中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ラッカ奪還作戦

現在イラクのファルージャとシリアのラッカの奪還作戦が行われていますが、どうも報道から見る限り、米国はまずはラッカ攻略に最重要度を置いているように見えます。

al qods al arabi net とal arabiya net は、同じように、米国等有志連合はラッカと周辺に対して、(クルド勢力のラッカ攻略作戦の開始以来)150回の攻撃を行っていると報じています。
これはシリア人権網の情報に基づくものの様ですが、同時に有志連合もラッカ周辺とain aisah に対する空爆を確認しているとのことです。
なお、攻撃回数は全部で150回ですが、そのうちではクルド等の攻撃開始の最初の日の攻撃が、最も激しかった由。
有志連合空軍と米特殊部隊の地上からの支援を受けて、クルドが中心のシリア民主軍は、ain aisah から5區塀个掘■隠阿良落を占拠した由。
有志連合空軍の空爆で、IS兵員に31名の死者が出ているが、ISとの衝突で民主軍にもかなりの犠牲が出ている由。
但し、これら周辺地域には住民がほとんどいないので、、市民の被害はない由。
他方、ラッカ市ではISが市民の退去を阻害しており、ひそかに退去するには、(人間の)密輸人に相当の金額を払う必要がある由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/05/27/150-ضربة-للتحالف-ضد-مواقع-داعش-قرب-الرقة-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=540700
・他方ISはアレッポの北の、marea付近で、アラブ反政府軍を圧迫して、トルコ国境に迫る勢いを見せていて、これら反政府軍が包囲される可能性が出てきている由。
・またロシア軍機と政府軍機はアレッポに対して激しい空爆(250回に上る由)を行っている由
(ロシア軍がヌスラ戦線等に対して暫定的な空爆停止を声明していたと思いますがその辺はどうなったのでしょうか?)
・さらにダマス近郊では東ゴータと西でも、反政府軍が政府軍の激しい攻撃を撃退している由。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/05/27/داعش-يتقدم-أمام-مقاتلين-سوريين-قرب-الحدود-التركية.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/5/27/المعارضة-تتصدى-لهجمات-النظام-في-ريف-دمشق
取り敢えずは以上ですが、こう見ると確かに停戦など何処かに行ったように見えます。

女性兵士の誕生?チュニジア

今や女性の進出は軍隊も例外ではなくなりつつありますが(そう言えば、確か我が海上自衛隊でも複数の女性艦長がいたと思います)、中東ではイスラエルの女性兵士が有名ですが、どうやらチュニジアも女性兵士誕生の方向に進もうとしている模様です。

alqods al arabi net は、チュニジア国防相が、放送で、チュニジアでも、テロの脅威や経済情勢に鑑みて、女性のミリタリー・サービス(徴兵制のことか)への参加について、真剣に議論する時期が来たと語ったとのことです。
チュニジアでは、法律的には男女ともミリタリーサービスの義務があり、男性は1年の兵役を務めることになっているが、女性が軍関係の仕事をすればよいことになっている由。
尤も国防大臣は、直ぐ女性にも兵役を科すということではなく、女性の軍事的役割について真剣に現実的な議論をすべき時に来ている、との表現を使った由。
http://www.alquds.co.uk/?p=540353
ついにアラブの女性も…というところですが、確かUAEでは女性パイロットがイラクでの有志連合空爆に参加していたと思いますが、湾岸などの女性も結構そういう意味では、先端を切っているのかもしれません。

エジプトの宗派対立

カイロの南のメニア県で、ムスリムの女性とコプトの青年が関係があったということで、ムスリムの群衆が暴力行為に走り、複数の家に放火した事件については、昨日報告しましたが、早速大統領府が声明を出して、関係者の調査と処罰、被害の修復についての支持を出したと発表しました。
声明は、その中で大統領が、公共の安全の維持、財産保護、法治国家の維持のために関係機関が、早急に事件を調査し、関係者を処罰するように命じたとのことです。
また県知事が、政府と協力して、破壊された家屋等を国費で1月以内に修復するように指示したとのことです。

他方、コプト教会の法王も、この事件が宗派紛争になることを許さないとして、関係機関と協議しているが、当局は速やかな調査と関係者の処罰と再発防止を約したと語ったよし。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2016/05/26/البابا-تواضروس-بعد-أحداث-المنيا-لن-نسمح-بإشعال-الفتنة-.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2016/05/26/السيسي-يأمر-محاسبة-المتورطين-في-أحداث-المنيا-سريعا-.html
取り敢えずのところ以上で、シーシ大統領の迅速な対応が目だつところ、宗派紛争はエジプトとしてはどうしても避けたいところで、矢張りそうなると、大統領権限が極端に強いエジプトとしては、大統領が先頭に立たざるを得ない、ということなのでしょうね。

ファルージャの戦い

ファルージャの戦いは確か4日目に入ったかと思いますが、政府軍及び各種民兵等は、ファルージャに対する包囲を狭めつつ、各地でISと交戦し、また爆発事件等もあり、双方に死傷者が増えている模様です。
また、政府軍等のファルージャに対する砲爆撃で、特に野菜市場に着弾する等で、市民の被害も増えている模様です。

このような中で、国連は作戦が始まってから、ファルージャから脱出できた市民の数は800名に過ぎないとして、市内に残る市民の身の安全はもとより、食料医薬品等が極度に欠乏しているとして、重大な危機感を表明し、関係者に対し、市民の保護を呼びかけた由。

その市民の保護との関係で、一部(シーア派)民兵が、宗派的像をむき出しにした発言をして、ティクリート陥落の際と同じような、スンニ派住民に対する弾圧が起こることが懸念されて居ますが、ファルージャの宗教指導者たちは、イラク政府及び作戦本部に対して、宗派的な民兵(要するにシーア派民兵)を市内に入れないように要請した由。
またイバーディ首相も、これら民兵の宗派的発言に対して、民兵の一部には統制の取れていないグループもあると発言した由。

他方、27日もバグダッドでは、新政府の樹立を求めてのデモがある予定であったところ、イバーディ首相は、ファルージャ作戦のため、バグダッドの治安維持にあたる部隊が手いっぱいであるとして、デモの中止を求めた由。

http://www.alquds.co.uk/?p=540372
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/5/26/قتلى-للجيش-والعشائر-في-الفلوجة-وحديثة
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/05/26/العبادي-يدعو-إلى-إرجاء-التظاهرات-في-بغداد.html

シリア内戦の犠牲者

シリアでは国連傘下の和平交渉が停止したままになっていますが、国連の特別代表は、今後2〜3週間の間は、交渉を再開するつもりはないと安保理に報告しました。


この間にも内戦の犠牲者、特に死者が増えていますが、シリア人権網の発表した最新のシリア内戦の死者数、次の通りです。

・2011年3月からこの26日未明までの、シリア内戦の死者は282,283名に上る。
これに対して2月23日時点での数字は271,138名であった

・そのうち81、436が民間人で、児童の数は14,040名であった

・反政府軍及びクルドが主力のシリア民主軍の死者は48,568名であった。

・これに対して政府軍側の死者は101,662名で、そのうちシリア兵が56,609名で、ヒズボッラーが1,247名であった
(ということは残りはイラン革命防衛隊及びイラクやアフガニスタン、パキスタン等からのシーア派民兵ということになるが、内訳は不明)

・他方IS及びヌスラ戦線等の過激派の死者は47,095名であった

・3522名が所属等不明

http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/05/26/280-ألف-قتيل-حصيلة-جديدة-للنزاع-السوري-.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/05/26/دي-ميستورا-لا-استئناف-قريب-للمفاوضات-السورية-.html

バス車掌の不適当な行為(トルコ)

セックス問題に関しては、非常に保守的な中東のメディアとしては、誠に珍しいとしか言いようがないが、26日付のhurryiet net は、24日エーゲ海海岸よりイスタンブールに向かうバスの中で、バスの車掌が乗客の女性の隣に座って自慰行為をしたと報じています。
記事によると、彼女の隣の席が空いていたが、眠っている女性の隣で、車掌が自慰行為をして、精液が彼女および周辺の乗客にかかったとのことです。
現在憲兵が調査中で、バス会社は事実であれば車掌を処罰するとしている由
http://www.hurriyetdailynews.com/bus-assistant-allegedly-masturbates-on-female-passenger-in-turkey.aspx?pageID=238&nID=99672&NewsCatID=509
どうも若干どうかと思う表現が出てきましたが、これらの表現は英文の記事からそのままとったもので、中東のメディアでこのような記事を目にしたのは、小生にとって初めてだったので、あえてそのまま書いておきます。
それにしても驚きました。
尤も、ここまでひどい話は別として、満員のカイロのバスなどでは、乗客の女性がセクハラを受けることはしょっちゅうだと聞いています。
カイロのバスは乗ったことがないので、責任は持てませんが・・・

コプト襲撃事件(エジプト)

エジプトでは、時々多数派のイスラム教徒と少数派のコプト教徒(キリスト教の一派。エジプト土着のキリスト教)が砲突する事件が起きますが、al arabiya net はカイロの南のメニア県で、イスラム教徒がコプト教徒を襲い、その家を焼く事件が発生したと報じています。
記事によると、キリスト教徒の青年がイスラム教徒の婦人と関係があるとの噂が広まり、それを信じた青年たちが暴力行為を行ったとのことです。
記事によると、メニア県知事は、ムスリム同胞団がこの事件で、青年たちを扇動したが、そお後事件は収まったとしている由。
他方、地元キリスト教指導者等によると、2人が関係しているとの噂が出て、青年には脅迫状が舞い込み、他所へ避難せざるを得なくなり、彼の両親が警察に相談していたが、その夜300名の青年が暴力をふるい、複数の家を焼いた由
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2016/05/26/مصر-شائعة-علاقة-عاطفية-تثير-أزمة-طائفية-بالمنيا-.html
詳しい事情は不明なるも(特にムスリム同胞団が扇動したのか否か、警官隊の対応がどうであったのか等)取り敢えず

対IS戦(風刺漫画)

652ed133-c18d-48f7-a3d8-8372743bb11f_4x3_296x222[1]報告した通り、現在シリアとイラクで大規模な対IS作戦が始まっていますが、ISとの戦いに関する風刺漫画です。
ボーリングの真ん中の立派なピンにはISと書いてありますが、これをめがけたボールは周囲の「市民」と書かれたピンだけを倒しています。
説明は不要でしょう
http://www.alarabiya.net/

イスラエル機のガザ報復爆撃

al qods al arabi net は、イスラエル空軍が25〜26日の夜、ガザのハマスを空爆したと報じています。
これは24日夜にガザからイスラエル南部のネゲブ(砂漠地域)に対してミサイルが撃ち込まれたのに対する報復の由にて、記事が囲繞するイスラエルメディアは、ミサイルも空爆もともに人的被害は出していないとしている由。
(ガザからのミサイルの発射は、イスラエル政府に強硬派のリーバーマンが国防相として入ったことに対する警告か、とも思われるが、そもそもだれがどのような目的でやったことかは不明)
http://www.alquds.co.uk/?p=539918

イエメン和平交渉(進展近し?)

イエメンの和平交渉では、確か昨日政府側がいかなる政治的解決の前に、サーレエは前大統領とhothyの指導者の退陣が必要だと通告したという報道をお伝えし、前途に悲観的な報告をしたと思います。

ところが、本日のal jazeera net は、国連特別代表が安保理の非公式協議に対して、完全な合意は近日中に可能となったと報告し、hothy筋が、それは今後の政治的解決の工程表を作ることだと説明したと報じています。
工程表は暫定治安措置、諸都市よりの撤退、重兵器の引き渡し、政府の引き渡しを含むとのことですが、国連筋によると、未だ双方の懸隔は大きく、特に誰が新政府に入り、新政府の設立の時期等についての合意がないとのことです。
なお、特別代表の報告の前に、事務総長は安保理あての書簡で、交渉は言あまだ多くの難問を抱えており、国連の関与を強化するために、特別代表チームの人数を増やし、その根拠地をNYからオマーンに移すことを提案したとのことです。
他方ほかのメディアでは、al arabiya net が特別代表の報告があるだろうとしている他は、特段お記事は見当たりません。
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/5/26/المبعوث-الأممي-يرى-قرب-التوصل-لاتفاق-باليمن
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2016/05/25/المبعوث-الأممي-يتحدث-عن-بوادر-انفراج-في-مفاوضات-اليمن.html
上記aljazeera の報道が正しければ、極めて好ましく重要な進展かと思いますが、これまでも国連は楽観的過ぎる見方を流してきたきらいもあり、何よりも海千山千のイエメン人たちが、手練手管を尽くして交渉、、というか取引しているのですから、まだまだ慎重に見ている方が安全かと思います。
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