中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

シリア情勢(アレッポ等)

シリア情勢につき、断片的ながら、とりまとめたところ、次の通り

・ロシア政府報道官は26日、安保理において、米英代表がシリアにおけるロシアの行動は野蛮で、国際人道法違反だと発言したことは受け入れがたく、相互の関係を害するものであるとの声明を発した。
(確か仏はさらに激しくロシアを非難していたように思われるが、ここでは英米に限っている…もし報道が正しければ・・・ことが興味深い)
・ロシア機と政府軍機の東アレッポに対する空爆で、1週間の死者は400名を超えた。
シリア医師団は、このような悲劇を前にして、東アレッポには30名の医師だけが残っていて、彼らだけで数百名に上る負傷者の医療を続けることは困難であるとして、即時の停戦を求めた。
・他方、複数の米責任者(匿名条件)は、サウディ等の湾岸諸国が、反政府軍がロシア機や政府軍機に対して、自衛できるように、多数の肩撃ち式の地対空ミサイルを供与する可能性が出てきたとしている。
彼らによると、湾岸諸国には、アフガニスタンの時と同様に、これ以上のロシア機による攻撃を止めるには、携帯式地対空ミサイルの供与が必要であるとするものが増えている由。
これに対して、米政府は、現在のロシアは末期ソ連ではなくプーチンは、中東におけるその立場を取り戻すことにコミットしており、その政策を後退させることはないであろうとして、これまでは携帯式ミサイルの供与を阻止してきたが、今回の停戦破棄で、ロシア機、政府軍機の攻撃が激化し、市民の被害も増えていることから、なかなか説得しにくくなってきている由。
・ロシアの新型戦闘機スホイ25SM3が新たな防衛装置をつけてシリアに戻ってきて、ラタキア基地の上空で飛行を開始した。
・トルコ副首相は26日、多くのYPG戦闘員が、ユーフラティス河の東岸へ撤退したとして、これを歓迎した。
(これでトルコ軍に支援された自由シリア軍はmanbijに入る条件が整ったということでしょうか?)
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/26/تركيا-ترحب-بانسحاب-وحدات-الحماية-إلى-شرقي-الفرات.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/27/مقاتلات-روسية-مطورة-تحلق-مجدداً-في-سوريا.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/26/الكرملين-تصريحات-واشنطن-ولندن-حول-سوريا-غير-المقبولة-.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/26/مخاوف-من-انهيار-الخدمات-الطبية-بحلب-تحت-الغارات
http://www.alquds.co.uk/?p=604179

最高指導者の前大統領の立候補阻止(イラン)

日本のメディアも報道しているようですが、al arabiya net は、イランの最高指導者がアハマディ・ネジャード前大統領に、2017年の大統領選挙に出馬しないようにアドバイスしたと報じています。

それによると、最高指導者のネットが、ハメネイが数日前に有力者のひとり(アハマディ・ネジャード)と会って、彼の立候補は彼のためにも、イラン国家のためにもならない、として、来年の大統領選へ立候補しないように求めたと報じているとのことです。
また強硬派の前イラン通信事務局長が、アハマディ・ネジャードがハメネイと会談すべく努力してきたが、実現した会談では最高指導者は明確に彼の立候補に反対したと語った由。

いずれにしても、前大統領は数か月前から、イランお方々の町を回って、選挙運動をしてきたが、その中でかれは現大統領ロウハニが米国等と合意した、イランの核開発停止に関する合意を非難し、ロウハニ大統領は「一期だけの大統領になろう」と語ってきた由。
これに対して、最高指導者は、今後さらに米国がイランに対する制裁緩和を進めることを期待していて、特に米大統領選のこの時期における発言が、核合意の今後について与える悪影響を懸念した由。
http://www.alarabiya.net/ar/iran/2016/09/26/خامنئي-يرفض-ترشح-أحمدي-نجاد-للانتخابات-المقبلة.html
ハメネイの核合意に対する立場については種々の見方があったかと思いますが、少なくとも彼の支持がなければロウハニが核合意に署名することはできなかったはずで、かれが(思惑はともかく)核合意を支持したことは間違いなく、その意味ではそのような彼の政策に真っ向から反対した前大統領の立候補を、好ましく思わないことは十分考えられます。
なお、記事は、その他前大統領の時期が、イラン正解が腐敗、汚職等の最も蔓延した時期であったとしており、そのことと最高指導者の反対を直接結びつけてはいないが、これも最高指導者がアハマディ・ネジャードに反対して理由の一つである可能性も強いかと思います。

イラク情勢(モースル解放作戦)

イラク情勢につき、断片的ながら次の通り

・英紙は、モースル解放戦の空中作戦は既に始まったと報じている。
英軍によると有志連合は、モースルのIS拠点、特に武器弾薬庫、司令部、部隊の集結地、燃料庫等、その戦闘遂行能力を削減するための空爆を強化し始めたよし。
これに対して、ISは地対空ミサイル複数発を発射したが、いずれも命中しなかった由
・他方クルドのペッシュメルガも、北方からのモースル解放作戦(sinjar とニノワ平原の2方面から)への準備を完了したと確認した。
但し、ペッシュメルガの現地司令官は、解放後のモースルの取り扱い(彼はモースルは100%アラブの町ではないと語ったよし)について合意ができていないので、モースル市内には入らないであろうとした由。
・(モースル解放戦の準備として、イラク軍がサラハッディーン県のal sharqatを奪還したことは既に報告したが)
同県知事は、イラク軍等が同県のISの最後の拠点であった(ティクリートの北の)al mashak村を奪還したと発表した。
・(他方ISがテロ活動を強めていることは先日も報告したが)
イラク警察は、テロリストが25日夕バグダッドの商業通りで自爆し、7名死亡し、28名負傷したと発表した。
この事件についてはISが犯行を声明した。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/09/25/التحاف-يبدأ-معركة-الموصل-جواً-والمالكي-يحاول-تأجيلها.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/09/25/مقتل-6-وإصابة-18-في-تفجير-انتحاري-غرب-بغداد.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/09/26/العراق-استعادة-آخر-معاقل-داعش-في-صلاح-الدين.html

他方、何事も秩序だって進まないのがイラクの常で、モースル解放作戦が近く始まろうとしているときに、政治的にこの動きを邪魔して、現在のイバーディ政府を覆し、その後に返り咲こうとするマリキー元首相野陰謀がイランの支持を受けて、進められているとal arabiya net  が報じています。
それによると、マリキー前首相は、イランの意を受けて、モースル作戦にシーア派の民兵を参加さするために、モースル作戦の開始を遅らせようとしているが、その手段は議会による閣僚の不信任である。
既に、国防大臣と財務大臣が不信任されたが、その他マリキーの手元には腐敗を疑われる閣僚の長いリストがある由で、彼は現首相を議会で不信任して、その後に居座ることを画策している由
(これはイランと敵対しているサウディ系のal arabiya  net が報じるところで、必ずしも信憑性が高いとは言えないと思うが、それにしても、仮にそのような事態になったとしたら、モースル失陥のまさに責任者で、腐敗の元締めの彼が、腐敗防止の声に乗って復活してくるという、これ以上皮肉なことはない・・・イラク国民にとっては悲劇…ことになる。
しかし、中東のような陰謀史観の盛んな地域では、確かにイランも口ではISとの闘争を最重要視しているようなことを言ってはいるが、所詮イラクでの最大関心は、自己の影響力の拡大増強であるので、イランがこのようなことを画策してもおかしくはないか、と思わせるところがないでもない)
 http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/09/25/التحاف-يبدأ-معركة-الموصل-جواً-والمالكي-يحاول-تأجيلها.html

シリア情勢(アレッポ情勢と安保理)

安保理は25日(現地時間)開催されましたが、予測した通り、どうやら米英仏対ロシアの激しい相互非難の場となっただけで終わった模様です。
昨日の記事では、公式会合さえ開かれない可能性があると書きましたが、公式協議ではなく非公式協議を続けるのは、ある意味では、関係国間に何らかの妥協の余地がある場合で、今回のように双方が正面から激しく対立している状況では、とにかく公式会合を開いて、相互が非難合戦の場として使うことになりますが、今回は正しくそうなった訳で、双方の言葉遣いだけを聞いていると、何やら冷戦時代に逆戻りした感じさえあります。
英代表は、米ロの合意に基づく停戦から政治協議というシナリオは、限りなく終わりに近づいたとして、安保理がその責任を果たすべき時だと力説したようですが、何しろ常任理事国の関係が、こういう状況ですから、当面安保理が何らかの役割を果たすことは期待できないでしょう。
国連の特別代表も、米ロの合意を基に政治協議を開催しようとしていたのですから、こちらの方も当面動かない、ということになりそうです。
ケリー長官は何度か、、米ロの停戦合意が、シリア問題の政治的解決の最後の機会であるとしてきましたが、いよいよもって銃だけが物を言う段階に入ったのでしょうか?
確かにアサド政権とそれを支持するロシアは、少なくともアレッポに関する限り、圧倒的軍事力で、決着をつけようとしているように見えます。


安保理では、米英仏の代表、特に米仏代表は、ロシアと政府軍のアレッポに対する前例のないような繰り返しての激しい空爆、特に市街地に対しての焼夷弾、バンカー爆破爆弾の使用は、民間の死傷者を多数出す野蛮な攻撃で、このような行為は人道法、戦争法規違反の犯罪行為であると非難しました。
特に仏代表は、今回のロシア等の行動は、旧ユーゴスラビアのサラエボ攻撃やスペイン内戦(1936年)のナチスのゲルニカ攻撃に匹敵するものだとして、歴史を引き合いに出したようです。
また米代表はロシアは嘘をついていると非難した由。
英代表は、人道法の重大な侵害者は国際司法裁判所に付託すべきであるとした由。
これに対して、ロシア代表は、米国がテログループを支持し、これに武器を供給していると非難して、シリアでの停戦は殆ど困難になったと強調した由。
また同代表は、米国がロシアとの停戦合意を順守するように要求し、穏健反政府軍とテログループとを区別することを要求した由。

他方国連のシリア特別代表は、安保理に対する報告の中で、アサド政権とロシアは住宅地に対するナパーム等の空爆で、人道法に違反しているとして、即時空爆の停止と、人道援助搬入のための48時間の停戦を要請した由。
また報告書は、空爆が2か所の水道施設を破壊し、住民は汚染された井戸水を呑んでいるとしている由。

http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/25/سفيرة-أميركا-بالأمم-المتحدة-أفعال-روسيا-في-سوريا-وحشية.html
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-37468080
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/25/واشنطن-تتهم-موسكو-بارتكاب-جرائم-حرب-بحلب
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/25/واشنطن-تتهم-موسكو-بارتكاب-جرائم-حرب-بحلب

・他方現地情勢としては、25日の空爆で、更に85名が死亡し、数百名が負傷した模様。
政府軍機は複数の樽爆弾を投下した由。
これまでのロシア機、政府軍機の空爆で、24日夕刻までに死者323名、負傷者1300名との報道もある
・若干明るいニュースとしては、国際赤十字社は24日現在包囲されている4つの町村に、6月間で初めて70台分の人道援助を搬入したと発表した。
これらの町は、ダマスの近郊のmadhayaとザバダーニの2とイドリブのal fua とkafriyaの2である由。
・他方トルコのエルドアン大統領は、記者団に対して、米国がラッカのISに対する攻撃を開始すれば、トルコはこれに参加する用意があると語った由。
但し、仮にYPG等が参戦する場合にはトルコ軍は参加しない由
(確か、昨日だったかトルコ外相が、ユーフラティスの盾作戦は、manbij まで拡大されると語っていたが、トルコが積極的にシリアへの関与を強める意向であることが注目される)
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/25/مئات-الضحايا-بغارات-النظام-وروسيا-على-حلب
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/26/الصليب-الأحمر-تسليم-مساعدات-لأربع-بلدات-سورية-محاصرة.html

シリア情勢(トルコのmanbij 侵攻?)

シリアに関しては、アレッポの情勢に関する安保理がたぶんもう少ししたら開かれるはずで(明日の朝になればその状況は判明しているかと思う)すが、シリアの北部情勢はさらに複雑さを増しそうな感じです。
al qods al arabi net は、トルコ外相のフランス24TVとのインタビューを伝えて、その中でトルコ外相は、シリア・トルコ国境の安全地帯を確実なものとするためには、45卞酳にもその葉にを広げる必要があるとして、トルコが始めた「ユーフラティスの盾」作戦がmanbij (クルド勢力のYPGが米等有志連合の支援を受けてISから奪還した都市)まで至る必要があるとの認識を示した由。

トルコ政府はYPGがユースフラティス河の東岸にまで撤退するように主張してきた(YPGは彼らは撤退して、後は同市の評議会に任せたと主張しているが、おそらくYPGの戦闘員はかなり残っていると思われる)ところで、おそらくは「ユーフラティス河の盾」作戦は、論理的にはmanbijまでを含むのだろうと考えていましたが、トルコ政府の責任者が、同作戦が同市にまで及ぶと明言したことは初めてではないかと思われます。
仮にトルコが、外相の言葉の通り、manbijまで作戦を広げた場合、クルド勢力はトルコ軍(またはトルコの空軍と特殊部隊に支えられた自由シリア軍)の敵ではないと思われるが、相当の犠牲を払って奪還したmanbij を戦闘もなしで引き渡すとも思われず、その場合には米国の立場は極めて微妙なものとなるだろうと思われます。
未だ起きてもいないことを今から気にするのは愚の骨頂ですが、どこか気にかかるので取り敢えず
http://www.alquds.co.uk/?p=603140

イエメン情勢

イエメン情勢につき取りまとめたところ断片的ながら次の通り

・サウディ等アラブ連合空軍は24日夕、タエズ、イブ等のhothy連合拠点を空爆した。
サナアでは空軍基地及びサナア空港周辺を空爆した由。
・他方サウディとの国境では、サーレハ前大統領とその長男の腹心であった特殊部隊の司令官の大佐が死亡した。
同大佐は、ナジュラン戦線と命名されたサウディへの浸透作戦を指揮していた。共和国警備隊は最近、この戦線で大軍を動員してサウディに浸透しようとしていた。
・イエメンでは8月6日に、政治協議が中止となってから、各地で戦闘が激しくなっている。

・他方国連総会に出席中のイエメン外相は、イランが新たにhothy連合に軍事物資を供給しているとして、安保理に提訴し、安保理の開催を要請した。
・同外相はhadi大統領が先週、米国及び国連の幹部と会談し、原則として72時間の停戦に同意したと語った。
・同外相はロイター等に対して、中央銀行のアデン移転は、イエメン経済再建のためには必要な措置で、hothy連合の支配下で、その外貨準備は7億ドルまで減少し、手元に流動性資金もなく、政府、公共機関淑員に対する給料も未払いであったとした。
彼はさらに、新中銀はIMF,世銀、米英政府等に対して、hothy連合支配地域も含めて、全ての公共機関職員の給与を支払うと約束したと語った。
更に、中銀は昔イエメンの通貨を印刷したロシアの会社に委託して、近く新イエメン通貨を印刷する予定であると語った由。


http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/24/معارك-بتعز-والتحالف-يقصف-الحوثيين-بإب-وصنعاء
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2016/09/25/المخلافي-شكوى-أممية-ضد-إيران-لنقلها-أسلحة-للحوثيين.html

・他方、al qods al arabi net は、「アラブ連合軍は軍事的には大きな成果を上げたが、宣伝戦では負けている」と題したかなり長い記事を載せています。
記事は複数のソースによるものとして、hothy連合の支配地域等では、全ての人権団体や国際組織が追放され、客観的な人権無視または侵害の情報がなく、hothy連合反サウディ人権宣伝が流されるので、今や国際的に、イエメンの人権侵害はサウディ空軍等の空爆の結果である等の見方が大きくなり、サウディ及びhadi 政府は宣伝戦の面で大きく負けているとの趣旨です。
この記事には特に、具体的な数字の裏付け(例えば、hothy連合の主張する民間人の死傷者のうち、実際には何割がhothy連合の砲撃によるものであるとか、サウディ等の調査の結果、意図的に学校や病院を空爆した例はほとんどなかったとか)があるわけではなく、単純にサウディ等が宣伝戦の面で、hothy連合に負けているとの趣旨の記事です。
問題は、なぜこの時点でこのような記事が出たかということですが、もしかすると国連総会の場で、かなりの国や国際機関やNGOからサウディ等の空爆の人権侵害の非難がでて(必ずしも代表の演説だけではなく、国連に集まった者たちから、そのような懸念の声が出された可能性がある)、それに対して、アラブ側としても何らかの形で説明しなければならないと考えられたせいかもしれません。
確かに、これまでも国連代表等も、サウディ等の空爆について人権侵害と非難したことが少なくなかったと思います。
http://www.alquds.co.uk/?p=603011





イラク情勢(モースル解放戦間近)

イラクではモースル解放戦の開始が間近だとの報道が増えていますが、関連情報等次の通り

・イラク参謀長と米中央軍司令官は、バグダッドのイラク国防省で会談し、モースル解放作戦について協議した。
会談後の記者会見で、イラク参謀長は、両者はモースル解放作戦の準備状況について話し合ったが、特にイラクが必要としている有志連合からの、支援の種類やその規模等について協議したと語った。

・他方国連では、モースル解放作戦に伴う人道問題について会議が開かれ、国連諸機関の他に人道援助に携わる国際機関、NGO等が参加した。
会議では、作戦お種々のシナリオが検討されたが、国連のイラク支援調整官は、モースル解放作戦では100〜150万の住民が直接、間接の形で影響を受け、うち100万人が避難することになると見ていると語った。
そしてモースル解放作戦は、2016年の世界にとって、最大の人道支援問題となるであろうと語った由。
特に戦闘に近接したところに住民がいるので、彼らが戦闘や空爆に巻き込まれたり、人間の盾として使われる危険性が強く、また逃げ出してもその間多くの危険にさらされ、家族がバラバラになったり、その一部が死傷する可能性も強いとした。
このために国連としては最悪の危機に備えるために、2億8400万ドルの拠出を求め、事前にテント村の設営等にあたろうとしているが、拠出はまだ目標の半分にとどまっているとした由。

・他方24日、ISは2015年に政府軍等が奪還した、アンバール県のティクリートに対して、奪還後初めての自爆テロを実行し、住民等18名が死亡した
(モースルとの直接の関連は説明されていないが、政府軍の方でも、モースル攻略の準備として、サラハッディーンのalsharqat等を攻撃奪還しており、IS側でもモースル作戦に対する牽制として実行した可能性があろう)
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/09/24/العراق-مقتل-12-شخصا-بهجوم-لداعش-في-تكريت.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/24/مباحثات-عسكرية-عراقية-أميركية-قبل-معركة-الموصل
http://www.alquds.co.uk/?p=603028

シリア情勢(アレッポに対する激しい空爆)

シリアのアレッポでは、停戦破綻後、政府軍とロシア軍による激しい空爆が続いていますが、この空爆での死者は24日だけでも97名に達し、報道によっては(例えばanadoul通信)、6日間の民間人の死者が323名、負傷者が1334名に達した、とされています。

このような状況に対して、国連事務総長は24日声明にて、シリア政府の停戦中止声明後のアレッポに対する恐るべき軍事力行使の拡大に対して、大きなショックを表明しました。
また、声明は、多くの情報によれば、空爆では民間地域に対して焼夷弾やコンクリート貫徹弾のような近代的な爆弾が使用されたことは明らかであるとした良い。
そのうえで、事務総長は、国際社会は民間人に対するこのような破壊的兵器の使用を絶対に許さないとのメッセージを送るように呼びかけた由。
更に事務総長は、アレッポは内戦開始以来最も激しい攻撃にさらされたが、民間人の保護と言う観点からは本日(24日)は暗黒の日であったとした由。

他方外交筋によれば、米英仏は、シリア問題(アレッポ情勢)に関する安保理の緊急会合を要請した由にて、会合はおそらく25日NY時間1000に開かれるだろうとのことです・
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/09/25/حلب-تحت-الأسلحة-الحارقة-والأمم-المتحدة-تستنكر.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/24/غارات-متواصلة-على-حلب-والضحايا-ينقلون-بالشاحنات
http://www.alquds.co.uk/?p=602891
アレッポの民間人の被害が大きいことは、これまでも報じられていましたが、国連の事務総長が声明で、ここまで厳しく空爆を非難したことは、空爆の規模と使用された爆弾等の種類と民間人お被害が,これまでに例のない程の規模に達していることを、中立であるべき国連の責任者としても指摘せざるを得なかったということだろうと思います。
上記報道によれば、安保理が日本時間では本日夜開かれるはずですが、何しろ空爆に参加しているロシアが常任理事国ですから、安保理は決議どころか、声明も出せずに、相互非難の応酬に終わるだろうと思われます。
尤も、それも公式会合が開かれたら、という話で、場合によっては非公式の協議だけで、公式の会合さえ開かれない可能性もありそうです。
それにしても、この数日間のロシア、政府軍機の空爆の激化はある意味で常識を超えていて、もしかすると停戦の破綻を口実として、この際一挙に大規模攻撃をかけて、アレッポの反政府軍支配地域を奪還する作戦である可能性も強そうです。
いずれにしても、またしても最大の被害者は民間人というか、アレッポの住民です。

トルコの不動産の外国人による購入

al arabiya net は、トルコ不動産の外国人による購入で興味深い統計を載せています。
トルコ統計局の報告によると、この8月の外国人でトルコで最も多く不動産を購入したのが、イラク人で267物件、ついでサウディ人で173物件、第3位はクウェイト人で155件、ロシア人が第4位で117件、第5位がアフガニスタン人で75件とのことです。都市別ではイスタンブールの不動産が最も人気があり、390件だったよし。
しかし対前年比では、昨年に比し26%とのことです。
http://www.alarabiya.net/ar/aswaq/realestate/2016/09/24/السعوديون-ثاني-أكبر-مشتر-للعقار-في-تركيا-بأغسطس.html
ここで興味のあることは、トルコ等の不動産の購入であれば、サウディやクウェイト等の富裕産油国の連中が上位を占めることは、ある意味当然予測されているところですが、そのサウディを抑えてイラク人が第1位ということで、イラクで多くの民衆から支持されている腐敗絶滅、腐敗したものの摘発運動との関係で、もしかしたらその種の金がトルコに流れているのではないか?と言うことです。
それは第5位のアフガニスタン人にも当てはまるところです。
もう一つ興味のあることは、ロシア人が第4位につけていることで、政治的な問題はあっても、ロシア人にとってトルコの魅力というのは大きいのだろうなと言うところです

イラク情勢(モースルの戦い等)

イラク情勢につき、アラビア語メディアより取りまとめたところ次の通り

・モースル奪還作戦については、10月にも始まるとの見方が出回っているところ、イラクを訪問した英国防相は、モースルの全面解放の第1段階としての封鎖は、数週間以内に始まると語った。
同国防相は、モースルは大きな町で複雑な町であるが、数か月以内には解放されるであろうとして、イラク軍は前進基地への配備を始めたと語った由。
・上記英国防相の見方は、米軍の見方と一致しているが、ペッシュメルガの訓練にあたっている40名の独兵士を率いる大尉は、個人的意見としつつも、記者団に対して、モースルの戦いは長く厳しいものになろうと語った由。
彼はISが必死で戦うことは目に見えており、問題は戦闘が近接戦闘となり、必然的に犠牲者の数も大きなものとあるだろうとしている由
(米軍があまり慎重な見方を公表することは政治的に難しいことかと思うが、個人的には、この独将校の見方が客観的で冷静な見方ではないかと思われる)
・これに関連し、クルド自治区のバルザニ議長と会談した、独国防相は、記者団に対して、モースルの戦いで重要なことは民間人の保護であると強調した。
また彼女は、ペッシュメルガがイラク軍と協力、協調していることを評価した。
他方独責任者は、現在の訓練場所を更に前線に近いところに移し、訓練期間を有効に利用することを検討中とした。
・(イラク軍がal sharqatを奪還したことは先に報告したが)イラク軍は地元部族兵とともに、ラマーディの北のアンバール県のal bghdadi島を完全に奪還したと発表した。
http://www.alarabiya.net/
http://www.alquds.co.uk/?p=602647
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/09/24/جزيرة-البغدادي-في-قبضة-القوات-العراقية.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2016/9/23/ألمانيا-تدعو-لحماية-المدنيين-أثناء-الهجوم-على-الموصل

以上、イラク軍等のモースル奪還作戦の準備は順調に進んでいるように見えるが、他方銃後というか政治問題については、先日議会が罷免した財務大臣が、腐敗の背景には前首相マリキーがいると発言したㇼ、また国防省の後任がまだ任命されないとか、腐敗防止・改革に関してサドル師一派は未だ不十分との不満を有している等、到底一枚岩で前線を支えるという状況には見えないところが大きな問題かと思います。

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