先週末は姉の家に出向く。目的の一つは義兄と共に家の一階部をブチ抜いて音楽スタジオに変容してしまい、そのオープン祝いで近しい親族が集合。すでに子供たちが独立し、ほぼ自分の為だけに残りの人生を謳歌できる状況にある姉夫婦は、お互いの趣味(フォーク/和楽器)の発信の場としてもついにそれをこしらえた(弟である僕の人生はそれとは真逆の、これから子育て&家のローン&死ぬまで働く&それまで死ねない...という後半期にタフな辛抱を要するシナリオ。これも人生、何でもござれだ)。賑やかな宴。

さて、もう一つの目的は栃木に住む従兄弟から送られてきた木のボウルを受け取りに。...これは(何度となくこのブログでも紹介してきた)母の実家でもあり僕が生を受けた場所でもある(今は無き)茨城・友部のかつての家屋にシンボルとして立っていたクルミの木、これに関してそこを全て取り壊す際に、何か別の形でこのクルミの木を残しておくアイデアを親族皆なで考えた末に、栃木の従兄弟のK君から、この木を輪切りにして工芸品として再生して各親族家庭に送るのはどーか、という流れになった。それから数年経って今回実現した。

かなり老木でもあったそのクルミの木を今回木工芸品に再生してくれた作家さんというのが、現在栃木在住の「アビコトシロウ」さんという方で、栃木の従兄弟のK君の知り合いであると同時に、さらに僕が音活動の方で何かとお世話になっている栃木の音系ショップのAさんとも前からつながりがあり、木工と照明工芸アートの作家さんとして(Aさん経由で)知ってはいたけれど、ちょうど去年の秋に栃木でライブイベントに参加した時に(K君と共に)アビコさんも観に来ていてライブ後に(紹介がてら)ちょっとお話出来た。

木という自然物の特性に逆らう事なく、氏の作品は(絶対さを持たない)有機的なフォルムがあり、そこに木の温度も表されている感じが心地よく、早速姉は追加注文を予定している。

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安彦年朗@colocal
アビコトシロウ HP

祖父母がかつて(戦前よりはるか前)友部の地に(人生の)根を生やす時に植えたクルミの木が、やがて平成になりその家には誰も居なくなり、道路計画が持ち上がり全て取り壊され今は跡形も全くない県道が広がる。かつてくの字型の家屋の真ん中にそびえて夏休みには耳が痛くなる程セミが鳴き乱れ、どこまで登れるか子供の冒険心を刺激し、時には害虫駆除の消毒煙がまかれ、時にはお手製のブランコが吊るされた...それもこれも遠い記憶の話。今、良質な作家さんの手により日用の物としてその「手触り」が再び(各家庭に)生き続ける。

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