barfly diary

daily voice of nobuo yamada (abh) / since 2005 https://www.abh-oto-yamada.com/ https://www.instagram.com/abh_yamada/

カテゴリ:▼ 音楽関係 > Korean Good Music

前回で終わったはずのGood Musicシリーズ、オマケとして、日本にもちょっと面白いの、あるということで、民謡とラテン(ブガルー)をミックスさせたバンド(楽団)「民謡クルセイダーズ」。…ともすれば町のお祭りの余興楽団…と思いきや、そのレベルを内心越えてる。民謡とブガルーという奇天烈な食い合わせを見事に違和感なく成立させている音楽の編集(構築)能力とセンスがグッドミュージック。

…例えば僕が家族と旅行に行ったとして、見知らぬ旅先で偶然この楽団に出くわしたとしたら、そのままビール片手にホロ酔いの、最高のお土産気分(ひととき)を味わうと思う。「音楽なんかでメシ食おうとしてんじゃねーよ!」的な心意気が突き抜けている。

前回、日本の音楽は(どちらかと言えば)ポップに特化してる…的な事を述べたけれど、言い換えればポップの強みは時に(常に?)節操無く無責任に「いいトコ(美味しいトコ)取り」しながら無限に増殖する雑多なパワー…だったりするならば、この楽団はまさにそんな(ジャパニーズ的な)雑多な開き直りの一つの好例かと思う。



民謡に絡むアヴァンギャルドな電子音の持続…不思議に成り立つ楽曲。


さて、ロシアワールドカップ終わりから始まった(ほぼ誰も見ていない)シリーズ「Korean Good Music」も一応、今回で最終。最後を締めくくるアーティストは…愛しき孤高のギター奇人?「Amature Amplifier」。…何となく拙くアコギを直線的に掻き鳴らし、歌声を乗っけていく…その原始で無垢な音楽の佇まいに人は(僕は)いい知れない孤独感(孤立感)、儚さ、もろさと優しさを感じていく。動画を追っていく程に増していく氏のビザール感漂うニュアンスに、他の流行とは無縁の独自の意志を貫く強さも感じる。もろくて儚いけれど意思は強い。簡単にジャンル分けするならばアシッドフォークの類いになるかと思うけれど、この音楽に触れていると、USのアシッドフォークシンガーのEd Askewや、(日本のシドバレット)戸張大輔などが想起される。彼らと同じ様な、どうしようもない孤独から来る香りを感じさせる。ちょっと不思議だったのはライブで観客が温度のあるエモーショナルな反応を見せていた事で、彼の音楽にある生身の無垢に観客の心も純粋に動いているんだと思った。




顔のアップは基本苦手なのだけれど、この映像は不思議な磁力がある。


韓国ってよく外の環境下で演奏・歌うバージョンを見かける。のどかな田園風景に自身の音楽を溶け込ませる意図を感じさせる。


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「LambC」から始まり、「Hyukoh」「Black Skirts」「Idiotape」「Se So Neon」「Cralwer」「Carsick Cars」そして「Amature Amplifier」と、それまでベクトルが向かっていなかった現在の韓国(中国)の音楽シーンが、実に豊潤で刺激がある事を体験できた。

隣国:韓国に対して(韓国サイドの熱量よりも)日本はそんなにライバル心のような感情は強くないと思っているのだけれど(サッカーにしても)、珍しく今回の音楽シーンをざっと見渡して韓国と日本の比較をどーしてもしてしまっていた。何かの企画の動画で、韓国と日本のヒップホップを交互に流して反応を見るみたいなのがあり、並列すると明らかに韓国ヒップホップの方が音楽クオリティが高いのが瞭然だった(韓国ラップは音楽性/日本のラップは身内ノリ感が強い)。ロックも然り。散々ブログでも吐いてしまっていたけれど、J-ロックは大方J-ポップ化していて、音楽の構造がほぼ全部ポップスに還元される楽曲になっている。音楽を作り出す源泉となる感情の違いもある気がする。(時に極端な程に)怒りや悲しみを外に表現する韓国と、そういった(ネガティヴな)感情を表に出す事を(周囲に迷惑がかかるという事で)ためらう日本と。この国民性はどっちがどっちというワケではなく、単純に国民性の違いの事だけど、韓国の音楽はその負の感情を楽曲に(グッドフィーリングとして)内包させるのが優れている気がする。韓国のロック/ポップスシーンは優れたフィーリングを持っていた。…ヒップホップもロックも(そして後日述べる)アイドルにしても日本は負けていた。僕が感じるに、唯一日本が特化しているのは「シティポップ」のバラエティ感かな、と思う。シティポップと言っても都会のCityもあればはっぴいえんどの「街」「町」のポップスもあるように、表現者を取り巻く日常を様々なテイストでポップ化してる幅広さ。

個人的にいつまでも「カワイイ」がもてはやされる日本の時代がそろそろ変わって欲しいと内心思っている身としては、より今回の「Korean Good Music」には刺激を受けた。(今まで全く思った事がなかったけれど)ライバルって大事ですね(笑)。

おわり

ここで(ガレージロックの流れで)番外で中国のバンドを一つ。そこそこキャリアを持つらしいこのロックバンドは下記のナンバーを聴く通り、まさしく"ヴェルベッツ・チルドレン"とも言うべく、そのサウンドフィーリングからVelvet UndergroundのDNAが内包されている。すでに世界ではロックがマイノリティになり、Hip Hopが主流となっている現代に於いて、米でも英でもなく、中国の若者がこのフィーリングを放っている事が何か意味があるようで(ないようで)「おっ!」とか思う。動画を観た限り彼らは海外でも活動も多く、インタビューでもVelvet Undergroundについて言及している。あと、別な曲では(誰かのコメントで)(80's ギターロックバンド)「Wedding Present」との類似性も書いてあって、確かにそれも感じる。あと、個人的にボーカルの歌い方が(70's 日本パンク)「Mirrors」のヒゴヒロシにも似ている。…いずれにしても「Carsick Cars」から受ける感触は、ギター/ベース/ドラムの3つで突っ走る外への解放エネルギーで、(声質のキャラも含めて)いい意味の軽さもあり、そこも魅力を持つ。/…中国のその他のロックバンドも(プログレ、ポストロックやパンク、ニューウェイヴ等)バラエティ豊かだった。



late 60'sガレージと、late 70'sパンクを2010年代に体現させるKorean Young Generation。こ綺麗で無菌で健全なくせに愛と応援歌をロックサウンドに乗せりゃロックやってる体とは真逆の、増幅する電気バンドの初期衝動。ロックンロールのガラクタ。そんなガレージはロックスリルの本質。この土壌は今の日本には無い。



このギグ風景は僕の10代の(学校とは別の)風景だった。15年位前に観た「Lightning Bolt」のライブもこんな感じだった。時代はやたらフェスだけどこの狭さに本質がある。


日本だと「ゆらゆら帝国」が思い浮かぶかと思うけれど(当時とってもハマっていた)、ゆらは音楽性があり過ぎた。逆説的になってしまうのだけれど、音楽性の高さは初期衝動から遠ざかる。そしてゆらの音楽は構造としてかなりポップだったと思う。


(あと2回でおわり)

コリアングッドミュージック、今回は(ニュアンス合ってるか分からないけれど)上記のくくりでいくつか。

「Gong Gong Carpet」
このユニット、いくつか音源があるけれど全てがグッドドリーミン。そして音楽の感触が個人的に懐かしく、前回も述べたようにポストパンク期の果てに流れ着いたインディペンデントなネオアコースティック感がフルにあり、もし音を作っている彼らが実際にその時代の音楽に影響を受けているとしたら興味だし新鮮。


「Byul」
浮遊感。アシッド&サイケデリックなテイストが漂いつつも生フォーキーな軽さがあり、リスニング空間にちょうどいいハマリ。


「Jowall」
この世代の影響のルーツの一つでもあると思われる、My Bloody Valentineのカヴァ。とは言え、ここで(旧様式の)シューゲイザー仕様にしてしまわない所が彼らのグッドセンス。今の音楽としてリメイクしている。


つづく

キリがない位にコリアングッドミュージックはその深度を見せる(特にオルタナティヴ路線に於いて)。今回はランダムにいくつかのアーティストをピックアップ:

「Bye Bye Badman」
このグループは基本的な音楽性は日本の「フリッパーズギター」やUKの80's ネオアコバンド「アズテックカメラ」の様な、爽やかな好青年風サウンドなのだけれど、このスタジオライブ音源だけはアグレッシヴなバンドグルーヴを解放してる。多分ライン録音だと思うのだけれど、とかくライン録音ってバンド全体のグルーヴ感が散漫になって薄れてしまうのに、この演奏は全く関係無くロックビートが一体感を放っていて、つまり演奏実力が実はとてもあるのを実証させている。


「Se So Neon」
女性シンガーを軸とした3ピースのロックバンド。エッジの効いたギターのリフといい、構成といい、まろやかさと気骨のバランスといい、ロックサウンドのクオリティがとても高い(しつこく言うけどこんなバンド、今の日本では見当たらない)。明らかに彼らのバックボーンは70's黄金期のロックテイストが染みているのが分かる。

森の中での演奏が印象的。聴きやすさの中にもちゃんと良質なロックフィーリングが在る。日本でも70年代初期には存在してた感触…。


「Charming Lips」
(もちろん)詳しくは分からなくてあくまでYou tubeからの情報なのだけれど、このグループはインストゥルメンタルバンドで、大方ミドルテンポでリズムも実直に流れる。サウンドは電気的でなく生バンド風なのだけれど、不思議な後味感がある。楽曲は派手な盛り上がりを見せる事無くあくまでも一定の力量で最後まで流れる。これはある種ミニマルにも取れるし、独特な気品も持ったインテリアミュージックともとれる。そして、個人的に思うのは…昔、70年代パンクの後、ポストパンク/ニューウェイヴの流れの中で、主に欧米でインディペンデントな自主レーベルの動きがいくつも出来て、確実に面白かったムーヴメントがあった(ラフトレード/チェリーレッド/クレプスキュールetc…)。輸入されたそれらのレコードからは次々と新しい音楽のニュアンスが(制作現場の空気感と共に)詰まっていた。「Charming Lips」のいくつかの楽曲を聴いていると、そんな懐かしいポストパンク時代の欧米のインディーズレーベルの香りも漂う。


つづきます(このカテゴリー立てました)。

掘れば掘るほどに継続して発見していくのが現在のコリアングッドミュージック。今度はEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)バンド「Idiotape」。どちらかと言えばDaft PunkというよりもJusticeの方が印象が近い。そして何よりももっと野太くロック。印象出口としては硬派でクールなロックバンドって感じでカッコ良い。つまり余計な装飾が無く、骨格のリフのエッジだけの初期衝動で肉体的な(音の)塊を作っている。もはや完全に反応するべきサウンドは日本でなく韓国を追うべく、アンテナは切り替わって来ている実感(そもそもJロックって何なんだ?)。



まだつづく。

全編に渡って力を入れないダウンテンポのグループ「Black Skirts」。それでいて自傷的な暗さを持たず、どこかノホホンとした後味で音楽が包まれているのはアーティストの気質によるんだと思う。そんな中、下記のビデオクリップ作品「Everything」に出会う。力説してしまうのだけれど、このMVは、僕が今まで観てきた中でトップ3の中に入る程の素晴らしさだった。基本的に僕は「音楽に映像は邪魔なだけ」というスタンスで来ていてそれは今でも変わらないのだけれど、この作品に関しては見事に音楽と映像が融合して一つのイマジネーションをさらに上のゾーンへ昇華させている。…全てを諦めてしまった後に漂う不思議な敗北感という心地良さ。(違うとは思うけど)モヤの中で妖艶に踊り漂う女性はキムヨナに見える。映像のカメラは楽曲と呼応するようにゆらゆらと不明瞭で、まるで無国籍な夢想の地のロードムービーのようにあてもなく彷徨う。そしてこの夢想の地の視点が後半無重力になりシュールな空を浮かんで行く…。

クレジット分からないけれど、(楽曲者と共に)この映像作家(作品)は素晴らしい傑作。これは一つの映画。(多分この先もしつこい位に日本との自動比較が出てしまうと思うけれど)日本の音楽映像でここまでの領域なのは見かけられない…。


(その他)こーいうMVもなかなかのセンス。


ジャケのセンスも印象を持つ彼らのフルアルバム。サイケでもアシッドでもなくシューゲイザーでもなく、あくまでも自身の軸となる音楽の意思を感じさせる良質な"ソフトロック"の好盤。

ロックバンド「Hyukoh(ヒョゴ)」はすでに日本でも火がついているらしく、フェスにも参加している。ここは個人ブログなので好き勝手書きますが、才能が多面化してるのかロックに限らず彼らは色んな曲調をもこなしてしまう多様さと器用さを持っている。でも、個人的には下記にピックアップした2トラックの如く、彼らはロック(だけ)やってる方が断然良いって断言したい。聴かせるバラードもやれてしまう、今っぽいお洒落なグルーヴィーサウンドもやっている。しかし、彼らが持っている本来の魅力はロックチューンの中に存在していて、何より必要不可欠な「ロックフィーリング」が備わっている(このフィーリングが備わっていないロックバンドはただの大きなエレキ音でしかない)。特に下記の2曲にそのフィーリングが表れていて、もし、この感じだけで1枚アルバムが貫かれていたとしたら、僕は明らかにパールジャムよりもヒョゴを愛聴すると思う。時折スマパンのような繊細さも覗くが、より男。ロックが本来持ち合わせているべき大陸的ダイナミズム。大陸続きの国と島国とのバックボーンの差がここに来て表れているのだろーか。僕がかつて聴いてきた洋楽の70-80'sのロックフィーリングが韓国バンドによって現在新たに再生されている。日本はどーか…いわゆる「Jポップ」という様式の傘の下にて、あまりにも個人的な感情の世界観の中でロック仕立てにしているのだけれど、構造そのものがポップの様式に属している。ロックは本来もっと骨格的な構造であるべきで、現在、日本のそんな(ニューエイジの)ロックバンドは見当たらない(見つかっていない)。



(好みのジャンルテイストを絞っているからなのかも知れないけれど)このテの韓国シンガーってとにかく美声が多い気がする。(古いけど)「甘---い」っていう(笑)。下記の一連をピックアップしただけでもいかに韓国がメロウ(&チルアウト)に特化しているかが見えてくる。

腰が抜けそうな甘い声。このムードの熟した感じ、日本にはいるのだろーか。


いくつかHiphop系のアーティストも味わっていた中でこの作家のこのトラックが個人的に秀逸だった。このサウンドの中にはアンビエントもあり、フィールドミュージックでもあり、実験的でもあり、それでいてメロウ&チルでいながらも出口がヒップホップという、才能とセンス。


多くのプレイリストも上がっている中で、好みのミックス。真夏の夜を確実にクールダウンさせる効果有り。




次はロック寄り、つづきます。

今回のワールドカップに於ける韓国は、最後にドイツを2:0で撃沈させたのがモストインパクトではあったけれど、それ以外では残念な内容ではあった。サッカーのそれとは別に、現在、コリアンポップが実に豊潤な事を知り、特にこの6月、7月はコリアンポップしか聴いていない日々を送っている。味わえば味わう程、自動的に日本のポップ(&ロック)との良くも悪くもの差異が浮かび上がってくるもの。サッカーモードが終わり、今後しばし「Korean Good Music」(少しチャイナもあり)をシリーズします。

「LambC」…筆頭に来るのはレムシ。このユニットを始めとして、まず韓国音楽がここまで「メロウ大国」であった事が改めて気付き、元々メロウ好きな僕としては素直にハマっていく。下記の「LADY」は音の始まりからすでに腰が溶け始める。絶対、普段の暮らしの中で似てる人がいる様な普通の韓国青年(僕の知り合いにもどっか居そうなんだけど、それが誰だか永遠思い付かない…その感じ/笑)なのだけれど、実は音楽エリートらしく、そのギャップも新鮮。

このグループ聴いてて個人的に感じた事の一つに「スタイルカウンシル」を思い出した、という部分がある。...若きパンクスターだったポールウェラーが、元来好きだったブラックミュージックを取り入れた音楽にシフトを変えた時、聴き手(当時の僕も含めて)の感触は、本場のブラックミュージックとは似てるようでどこか(いい意味で)異物感のある新しいニュアンスの音楽として捉えていたと思う。それは英国の青年が自分たちで(いわゆる見よう見まねで)R&B感を捉えつつDIY的に曲を作っていった、その(本場/本物とは別モノの)ニューウェイヴ的解体作業の流れで自分たちで手作りした音楽だった。なので音に青年彼らの日常の空気感もパッケージされていた(特にスタカンの初期は)。…で、そんなニュアンスと同じものをこのLambCにも感じていた。例えば「LADY」の途中のキーボードソロの(あえての)適当感とか、後半に入って来る口のクラック音とか、明らかに本場にはないDIY的な(気負いの無い)遊びゴコロがある。





スタイルカウンシルの頃と比べれば格段に音楽機材が発達し、より個人レベルで制作クオリティが跳ね上がる。"DIY的で見よう見まね"…とか言ってもLambCの楽曲のメロウ感の成熟度は、2018年の蒸し暑い酷暑の中でひと際清涼を際立たせ、夏の最新BGMとしてヘヴィーに流れ続けている(しっかし、ここまでグッドミュージックが醸し出されると、PVのダサささえ一周回ってしまう…笑)。

次につづく。

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