弁護士 中島真希子

 

 近年の消費者被害の多発を受け,消費者庁は,「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の骨子」をまとめ,国会への提出を検討している。

同制度は,二段階の訴訟構造を特徴とし,一段階目の手続では特定適格消費者団体が事業者に対する訴えを提起して共通争点に関する審理を行い,判決を得た後,個々の消費者が二段階目の手続に加入して個別争点に関する審理を行い,最終的に個々の消費者の権利の有無及び内容について判決がなされる。

現在,消費者契約に関するトラブルを未然に防止し,拡大を阻止するため,消費者団体訴訟制度(消費者契約法12条以下)が設けられ,同法に定める適格消費者団体により,事業者に対し,不当な契約条項の使用や不当勧誘行為の差止めを求める訴訟が提起できることとされているが,集団的消費者被害回復に係る訴訟制度が実現することにより,差止訴訟ではなし得ない既に発生した被害の回復が容易になることが期待されている。

                                  以上

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