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東方よりエンペラー来れり…

 

この栄誉ある席に、欧州の王室を差し置く形で、アジアから招待された君主が選ばれたのである。


天皇陛下・皇后陛下におかれては5月16日より19日まで英国を訪問された。

 海外への行幸啓は、平成21年7月のカナダ・ハワイご訪問から実に3年ぶりとなる。

 

長いフライト時間を含めるとご帰国まで計5日間の行幸啓。宮内庁は、現地ご到着後に休息を設けるなど緩やかなスケジュールを組み、天皇陛下のご体調に配慮したという。
 

▼政府専用機内で寛がれる5月16日(共同)

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 今回の英国行幸啓はギリギリとも言える段階で決まった。3月4日のご退院から2ヵ月足らず…

その間、2度に渡り、胸水を抜く治療も行われた。4月末の検査を経て閣議決定されたのは5月8日のことだった。

 

晴れての英国行幸啓は、術後の経過に不安を抱いていた国民を安堵させただけではない。

 
           ご皇室の威光を改めて認識する檜舞台でもあった。

 【たった一人のエンペラー】

 

英国ご到着2日後の5月18日、ロンドン郊外のウィンザー城で催された午餐会。世界各国から集った君主らがエリザベス女王在位60周年を祝うメーン行事である。

 

午餐会は平服スタイルで、天皇陛下は濃紺のスーツ、皇后陛下はベージュの着物をお召しになられていた。

ご到着された両陛下を迎えるエリザベス女王の微笑みが印象的だ。
 

▼エリザベス女王自らが微笑んでご案内5月18日(ロイター)
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皇室の高い格式を象徴していたのがメーンテーブルの席次だった。

天皇陛下のお席はエリザベス女王の左隣


女王の右隣はスウェーデン国王(エリザベス女王の親戚)で、その横に皇后陛下が座られた。

 

国内の報道では「英王室との親しい間柄」や「お2人の旧交」といった解説がなされていた。しかし、それだけでは済まない。

天皇陛下が隣席に招かれたことは、世界史的に大きな意味を持つ。
 

▼ウィンザー城にご到着(AFP)
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恐らく、差別的な曲解や誤解を受けかねない為、既存メディアに登場する解説者は、直言を避けたのだろう。この栄誉ある席に、欧州の王室を差し置く形で、アジアから招待された君主が選ばれたのである。

 

それは、20世紀以前のヨーロッパの価値観では有り得ないことだった

われわれ日本人のみならず、全てのアジア人が誇りに思って良い。
 

▼ウィンザー城内5月18日(ロイター)
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 世界で最も長い伝統を持つご皇室が別格扱いされることは自然だ。それよりも寧ろ、この席では英王室がご皇室の伝統と格式に寄り添うような印象を受けた。国際的にも歴史的にも特別な存在なのである。

 

約30ヵ国の君主・首長が一堂に会した記念行事は、「ロイヤル・サミット」とも呼称された。 その中でエンペラーは、天皇陛下ただお一人。エンプレスもまたしかりだ。
 

▼アレクサンドラ妃と5月18日(AFP)
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 キングでもクイーンでもない。ユーラシア大陸の東の果てよりエンペラー来れり…我が国が有史以来の皇国であることを再認識する祝賀行事だった。

 

【鮮やかに甦る戴冠式の記憶】

 

「最初から最後まで本当に嬉しそうだった」

随員の宮内庁幹部は、午餐会でのご様子をそう語る。天皇陛下・皇后陛下は、食事の後も室内に飾られた絵画を鑑賞されるなど、ウィンザー城には予定時間を約30分超えて滞在されたという。
 

▼出迎えのエリザベス女王夫妻(PA)
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「陛下もエリザベス女王も時間を積み重ねてきたのだから、やはり感慨はあるでしょう」

 

59年前の記憶が甦る。天皇陛下は、1953年に行われたエリザベス女王の戴冠式にご隣席されていた。

 

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