2008年04月30日

“安くて旨いお肉屋さん見付けた”

 バンザイです。ブラボーです。
 八ヶ岳に住んで(と言っても年に八十日ぐらいですが)ほぼ十年ですが、僕は遂に、素敵なお肉屋さんを見付けました。今回は何はともあれ、皆様にそのお肉屋さんの素晴らしさを、お伝えしなければいけません。
 男はいい居酒屋とお肉屋さんを知らなければ、幸せにはなれないと僕は固く信じているのです。
 しかし、実はそのお肉屋さんを知った所為で、意志の滅茶弱い僕はダイエットをまたまたタンマするハメになって、体重は逆戻り。だから素晴らしいお天気の、連休最初の日曜日だというのに、朝御飯はポーチドエッグたった一つとお素麺だけでした。
 旨くてしかもリーズナブルなお値段の肉が、冷蔵庫に一杯詰まっていても、心を鬼にして、熱帯魚かカナリヤみたいなダイエットを暫くやらなければ、ジョージ・ラフトの生まれ変わりと言われた僕は、哀れや無惨に破裂死してしまいます。
 僕は両手に無数の引っ掻き傷がありますが、これはウニが付けた傷です。94キロぐらいまでは大丈夫ですが、もっと中身がパンパンに張れば、風船を引っ掻いた時と同じで、パチンと弾けてしまうのに違いありません。
 仕方なくいい歳をして僕は、チーズと黒パンをツマミにビールを呑むダイエットを、今日の夕御飯からスタートするのですが、そんな個人的な話はいい加減にして、皆様に日本一のお肉屋さんをお知らせしなければいけません。今は朝御飯を食べたばかりですから、冷静に客観的に書けても、これでダイエットが進めば、お肉屋さんの話が的確に書ける男ではないと、自分自身がよく知っています。
 
 前置きが長くて気を持たせてゴメンナサイ。安くて旨いお肉を売っているお肉屋さんは、高根町の「わたなべ」です。
 日本一のお肉屋さんを見付けた長い話は、僕が相馬鍼灸院に行った二週間前から始まります。相馬先生に鍼とお灸をしていただいて、生まれたての赤ん坊みたいに元気になった僕は、帰り道に吉祥寺の紀ノ国屋に寄って、旨いお肉を1キロ買いました。
 昔、横浜の元町に“みずお”という旨いお肉を売る店がありましたが、もう三十年も行ってないので近況を知りません。くどいですが、旨い肉を売るお肉屋を知っているのは、男の幸せなのです。
 東京に約九ヶ月、八ヶ岳に約三ヶ月住んでいる僕は、東京の家の近所では紀ノ国屋と三浦屋しか旨いお肉を買える店を知りません。
日本の牛肉は世界一美味しいのですが、電気卓上計算機より高いのです。
 南米から来たオバさんは、日本の牛肉の高いのに驚いて、“キャッ。なんて高いの!”と叫ぶと、これで暴動も革命も起きないのは、日本人が自動小銃を持っていないからだ、と言いました。日本の牛肉は旨いけど、驚いて呆れて、政治家と役人が嫌いになるほど高いと、オバさんはスペイン語で叫んだのです。
 月初めで小遣いがあったので、僕はバラ肉の白い脂に魅せられて、つい1キロ買ってしまったのです。凄いバラ肉をブロックで買って、僕は1万円札を払って400円お釣りをもらいました。紀ノ国屋のバラ肉は断然、旨いので高くても仕方ないと、自動小銃を持たない僕は諦めていました。そして女房殿は三分の一でビーフカレーを作り、残りは冷凍庫に入れて、僕らはウニと一緒に八ヶ岳に向かったのです。
 泉郷のスタッフの青木さんは、素晴らしいオバちゃまで、僕たち食いしんぼ夫婦に「わたなべ」を教えてくださったのです。
わたなべ ウチの山小屋から車で約二十分。高根駐在所交差点を越えた所にある「わたなべ」のショーケースには、とてもリーズナブルな値段の和牛が、ニューヨークカットのサーロインステークから、すき焼き肉・しゃぶしゃぶ肉、スネ肉からスジ肉まで、ずらりと並んでいます。僕は興奮して端から全部買おうとしたのですが、冷凍庫が一杯だという理由で女房殿は、百グラム360円の肩ロース肉1キロと、450円のカルビを600グラム買ったのです。
 肩ロースの薄切り肉もカルビも、東京だったら間違いなく倍の値段を取るとても美味しいお肉でした。“この値段で、この味のお肉を売る「わたなべ」は、知る限り日本一のお肉屋さんだ”と、僕は叫びました。
 そうしたらある日、目が覚めると突然、93.7キロになっていたというのです。ネッ、僕が悪いんじゃないでしょう。お肉が旨過ぎるからいけないんです。


abegeorge at 00:00│Comments(5)TrackBack(0)clip!

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この記事へのコメント

1. Posted by rk   2008年04月30日 01:25
安部先生
いつも楽しく読ませて頂いております。
今回のコラムを読んだら、旨い牛肉を
炭火で炙り岩塩で食したくなりました!
ラム肉でもよろしいですね。

私も西の方に手を合わせていました。
旨い肉とぶどう酒で祝杯です!

お元気でがんばってください!
2. Posted by tomoko   2008年04月30日 13:56
「安くて旨いお肉屋さんみーつけた」・・・・を見た
瞬間おおいに固まったトモコさん〜(さん付けを失礼)
いくら素っ裸(もとい)真っ裸で計っても当分88キロ
は夢のまた夢〜〜

ジョージ・ラフトが聞いてあきれましたよ(笑)
この世紀の男前の話はお・い・と・い・て〜〜
今日はわたくしめの取って置きの「ダイエット」方法
をお教えいたします

それはいたって簡単なものです
朝から寝るまで自分の食べた物を書き出し記録する
というものです(カロリー計算も)
その前に一日の摂取量を決めておかねばなりません

いかに自分がメチャクチャに取っていたかが分かり
ゾッとするんです。普通なら3〜4キロはすぐに
痩せます 「わたなべ」さんどうか先生が行っても
よけいに売らないでください
先生という存在は日本一のお肉よりずっと々貴重
なんですから〜〜





3. Posted by ぷりん   2008年04月30日 22:24
 はじめまして、安部先生。いつも楽しく拝見させていただいています。
 いいですねお肉、読んでてつい食べたくなってきてしまいました。僕も男として、うまいお肉を売るお肉やさんの開拓に出向かねばなりません。いざ。
4. Posted by shappy   2008年05月01日 18:33
うちもバーベキューの時は「わたなべ」を利用しています
確か、日曜はお休みです

少し上に行った「おいしい学校」で地場野菜を調達するとよいですよ♪
おいしい学校サイトは下記です
http://www.oec-net.ne.jp/kau.html

鶏肉と玉子は、清里有料道路の大泉側の料金所があったところのすぐ手前の左側の「中村農場」がご用達の店です
清里有料道路は現在は無料になりました
中村農場サイトは下記です
八ヶ岳に来れない方も親子丼セットなどお取り寄せできますよ♪
http://www.nakamuranojo.com/

では、美味しいGWをお楽しみください。。。
5. Posted by 明優   2008年05月02日 02:40
5 やはり安部先生の食べ物の話は最高です

過去の作品でも川海老、煮魚、鰯団子などの話がありましたが(殴り殴られとか)
読んでいるとホックリした幸福感に包まれます

先生の文章は風情が滲み出ていて好きです
文章に味わいがあります

牛肉の味にはロマンを感じます
あの甘い脂身がとても官能的で

先生の日常を垣間見れるこのブログが
とてもありがたく思います

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