中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

新陸軍司令官の任命(イラン)

al arabiya net は、イランお最高指導者ハメネイが、陸軍の新しい司令官を任命したと報じています。
新しい司令官はコム出身のabdel rahaman musavi准将で、同時に少将に昇任した由。
彼の前任者は副参謀総長に任命された由。
ハメネイは新司令官に対し、彼にの任期中に、イラン軍の士気を高め、軍事的能力と即線能力を高め、他の軍と同じレベルまで(と言うことは革命防衛隊が念頭にあるのか?)高めるように命じた由

(ここまでは事実関係を述べたもので、その後彼の経歴も事実関係を羅列していますが、記事はそのあと年名の背景について次のような説明をしています。おそらく、その大部分は事実に即しているのでしょうが、この記事がサウディ系のメディアであることもあり、宣伝戦の要素の可能性もあるべきにつき、念のため)
新司令官任命の背景には、イラン国内に多数居住する少数民族の不満が高まっており、国境地帯・・・特にクルデスタンヤバルティスタン・・・等では、武装勢力が、しばしば革命防衛隊とか国境警備隊と衝突していることが挙げられる。
もう一つは、イランの中東諸国に対する介入、テロの支援、少数民族に対する干渉等を通じて、イランが域内の不安定要因になっていることに対する国際的圧力と制裁が強まっていることがある
https://www.alarabiya.net/ar/iran/2017/08/22/إيران-تذمر-قوميات-الحدود-وراء-اختيار-قائد-الجيش-الجديد.html




シリア情勢(ラッカとデリゾル)

最近詳しい情報がありませんが、ラッカとデリゾルにおけるISとの戦いは続いていて、民間人の被害も多い模様です。
断片的ですが取り敢えず

・ラッカについては、シリア人権網の情報によると、21日有志連合軍のラッカの複数地域に対する空爆で、民間人42名が死亡した由。
そのうち19名が児童で、12名が婦人の由
・他方ロシア国防省は21日、ロシア軍機がデリゾルに向かうISの長い車列を攻撃し、200名の過激派を殺害したと発表した由
同省によれば、政府軍とロシア軍機が、ISをラッカの南部、ホムスの南部から放逐して以来、彼らはデリゾルに戦闘員を集結している由。
またロシア空軍は、兵器類も破壊した由なるも、攻撃場所及びん知事は不明。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/08/21/روسيا-مقتل-أكثر-من-200-داعشي-قرب-دير-الزور.html
http://www.alquds.co.uk/?p=776452






hothy連合の内部危機

昨日だったか、イエメンのhothy連合内での、hothyグループとサーレハ陣営の対立が、以上に高まっているとの報道をご紹介しましたが、どうやら状況はさらに緊張の度を高めつつあり、24日の与党の設立記念日に、どちらがより多くの支援者を集められるかの力の誇示に焦点が移っている模様です。
関連記事の要点次の通りです。

・サナアでは、有力部族長の両者間の調停工作が成功しなかった。
hothy連合に近い筋はアナトール通信に対して、有力族長たるnaji al shaif(どこの部族かは不明。イエメンの北部の最大の部族連合は、正統政府を支持し、今ではその影響力は局限されていると思われる)の調停は奏功せず、両者間の緊張を鎮めるに至らなかったと語った。
それによると彼と有力な族長が、サーレハとhothyグループと個別に会談し、宣伝合戦をやめhothy側が24日の与党の集会を認めること等を提案したが、結果は出なかった由。
・他方サーレハは演説で、与党の集会は平和的なものであるとして、事態を鎮静化しようとした模様。
・いちぶのhothy グループは、サーレハ陣営には、hadi政権と通じているものがいると非難した由。

・htohyグループの政治評議会議長は、与党集会の後ろにいるのはUAEであると非難し、hothy自身もUAEに対してイエメンの国内問題から手を引けと語った由。
これに対して、UAE外相は、同国はイエメンに対し如何なる野心も有さず、サウディ等とともに、イエメン問題の解決に尽力していると語った由
(このUAEに関する部分が若干唐突な感じはするが、かなり前からhadi政権とUAEがアデンの治安維持その他を巡りかなり対立していて、何故アラブ連合の一員であるUAEが突出して行動しているのか、どうにも不思議であったが、上記の記事が事実であれば、UAEはアブダビに滞在を認めていたサーレハの息子で共和国警備隊の旧司令官であったものを通じて、サーレハ陣営と接触し、hothy連合の切り崩しを狙っていたが、そのやり方がhadi等と会わなかったということかもしれない)

・hothyグループに近い筋は、サーレハの与党が、24日の設立記念日の集会に向けて、前例のない多数の支持者を集めようとして積極的に動いていることに、重大な懸念を表明した。
・同筋は、この集会が2014年にhothyグループがサナアに多数の支持者を集めてクーデターにつなげたことと同じ形で、政権を乗っ取る可能性があるとみている。
特にサーレハ陣営が旧共和国警備隊の支持を受けていることに鑑み、彼らの集会が実質的に政権乗っ取りを目指すのではないかと危惧している由
・hothy グループも、これに対抗して大衆動員を図っていて、サナアでは緊張が高まっている
・hothyグループには、サーレハは、特にUAEを通じて、アラブ連合と密約して、一人だけ抜け出すことを狙っていると見るものが少なくない。
・このためhothyグループは最近、サナアに情報部隊を設置し、サーレハ側の部隊の動きを監視しているが、その指揮者にはhothyグループで戦闘員として名の知れた男が任命されている
http://www.alquds.co.uk/?p=776146
http://www.alquds.co.uk/?p=776404

なにしろhothyグループとサーレハ陣営の結婚はある意味では、イデオロギーの大きく異なる者同士のいわば野合で、陰謀術策の得意なイエメンのことですから、ありえない話ではなく、非常にもっともらしい話ではありますが、逆にサウディやUAEの流している宣伝と言う可能性も強く、とにかく24日を待ってみる必要があると思います。



土耳古とイランのクルドに対する共同作戦?

先日イランの参謀総長がトルコを訪問し、国防相、参謀長の他エルドアンとも会談しましたが、al qods al arabi net とal arabiya net は、イランがクルド勢力PKKとそのイラン版に対する共同軍事作戦を提案したところ、その後エルドアン大統領は両国の共同軍事作戦がありうるとコメントしたと報じています。
確かに、イラン参謀長のトルコ訪問は最初のケースのはずで、それが大統領とも会談したということですから、両国と武力衝突をして、イラク北部に根拠地を有するPKKとそのイラン版に対する、共同作戦の可能性が議論されたことも十分ありうるところかもしれません。
因みにトルコ紙によれば、イランは、イラク北部のqandir とsinjarの2か所に対する作戦とのことですが、これまでトルコのイラク北部での軍事作戦に批判的であったイランからの提案として、トルコにとっては驚きであったとのことです。
また記事はトルコは、両国の共同作戦について、最終合意を得るべく、その後も引き続き協議を続けているとのことですが、トルコの立場から見て、クルド問題の重大な問題は米穀のシリア北部のYPGに対する支援で、今後最新兵器が引き渡される可能性があることを懸念している由
http://www.alquds.co.uk/?p=776140
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/08/21/أردوغان-يلوح-بـ-عملية-تركية-ايرانية-ضد-المقاتلين-الأكراد-.html

確かにトルコとイランは対クルドと言う点では共通の利害を抱えているはずですが、これまでは双方の関係は常にぎゃくしゃくしていて、共同軍事行動などは「常識的」に考えられませんでしたが、矢張りシリアでの非戦闘地域等に関するロシア・トルコ・イランの協力が、戦略的変化をもたらしつつあるのかもしれません。
またもう一つは米国影響の明らかな後退で、これを埋めるために、この辺でも国際関係の再編が進みつつあるのでしょうか?

エジプトのイスラエル天然ガス購入( ecnomistの報道)

al jazeera net はeconomist 紙(通常 the economistと言えば、紙ではなく誌のはずだが、報道のまま)が、エジプトはイスラエルとの間で近く天然ガスの購入に関する契約を結び、両者の経済協力はさらに進むことになると伝えていると報じています。

同紙は、イスラエルはその余剰ガスを輸出することに熱心で、この契約はこれまでのものに比し、はるかに現実駅であるとしている由。
それによると、イスラエルはヨルダンとガス輸出の契約を結び、トルコに対する輸出も検討しており、更にトルコを通じて欧州への輸出、また直接海底パイプラインを敷設しての欧州への輸出も検討していた由。
しかし、economist によればより容易で有利なのがエジプトへの輸出で、最近エジプトではシーシ大統領が民間企業が外国のガスを輸入できるように法改正した由。
現在エジプトの会社が、イスラエルの会社と30億立方メートルに上る契約の交渉をしている由。
そしてエジプトの会社は、このガスをヨルダン経由で輸入する計画の由。それはエジプトがかって2005年にイスラエルとその需要の40%相当分を20年供給するとの長期契約をしたが、そのシナイ半島のパイプライン経由でのガス供給が2012年以降停止しており(イスラム過激派により、パイプラインが何度も爆破された)、国際仲裁でエジプトはイスラエルに保証する義務を負ったので、シナイ半島経由では保証を迫られる可能性があるための由
http://www.aljazeera.net/news/ebusiness/2017/8/21/إيكونوميست-صفقات-غاز-محتملة-بين-مصر-وإسرائيل
他に類似の報道もなく、事実関係の信ぴょう性は不明ですが、仮に事実とすれば、かってエジプトがイスラエルのはガス需要の40%をも供給するはずであったのが、今度はイスラエルが逆にエジプトに輸出するという何とも皮肉な結果になります。
確か、以前(1〜2年前だったか?)海底ガス田の開発で、イスラエルは資源大国になるだろうとの予測記事があったように思いますが、上記が事実ならば、まさにこの予測の通りになったということなのでしょうかね?








イスラエルハイレベル代表団の訪米(米の政策に対する失望)

y net news は、イスラエルの軍、情報機関のハイレベル代表団が訪米し、シリア問題等について米側と意見交換したが、シリア内戦の終結にはイラン及びヒズボッラーのシリアからの撤収を含むとの、明確なコミットを米から得られなかったので、失望していると報じています。

記事によると、代表団はモサドの長、軍情報機関の長、安全保障会議副議長等が含まれ、米国では情報コミュニティの長(複数)、NSC専門家、中東特使等と会談し、イスラエル側からは、シリアの現状に関する率直な情報を提供し、話し合いは率直で友好的であったが、シリア内戦の終結にはイランとヒズボッラーの撤収が必要とのコミット、を得られずに失望したよし。
イスラエル側としては、米政権が直面する種々の国内問題、北朝鮮問題で、米国として総合的かつ明確なシリア政策を打ち出すに至っていないと感じている由。

イスラエルは、同じような代表団をモスクワにも派遣する予定で、希望はロシアがより明確なコミットをすることの由。

イスラエルの情報によれば、ヒズボッラーは約1800名を失い、5000名の負傷者を出す等重大な損失を被ったが、彼らはダマスからゴラン高地にかけて強固な拠点を得て、情報取集等に使えれば、十分な対価になると考えている由。
他方、イラン革命防衛隊は500名の戦闘員を擁し、イラク等その他のシーア派の民兵数千名を擁している由。これら民兵は革命防衛隊の手先であり、彼らを全体として指揮しているのはアルコドス部隊スレイマニ司令官で、彼はシリア内外に神出鬼没して、ダマス空港の専用のターミナルの建設や、イランとヒズボッラーの情報拠点となるバンカーの建設等を指揮している由

イスラエルとしては、このまま米国等がシリア問題に対し明確な政策を打ち出さない限り、シリアはヒズボッラーとイランの保護国になると見ている由。

イスラエルは過去レバノン居2度侵攻したが、現在は北部戦線との言葉が使われていて、仮に次の戦争が起こる時にはレバノンからシリアにかけて一連の戦場となるだろう由。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5005470,00.html

記事の要点は以上ですが、イスラエルの軍事、情報関係者がシリアにおけるイランとヒズボッラーの影響力の拡大に神経をとがらせているのは、おそらく事実で、また米国[トランプ政権]が、相次ぐ国内問題と北朝鮮問題のために明確なシリア政策を打ち出せていないというのも事実ではないかと思います。








カタールに対する封鎖(ラクダの受難)

441[1]カタ^ルとアラブ4国の対立確執は今のところ収拾の見通しは立っていないようですが、4国のカタール封鎖の影響は動物にも及んでいるようです。
al jazeera net (カタール系)は、封鎖のためにUAEで立ち往生していた、競争ラクダ18頭がオマーン経由でカタールについた(写真)と報じています。
記事は、封鎖前にサウディ領内で飼育されていた、カタールのラクダや羊やヤギがサウディから放逐されることとなり、今後順次カタールに到着する予定とのことです
足止めのために餓死などと言う悲惨な話でなくてよかったのですが・・・・
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/8/20/وصول-180-من-الإبل-القطرية-كانت-عالقة-بالإمارات





クルド自治区の住民投票(駆け引きか?)

イラクのクルド自治区では、9月25日に独立に関する住民投票が予定され、これに対してイラク政府は強硬に反対しているところ、al arabiya netには、イラク政府からの経済的、政治的譲歩と引き換えに投票延期の用意があるとのクルド筋の言と、投票の延期に対する見返り代償はないとしてこれを否定するイラク政府の声明とが、報じられています。
イラクのみならず、周辺地域に対する影響も大きい、住民投票については米国務長官も懸念を表明しているところ、おそらくその実施を前に、双方の駆け引きが始まったのではないでしょうか?

クルド自治区のクルディスタン愛国同盟(PUK)の政治局の責任者が、投票延期に関するイラク政府の提案を検討するためにバグダッドを訪問するであろうと語った。
彼は延期の引き換えとして、イラク政府は、クルド自治区の負債の肩代わり等の経済的支援をすることになるが、これは自治区の開発で負った負債100〜120億ドルの肩代わり、政府職員やペッシュメルガの給料の支払い等をすることになるだろうとしている由。
また政治的には、キルクーク島石油資源に恵まれたアラブ・クルド混住地域の問題の解決があるとした由。

これに対してイラク首相府は、イラク政府が住民投票の延期の代償として、いかなる譲歩もするつもりはないとして、このニュースを否定した由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/08/21/بغداد-تنفي-لا-تنازلات-للأكراد-لتأجيل-الاستفتاء-.html
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2017/08/20/كردستان-العراق-تنازلات-من-بغداد-مقابل-تأجيل-الاستفتاء؟.html

そもそも今回の議論の発端は、バルザニ議長の政党であるKDPではなく、もう一つの有力政党PUKの指導者の発言とうところから、どこか胡散臭く、矢張り駆け引きと言う感じが拭えません





ISの拠点再構築の試み(リビア)

リビアではいまだに統一政府とトブルク政府(と言うことはハフタル将軍)との対立、確執が続いている模様ですがこのような混乱を利用してISが、先に統一政府支持部隊によって追い払われたシルトの南で、新しい拠点つくりを試みているとのことです。
これは英the times が治安、軍事筋からの情報をまとめたものの由にて、ISはシリア及びイラクでの最近の劣勢を補うために、リビア等での再興を目指しており、シルトの南に約1000名の戦闘員を集めている由。
このため統一政府支持勢力は、シルトの南の砂漠地帯でパトロールを強化し、彼らの動向を偵察している由。
それによると、ISの勢力は増大しており、どうやらシルトの南のbeni walid を拠点とすることを狙ったいるらしいとのことだが、この町には治安部隊等が存在しないために、ISが容易に隠れて拠点を構築することができるとみられる由。

他方同じく英observer紙は、最近IS戦闘員200名がモロッコからジブラルタル海峡を越えた欧州に潜入することに成功したが、この潜入はバルセローナでの大規模テロ事件で、スペイン警察が過激派に対する監視を強めている時に行われた、シリア及びイラクからモロッコ、チュニジアに潜入した過激派の数は1000名を超えるとしている由
http://www.alquds.co.uk/?p=775478

















イエメン情勢(hothyとサーレハの対立?)

イエメンでは、かっての敵のhothyグループと前大統領サーレハが、共同してhadi大統領政権をサナアから追い払い、この内戦にサウディ等のアラブ連合が政党政府支援の名目で介入して、これまで泥沼の内戦が続いていますが、ある意味では「野合勢力」の両者の確執がこれまで何度も伝えられてきました。
しかし、どうもこれらの報道には反hothy連合の情報宣伝的な臭いも感じられ、また仮に確執があっても、どの程度重要なものか不明なため、あえてあまり紹介しませんでした。
しかるところ、al arabiya net とal qods al arabi net は、hothyグループの指導者がサーレハ一味を激しく批判し、これに対してサーレハの与党が「自分たちは国を売ってはいない」と激しく反論する事態が生じたと報じていますので、その重要性の程度はまだ不明なるも、取り敢えず記事の要点のみ次の通り、紹介しておきます。

hothyグループの指導者abdel  malik al hothyが、サーレハ陣営を激しく非難し、その中には統一戦線を棄損し、打撃を与え、軍事的情勢にも影響を与えようとし、イエメンに対する陰謀をたくらんでいる者がいると非難した由
これに対してサーレハの与党の書記長(サーレハが党首)が19日、同党はイエメン人の戦闘の先端を切っており、確固とした立場を維持しており、決して国を売ったことはない、と反論した由。
記事は、今回の確執がこれまでの両者間の対立で、最も深刻なものであるとコメントしてる
http://www.alquds.co.uk/?p=775157
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/08/19/اليمن-الحوثي-يهاجم-المخلوع-صالح-وحزبه.html












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