弁護士阪口徳雄の自由発言(2)

裁判、地方自治、政治、企業、社会的事件などに関する弁護士の自由発言 Yahooブログ(“http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6)を使っていたが広告が多すぎ不愉快で本ブログに引っ越し。ヤフーブログは自分が関与した事件、裁判の記事が多かったが、パート(2)では思いつくままに自由に発言予定。

日刊ゲンダイが森友問題を精力的に取材しスクープを発していた辣腕記者を森友問題の取材から外し内勤に変えるとの報道があった。
真相は不明である。
しかし、NHKのトップが「ニュースのトップに森友、加計問題を扱うな」という指示の「内部告発」があったということが国会で議論になっていた。その後の報道を見ていると森友、加計問題はニュースのトップではなく「途中」になってきた印象を持つ。

日刊ゲンダイの報道を信じたくないがNHKのトップは安倍総理のくだらない発言を大げさに、さも重要なことのように誇張して報道するニュースの様子とかを見るにつけ官邸に忖度した報道が多すぎる。

森友問題を一番詳しく取材した記者は本来はNHKの誇りである。このような記者を優遇することはあっても、不当配転をすれば、これは他の諸問題でも官邸が困る報道を取材してきた記者をNHKは同様に不利益取り扱いをすることを意味する。いわば見せしめ人事となろう。これは当該記者のみならず、他の記者への萎縮効果も甚大となろう。

もし日刊ゲンダイの記事の通りであるなら私個人はNHKに受信料の支払いを「拒否」しようと思う。NHKに内容証明郵便で拒否理由を明白にして通知して拒否しようと思う。いつまで続けるかは未だ不明である。

私は以前、籾井会長がNHKの会長に任命されていた間の3年のうち籾井が辞めるまでの約2年半あまり受信料の支払いを拒否した。この時はNHKに内容証明郵便で通知した。何回か督促があったが、断り続け、籾井が辞めたので再開した。

今回の処置は籾井の個人的資質とは異なり、NHKの持つ本質的、構造的な権力忖度人事であり、これでは放送法4条の趣旨をNHKが安倍政権の前で自ら放棄するに等しい。

受信料拒否する者にNHKが裁判するなら私自らは受けて立つし,他の者に裁判でもあれば法的な支援は惜しまない気持ちである。

日刊ゲンダイの記事が間違いであると信じたい。

内閣官房機密費の公開を渋る菅官房長官

 

2018年1月19日 最高裁は安倍官房長官時代、麻生総理大臣時代の河村官房長官の政権末期の2億5千万、菅官房長官の時代の官房報償費のうち「毎月の政策推進費の支出年月日ごとの金額、毎月の総額」の開示命令をだした。


原告ら弁護団は当日の記者会見で、「政策推進費受払簿」が開示されても誰に、いくらの金額を配ったかはわからない。しかし月1億円うち内閣官房長官が「領収書のいらない掴みカネ」をいくら使っているか判明するだけでも価値がある。自民党政権末期に金25000万円を使ったが、このうち仮に金23000万円も使っていたとなれば、これは政治問題になろう。

又内閣総理大臣や官房長官が交代するたびに金庫は空になると言われているが、これなども事実だと証明されれば官房機密費は総理大臣や官房長官の「ポケットマネー化」している実態が明らかになるので興味深いというコメントを記者会見で述べた

 

最高裁の判決は言渡(告知)により確定するで、公開を命じられた官房長官は直ちにこれを原告らに開示する義務がある。義偉官房長官が「判決を重く受けとめ適切に対応したい」とコメントしたが、最高裁判決から約3週間が経過しても未だ開示しない。


 菅官房長官や元安倍官房長官が使った政策推進費の一部が開示させることに我々が想像する以上に、デタラメ支出があるので、その一部開示を恐れているのか?


最高裁判決後の内閣官房の対応は「異常」であった。

 

◎2018年1月19日 最高裁判決当日総務官室に弁護団が今後の開示に関して協議したいという連絡するがしかし建物内にも一歩も入れない。

原告の谷弁護士が「要請書」を、警備員を通じて総務官に渡そうとするも警備員に受理するなと厳命があったらしく、「ぐちゃぐちゃ」にして返された。天下の日本国の官房長官や総務官がする対応とは思われない。実に子供じみた対応であった。

 

◎2018年1月22日 谷弁護士が総務官にやっと電話連絡ができた。

「官房長官がコメントをしていたように現在検討中。しかしどれくらいのスケジュール間で開示されるのか早く連絡してほしいと伝えるが時期を明示せず」

 

◎2018年1月26日より 谷弁護士が松川氏 何度か連絡するも折り返し無し

 

◎2018年2月1日 谷弁護士が松川氏 ようやく連絡つく

しかし「結論的にはいまだ上に報告して検討中,という。決まれば連絡をする」

 

松川氏は微妙なことを発言していた、「最高裁判決が出て他からも同様の請求が出ている」とか言って逃げに逃げている。

その後に何の連絡もない。

 

これほど渋る内閣官房に対する弁護団内部で不信意見である

この調子では、内閣官房は政策推進費の開示を他の安倍好みの御用マスコミに
事前にこっそり見せて、あたかも原告と同時に開示したかのごとき外形をつくり、その御用マスコミに官房長官の言い分を代弁させる記事を書かせるではないか?

 

特に2億5千万円の使い道や毎月の1億円のうち7000万円とか8000万円とかの大半が政策推進費に消えている場合の政権の言い分を御用マスコミに垂れ流しさせる計略ではないか。

 

国会会期中とかの逃げの弁明を繰り返していることも不自然である。御用マスコミに開示させる時間を稼ぐ論理ではないか?

 

公開請求に関して最高裁判決に従わない政府に、「判決を間接強制」する法的手段は想定していない。これを良いことにして、ずるずると御用マスコミに時間を稼がせる引き伸ばしではないか?

 

この10年余の間に政策推進費受払簿を見ている職員は限られている。森友問題と同様に、黒を白という安倍政権であるが故に「政策推進受払簿を書き変える可能性」もあり得るのではないかと真面目に心配している有様である.

国が森友学園に異常に低額譲渡した理由がだんだん見えてきた

 

昨年4月から森友学園の真相解明問題に多くの弁護士・研究者たちと取り組んできた。

 

今回、メンバーの上脇教授にお願いして近畿財務局に情報開示請求をしてもらった文書に、2016年3月11日の「大量のゴミ」が発覚する以前から、近畿財務局の担当官が土地を売買する場合の価格について、事前にカネのない森友学園が購入できる金額で「擦りわせ」しようとしている文書が開示された。

 

本件開示された文書には「売買契約締結までの事務処理手順」とあり

1 森友学園が買受申出書を提出

2 鑑定士の売買価格の鑑定

3 国から森友学園への買取価格の通知

4 森友学園が購入すうかどうかの適否の判断。無理な場合は延長の依頼書 を出させる。

5 森友学園が購入できる場合は売買契約書の案と予約完結権の行使の書類を出させる。

そのためには「前もって売買価格を学園に提示し、買い受けの可否を判断させるなどの調整が必要」「不動産鑑定士の鑑定評価まで行った後に学園が買わないとする結果にならないよう、売買金額についてはできるかぎり学園との事前調整に努める」と記載されていた。

 

担当官がこの時期(2015年12月)に法務担当者に相談した記録である。

 

近畿財務局の担当者が本音をポロリとこの文書に漏らしていた。当時の国有地の価格は9億円以上であったからであり、森友学園に鑑定価格通り購入する金額がないことは、近畿財務局の担当者は承知していた。

しかし、現実的可能性がない、この段階で買い取り請求のことを法務担当者に相談するのは異常である。

 

2015年6月に国有地を時価で売主、買主に予約完結権を有する「異例な特別の配慮」を行った。しかし、もし鑑定価格で森友学園が買取りできない事態になれば、「異例な特別の配慮」である賃貸の「不始末」がばれることになる。

 

この時期(2015年12月)に何故統括官が法務担当者に予約完結権のことに関して、あれこれ質問しているかは不明であるが、この年の夏から秋にかけて、地中ゴミが大量にでてきた。

この質問したあと、法務担当官からの回答が今回の情報公開請求の文書にはないが、おそらく2016年1月末か2月頃に回答があったと思われる(この文書も上脇教授が開示請求しているところ)

そのわずか1か月余り後と思われる2016年3月11日に森友学園が地中から突然ゴミがでたと近畿財務局に連絡し、森友学園が3月24日に「買取請求」をする。

 

ゴミで工事ができない事態であれば、森友学園がこの時期に買取請求をすることは実に不自然であるし、金のないはずの森友学園が買取請求を行うこと(だから賃貸にしていた)も異例である。

 

森友学園と当時の工事業者、設計管理会社が工事経過を月2回協議した議事録を見るとこの時期にごみがでて工事が遅延するとか、困ったという協議議事録はない。あれば普通は協議録には記載されるであろう。

しかし3月11日に地中からゴミがでたと近畿財務局に連絡するのである。

これに応じて近畿財務局がカネのない森友学園に売却の方向で、いち早く地中埋設物の数量、撤去費用を大阪航空局に依頼し、4月14日に約8億円余と大阪航空局が積算した。異例の速さである。あとは鑑定書で1億3千万円余と価格がでて、6月に売買契約に至る。

 

2015年11月から12月にかけて近畿財務局内又はその周辺にごみを理由に安く「事前調整の結果」買取請求のスキームを考えた「知恵者」がいたのであろうと推測するとこの疑問が解ける。森友学園に超低額で譲渡するスキームである。

この時期は全く森友学園にはカネがないので買取請求権の行使の話はでていない時期である。しかしあえて予約完結権の行使の手順(予約完結権の行使の手順の書式、国の対応、売買価格の調整など)を法務担当者に聞いているのは不思議としか言いようがない。しかしこの予測が見事に現実に合致して話が「ストーリ―」通り流れ解決したのである。

 

このスキーム通り考えた方向で双方に別々にアドバイスした者(1人とは限らない)がいたのであろう。

あまりにも手順が上手く流れ過ぎている。これが偶然というならば、偶然が重なり過ぎている。

 

以下NHKの報道である

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森友問題 ”売却価格の事前調整に努める”財務局開示文書に記録

124 1936森友学園問題

学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、学園との交渉にあたった財務局の担当者が「売却金額はできるかぎり事前調整に努める」などと局内でやり取りした記録が今月開示された文書の中に存在していたことがわかりました。財務局はこれまで一この貫して「事前の価格交渉はしていない」と主張していて、今回の文書については「コメントできない」としています。この文書は、森友学園との国有地の売却交渉が本格化する前の平成27年12月、近畿財務局の売却担当者が局内の法務担当者に相談した内容の記録です。大学教授の情報公開請求に対し財務局が今月4日、交渉のいきさつなどが書かれた文書を開示しました。
記録の中で、売却担当者は、学園が資金繰りの問題などで国有地を購入できない場合も考えられるとして、「前もって売買価格を学園に提示し、買い受けの可否を判断させるなどの調整が必要だ」と伝えています。そのうえで「不動産鑑定士の鑑定評価まで行った後に学園が買わないとする結果にならないよう、売買金額についてはできるかぎり学園との事前調整に努める」としています。
国有地の売却交渉では、学園が支払える上限額を財務局が聞き出したあと、8億円余りを値引きして、上限額におさまる1億3400万円で売却したことが明らかになっています。
近畿財務局は、これまで一貫して「事前の価格交渉は行っていない」と主張していて、今回の文書については「コメントできない」としています。

 

 

2017年12月22日最高裁で官房報償費の口頭弁論を行った。原告2名(上脇博之神戸学院法学部教授、松山治幸公認会計士)代理人弁護士(阪口徳雄、徳井義幸、谷真介、矢吹保博、高須賀彦人)が立ち会い弁論を行った。

 

同日終結して2018年1月19日午後3時から判決の言渡となった。

 

最高裁の判決の予想は難しい。

 

普通は最高裁で弁論を開くとなると高裁で敗訴している事件が見直しされることになる。

 

しかし内閣官房報償費の事件は原告が一部勝訴している大阪高裁の判決(第1次、第2次訴訟=国が上告受理申立事件)に関して上告受理されていること、他方で原告が全部敗訴している大阪高裁判決(第3次訴訟=原告が上告受理申立している事件)も上告受理されているので予想は難しい。

 

双方の高裁判決を見直して中間の判決をする可能性もあり得るが、事案の性質上その可能性が低いと原告側は見ている。

 

では原告が一部勝訴している事件に統一するのか、又は原告が全部敗訴している事件に統一するのか.

 

22日の弁論で、原告が一部勝訴している事件に統一することを訴えた。さもないと内閣が支出する、官房報償費はブラックボックスに入れることになる。

 

「権力は腐敗する、権力が巨額な金を有するともっと腐敗する、その金の支出を国民が監視できないともっと、もっと腐敗する」ことを訴えた。

以下、今ままでの、裁判の中で明らかになった内閣官房報償費に関する解説である。

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第1 内閣官房報償費(機密費)とは 

 

【内閣官房報償費(機密費)】

国の事務又は事業を円滑かつ効果的に遂行するため,当面の任務と状況に応じ,その都度の判断で最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費であり,具体的な使途が特定されない段階で国の会計からの支出が完了し,その後は基本的な目的を逸脱しない限り,取扱責任者である内閣官房長官の判断で支払が行われるとともに,その使用は内閣官房長官という政治家による優れて政治的な判断の下で決定されるもの。

→年間14億6000万円が予算として計上されている

 

*外務省機密費流用事件

・外交機密費は年間50億以上が予算計上

・小泉政権時のH13年,田中真紀子外務大臣時代に発覚

H5~11年の間,外務省の要人外国訪問支援室長を務めたM氏が約7億円流用(競走場等の購入やマンション購入,女性への現金交付)が発覚し逮捕,詐欺罪で懲役7年6月の刑が確定。

・外務省機密費・情報公開請求事件

 

H12年 共産党が内閣官房機密費(加藤紘一長官時代)デタラメ使途暴く

→パーティ券,背広,餞別,香典etc

平成元年5月作成の引継文書「報償費について」(古川ペーパー)

→古川貞二郎内閣官房副長官が作成(筆跡鑑定も一致)

*その後,野中広務氏,鈴木宗夫氏,ジャーナリスト上杉隆氏らの証言

 

H18年10月 上脇博之氏がH17年4月~H18年9月までの内閣官房報償費(細田官房長官,安倍官房長官時代)の関係資料について情報公開開示請求

H18年11月 一部開示決定

開示されたのは,内閣官房長官から会計課長への請求書等。支出関係文書については法5条6号,5条3号を理由に全部不開示とされ,どのような文書があるかも明らかにされなかった。

H19年5月18日 大阪地方裁判所に取消訴訟を提訴(1次提訴)

 

*H21年11月 内閣官房がH16年度以降の報償費の国庫支出状況を開示

 

第2 裁判によって明らかになってきたこと

 

【内閣官房報償費(機密費)の目的類型】

裁判官が求釈明をすることにより,ようやく国が整理

←開示・不開示の対象となる文書の単位が明確に

 

①政策推進費 内閣官房長官が政策を円滑かつ効率的に推進するため,内閣官房長官として高度な政策的判断により,機動的に使用するものであり,自ら出納管理を行い,直接相手方に渡す経費  *領収書なしも可

→非公式の交渉や協力依頼に際して関係者の合意や協力を得るための対価

有益な情報を得るために支払われる対価

②調査情報対策費 内閣官房長官が円滑かつ効率的に推進するための必要な情報を得る目的で使用するものであり事務補助者をして出納管理にあたらせる経費

→情報提供の対価(支出先:情報収集・協力依頼の相手方)

情報収集のための会合の経費(支出先:会合事業者)料亭,ホテル等

③活動関係費 政策推進,情報収集等を円滑に行い,所期の目的を達成するため,内閣官房長官が事務補助者をして出納管理にあたらせる経費

→交通費(支出先:交通事業者) タクシー,ハイヤー等

会合費(支出先:会合事業者) 料亭,ホテル等

書籍類(支出先:書店)

活動経費(支出先:情報収集・協力依頼の相手方) 相手の経費をまとめて支払

贈答品(支出先:事業者)

謝礼(支出先:情報収集・協力依頼の相手方)

慶弔費

支払関係費(支出先:銀行等の金融機関) 振込手数料

 

【支出関係文書】

①政策推進費受払簿 内閣官房長官が政策推進費として使用する額を区分する都度作成

(特徴)・月に1~2枚

・支払相手方は記載されない

②支払決定書 調査情報対策費,活動関係費の1件または複数の支払にかかる支払決定をする都度作成

(特徴)・支払相手方も記載される(複数の支払をまとめている場合は代表的なもの)

・月に1枚ずつ(調査情報対策費関係,活動関係費関係)の場合がほとんど

・支払目的は3類型だけでなくもう少し具体的なものが記載されている

③出納管理簿 内閣官房報償費の支出を月ごとにまとめた上で当該年度ごとにおける支出全体を一覧できるようにしたもの

(特徴)・①②を一覧できるようにまとめたもの

・支払相手方も記載されるが,相手方の記載がある場合には内閣官房長官の判断で記載を省略することができることとなっている(ただし実際は省略されていない)

・支払目的は3類型だけでなくもう少し具体的なものが記載

④報償費支払明細書 計算証明規則11条に基づき,会計検査院に報告用に使途目的別に分類したもの(会計検査院にはこれを提出すれば領収書等を提出しないでよいとされている)

(特徴)・会計検査院提出用の2次資料 提出した原本は会計検査院にある

・支払相手方の記載なし

・支払目的も3類型しか記載されていない

⑤領収書等  領収書,請求書,受領書

(特徴)政策推進費については領収書がない場合がある

 

第3 裁判の争点と当事者の主張内容

 

【争点】

①本件各文書が情報公開法5条6号,3号の非開示情報に該当するか

5条6号 国が行う事務又は事業に関する情報で,公にすることで当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報

5条3号 公にすることで,国の安全が害されるおそれ,他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報

②部分開示義務の存否,範囲

 

 

【争点①・非開示情報該当性について】

★国の主張

・相手方が公表されることで情報収集や協力依頼等の相手方の信頼関係を損なう

→今後の協力が期待できないおそれ,相手方が接触を暴露するおそれ

・額を比較することによる不信感(情報対価,会合費,贈答品,慶弔品,謝礼など)

・相手方がわからなくても,日付と額がわかれば,そのときどき事象や内閣の動きにより使途が推認

・第三者による不正な工作のおそれ(情報提供者,交通業者,会合業者,書店,金融機関など) 第三者が相手方に働きかけて情報漏洩を工作

・これまで使用してきた業者を利用できなくなる(交通業者,会合業者)

・使途に関して事実と関係なく様々な推測と憶測が広まり,情報収集に関係者の協力を得にくくなる

・政策推進費受払簿は繰り入れ(月に2~3回)の残額が常に0円,これにより繰り入れ時期及び繰り入れ金額がわかり,時々の内閣の動きと対照することによって具体的支出時期・金額が明らかになる

★原告の主張

・非開示とするには,抽象的なおそれではだめ,具体的なおそれが必要

・憶測の流布のおそれを理由にして不開示にすることは国民による行政執行に対する批判と監視の活動自体を封殺することになる

・文書を開示しても使途(とりわけ相手方)がわからない

→支出相手方が記載されていない文書(政策推進費受払簿,報償費支払明細書等)

支出相手方が記載されていても,相手方が直接の情報提供者でなく業者(交通業者,会合業者,書店,贈答品業者,金融機関)の場合

・相手方がわかる文書の場合にも相手方をマスキングすればよい(→部分開示論)

・仮に使途がわかっても,内閣官房の事務の遂行に具体的な支障は生じない

→例えば交通費や会合費の支出がわかって内閣官房の事務に何の支障があるのか

・政策推進費の区分が月2~3回であったとしても具体的な使途まで推測できない

・支出の相手方が公務員や国会議員の場合 政治資金規制の関係からも開示すべき(不適正な公務に支出されていた場合は非開示情報にあたらない)

 

【争点②・部分開示の是非について】

省略 →おそらく今回はこの論点は最高裁は不受理か

 

第4 裁判の経過

 

【1次訴訟 安倍長官分】

H24年3月23日  大阪地裁判決(第2民事部・山田明裁判長)

→支出の相手方や支出目的,支出日時・金額に関する記載のない文書(政策推進費受払簿,報償費支払明細書,出納管理簿のうち政策推進費に関する部分)の開示を認める。

→ 原告と国が控訴

 

【2次訴訟 河村官房長官分 -いわゆる2.5億円食い逃げ訴訟】

H21年 8月30日  衆議院総選挙 自民党から民主党に政権交代

H21年 9月 2日  河村官房長官が官房機密費を2億5000万円が国庫に請求

H21年 9月16日  麻生内閣が退陣 民主党が引き継いだ金庫はカラ(平野官房長官の国会答弁)

H25年11月22日  大阪地裁判決(第7民事部・田中健治裁判長)

基本的枠組みは1次訴訟地裁判決と同じ

+α 公共交通機関の利用にかかる交通費の支払に関するもの(ただし,利用者の氏名ないし名称が記録されているものを除く)について,領収書,支払決定書,出納管理簿の開示を命じる

約10日間程度で支出された点については違法支出の立証はない

→原告と国が控訴

 

★高裁の闘いへ

*情報公開請求訴訟は高裁が鬼門になる場合多い

(外交機密費訴訟,過労死企業名公表訴訟,沖縄返還密約文書開示訴訟等)

 

【1次訴訟 安倍長官分】

H24年4月 双方控訴 大阪高裁第2民事部に係属

H25年3月26日 高裁で結審(6月27日に判決日指定→後に7月18日に延期→さらに追って指定)

H25年7月8日  裁判所が弁論再開決定

H25年9月6日  原告が裁判官3名を忌避申立→結論としては却下 許可抗告,特別抗告をして争ったが最終的に棄却。

H26年9月12日 弁論再開 前回結審時の裁判官3名とも異動により交代

H27年7月16日 再び高裁で結審

 

【2次訴訟 河村長官分】

H24年12月 双方控訴 1次訴訟と同様に大阪高裁第2民事部に係属(裁判体は別)

H25年9月6日  原告が裁判官3名を忌避申立→結論としては却下

H26年9月12日 弁論再開 前回結審時の裁判官3名とも異動により交代

H27年7月16日  高裁で結審

 

【その間に・・3次訴訟 菅長官分】

H24年12月26日 第2次安倍内閣発足

H26年1月 上脇氏 平成25年(1年間)の官房機密費支出関係文書を情報公開請求

H26年9月 大阪地裁に提訴

H27年10月22日 大阪地裁判決(第7民事部・田中健治裁判長)

→2次訴訟地裁判決と同じ判決(新たに義務づけ認める)

→原告と国の双方が控訴 大阪高裁13民事部に係属

 

【1次・2次訴訟 大阪高裁判決】 大阪高裁第2民事部 田中敦裁判長

平成28年2月24日 1次訴訟,2次訴訟について高裁判決言い渡し

→1次訴訟地裁判決と同内容の判決

(2次訴訟は地裁判決から変更)

→国は上告受理申立,原告も上告,上告受理申立

 

【3次訴訟 大阪高裁判決】

H28年9月6日 大阪高裁判決 第13民事部 高橋譲裁判長

→まさかの逆転敗訴,出納管理簿の国庫からの支出分が記載されている部分に開示を限定

時期と金額だけでも事象と合わせることで相当程度特定可能か,少なくとも情報の角度をあげる

不正工作,不正アクセスにより情報提供者が判明するおそれ

→原告が上告,上告受理申立 国も上告受理申立

 

【最高裁】 第2小法廷:(山本庸幸裁判長) *通産省出身,元内閣法制局長官

H29年10月25日に上告受理決定 H29年12月22日午後3時に弁論

1次訴訟・2次訴訟についての国の上告受理申立,3次訴訟についての原告の上告受理申立を各受理ただし同日に受理決定発送中であり詳細は不明

→それ以外(1次訴訟・2次訴訟についての原告の受理申立,3次訴訟についての国の受理申立)については不受理

【最高裁】 第2小法廷:(山本庸幸裁判長)12月22日弁論

【最高裁】 第2小法廷:(山本庸幸裁判長)2018年1月19日午後3時判決言渡予定

ある雑誌に真相解明を求める弁護士、研究者の会の原稿を依頼され書いた
1 発足

「国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会」を23期の年寄り弁護士が発足を呼びかけた。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/purpose/

この問題を真っ先に取り上げていた大阪の法律家団体に協力を求めて、当会は2017年4月20日に発足した。呼びかけた関係で私は会の代表に就任した。(後、菅野園子弁護士も共同代表に就任)

(この時に一部の弁護士から「今頃遅い」とお叱りを受けた)

当会の基本活動方針は「やれる活動は何でもする」という方針を掲げた。

2 4月27日、近畿財務局への要求

第1弾は近畿財務局に第3者委員会の設置及び関係証拠を保全するよう要求した。

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/kinkizaimukyoku-youseisyo/

この活動に賛同する弁護士・研究者は300名に達した。安倍総理、明恵夫人の意向を受けて財務省の官僚達がデタラをしているのに、森友問題はうやむやにされる弁護士、研究者らの危機意識の反映であった。財務省は民間の不祥事企業には第3者委員会を設置して、事件の真相解明や再発防止策を指示、要請しているのに自らの不祥事に「自浄作用を発揮せよ」という要求を突きつけた。

3 「近畿財務局と森友学園との交渉記録」の開示請求とその不開示決定に対する6月6日大阪地裁に取消訴訟と仮処分の申立。

メンバーの研究者が近畿財務局に「交渉記録」などの情報公開請求をしていたが、満足な交渉記録の開示がなかったので2017年6月6日不開示決定の取り消し訴訟と関係する証拠の保全の仮処分申請を大阪地裁にした。情報公開請求訴訟などの訴訟を活用しての財務省の隠蔽体質の専門家としての追及の開始であった。

仮処分の申立書参照

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7471/

仮処分の申立は却下されたが、大阪高裁に即時抗告して現在高裁で進行中。

(本訴も地裁に係属中)

3 7月13日、弁護士・研究者が合計246名で大阪地検へ背任罪、証拠隠滅罪で刑事告発をした。

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7565/

告発は既に豊中市の木村議員らが3月に背任罪で告発しているので2番煎じになるので何故私達の会が告発するか弁護団で議論した。

第1は被告発人を特定したことである。この実質上にの理由は、検察審査会への対策であった。被疑者不詳では不起訴になった場合に検察審査会では起訴議決はあり得ないからであった。

第2は私達の周りには、ゼネコン関係者、公共工事に積算に関与している関係者や公務員などがいるのでこれらの人達の持つ知見、情報を聞き、それを告発状に生かすことであった。告発状に、地中にごみの有無、量などに関して詳しく論じているのは、これらの方々の知見、情報をもとにしたものであった。

第3に告発したら検察にお任せするのではなく、自ら証拠を集め、その都度、検察に自らの意見を述べ、捜査に関して意見、批判をいうことが必要という立場であったからである。

4 大阪航空局のゴミ撤去費用の積算基準に関して独自の調査をして、それを地検に提出

  1. )国の本来依拠すべき積算基準でも約金3億8400円の「過大に水増し」指摘

地中のゴミの量の有無に関して言わば「水かけ論」になりかかっていた。そこで国土交通省が地中埋設物を積算する場合は国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の「公共建築工事の積算基準」(平成27年版)によるべきことになる。なぜならこの基準は国の機関が発注する建築工事の積算に関する国の「統一基準」であるからである。今回、国の認定したゴミの総量(19520トン)が仮にあったとして本件「工事積算基準(国土交通省)」により積算したところ、金4億3572万3684円が「適正」金額であり金3億8401万8263円を「過大に水増し」していることが判明し、公表した。その内容が朝日新聞の社会面のトップ記事になりNHKの全国放送でも報道された。その内容。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7579/

(2)国が適用したという「空港土木請負工事積算基準」を適用することの間違いも指摘し、その基準でも2億7千万円水増し指摘

この基準は空港などの建設工事の積算に使う基準であって、これを小学校の建築工事に地中埋設物の撤去費用に当てはめすることはそもそも適用すべき基準ではないと指摘。小学校建築に伴うゴミなどの地中埋設物を撤去する費用の積算は「公共建築工事積算基準」を適用すべきで、「空港土木基準」の方が「公共建築工事基準」より価格が高いのは、空港建設などの工事の特殊性から高く積算していることを指摘した。それでもこの基準でも2億7611万3240円が水増しされていることも指摘した。

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7604/

(3)その証拠を検察庁に提出

当会では告発をすれば後は検察にお任せというスタンスはとらない方針であった。何故なら、検察も安倍政権に忖度する可能性があるからだ。その為に上記独自に調査した積算基準した証拠を検察庁に持参して、背任罪で調べている担当検事に9月1日、9月14日に2回面談して面談して説明をした。

同時にその際、強制捜査すべきことも併せて要請した。

9月1日要請内容

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7579/

9月14日要請内容

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7604/

5 「●●小学校設置趣意書」(安倍晋小学校と記載されていると報道されていた文書)の不開示決定の取消訴訟を102日に提訴

メンバーが「小学校設置趣意書」という文書の情報公開請求をしたが、森友学園の経営上のノウハウが記載されていると理由でほぼ全面不開示決定をした。

当会では2017年(平成29年)10月2日、不開示決定の取消訴訟を提訴した。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7616/

そうすると国は一転して11月24日、本件対象文書を原告に開示するに至った。この文書には安倍晋三小学校と記載はなく、開成小学校設置趣意書という文書であった。http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7640/

「開成小学校」の「開成」が不開示になっていたが、「開成小学校」の「開成」にどれほどの「経営上のノウハウ」があるというのか。全くの茶番。

本文全文も「経営上のノウハウ」で不開示であったが、記載されている内容は籠池氏の独特の歴史観などを書いているだけで、およそ学校法人森友学園「経営上のノウハウ」といえるレベルの話ではない。これも不開示するのは茶番である。この裁判の中で何でもかんでも不開示にする財務省の隠蔽体質が明らかになった。

6 11月30日、隠蔽に対する国家賠償訴訟の提訴

「開成小学校設置趣意書」を真っ黒にマスキングして殆どの文書を不開示にした近畿財務局長の行為は違法であるとして、国政を監視する情報公開請求権の侵害であるとして、その責任を追求する為に11月30日、国家賠償請求を大阪地裁に提訴した。今後同種の国の恣意的な不開示を許さない為である。

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7644/

 

7 会計検査院へ11月2日に要求

 共同通信が10月末に会計検査院があたかも適正価格を算定したかのごとき報道をした。しかし最終報告書には会計検査院はが文書がないから、ゴミの有無、量などに関して不明であり、再発防止策だけで国会に報告する可能性があるという情報が寄せられた。

こで慌てて、11月2日に会計検査院に私達がゼネコン担当者からヒヤリングした情報、一級建築士に鑑定してもらった証拠も出して、次の点を要求した。

 「学校法人森友学園側から地中埋設物があるとの報告があってから、その後に財務省が取った措置の内ごみが深度9.9m、3.8m、混入率が47%、他の客観的資料と明らか矛盾する点があるので、大阪航空局の認定に関して法20条3項に定める「正確性」「合規性」などの観点から問題点を指摘し言及するように要求した。

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/wp-content/uploads/2017/11/

これを受けてかどうは不明であるが、会計検査院は「正確性」「合規性」の観点からごみの量の認定方法が杜撰であったという調査結果を公表した。私達の会はこれに対して、ごみの有無に関する杜撰という指摘は評価できるが適正価格に関してお茶を濁した点は遺憾であったいう趣旨のコメントを公表した。

http://kokuyuuti-sinsoukaimei.com/7637/

 

 8 今後の課題と活動方針

(1)森友問題をうやむやにしてはならない

森友問題はうやむやにしようと安倍政権は必至である。マスコミの一部のこれに加担している。私達は今後も様々な法的活動を通じて、森友問題は終わっていないことを訴えていく予定である。

(2)会計検査院の報告に基づき、背任罪の任務違背の存在についての意見書の提出予定

会計検査院は国会への報告で、ごみの調査に関しては調査が杜撰という結論であった。そこで本件に背任罪の任務違背に関してどのような部分が任務違背か具体的に指摘して、検察庁に提出予定である(現在鋭意弁護団で検討中)

(3)背任罪では「図利加害目的」に関する判例の鑑定意見の提出

背任罪については図利加害目的の立証がむつかしいという検察の上層部の意見や検察OBの意見がマスコミを通じて垂れ流さている。しかし任務違背の事実その故意があれば、「図利加害目的」は最高裁判例では重要視されていないことを刑法の学者の鑑定意見書も作成してもらった。これも担当検事に提出予定である。もちろん刑法の学者の意見は図利加害目的に関する鑑定意見であるので、それを本件森友問題にあてはめをした弁護団の見解もつけてであるが。

(4)最後に

森友問題をうやむやに安倍政権は終わらせようと必死になっている。それに同調するマスコミも少なからず存在する。しかし国民の80%は安倍政権の説明には納得していない。当会は様々な法的手段を講じて、真相解明を追及していく予定である。

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