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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)11月24日(火曜日)
                 通算第4736号  <前日発行>
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 トランプはレーガンになりうるかも知れないと共和党支持層
 
  ティ・パーティもトランプ支持に風向きがかわってきたゾ
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 はじめは何かのジョーク、いずれ途中で腰折れし、
戦線から消えるだろうとトランプは見られていた。
ともかく大統領予備選前の前哨戦を十分に愉しませてくれたのだから。

 ところが共和党内での調査でも、消えるはずのトランプは依然として首位の人気を誇り、
本命ブッシュは消えかけ、スコット・ウォーカー等は撤退した。
ペリー州知事(テキサツ)も、早々と陣営を畳んでしまった。

 あたかも1980年のレーガン選挙のようである。最初は何かの冗談、
カリフォルニア州知事をつとめた二流の俳優上がりに何ができるか、
と当時の共和党はブッシュ(父親)を本命視していた。

 なぜレーガンが勝ち抜いたか。
簡単である。無能のカーター政権はテヘランの人質奪回にも失敗し、
アメリカ人は屈辱を味わった。こんな女々しい大統領は要らない。
評者は直前の米国の雰囲気を知っていたので、カーター惨敗を予測していたが、
おどろくべし当時の自民党政権はカーター再選を予測していた。

1992年、ブッシュは湾岸戦争の勝利をバックに悠然と再選選挙に臨んだが、
どっこい「アーカンソーの馬の骨」に負けてしまった。
右派がブッシュに不満でロスペローが飛び出し、19%を獲得した。
漁夫の利を得たクリントンがホワイトハウスの主人公になった。
このときも直前に二回ほど全米各地をめぐり、
ブッシュの再選の目がないことを肌感覚で捉えていたが、誰も信じなかった。

 オバマはカーターと並ぶほどの無能で、シリアでもなにもできないまま、中国にはアリバイ工作でもするかのように当該海域に軍艦を二時間航行させただけ、こんな弱いアメリカにした元凶はこの男だ、となる。

ヒラリーはタカ派をぶっているが、お里が知れており、
オバマと同一系列の候補とみられがちだから、共和党がジョンウェイン的な、単細胞ではったりをかませる強い候補のほうが勝てそうだとなれば、雪崩を打って「トランプでもいいじゃないか」ということになる。
 
 風向きが変わった、と保守系のワシントンポストが分析した(11月22日)。
 ティ・パーティ支持者の間にもトランプ支持率が急増しているのである。
ティ・パーティはランド・ポール、テッド・クルズを推してきたが、
共和党全部の支持層から得票がみこめるとなると、テッド・クルズは支持が13%、
トランプは24%ある。

 しかもティ・パーティ支持者の世論調査でもトランプ支持は30%、本命テッドに並ぶ。

 したがってティ・パーティ支持層の間には「レーガン再来のような保守回帰がもし、起これば」という付帯条件付きながら、「トランプは勝てる候補」になり、
『トランプでも良いじゃないか』という声が次第に大きくなっているという。

 管理人注 : 帽子のキャッチがいいわな
1172514
 

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)11月23日(月曜日)
                    通算第4735号 
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 中国外交チームの内部資料が暴露
 
  習近平訪米はトウ小平以来、最大の外交失敗だった、と。
 
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 博訊新聞網が伝えている(2015年11月22日)。
 九月の習近平訪米は「トウ小平以来最大の外交失敗だった」
と外事工作領導小組が内部報告文書で印していることが分かった。

 失敗と総括される理由は三つあり、第一にNY地裁南区裁判所が、
訪米直前に在米中国人が訴えていた人権侵害の起訴状を受理したこと。

これは在米の鳥永田、孫天鵬らが「中国国内における取り調べの残酷さ、人権活動家の弾圧」などを事由として習近平を告訴したもの。

 第二に弁護士、ジャーナリストら二百名をこえる人権活動家の拘束にオバマ大統領が抗議したこと。

 第三はハッカー攻撃について、習近平はいささかの反省もなく米国を怒らせてしまったこと。

 習訪米は外交部を中心に一年前から準備し、各方面に前準備を奔走してきただけに、
駐米大使の崔天凱は疲労困憊で吐血したほどだったという。
また訪米前に楊潔チ、孟建柱らを派遣し、訪米成果の下工作に当たったが、すべては無駄に終わった。

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 宮崎正弘の新刊です
 
宮崎正弘 vs 宮脇淳子
         『中国壊死 百年変わらない腐敗の末路』(ビジネス社)
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 モンゴルでは1992年までチンギスカーンをしらない人が多かった
 チンギスカーンを成吉思汗とかいて「中華民族」を偽装し、
中国歴史の英雄として評価する中国人。習近平の権力固めは明王朝の朱元章、そして毛沢東のパターンを踏襲しているのではないのか?
 数々のとんでもない逸話が飛び出し、近現代史の裏面をえぐる

 近代史家の宮脇淳子さんは、モンゴル、満州、チベットにとくに造詣が深く、独自の文明観から中国史を説かれる。
現代中国の経済分析では定評のある宮崎と縦横無尽にシナについて語り合った。
 でてくる結末は中国が近いうちに「壊死」をむかえるのではないか、という未来予測!
 
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 おそるべき国家犯罪で証拠も挙がっているのに
  中国はスパイシステムの存在さえ否定する鉄面皮だ
ウィリアム・ハンナス、ジェームズ・マルヴィノン、アンナ・B・ブシージ
 
            玉木悟訳『中国の産業スパイ網』(草思社)
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 中国は国家ぐるみでスパイシステムを構築していることはあまねく知られるが、
その具体的実態はといえば、すこぶる曖昧、不透明、つまり闇の中だった。
 本書はその闇の部分を照射する。
 「創造するよりは相手から盗め」が世界一の得意芸とする中国は、
ハイテク技術を先進国から片っ端から盗み出すが、その手段はカネ、恐喝、美人局、なんでもありの世界だ。
 あらゆる技術情報、設計図、ノウハウを入手し、それを兵器に転用するシステムを備えた中国の脅威。まさに効率的、合理的ですらある中国の軍事力の基盤は、こうして支えられる。
 
 レーニンが言ったように「やつらは奴らをつるすロープを売る」
事情に精通するアメリカの専門家チームが、この詳細の分析に挑んだ。
 
証拠をつきつけ、写真も提示し(たとえば91638部隊は人民解放軍専門のサイバースパイ)、
否定させないという覚悟で中国に詰問をしても、
中国は「法律でいかなるハッキングも中国は禁止している」としゃあしゃあと答える鉄面皮だ。

本書は日本から中国が盗み出した事実をつぎのように紹介している。
 
 「1982年以来、われわれは三菱系三十三社、住友系二十二社、三和系七十二社、三井系、日立、ソニーなど、多くの日本の多国籍企業と科学技術交流の合意を結んできた。

また同時にわれわれは日本の人々と科学技術交流の発展を推進するため、
経団連、日本国際貿易促進協会、情報サービス産業協会(JISA),技術ボランティア海外派遣協会、日中科学技術交流協会その他の、日本の多数の非政府組織と恒久的な交流関係を確立した」
 
 とこれはさりげなく、中国の科学院技術部の「科学技術交流センター」の資料に書かれているのである。
 
 著者らは言う。
 「日本と中国の技術力の差を思えば、はたしてこの「交流」で日本が得るものはあるのだろうか」と。すなわち「日本のためになりそうなことは一つも見あたらない」(327p)。
 
 したがって最後の警告はこうである。
 
 「他の国がみな負担している技術革新のコストをバイパスして一方的に持って行くだけの人たちへの対抗策を考えなくては、努力も国の再建も水の泡だ」(中略)

「現在行われている知的所有権の防衛では、どのような見地からみても、
世界最大の違反者樽中国による盗用を防ぐのに効果がない。

いくら科学基盤を再建しても、その優位性が足下から吸いとられてしまう」(339p)。