査会に一早く係属することになった。(背任審査事件は第9号事件、公文書変造審査事件は第10号事件、公文書毀棄罪審査事件は第11号事。なお東京の醍醐先生グループ、大阪の木村豊中市議のグループも同じ第一検察審査会に係属することになったと聞いている)

 

森本問題の事件を審査する検察審査会の委員は有権者名簿から無作為で選ばれた11名の市民で構成されており、任期は6ヶ月であり、5名と6名が交代に選ばれている。

 

審査申立した6月5日当時の第1検察審査会の委員は2018年2月1日~7月31日の第1グループ(5名)と2018年5月1日~10月31日の第2グループ(6名)の11名で構成されることになったが、この11名の委員が本件事件を審査したかどうは不明である。

 

検察庁からの記録が検察審査会に届くのは、すぐには無理で仮に1か月を要すれば、2018年7月中ごろになり、何らかの事情で遅くなれば8月に入る。第1グループの委員5名の任期は同年7月末に終るので、実際の審査はなかったであろう。

 

2018年8月1日以降は11名の委員(2018年8月1日~2019年1月31日の5名の委員と2018年5月1日~10月31日の第2グループ(6名)の11名で実質的な審査が開始されたと思われる。

 

第1回委員会で委員長が選ばれ、又必要ならば弁護士の「補助弁護士」を選任することになっている。補助弁護士が選ばれたという報道もあるが、関係者の口は堅く、真偽が不明である(この事案の場合にはおそらく補助弁護士が選ばれていると思わるが)

 

 簡単な事案であれば、おそらく第2グループの委員6名が交代する10月31日までに議決がなされたと思われるが、森友事案の内容、事件数の多さによることの為に10月31日までには何らかの議決はなかった。

 

2019年1月現在の11名の委員は2018年8月1日~2019年1月31日の5名の委員と2018年11月1日~2019年4月30日の第2グループ(6名)で構成された委員で審査している

 

 今年の1月末までに、森友事件について何らかの議決がでると言われているのは、委員の任期の関係である。仮に出るとしても全部の審査請求事件ででるのか、又は審査請求している一部の事件で議決がでるのかは解らない。

1月末の時期が無理となれば次は新しく第2グループの6名の任期が終わる4月末となろう。

 

安倍総理、財務省の官僚たちは自らの「犯罪行為」をうやむやにした。真相解明すべき国会は野党の奮闘に関わらず、安倍総理を守る為に、自民党、公明党の多数で真相が隠ぺいされた。 検察庁まで安倍官邸におびえ又は迎合して不起訴にしてうやむやに加担した。   

 

起訴相当議決は11人のうち8名以上の賛成が要求される。ハードルが高い。http://www.courts.go.jp/kensin/seido_kiso/index.html

 

官邸に迎合、忖度する必要性のない市民の常識で検察庁の不起訴処分を「民意を反映させて、その適正を図る為」(検察審査会法1条)に「起訴相当議決」を11名の委員で出して頂き、歪んだ政治、官僚達を是正する道を選択して頂きたい。

 

 

森友問題の真相解明を追及する弁護士、研究者の会は検察の今年の5月末の不起訴処分には大阪検察審査会に異議の申立を行った。その後も審査委員全員に起訴議決をするのが皆さんの役割という意見書をだしたり、補助弁護士委員が選ばれているとすれば弁護士向けの意見書も準備している。
上脇博之教授が2017年3月に「近畿財務局が森友学園との面談、交渉記録」等の情報公開請求をした。同年5月にはその文書は一切開示されなかった。開示を求めていない無関係な森友学園の決算書類などが開示されてきた。「近畿財務局が森友学園との面談、交渉記録」の開示請求があれば、それを開示しない場合はその当該文書については「不開示決定」という処分で、その理由を記載する義務があることが情報公開法9条2項に定められている。近畿財務局長の文書には「近畿財務局が森友学園との面談、交渉記録」は一切開示していないのに、その不開示決定通知(もちろん理由も)もなかった。東京のNPO法人の情報公開請求には同じ文書は「不存在」との理由で開示しなかった。

そこで原告は「近畿財務局が森友学園との面談、交渉記録」等の文書については開示決定もないし、不開示決定もないとして、不作為の違法確認訴訟を提訴していた。

ところが財務省は国民の反発が強いので、ついに今年の6月5日に反省したかのごとき顔をして「近畿財務局が森友学園との面談、交渉記録」など217件の交渉記録があったことを認めた。

そこで原告は「近畿財務局が森友学園との面談、交渉記録」等とは217件の記録であるとしてその開示しないのは違法であると迫った。同時に217件の文書がいつ廃棄されたのか、時期も明らかにするよう求めた。裁判長も独自に「近畿財務局が森友学園との面談、交渉記録」と217件の記録の関係について次回まで明らかにするよう国に釈明を求めた。

11月28日の大阪地裁の口頭弁論では国は「異例にも」原告の釈明も特に裁判官の釈明にも答える必要がないと拒否してきた。
その理由は珍答弁であった。国の第3準備書面において、
「森友学園との面談、交渉記録」及び「森友学園以外の者との面談、交渉記録」目録記載の217件の文書(以下「本件面談、交渉記録文書217件の行政文書」という)について「仮に、開示対象文書である(1)ないし(8)に該当するにもかかわらず開示を実施していない文書が存在する場合には、当該文書は本件処分において不開示決定がされたと解するべきである。」などと不可解な、新しい珍主張を行ってきた。

法廷でも裁判官や原告代理人の釈明にも何ら応答しない。

裁判官もむっとしたのか「それなら、原告代理人、国が不開示処分があったと言うなら、その処分の取消訴訟も追加してはどうか。同時に期限が徒過している正当理由も記載して」と促した。同時に国には前記裁判官の釈明に応えるように督促した。

財務省の麻生大臣は反省している振りをして森友事件の幕引きを図ったが国は一切反省していないことがこの事実からも明らかになった。

(注)原告は取消訴訟も予備的に追加した。国の説明は情報公開法9条2項に反し、最高裁の判例にも違反すると。
以下はその中の一部である
 ◎情報公開法の不開示の場合の規定と最高裁の判決

第九条 1項(略)

2 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る行政文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

 と定めている。

  平成4年12月10日最高裁判所第3小法廷判決は地方自治体における情報公開の事例であるが、不開示にする場合の原則を次のように述べている。

「施機関が開示の請求に係る公文書を開示しない旨の決定をする場合には、その通知書に非開示の理由を付記しなければならない旨を規定している。一般に、法令が行政処分に理由を付記すべきものとしている場合に、どの程度の記載をすべきかは、処分の性質と理由付記を命じた各法令の趣旨・目的に照らしてこれを決定すべきである(最高裁昭和三六年(オ)第八四号同三八年五月三一日第二小法廷判決・民集一七巻四号六一七頁参照)。本条例が右のように公文書の非開示決定通知書にその理由を付記すべきものとしているのは、同条例に基づく公文書の開示請求制度が、都民と都政との信頼関係を強化し、地方自治の本旨に即した都政を推進することを目的とするものであって、実施機関においては、公文書の開示を請求する都民の権利を十分に尊重すべきものとされていること(本条例一条、三条参照)にかんがみ、非開示理由の有無について実施機関の判断の慎重と公正妥当を担保してそのし意を抑制するとともに、非開示の理由を開示請求者に知らせることによって、その不服申立てに便宜を与える趣旨に出たものというべきである。このような理由付記制度の趣旨にかんがみれば、公文書の非開示決定通知書に付記すべき理由としては、開示請求者において、本条例九条各号所定の非開示事由のどれに該当するのかをその根拠とともに了知し得るものでなければならず、単に非開示の根拠規定を示すだけでは、当該公文書の種類、性質等とあいまって開示請求者がそれらを当然知り得るような場合は別として、本条例七条四項の要求する理由付記としては十分ではないといわなければならない。」

しかるに本件の場合に甲1、乙1の決定文書には「森友学園との面談、交渉記録」及び「森友学園以外の者との面談、交渉記録」を不開示にした事実も記載がなく、又その理由も一切記載がない。本件甲1、乙1の文書から「仮に」「不開示決定があった」と「解釈」して、期限内に不開示処分の取消の請求をしなかったことに正当な理由がある。


被告が裁判所の釈明にも答えない以上、これ以上の審理は不可能である。終結して判決するか、既に原告が証人請求している財務省の文書を破棄した中心人物の尋問していただきたいとも添えて。

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