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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

平成28年(2016)12月21日(水曜日)弐      通算第5145号   

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 「いまごろになって『遅い』って」気がしますがね。

   中国、銀聯カードの発行を停止。いよいよリスク切迫
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 12月20日、中国人民銀行と中央銀行監査委員会は、銀聯カードの新規発行を停止すると発表した。

  銀聯カードとはいわゆる「デュアル・カレンシー」カードで、海外でも使える。

 わかりやすく言えば、中国で買い物ができるうえ、日本に来ても使える。中国人の爆買いの武器はこれである。

 銀聯カードの2015年の売り上げは7兆9000億元(邦貨換算118兆円強) 

 ヴィザ、マスターカードに連携しており、過去十四年間に中国工商銀行、建設銀行、商業銀行、浦東開発銀行などが発行してきた。
 
 現在流通しているカードは一日の上限が決められているが、期日まで使える措置もとられた。

 消費を冷やすことは景気後退につながるが、中央銀行は外貨流出を深刻に恐れており、同時に人民元の大下落を回避したいとしている。 

 現実には人民元の対ドルレートは6・2から6・95まで下落しており、7・0台突破は時間の問題となっている。 

 日本円で置き換えてみると、一人民元が22円から15円に下落した。

 「短期的一時的な措置である」と周小川人民銀行総裁は通貨下落の回避が目的と説明したが、

「すでに為替介入に8000億ドルを投入している」
(ニアル・キンバリー氏のサウスチャイナモーニングポスト、12月21日のコメント)。

 にもかかわらず下落傾向に歯止めがかかっていない。


 過去一年公式統計だけで7280億ドルが中国からオフショア市場へ流出し、

とくに第三四半期だけでも2460億ドルが海外へ逃げた。

 市場関係者は『二年以内にあと20%下がる』と予測する向きが多いが、

中国人民銀行がもっとも恐れているのはFEDの利上げである。状況は一段と深刻化している。 
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

平成28年(2016)12月19日(月曜日) 通算第5140号   <前日発行>

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 「上に政策あれば、下に対策あり」の特性が顕著にでた中国人 

   外貨預金、住宅ローン、ビッドコイン、そしてシャドーバンキング復活

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 異常というより不気味である。

 過剰流動性のカネが、異様な方向へ膨らんでいる。中国人民銀行が頭を抱えている。


 第一に外貨持ち出し制限が強化されて以来、中国国内で出来る「外貨預金」へ、
預金が殺到している。
 11月だけで204億ドルも増えて合計すると中国の「外貨預金」の総額は7026億ドルに達した。
 このカネはすでに流出した外貨とは別枠である。いずれ帳尻を合わせるために中央銀行は理論上、ドルを予約しなければならない。

 第二に住宅ローンの貸しだしが驚くほど急増し、1174億ドル(人民元で7946億元)に達している。新規借り入れが71・6%増加していると、中央銀行報告書がいう。 

 この二つだけでもバランスを破壊していることは明白で、人民元売りドル買いの為替介入による人民元レートの死守は困難を極めてきた。

 第三にシャドーバンキング復活という、これまた異常な現象である。 

 シャドーバンキングの貸し出しは1兆7400億元と見積もられている。
 通年では一月と二月の旧正月前に資金繰りのためにシャドーバンキングを利用することは統計上明らかだったが、11月に増えているのだ。
 

 第四がビットコインである。 

 中国人の投機は、架空通貨のビッドコインに向かって殺到し始めた。 

 世界銀行による統計で11月のビッドコイン取引は1億7471ビッドコイン(邦貨換算で15兆円)。このうち90%を中国人が買ったとされ、価格も10%値上がりしている。

 現在、中国では外貨両替が一年間に5万ドルに制限されているが、ビッドコインの制限はない。

 架空通貨とは言え、国内で取引され、国際決済に使えるわけだから、事実上の外貨流出である。

 かくして10月にSDR入りした筈の人民元に対して中国人の反応は逆であり、誰も人民元預金を信じないで、外貨交換のためには外貨預金、ビッドコイン。
 また将来の元暴落を見越して、住宅ローンで借金をつくり、或いはシャドーバンキング復活となった。

 どう考えても、人民元暴落に庶民がいまのうちに交換できる通貨、不動産、
 そしていま人民元で借金しておけば有利とばかり、当局の裏をかいていることになる。

 まさに「上に政策あれば、下に対策あり」という中国人の特性が顕著に現れてきた。

 人民元暴落は秒読みである。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

平成28年(2016)12月21日(水曜日) 通算第5144号 <前日発行>

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「約束された金融改革はなにひとつ実現していない」とドイツ中国大使 

  改革というより、規制強化。あまりにも緩慢であると不満爆発

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 ミカエル・クラウス駐北京ドイツ大使が言った。

 「中国が約束した市場の改革の進捗状況は緩慢にすぎ、現実を前に矛盾を来している」
(サウスチャイナ・モーニングポスト北京支局とのインタビューに答えて)
 

 同紙(16年12月20日)に拠れば、クラウス大使は次のように続けている。

 「三年前、中国共産党は状況を睨みつつ、市場改革をはかり、市場原理主義に基づく改革を成し遂げるための決定的なリーダーシップを発揮すると約束した。
『必要とされる改革の理想に適応させるため』というより、今日の状況では『社会の安定』が優先的課題となった。市場の開放と外国の算入により、直接投資をさらに円滑化させるとしながらも、つい最近は資本流出を理由に『破壊的安定』と金融危機を防ぐためだとして諸政策が逆方向に流れている」

 市場改革どころが金融ルールは逆戻りするかのように、資本規制がなされ、企業の能率的再編は滞り、 在庫は解消されず、外国企業は中国への投資を躊躇しているのが現実である。

 「製造業を活性化させ、ハイテクの自製化をはかり、2025年までに目標を達成すると主唱していたが、むしろ企業や個人の海外送金を制御し、人民元の為替を管理している。この目的は資本の海外流出をふせぐことに置かれ始めた。
 このため海外企業の送金などに支障がではじめ、世界的グローバル化の波にさからって、中国は逆方向に進み、しかも外国企業への制約や規則の改正は、われわれの関与できない不透明なプロセスで唐突になされることが多く、EU諸国は当惑している」と大使。

 ドイツばかりかEU諸国から声があがり、EUと中国は共同でチームを発足し、
 事態の改善ぶりを観察して、提言してきた。この措置は杭州のG0でも確認された。 

 「しかし過剰在庫の解消、国有企業の再編、金融市場の改革は遅れに遅れている」。

 親中派のドイツですら、このような不満を公然と口にするようになった。
 トランプの中国批判は、ちょっと語彙が過激と言うだけである。

 
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