トランプの待ってた罠にかかった北朝鮮

<解説>「慎重な外交には慎重な情報発信が必要」
――ローラ・ビッカー BBCニュース(ソウル)

さて、予定されている米朝首脳会談の数週間前になって、またしても中傷合戦と核戦争の危機に舞い戻ってきた。

ペンス副大統領を非難したのは、北朝鮮政界の有力者だ。崔氏は金正恩(キム・ジョンウン)氏の最側近の1人で、談話は金氏自身にも承認されたはずだ。

北朝鮮にありがちな、典型的な力の駆け引きだという意見もあるだろう。しかし、確実に避けられたことでもある。

北朝鮮は先週、リビア方式の非核化と言われて、強く反発した。痛いところを突かれたかのようだった。

なによりも、リビアのカダフィ体制は崩壊しカダフィ大佐は殺されたというのが、第一の理由だ。

さらに、北朝鮮は自国の核兵器開発がリビアよりはるかに進んでいると認識しているのも、別の理由だ。

そのため、北朝鮮とリビアを同じ文脈で語ることすら深刻な侮辱になり、米政府は自分たちにしかるべき敬意を示していないと、北朝鮮政府は感じているのかもしれない。

北朝鮮はまず一度、米国に警告した。それでもペンス氏は、またしても北朝鮮とリビアを比べてみせた。

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慎重な外交には慎重な情報発信と慎重な言葉遣いが必要だ。トランプ政権はこの点において規律を欠いていると、北朝鮮が感じているのは明らかだ。

北朝鮮政府が、ペンス氏やボルトン氏と同じような発言をしているトランプ大統領を標的にしないと判断したのは興味深い。大統領本人ではなくその周囲に罵倒を投げつけている北朝鮮は、まだ首脳会談の可能性を手放す気にはなっていないのかもしれない。

(英語記事 North Korea calls US Vice-President Pence 'stupid')

北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は24日、

マイク・ペンス米副大統領の言動を「愚か」と非難し、外交が失敗した場合には「核による最終決戦」の可能性を警告した。

崔氏は、北朝鮮政府は米国に対話してほしいと「お願い」などしないし、会談に出席するよう説得もしないと述べた。

米国と北朝鮮は両国ともここ数日、6月12日に予定されている米朝首脳会談が延期、あるいは中止となる可能性があると警告している。

北朝鮮は、米国が北朝鮮に対し核兵器の放棄を一方的に主張した場合、会談への参加を再考するだろうと述べた。

ドナルド・トランプ米大統領は22日、会談実現には北朝鮮が一定の条件に応じる必要があると釘を刺した。

ペンス氏は「政治的なまぬけ」

崔外務次官は過去10年にわたり、対米外交の場にたびたび関与している。

ペンス氏が北朝鮮は「リビアのように終わるかもしれない」など発言したことについて、崔氏は北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)を通じて、「許容できない、厚かましい発言」だと批判した。

「米国政策に関与している者として、あのような無知で愚かな発言が米副大統領の口から噴出したことに、驚きを抑えられない」と崔氏は述べた。

崔氏は、「米国が我々と会議室で会うか、核対核の最終決戦で対決するのかは、完全に米国の決断と振る舞いにかかっている」と警告した。

ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も先週、北朝鮮の検証可能な非核化に「リビア方式」が適用される可能性があると述べ、北朝鮮を怒らせた。

ボルトン氏のこの発言を受けて、金桂冠(キム・ケガン)第1外務次官は米朝首脳会談中止を警告する談話を発表している。


チェ・ソンヒ
生誕 朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮
肩書き 外務副相
任期 2018年 -
崔 善姫(チェ・ソンヒ、朝鮮語: 최선희[1]、Choe Son Hui)は、朝鮮民主主義人民共和国の官僚、政治家。北朝鮮外務省副相(次官)。
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略歴
崔永林元首相の長女(養女という説あり。)。オーストリアやマルタ、中華人民共和国などに留学した後、1980年代半ばに北朝鮮外務省入り。2009年8月、アメリカ合衆国ビル・クリントン元大統領が平壌を訪問した際に通訳を担当して表舞台に立った。2010年10月に外務省米州局副局長に就任。

2016年には、6カ国協議に関連して北朝鮮次席代表として中国を訪問した[2]。同年、北朝鮮外務省の北米局長に昇格した[3][4]。

2017年1月、ドナルド・トランプが大統領に就任したことを受け、元アメリカ政府の当局者らなどと意見交換するためにニューヨークを訪れるべく調整が進められていたが、2月13日に金正男がマレーシアで殺害される事件が発生。最終的にアメリカがビザの発給を却下し、初訪米はならなかった[5]。しかし同年5月8日-9日、ノルウェーのオスロを訪問、現地でアメリカ元政府高官らと非公式の接触を行っている[6]。

2017年9月、北朝鮮核問題に関し国連総会の演説を通じてアメリカと北朝鮮が批難合戦を行っている中[7]、ロシアからの招請を受けてモスクワを訪問した[8]。同年10月にもモスクワを訪れ、ウェンディ・ルース・シャーマン前アメリカ合衆国国務次官(政治担当)、金杉憲治外務省アジア大洋州局長らとともに核不拡散に関する国際会議に出席[9]。日朝局長協議はなされないとされたものの、金杉局長と複数回接触し、メッセージを伝えられたとする[10][11]。2017年11月のトランプ大統領訪中からは中国の仲介でトランプ政権と米朝協議を行ったとされる[12][13]。

2018年3月、降格されたアメリカ担当の韓成烈次官の後任ないし対米交渉に詳しい金桂官第1次官の体調不良の人事として、外務次官に昇格したことが正式に発表された[14]。
2018年5月、中国の大連で習近平総書記と会談した金正恩朝鮮労働党委員長の訪中に同行した。同年3月の北京への金正恩委員長の初訪中の際は同行してなかったため、米朝首脳会談前の準備調整ともされる[15]。

略歴
崔永林元首相の長女(養女という説あり。)。オーストリアやマルタ、中華人民共和国などに留学した後、1980年代半ばに北朝鮮外務省入り。2009年8月、アメリカ合衆国ビル・クリントン元大統領が平壌を訪問した際に通訳を担当して表舞台に立った。2010年10月に外務省米州局副局長に就任。

2016年には、6カ国協議に関連して北朝鮮次席代表として中国を訪問した[2]。同年、北朝鮮外務省の北米局長に昇格した[3][4]。

2017年1月、ドナルド・トランプが大統領に就任したことを受け、元アメリカ政府の当局者らなどと意見交換するためにニューヨークを訪れるべく調整が進められていたが、2月13日に金正男がマレーシアで殺害される事件が発生。最終的にアメリカがビザの発給を却下し、初訪米はならなかった[5]。しかし同年5月8日-9日、ノルウェーのオスロを訪問、現地でアメリカ元政府高官らと非公式の接触を行っている[6]。

2017年9月、北朝鮮核問題に関し国連総会の演説を通じてアメリカと北朝鮮が批難合戦を行っている中[7]、ロシアからの招請を受けてモスクワを訪問した[8]。同年10月にもモスクワを訪れ、ウェンディ・ルース・シャーマン前アメリカ合衆国国務次官(政治担当)、金杉憲治外務省アジア大洋州局長らとともに核不拡散に関する国際会議に出席[9]。日朝局長協議はなされないとされたものの、金杉局長と複数回接触し、メッセージを伝えられたとする[10][11]。2017年11月のトランプ大統領訪中からは中国の仲介でトランプ政権と米朝協議を行ったとされる[12][13]。

2018年3月、降格されたアメリカ担当の韓成烈次官の後任ないし対米交渉に詳しい金桂官第1次官の体調不良の人事として、外務次官に昇格したことが正式に発表された[14]。

2018年5月、中国の大連で習近平総書記と会談した金正恩朝鮮労働党委員長の訪中に同行した。同年3月の北京への金正恩委員長の初訪中の際は同行してなかったため、米朝首脳会談前の準備調整ともされる[15]。

金正恩委員長に近い存在とされ、米朝交渉のキーマンとして報道されることがある[16]。