中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

トランプ政権の対イエメン政策

al arabiya net はロイター電を引いて、米新政権内では、イエメンに対する政策が詳細に検討されていると報じています。
その政策の骨子は、イランと同盟関係にあるhothy連合と闘う政府軍及びアラブ連合軍に対する支援の増強とのことです。
記事はさらに、新政権は、イエメン問題の根源はイランのhothy連合支援で、これがイエメンにおけるアルカイダとの戦いを阻害し(米軍及びCIAはこれまでも主としてドローンを使って、イエメンのアルカイダ戦闘員を攻撃してきた)また戦略的に重要な紅海、特にバーブルマンデブ海峡の自由航海を妨げている、と言う見方に傾いている由(対テロ作戦と航行の自由が組み合わさると、米軍にとっては、ある意味で作戦の対象となることが多いと思われる)
米中央軍海軍司令官は、イランのお蔭でhothy連合は新たな軍事力を獲得したとみているが、その中には従来のミサイルの何倍もの射程を有するミサイルが含まれている。
またUAE筋は、hothy連合がドローン、対戦車、対船ミサイル、陸上及び海上の機雷を保有しているとしている由。
米政権筋では、米国のイエメンに対する関与の増大は、基本的にはさらなる情報面での支援だが、政府軍及びアラブ連合軍が計画しているホデイダ攻撃への支援もありうるとみている由。
但し、ホデイダ攻撃支援も、ホデイダの空爆や地上部隊の派遣は考えられておらず、海上からのイランの武器等の密輸の監視、人工衛星監視に基づく、密輸に関するより的確で時宜を得た情報の提供が中心となるとみている由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/04/28/إدارة-ترمب-تدرس-مساعدة-التحالف-العربي-بحربه-ضد-الحوثيين.html
一時はアラブ連合のホデイダ攻撃に米軍も参加するとの見方が流れていたが、上記の報道の通りであれば、若干「穏健」?になった可能性もあるが、シリア、イラクでの作戦に加え、北朝鮮問題等が出てきて、流石のトランプ政権も現実的にならざるを得ないという面もあるのでしょうか?
いずれにしても、この報道も推測の類の可能性が強いような気がします


















アルジェリア国境の閉鎖

北アフリカにおける、イスラム過激派集団の脅威が増大しているとの報道をよく見かけますが、テロの脅威にさらされている国の一つはアルジェリアで、アルジェリア首相のabdel malik salal が、アルジェリアの隣接国にはテロ集団を抱えるものが多く、また他国に対して野心を抱くものがある(おそらくこの部分はモロッコを指すと思われる)として、アルジェリアのリビア、マリ、ニジェール、モロッコとの国境が閉鎖されていることを認めた由。
これを報じるal arabia net は、現在アルジェリとの国境が開かれて活発な通商等が行われているのは、チュニジアだけだと報じています。
これは、同首相が、中央アルジェリアの最南端でニジェールと国境を接している地方を訪問した時に、国境閉鎖に抗議する商人たちに対して、答えたところで、経済的問題は理解するも、現在はアルジェリアの安定と治安維持にとって極めて重要な時期で、これらの地域には過激なテロ集団が潜んでいるとした由。
記事はさらにこれらの地域は、「イスラム・マグレブのアルカイダ」、al tauheed運動、ジハード団等が活動しているとしています。
これらの勢力は砂漠や山岳地帯の広範な地域を支配し、活発な密輸等を行っている由。
最近、これらの勢力がマリとニジェールからアルジェリアに浸透し、アルジェリアの奥深くで、アルジェリアの過激派の活動を利用して、テロ活動を行おうとしたとの複数の報告がある由。
このため専門家は、これらの国境は長期間閉鎖されるだろうとみている由。
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2017/04/28/لماذا-أغلقت-الجزائر-حدودها-مع-عدة-دول؟.html






イラン大統領選挙(TV討論)

150[1]まさか嘘だろうと思ったのですが、写真の通り、5月に行われるイラン大統領選挙の立候補者たちの間で、28日TV討論会が行われたとのことです。
確か米国から始まった大統領選のTV討論会は、先日は仏でも行われましたが、ついにイスラム共和国出まで行われたもので、まさしく世の中は中東でもTVの映像で、有権者が大統領を選ぶ時代になったのでしょうか?
今回の討論会では失業問題、住居、結婚等の経済、社会問題が主たる主題であったが、TV討論は来週さらに2回あり、経済、外交問題等が中心となる模様とのことです。
なお、アラビア語メディアでは、討論は穏健派、改革派のロウハニ現大統領とその第1補佐官であるishaq jahanghiri 対保守派、強硬派の間で行われたが、jahanghiriは途中で大統領に道を譲るだろうと噂されている由。
保守派、強硬派は、米国等の制裁凍結にもかかわらず、イラン経済が改善せず、失業者が増大していることを攻撃した由。
一部のアラビア語メディは、ロウハニとその補佐官が第1回討論では優位であったとしているが、全国的な世論調査があった模様でもなく、その辺の真相は不明です。
取り敢えず
http://www.alquds.co.uk/?p=711339
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/04/28/مناظرة-مرشحين-رئاسة-إيران-تكشف-مقتحمي-سفارة-السعودية.html
http://www.aljazeera.net/news/international/2017/4/28/البطالة-تتصدر-المناظرات-بين-المرشحين-لرئاسة-إيران






ダマス近郊でのイスラム勢力同士の衝突

先ほどご紹介したal qods al arabi net は28日ダマス近郊でイスラム勢力同士が衝突し、31名死亡し、数十名が負傷したと報じています。
記事の要点は次の通りですが、興味深いのはこれらの勢力のうちイスラム軍(jeish al islam )はサウディが支援し、旧ヌスラ戦線のシャム・ファタハ戦線と同盟を組んでいるal rahman 部隊はトルコとカタールが支援しているとしていることです(さすがにアルカイダ系の旧ヌスラ戦線をどこが支援しているかは書いていない?あるとすればどこでしょうかね?)。
このような噂は前にも聞いたことはありますが、このような形でかなり明確に書かれたという記憶はありません。

「シリア人権網によると、28日ダマス近郊の東ゴータで、イスラム勢力間で散発的な衝突があり、31名死亡し、数十名が負傷した、
衝突は28日朝、東ゴータで最有力のイスラム軍(サウディが支援)と、シャム・ファタハ戦線とalrahaman 部隊の連合体(後者はカタールとトルコが支援)の間で生じた由。
人権網によると、衝突はイスラム軍のkafarubatnaとarabeenに対する攻撃で始まったが、原因は不明の由。
死者31名のうち12名がイスラム軍で、19名が他方の連合体の死者で、79名が負傷した由。
イスラム軍は、声明でシャム・ファタハ戦線等が、道路を閉鎖したり、イスラム軍に攻撃しかけたりして、常に敵対的行動をしてきたと非難したが、他方はこれを否定している由。
このうちalrahaman 部隊は、東ゴータで2番目に強力な勢力で、kafarbatnaやzamalka 等を完全に支配している由」
http://www.alquds.co.uk/?p=711358
















トルコ・クルド問題

トルコ・シリア国境を挟んで、トルコ軍とYPGが衝突したことは、先に報告したかと思いますが、この問題では米軍も巻き込まれる可能性も出てきているところ、al qods alarabi net とal arabiya netの記事の要点次の通り。
米軍筋は、まだそこまでは認めていないものの、下手をすると米軍がどちらも米国の同盟者であるトルコとYPGの間で平和維持活動をするという真に奇妙な事態が起こる可能性もありそうです。

al qods al arabi net
トルコ参謀本部によると、28日トルコ軍とクルド勢力が国境を挟んで衝突し、クルド側に11名の死者が出た由(トルコ側の損失は不明)
声明によると、トルコ軍はYPG支配地域から、トルコのsanli wurfa(アラビア文字からの訳)県に対する砲弾に対して反応し、11名を殺害したとしている由。
この地域ではトルコ軍とYPGが3日間にわたり、散発的な衝突を繰り返していて、緊張が高まっている。
トルコのエルドアン大統領は28日YPGが北部地域に独立国家を作ろうとしていると非難して、トルコは絶対にそのようなことは認めないと発言した。
al arabiya net
28日、米軍の装甲車(複数)がトルコとの国境のal darbasiyaに到着した。
米国防総省報道官は、米軍はシリアのトルコとの国境地帯全域に展開していると語った。
同報道官は、米国は関係者(トルコとYPG)が主要な敵に力を注ぐべきで、YPGはラッカとal tabqa 攻略に集中すべきであると語った。
報道官は米軍の任務はトルコとYPGを隔離することか(要するにPKOということ)との質問に対して、米軍の任務は伝統的なルーティンであると答えた由。
他方YPG指揮官は、米軍は近く監視業務を始めるであろうと語った由。
http://www.alquds.co.uk/?p=711358
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/04/28/هل-تراقب-قوات-أميركية-الحدود-التركية-السورية؟.html
























法王のエジプト訪問(訂正)

朝書いた法王のエジプト訪問で、どこかで勘違いをしていて、カイロの教会訪問をアレキサンドリアの教会訪問としてしまいました。
注意喚起があり、チェックしたらまさしくその通りで、まことに恥ずかしい初歩的誤りにつき、訂正しておきました。

注意喚起有難うございました

法王のエジプト訪問

先日からお伝えしている法王のエジプト訪問ですが、法王は28日カイロに到着し、すぐ大統領宮殿でシーシ大統領と会談した後、アズハリに総長を訪ね、アズハリ主催の「平和のための世界アズハル会議」に出席しました。
さらに同日夕には、コプト教大僧正とともに、、昨年末確かISのテロで29名が殺害されたカイロアアッバシヤのコプト教会を訪問したとのことです。
又、上記アズハリの会議では、法王は、「如何なる者も、宗教を口実に殺人を犯すべきではない」としてエジプトに対して「宗教は神に、国家は総てのエジプト人に」の原則を固持し、無条件で人権尊重をするように呼びかけた由
また法王は総ての宗教が、暴力に対して立ち向かい、過激派集団に対する武器と資金の流れを断ち切るために努力することを呼び掛けた由。
http://www.alquds.co.uk/?p=711322
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/4/28/بابا-الفاتيكان-يقابل-السيسي-والطيب-يدعو-لرفض-العنف
法王の宗教者会議での呼びかけはそれ自体毅然とした立派なものですが、それに加えて昨年末テロにあったコプト教の教会を訪問したことで、テロに屈するべきではないとのメッセージを自らの行動で表明したものと思われ、IS等過激派に対する強力なメッセージになったものと思います

西アンバールでの戦いへの米軍特殊部隊の参加

al qods al arabi net とal arabiya net は、アンバール県の警察幹部の言として、近く始まるアンバール西部でのIS拠点奪還作戦参加のために米軍特殊部隊がhadith ダムに終結したと報じています。
双方の記事はほぼ同様なので、おそらくソースは同じものと思いますが、それによると約100名からなる米特殊部隊が、完全装備で必要な兵器類とともに集結し、イラク軍との協力のために、イラク軍の合同作戦本部の傍に彼らの作戦本部を設置した由。
なお、彼らの目標はラマーディから210km地点のal anah市で、同市は2014年以降ISが占拠している由。
また攻略戦開始に備えて、有志連合空軍が連日激しい空爆を行っている由
http://www.alquds.co.uk/?p=711179
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/04/28/وصول-قوات-امريكية-جديدة-الى-سد-حديثة-قرب-الانبار.html
このところ、シリア及びイラクで米特殊部隊の積極的な、戦闘への参加のニュースが増えているところ、取り敢えず


仏大統領選(風刺画)

24qpt777[1]仏大統領選に関する風刺画です。
題名は「右翼の候補者マリン、・ルパン」ですが、彼女がエッフェル塔の箒で掃出しているのは移民とかイスラム教徒と言うことでしょうか?
http://www.alquds.co.uk/?p=709363

ローマ法王のエジプト訪問

確か日本でも報じられていると思いますが、ローマ法王は本日28日から2日間の予定でエジプトを訪問します。
法王はエジプトで、シーシ大統領と会談するほか、コプト教大僧正等とも会談し、またアズハリで開催される、国際平和会議でスピーチを行う予定の由。
またエジプトのカソリック代表と会談する前に、空軍競技場でのミサを主宰する予定の由。
何しろ、最近ISがエジプトのタンタとアレキサンドリアの両都市で、同日テロを行い(死者は46名に上った由)、また今後ともキリスト教徒、教会を攻撃すると警告している時だけに、法王の訪問は最大限の厳重な警戒下で行われカイロのいたるところに「平和の国エジプトへ、平和の法王の訪問歓迎」との垂れ幕が下がっている由
http://www.alquds.co.uk/?p=711156
ミサが空軍競技場で行われるという異例の形となったのも、IS等過激派の動きを警戒してのことと思われますが、これから2日間、エジプト政府の最大の警備態勢が敷かれることになりますが法王の安全はもとより、エジプト国内でのコプト教会や教徒の安全が脅かされないことを祈念しています。






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