中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ジャスミンの村(エジプト)

4c4bfc02-ef6c-4112-a95f-c84a5a3d3f9c_16x9_1200x676[1]何時も生々しい話ばかりで申し訳ないので、少しは香しい話を。
al arabiya net は、カイロの北90卉賄世離ルビヤ県のshobra baloula村はジャスミン(写真)の村として知られ、ここで世界のジャスミンの50%が収穫されるとの記事を載せています
収穫期には、日量10トンのジャスミンが取れ、5万人の村民はジャスミンの栽培、収穫、香水にするための油の抽出に携わっている由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2018/12/11/قرية-مصرية-تنتج-50-من-ياسمين-العالم-هنا-القصة.html
香水用ジャスミンの世界生産の50%というのは、いくら何でも誇大ではないか、という気もしますが、折角の香しい話ですから、そのまま紹介します。

イスラエル・レバノン国境情勢

レバノンからのヒズボッラーの地下トンネルについてはIDFは第3のトンネルを発見したとのことです(おそらくさらに複数のトンネルが見つかる可能性もあるのでは?)
これまでIDFは現場でブルドーザー等の重機を使って、トンネルの破壊を行ってきたところ、haaretz net 及びal qods al arabi net は、IDFの作業は爆破の段階に入り(確か数日前にIDFはトンネルの上にある住居の住民に避難するように呼びかけていた)、ものの弾みで、IDFとレバノン軍の間に衝突が生じる危険が迫っていると報じています。
それらによると、この地域は国境の北部で、そこには両国を分離する分離壁が建設されておらず、双方の兵士はお互いの姿を見ながら、警戒しているとのことで、誰か一人の血気にはやった兵士の誤りで、双方の衝突に至る危険性があるとのことです。
現地のレバノン兵士は、銃やRPGを携帯して警戒している(それはIDF兵士も同じ)とのことで、今後の動きが懸念されます
https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-israeli-tunnel-operation-in-lebanon-enters-its-explosive-stage-1.6729435
https://www.alquds.co.uk/%d8%a7%d9%84%d8%ad%d9%85%d9%84%d8%a9-%d8%b9%d9%84%d9%89-%d8%ad%d8%af%d9%88%d8%af-%d9%84%d8%a8%d9%86%d8%a7%d9%86-%d8%af%d8%ae%d9%84%d8%aa-%d9%85%d8%b1%d8%ad%d9%84%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d9%81%d8%ac/









黄色いジャケット(エジプトでの販売制限!)

確か若干前に、エジプトのメディアは仏の抗議運動(黄色いジャケット)の黒幕にムスリム同胞団がいる!!、などと言う報道を流していることを報告したかと思いますが、エジプト政府までがそのような宣伝を信じているのか、度重なる補助金カット、必要物資の値上げ等で、庶民の生活が苦しくなっているために、仏の抗議活動(おまけにマクロンの譲歩を引き出し、当初の要求は実現させた)の波及を恐れたのか(こちらの方は深刻かもしれない)、al qods al arabi net はエジプト当局が、黄色いジャケットの販売を制限し始めたと報じています。
それによると、ジャケット販売の制限は1週間前くらいから始まったとのことで、カイロの中心地の商人は、匿名条件で、当局から黄色相ジャケットの販売はちゃんとした企業に限り、個人には売らないようにとの指導を受けていると語った由。
https://www.alquds.co.uk/%d9%86%d8%b8%d8%a7%d9%85-%d8%a7%d9%84%d8%b3%d9%8a%d8%b3%d9%8a-%d9%8a%d9%85%d9%86%d8%b9-%d8%a8%d9%8a%d8%b9-%d8%a7%d9%84%d8%b3%d8%aa%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%a7%d9%84%d8%b5%d9%81%d8%b1%d8%a7%d8%a1/
公式の禁止ということではなさそうで、ことの真偽は不明ですが、エジプトで物価が高騰し、庶民の間に不満が高まっていることは事実のようですから、根も葉もないうわさではなさそうです

イエメン和平協議

どうやら現在行われているストックホルムでの和平協議は一つの山場に来たようです。

al arabiya net は、会議筋の話として、国連事務総長が特別代表の努力を後追いし、双方に対して合意へ努力するように働きかけるために、12日ストックホルムに到着すると語ったと報じています。
また和平を推進してきた諸国(安保理常任理事国やGCC)の外相が、双方に最後の努力をさせ、来年早々の会議再開を確実にするために圧力を加えるべく、到着する由
(事務総長と各国外相の来訪は、当然ながら調整されたものであろう)

議論されている中身について、ホデイダは特別代表が特に難しい問題としてきたが、同代表は双方の部隊のホデイダからの撤退と中立的機関による管理を提案している由。
但し、イエメン外相はこの案に強く反対している由。
他方捕虜の釈放については、ほぼ合意ができ、総計15000名の交換が近く行われることになる由。
交換サナア空港とセイウン空港(ハドラマウトにあり政府の支配下)で行われ、数週間かかる予定の由
また政府は、捕虜とは別に8576名のhothyが逮捕している、地方実力者、ジャーナリスト、活動家、部族その他の者の釈放も求めている由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2018/12/11/مقترح-أممي-حول-الحديدة-وغوتيروس-في-ستوكهولم-داعماً-.html
















ベツレヘムのクリスマス(イスラエル占領下の西岸)

1.6729527.2013780398[1]haaretz net は、ベツレヘム(写真はキリスト生誕教会)は、クリスマスを前にこれまでにない巡礼者等で賑わっていると報じています
記事は更に、2015年には度重なるテロで、ベツレヘムへの訪問者も激減したがその後徐々に回復したと報じています

クリスマスにはまだ時間がありますが、キリスト生誕の地ベツレヘムが、平和なクリスマスを迎えられることは、私のような宗教には縁のない男にとっても、大変結構なことで、これからもテロや暴力がないことを祈念しています
https://www.haaretz.com/middle-east-news/palestinians/tourism-in-bethlehem-booms-as-christmas-nears-1.6729525

イエメン情勢(風刺画)

cartoon-Reserve--7-[1]イエメン情勢に関する風刺画です。
箱の中から抜け出そうとして、地球(国際社会?)に手を引っ張られている男にはイエメンと書いてあり、それを重そうなお尻で邪魔している男にはイランと書いてあります。
サウディ系のメディアですから、そういうことなのでしょうが、本来ならばイランの隣にもう一人サウディ皇太子らしき人物でも書いておけば、より説得的になったかも知れません
https://aawsat.com/home/cartoon/1499136/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A



世界最大の武器輸入国サウディ(アラビア語メディアの記事)

確か、トランプ大統領は、記者団からkhasshoggi 事件への対応を問われたときに、サウディは数百億ドルの武器輸入者で、米国が供給を止めても、ほかの国がその分漁夫の利を占めるだけだと答え、余りの率直さ?に唖然としたことがありましたが、al jazeera net の記事は、サウディが世界最大の武器輸入国であるとして、トランプの発言を裏付けています。

これはストックホルム国際平和研究所の報告書によるとのことですが、それによるとサウディは2017年インドを越えて、世界最大の武器輸入国になった由。
同国に対する供給先は、(当然ながら)米国、次いで英、仏で中国の名前も出ています。
記事によるとサウディの軍事費は、2015年のイエメンへの介入以来急増し、昨年は694億ドルに達し、同年の武器輸入も40億ドルに達した由。
この間2015年から2017年にかけて、最大輸出国が米国で、次いで英、仏、スペイン、イタリア、スイス、カナダとなる由(何のことはない、欧米の主要国はなべて「死の商人」ということでしょうか?疑問は独の名前が出てこないことで、イスラエルとの関係もあって独はサウディへの輸出を制限・自粛していたのかもしれません。またそれがkhasshoggi 事件後、メルケルが独の武器輸出中止を表明できた背景かもしれません)
またこの期間に、安保理常任理事国5国のうち4国(米英仏中国)がサウディの武器輸入の90%を占めていた由
(ロシアではなく中国が主要供給国とは若干驚きました)

記事は更に、これら主要国のサウディへの武器輸出は、イエメン内戦介入で非常に多くの民間人を殺傷したこと、及びサウディ内では(khasshoggiに限らず)、多くの人権侵害、政府による弾圧があり、これに対して国際人権団体からサウディへの武器輸出に対する批判の声が上げられていたにもかかわらず、ほとんど影響されなかったとしています。
http://www.aljazeera.net/news/politics/2018/12/11/السعودية-اليمن-الأسلحة
報道では、かなり前に、マチス国防相と国務長官が、イエメンの戦闘停止と和平交渉に向けてサウディに圧力を加えたとあったかと思いますが、他方政権の有力者が、米国のアラブ連合軍事行動支援停止には強く反対すると語ったとかいうニュースもあったように思います。
確かにこれだけのお得意様なら、そう言いたくもなるのでしょうか?







バスラの水汚染(イラク)

バスラの水問題は更に深刻になっている模様です。
確かバスラ等イラク南部では水、電気の欠乏から、住民の不満が大規模抗議行動になっていましたが、渇水の影響もあってか、その後水の深刻な汚染が伝えられてきました。
この問題についてal arabiya net は、バスラの副知事事務所が報告書を出して、バスラ地域ではすでに10万人が中毒症状を呈しているとしてシャットルアラブ川(ユーフラティス川とティグリス川が合流して、イラク、イラン国境を流れるシャットルアラブになり、その後ペルシャ湾に注ぐ)の水は飲用等に適さないと警告したとのことです。
そして中東政府に対して、至急汚染の原因を調査し、特にカドミウム等有害物資の原因、その排除の仕方等について調査すべきで、当面住民に対して、代替の安全な水を供給するように求めたと報じています。
シャットルアラブの汚染は、渇水に加え、農薬、化学物資、下水の垂れ流し等の複合汚染と見られる由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2018/12/09/البصرة-تحذّر-من-شرب-مياه-شط-العرب-الملوثة.html
 それにしても10万人の中毒とは大ごとですが、もしかすると、当面問題はイラク北、中部を襲った大雨で、汚染された水が流され、少しは状況が緩和するかもしれません。
しかし、イラクの政府が未だ内務省の問題を巡って、完全に機能してはいないことを考えると、来年の夏場の渇水期までに抜本対策をとる時間はあまりないと思います。










イエメン和平協議

スウェーデンで開かれている和平協議について、アラビア語メディから取りまとめたところ、次の通り。
いずれも、捕虜の交換は最も進展があったが、ホデイダ問題が最も難しい問題であるとしています。

al jazeera net は国連特別代表が、取りまとめ、双方に渡された文書を入手したとして、その要点を報じている
・交渉は政治問題、安全保障問題、移行期間を検討するが、この3つをまとめた一括解決を目指す
・安全保障では、完全な停戦とサウディ国境も含めて最終的に軍事作戦の終了を目指す
・タイムテーブルに従い、軍事委員会の監視の下で、民兵(hothyのことか不明)の撤退。ミサイル、ドローンを含む重火器の政府への引き渡し
・双方の代表が加わる移行期間政府の設置と、官庁からの政府以外の影響の排除
・移行期間終了時に、憲法に関する住民投票と総選挙をおこなう

特別代表の記者会見等でも、捕虜交換については大きな進展があったとされ、近くその合意が交換され、釈放が数日内に始まる予定の由
なお、その中には大統領hadiの兄弟も含まれる由

最も難しいのはホデイダ問題で,国連はhothy部隊の撤収と、停戦、合同軍事・治安維持委員会の設立を提案し、合意実施のためにホデイダ港、市および周辺の港に、監視員(国連PKO?)を配置することを示唆した由
これに対して政府側は激しく反発し、ホデイダはイエメンの主権に戻るべきで、監視員であろうとPKOであろうと、国連の永続的プレゼンスはイエメンの主権を侵害するとした由。
政府としてはホデイダを中立化することは認められず、政府軍の管理下に置くべしとした由

国連特別代表は、来月にも第2回協議を開く事に関する双方の合意を協議の終了時には発表できることを期待していると語った由(次回はクウェイトでの開催との報道も流れていたが、確認はされていない模様)
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2018/12/10/المبعوث-الأممي-يقدم-خطة-شاملة-لتسوية-في-اليمن.html
http://www.aljazeera.net/news/politics/2018/12/10/اليمن-غريفيث-محادثات-السويد-خطة
https://aawsat.com/home/article/1499151/%D8%A7%D9%84%D9%8A%D9%85%D9%86-%D9%82%D8%B1%D8%A8-%D8%AA%D8%A8%D8%A7%D8%AF%D9%84-%D8%A7%D9%84%D8%A3%D8%B3%D8%B1%D9%89-%D9%88%D8%AE%D9%84%D8%A7%D9%81-%D8%AD%D9%88%D9%84-%D8%A7%D9%84%D8%AD%D8%AF%D9%8A%D8%AF%D8%A9












オマーン、スーダン、チャドの空域のイスラエル機への開放

イスラエルとアラブ諸国との関係正常化が進んでいることは先に報告したところですが、al qods al arabi net は2つの記事で、オマーン、スーダン、チャドがイスラエル民間航空に対して、その空域を開放することに合意した(または近く合意する)と報じています。
いずれもネタニアフ首相の発言の由で、オマーンとの関係ではスルタンが同意し、エルアル航空の極東向けの航空機が利用することになるだろうとのこと。
スーダンとチャドに関しては、既に国境のあるエジプトを含めて、イスラエル機の南米等への航路として使われる由
https://www.alquds.co.uk/%d9%86%d8%aa%d9%86%d9%8a%d8%a7%d9%87%d9%88-%d8%b9%d9%8f%d9%85%d8%a7%d9%86-%d9%88%d8%a7%d9%81%d9%82%d8%aa-%d8%b9%d9%84%d9%89-%d9%81%d8%aa%d8%ad-%d8%a3%d8%ac%d9%88%d8%a7%d8%a6%d9%87%d8%a7-%d8%a3%d9%85/
https://www.alquds.co.uk/%d9%86%d8%aa%d9%86%d9%8a%d8%a7%d9%87%d9%88-%d8%b1%d8%ad%d9%84%d8%a7%d8%aa-%d8%a7%d9%84%d8%b7%d9%8a%d8%b1%d8%a7%d9%86-%d8%a7%d9%84%d8%a5%d8%b3%d8%b1%d8%a7%d8%a6%d9%8a%d9%84%d9%8a%d8%a9-%d8%b3%d8%aa/
アラブ諸国は、長いことアラブ・ボイコットで、イスラエルと経済関係を有する第3国に対して制裁を科してきて、確か67年の第3次中東戦争後、アラブ連盟でイスラエルとの関係については3つのNOを採択し(承認しない、交渉しない、国交を樹立しない、だったかと思うが、余りに昔のことで記憶はあいまい)、それ以来イスラエルを国際社会の中で孤立させる政策をとってきました。
本来、その後エジプト、ヨルダンがイスラエルを承認し、PLOでさえイスラエルの存在を認めて自ら西岸に戻ってきたのですから、このような政策は現実離れしたものとなっていましたが、大部分のアラブ諸国ではそのまま実行されてきました(その故にネタニアフのオマーン訪問が注目された次第)
その後パレスチナ問題の解決は、クリントン時代のキャンプ・デービッド会談の時に最も実現に近づいたが、意見お差が埋まらなかったところ、アラブ諸国との関係ではサウディのアブダッラー前国王が、イスラルの占領地からの全面撤退と引き換えにアラブ諸国とイスラエルの関係正常化を提案しましたが、確かネタニアフから無視されたかと思います。
その間イスラエルは有利な力関係と米政府の支援を背景に、アラブとの関係改善に手を打ってき、トランプ登場後はサウディが中核となって湾岸諸国の方でもイスラエルとの接近を模索してきました。
トランプ、ネタニアフから見ると、その核となっているのが、サウディ皇太子で、今回の事件でもイスラエルはトランプに対して皇太子擁護を働きかけてきたとされています。
しかし、どうもkhasshoggi 事件などを起こしたサウディは、トランプの中東に関するグランドデザインを脱線させた感じもします




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