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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018年)5月13日(日曜日)   通巻第5700号 
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 6月12日、シンガポールで何が起こるか

  焦りまくる習近平、同日にシンガポールに闖入する可能性
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 米朝会談は6月12日、シンガポールと発表された。
 それまでにあがっていた候補のうち板門店は最終的に除外された。トランプにとっては「呼びつけられる」印象を避けたということだろう。

 また中国、露西亜という米朝会談の候補地は、アメリカから見れば情報漏れの危険性があり始めから慮外の地。

 のこるモンゴルとマレーシアは、前者は治安面でセキュリティの確保がされにくく、後者は金正男が毒殺された場所だから、やはりふさわしくなかった。

 シンガポールはセキュリティ、環境から考慮しても申し分なく、また国際会議にはなれている。「シャングリ・ラ対話」も、舞台はシンガポールである。

 しかし米朝首脳会談の会議の場所は間違いなく「マリナベイ・サンズ」という予測がシンガポールのメディアで囁かれている。

 同ホテルは三層の高層ビルのてっぺんに軍艦のようなプールが設備され、世界中から観光客を集める新しいメッカでもある。

 シャングリ・ラホテルはマレーシア華僑のロバート郭が経営しており、どちらかと言えば親中派華僑として知られる。

 同ホテルは中国各地にチェーンを展開しているからだ。
 その点でトランプの最大の献金者でもあり、ラスベガスのホテル王シャルダン・アデルマンが経営するマリナベイ・サンズなら、トランプ大統領にとって安心感がある、というわけだ。

 米朝会談後、トランプは帰路に日本に立ち寄り安倍首相と会談することも決まっているが、

 こうした動きに気が気でないのが習近平だ。

 金正恩を二度も呼び出して、会議に注文をつけた習近平はそれでも安心できないのだろう、

 米朝会談の現場へ乗り込み、金正恩、トランプと会談するという、

 歴史的な会談への闖入を企図しているようである。

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   つづく

     
2018年5月11日 

シンガポールのどこで会談?囁かれる“3会場”

 1カ月後にニュースの舞台となるシンガポール。シンガポールのどこで会談は行われるのでしょうか。3つの場所が早くも有力候補地としてささやかれています。

 シンガポールの地元紙が予想する1カ所目は「シャングリラホテル」です。

 各国の防衛大臣らが集まる「アジア安全保障会議」が毎年開かれていて、実績が抜群です。2015年には中国と台湾による初の首脳会談が行われた場所でもあります。

 2カ所目は、シンガポールのランドマークとして知られている「マリーナベイ・サンズ」です。

 マリーナベイ・サンズはトランプ大統領の大口献金者と言われる人物がオーナーの超豪華ホテルです。まるで船が空に浮かんでいるようなデザインで知られ、地上200メートルの高さにある世界最大の屋上プールからは絶景が望めます。

 3カ所目は、シンガポールの市街地から車で約15分で行ける「セントーサ島」です。

 リゾート地として知られ、トランプ大統領の好きなゴルフ場もあります。地元紙によりますと、セキュリティー面も申し分なく、リラックスした空間での会談が実現可能だとしています。

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米朝首脳会談
会談場所、消去法でシンガポール 警備や距離クリア

【バンコク西脇真一】

 米国のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による史上初の米朝首脳会談の舞台にシンガポールが選ばれた理由について、東南アジアの事情に詳しい外交関係者は「米朝双方が条件を突きつけ合い、消去法で残ったのがシンガポールではないか」と分析する。

 首脳会談開催が決まった後、両国間では開催地として、シンガポールのほか(1)ワシントンや平壌(2)モンゴルの首都ウランバートル(3)南北軍事境界線にある板門店などを念頭に調整を進めてきた。
 ただ、相手の首都を訪れることになれば「譲歩した」と受け止められるおそれがある

 ▽ウランバートルは設備や警備面で不安が残る
 ▽板門店なら韓国の仲介が過度に強調される

 --などの要因から調整が難航してきた。

 シンガポールは独立翌年の1966年に米国と、75年に北朝鮮とそれぞれ外交関係を結んだ。米朝両国の大使館もあり中立性には問題ない。

 これまでもシンガポールでは米朝の公式、非公式の協議の場となってきた。2008年12月、北朝鮮核問題を巡る6カ国協議の米国と北朝鮮の首席代表が米国大使館で会談。15年1月には、北朝鮮の外務次官と米国の元高官が非公式に接触したこともある。

 シンガポールは世界有数の経済大国で治安も良い。警察の捜査力などの面でも信頼されており、米朝両首脳を警護するための問題は少ないとみられる。

 シンガポールと平壌は約4800キロ離れている。金委員長が使う専用機を含め北朝鮮保有の旅客機では、航続距離や安全性の面から、欧米など遠隔地への移動には不安が残るとみられていた。

 14年11月に崔竜海(チェリョンヘ)朝鮮労働党書記(当時)が航空機でモスクワを往復した際、機体トラブルが起きた例もあったためだ。

 香港英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(電子版)によると、金委員長が今月7~8日に中国遼寧省大連に訪問した際に利用した専用機は、旧ソ連が開発したイリューシン(IL)62M型旅客機をベースとした機体。同紙は航続距離を1万キロと紹介している。大連への渡航で使って安全性に問題がないと判断した可能性がある。

 外交関係者は「米国としては、警備態勢や専用機の問題をクリアし、北朝鮮側が安心して出て来られる場所の中から選んだということではないか」と話している。

 シンガポール外務省のホームページによると、北朝鮮大使館は、大使を含め外交官は4人と小規模だ。

 一方、シンガポール側は北朝鮮に大使館を置いておらず、緊急時に保護できないとして、国民に不必要な渡航は避けるよう呼びかけている。