たそがれ宝石鑑定士

101番目の小さな宝石店店主のひとりごと。宝石のはなしや日々の出来事を語ります
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石座

細くて弱いのではないかという疑問

細くて弱いのではないかという疑問
ワイヤーセッティング01
前に石座の事についてアーチ状に美しくと書いたことがありました。(→こちら)細いワイヤーで美しく仕立てるという話です。これについてあまり細いと弱いのではないかという疑問が寄せられました。プラチナで細く仕上げてあるのでそういう疑問があっても不思議ではありません。華奢すぎて強さがないようい思われるの当然です。しかし、ただ細くしてあるだけではないのがオーダーメイドの奥の深さなのです。



ワイヤーセッティング02
ワイヤー状に細くするために、職人は手間を惜しみません。プラチナの塊を叩いて伸ばして細くしていくのです。叩く伸ばすを繰り返してあの細さにします。ということは、プラチナがぎゅっと凝縮されて密度が高まります。これはすなわち強度が高くなるのです。細いながらもハンドメイドの手間によって強くなる。目に見えない小技が詰まっているのです。

叩いて伸ばして造り上げるハンドメイドですが、キャストといって型に溶かしたプラチナを流し込んで作るやり方もあります。この場合はどうしても空気が混ざります。それでも十分に強度はあるのです。ですから叩いて密度を高くしたハンドメイドはけして弱くはないのです。ハンドメイドのほうが優れているという話ではありません。もちろん場合によっては当店もキャストを使います。キャストのほうがきれいに出るラインがあったり長所がたくさんあります。デザインや造りによって合う技法を選ぶことが大切なのです。




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プラチナの細い線で美しく

プラチナの細い線で美しく
石座のワイヤー
先日のお客さまとのオーダーメイドリングの打ち合わせの時のことです。宝石がとても輝くようにしたいのです。この石が綺麗に引き立つデザインにしたいのです。そうお客さまがおっしゃいました。こういうご要望がとても多いです。宝石をより輝かせたい。それには造りやデザインが重要だということをご存じなのですね。業者ではないお客さまからご指摘があるのはびっくりします

実際に造り方で宝石の輝き方は変わります。特に石座です。石座とは宝石を座らせる台の部分です。表からは爪しか見えないことが多いのですが、裏側に秘密があります。この写真はその裏側です。よく良いジュエリーは裏を見なさいと教えられました。それは細かな配慮が裏側にあるからなのです。

指輪の裏側。プラチナの細い線で美しくアーチを描きます。こうすることで宝石に沢山の光をあたえることができるのです。服の細かな繊維にもひっかからない工夫もできます。細いワイヤーにすることで繊維をするっと逃がすのです。板状でふたをするように囲ってしまう石座もあります。頑丈にはなりますが光があまり入らなくなります。それと仕上がりの美しさ、デザインのバランスが崩れます。もちろん、板状のほうがデザインとマッチするときは板のほうがいいです。それはバランスなのです。美しさと機能を備えたオーダーメイドの技の1つです。オーダーメイドは1つ1つの配慮の積み重ね。手間をかけることでより美しく機能性も高めるのです。


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ご婚約指輪をリフォームしたオーダーメイドダイアモンドリング

ご婚約指輪をリフォームしたオーダーメイドダイアモンドリング
ダイアモンド3リング
素敵なオーダーメイドリングを仕立てさせていただきました。3ストーンのダイアモンドリングです。センターのダイアモンドがご婚約指輪にセットされていたダイアモンド。ご主人から贈られた大切なダイアモンドです。その両脇に新たなダイアモンドを配してリフォームさせていただきました。

ダイアモンド3リング02
せっかくのご婚約指輪ですが、出番が少なくなってきてもったいない。お客さまのご紹介で当店にリフォームのご相談にいらっしゃいました。ありがたいことです。
いろんな指輪をしてきた中で、ブランドや流行のデザインなど身につけてきたご経験があり、ふと気がつくとシンプルで飽きのこない本当に良いものを求められるようになってきたそうです。服装やバッグや靴に至るまで、全てシンプルで質の高いもの。気がつくと身の回りはそんな心地よさばかりに。ただシンプルというのではなく、そこには上品で華やか、でもつつましい美が漂う・・・そんなシンプルをデザインしたいとの事でした。

ダイアモンド3リング03
シンプルなものこそ実は難しいのですが、そこは感性の問題。仕立ての技もしっかり効かせていただきました。石座は美しい細いパイプで沢山の光が入ります。高さも出ないようにアームとの段差は極力少なく組み上げてあります。3つの石座はセンターをわずかに高くしサイドとの奥行き感を出す構造。アームは石座に向って細く絞り込んで厚みはあっても細く見えるように仕立てます。こうすることで強度とデザイン性を両立させることができるのです。
早速、銀座にお友だちとお食事にいかれたそうです。指に 馴染みが良くて 初めてつけたのに 全く 違和感がありませんでした。もちろん お友達からも 大好評でした。とお客さまに喜んでいただけてうれしかったです。素敵なリングを仕立てさせていただきKさまありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。


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細かい技が光ってます

細かい技が光ってます
石座の光を取り込む技オーダーメイドは、何が違うのか。もちろん、あなただけのために1つ創りあげるジュエリーなんですが、デザインだけの話じゃないんです。この写真は、リングの石座の部分。石座とは、宝石を留める台座のことです。裏から見るとわかるんですが、石をあまり囲んでいないでしょう。細いワイヤーのような線で巻いている感じです。これは、石に光をたくさん取り込む技術。こうすると、宝石がより輝きます。板で囲んでしまうと、光は半減。そして見栄えも重い感じになります。細い線で巻くと、軽やかで繊細な仕上がりになります。繊細なラインが、石だけが浮いているかのように際立たせて魅せます。こういう技の積み重ねが完成時のオーラの違いを生みだすんです。職人の技に感謝です。

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