中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

イスラエルの全国訓練

先にイスラエルが大規模なミサイル攻撃に備えた訓練を予定していると言うニュースをお伝えしましたが、223日付のhaarertz net はその概要を要領よくまとめていますので、要点のみ報告します。
なお、同じ記事の中で、ヒズボッラはイスラエルの攻撃に備えて戦闘要員の待期を始めたこと、またレバノンの首相がイスラエルの軍事行動に対して懸念を示したことも伝えています。
尤も同紙によると、イスラエルもこの訓練については、アラブ諸国を攻撃うするためのカバーではないと事前に伝えたとのことで、政治的に敵対」している勢力の間では、軍事訓練が誤解され(たかどうかは別にして)紛争の発端になる危険性を示しています。

「turning point 4と名付けられた毎年5月に実施されている年次訓練は23日始まる。
最初の3日間は、軍と警察、救急隊、その他政府関係者が参加することになっている。
26日(水)には対象に民間人も含まれ、午前11時に全国でサイレンが鳴り、民間人は安全な場所に避難しなければならない。
今回の訓練の主眼の一つが、数千発も落下すると想定されるミサイルに対する市町村の民間防衛である。
訓練には数百人の警官が参加するが、その一つの大きな訓練はbeershevaに化学兵器を積んだミサイル落下想定のものである。もう一つが民間目標に対する奇襲を想定してのものである。当局はそのような場合に多数の民間人を避難させる訓練を行う。
またサイバー攻撃に対する訓練も初めて行われる。」
http://www.haaretz.com/print-edition/news/home-front-drill-to-begin-as-tension-in-north-rises-1.291604

NPTレビュー会議(イスラエルの危惧)

NYで開かれているNPTのレビュー会議については、前からイランの核開発問題とエジプトの推進している中東非核地域構想(要するに、別な言葉で言えばイスラエルの核廃棄問題のこと)との関連が指摘されていることはこのブログでも何度か報告してきましたが、NPT会議の方もそろそろ大詰めに向かっているようで、落とし所を探っての代表団の駆け引きが始まっているようです。
22日付のいすらえるのy net news は、このため米国とエジプトが手を組んで妥協をし、それが究極的にはイスラエルの核廃棄につながるのではないかとの危惧を表明しています。
尤も論理的に考える限り、オバマが核廃絶に真剣である限り、イスラエルの核を無視できるはずがないので(何しろ少なめに見つもッても80発の核兵器の保有が疑われている)、ある意味では当然の進展ではないかと言う気がしますが、いくら自称「現実主義者」である私も、こと核に関することになると日本人的なのでしょうかね?
記事の要点のみ
「専門家はNPT レビュー会議の成否は、エジプト主導の中東非核地域の扱いにかかっていて、米国及びエジプトは妥協点を探っている。
この問題が解決されない限り、イランの核開発について非難するなり懸念を表明するなり、とにかく名指しで問題を提起することも反対多数でできなくなる。
その意味で、事態はこの数日の両者の交渉にかかっているが、外交官の中には両者ともに妥協を模索しており、何らかの妥協が成立する公算が高いとみるものも少なくない。
米国はイスラエルの核廃棄問題は中東和平無くしてあり得ないとの立場だが、中東非核地帯に賛成すると言うことは、将来の方向としてイスラエルの非核化と言う問題を提起している」
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3892418,00.html

北鮮コネクション

現在わが国では北鮮の韓国警備艦魚雷攻撃事件が大きな注目を受けていますが、中東でも昔からWMD拡散の問題の背後には北鮮が居ると指摘されてきました。
特にイランとの関係で、そのミサイル開発が指摘されてきましたが、シリアとの関係にも古いものがあります。
因みに北鮮の中東との関係は、イラン革命に始まるのではなく、1960年代から所謂アラブ進歩陣営(特にエジプト、シリア)との関係が緊密でした。北鮮のシリアにおける影響については、当時の日本大使館関係者も実感したはずです。第4次中東戦争ではエジプト空軍で実戦にさえ参加したと言われています。
尤も当時のイランは皇帝(シャー)の独裁下で、北鮮とは敵対関係にあったのは皮肉です。
22日付のjerusalem post net の記事に(レバノンのヒズボッラの地下トンネルなどの点を除き)特に目新しいことは無いが、良くまとめてあると思いますので、要点のみ次の通り。
「中東のイラン枢軸(注:イラン、シリア、ヒズボッラ、それにおそらくハマスも含めていると思う)の武装化と言う点で、北鮮は大きな役割を果たしてきた。
イランとの関係はそのホメイニ革命にさかのぼる。イランの武器供給者は主としてロシア、中国だが、彼らは「国際システム」の一員で、その協力には限度がある。その点同じく国際社会の除け者である北鮮戸は完全に利害が一致する。
最大の協力はミサイル分野で、イランの最も誇りとするshihabは北鮮のテポドンが元で、1999年12基のテポドンを購入し、そこからshihab
3が開発された。2006年にはさらにテポドン2が購入され、そこからshihab 6が開発されたが、これはしゃてい5〜6000kmの大陸間弾道弾である。
また両者はミサイルの再突入弾道開発で協力していると言われるし、イランがミサイル搭載の核開発努力をしている現場に北鮮専門家が居たと言われる。
北鮮の活動はイランに留まらない。イスラエルが爆撃したal kibarのプルトニウム動力炉はイランが資金を提供したと言われるが、その現場では北鮮の専門家が働いていたと言われ、また2007年のアレッポ(注:シリアの北部の町)で化学工場の爆発があった時には、死者の中に北鮮の科学者3名が居たと言われる。
北鮮のヒズボラrとの関係を言えば、2006年のイスラエルのレバノン侵攻の時にヒズボッラの側で大きな役割を果たしたミサイルの格納のための地下トンネルは、北鮮で学んだヒズボッラ要員の手になると言われ、その構造は韓国が38度線で見つけた北鮮の掘ったトンネルと全く同じである」
http://www.jpost.com/Features/FrontLines/Article.aspx?id=176027

風力発電(エジプトの世銀よりの借款)

確か依然モロッコだったかの太陽光発電計画についてご紹介したことがありましたが、今度は風力発電です。22日付のal jazeera netは、エジプトが大規模な風力発電計画を有しており、そのための資金について世銀と合意したと報じています。
中東は世界最大の石油の産地ですが、考えたら砂漠に荒々しい自然と、再生エネルギーを産出するには理想的な条件を備えているのかも知れません。
記事の要点のみ
「エジプトは風力発電のために世銀より2億2000万ドルの借款を獲得した。エジプトの電力大臣は、このうち1億5000万ドルがクリーンエネルギー基金からの低利借款で、残りが世銀本体からの借款であると述べた。
この資金で地中海沿いに建てられる風力発電地帯からの電力は全国の送電線に組み入れられるが、エジプトは2020年までには電力の12%を風力から得ることを予定している。
電力大臣によれば、現在風力発電からの電力は480mwだが、これが今年夏には550mwとなり、2020年には7200mwになる予定とのことである。」
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/73A47F18-4932-4EC1-8F0D-C2026E8F2929.htm

ヨルダンのパレスチナ警察の訓練

ヨルダンは小さな国で資源にも恵まれていませんが、英国の委任統治領時代から良く訓練された軍隊、警察、情報機関を有することで有名でした。
確か先日ヨルダン軍がイラク軍やアフガン軍の訓練をしていると言うニュースを紹介したかと思いますが、22日付のal qods al arabi は、今度はパレスチナ警察600名の訓練を行うと報じています。ヨルダンのような小さな国にとって600名の訓練は相当の事業だと思われます。
またこれまですでにヨルダンは相当数のパレスチナ治安関係者の訓練をしているはずです。
いずれにしても、67年戦争まで西岸はヨルダン領土でしたが、パレスち国家の独立を前にますます西岸と東岸(ヨルダン)との関係が深くなりそうです。それに比べて、エジプトとの関係では摩擦が目立ちます。
記事の要点のみ
「21日パレスチナ筋が600名の警察幹部の訓練についてヨルダンとハイレベルでの交渉が行われていることを明らかにした。
最近パレスチナ警察の幹部がヨルダンを訪問して、ヨルダンの公共治安当局(注:アラビア語からの音訳。中央情報局に当たるのではないかと思われる)と会談したが、その目的は警察の中級幹部600名のヨルダンによる訓練である。
それによると訓練は王立警察学校で行われ、訓練コースは進歩的安全保障、上級捜査、治安と法令の順守、行政面、特殊警察、警察署の近代的運営、交通警察等広範な面をカバーする由。
それぞれのコースは50〜60名の訓練生で、中級幹部コースが100日、刑事捜査コースが60日で、全体で8〜9ヶ月で訓練を終了する予定とのことである。」
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=today\21z48.htm&storytitle=ff??????? ???????? ?? ?????? ?????? 600 ???? ?? ??????fff&storytitleb=???????? ???????? ??? ??????? ??????? ???? ????????? ?????? ???????&storytitlec=

中東和平間接交渉

間接交渉の第2ラウンドについては中身の発表もないままに終わりましたので、なにがどこまで話されたか霧に包まれていますが、22日付のhaaretz net は、米国のwall st journalを引用して、パレスチナ側はミッチェルに対して国境線の問題で大きな譲歩をする用意があることを伝えたと報じています。
それによると、2008年前のカドマ政権の時のolmert首相(現在汚職問題で検察が調査中。こう言うとことはイスラエルの政治もどこか日本と似ていますね!)に対して、西岸の1・9%をイスラエル領と交換することを提案したが(Oはこれを拒否して更に大きな譲歩を求めた由)、今回パ側はこの2倍に達する譲歩もする用意があると伝えた由です。
また同紙は同日の別の記事で将来の安全保障問題で、西岸(と言うかパレスチナ国家)に多国籍軍を駐留させる問題が取り上げられたと報じています。
その記事はまた、イスラエル側によれば、交渉は時事問題と根本的な問題の2部に分けれて行われたが、イスラエル側は将来のパ国家の水問題について強硬な立場を示し、地下水はパ側には与えられないので、パは海水蒸留また隣国から調達すべきであると伝えた由。
まあ、現在のところ流れてくる交渉の中身については、宣伝臭、または観測気球的意味合いがr強いとも思われるので、報道の一つ一つについて気にしても仕方がないと思われます。
http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/wall-street-journal-palestinians-make-surprisingly-large-land-offer-to-israel-1.291453

ベルギーのニカーブ支持デモの禁止

確か依然ベルギーで欧州で初めて公共の場所での全面的なニカーブ(顔を全部隠してしまうもの)の禁止法案が可決されたことをご紹介ししましたが(ただし法律となるには参議院で批准される要がある)21日付のal qods al arabi net は、この土曜日(22日)ブラッセルの中心で予定されていた、ニカーブ支持のデモ行進をブラッセル市当局が20日禁止したと報じています。
デモ行進は「ベルギーシャリア同盟」とでも訳すのでしょうか、どうも原理主義団体のように思えますが(注:皆さんご承知の通り、シャリーアと言うのはイスラム法と言うことだが、イスラム原理主義団体のもともとの主張はイスラム法に基づくイスラム国家の創立と言うものです)、インターネット上で呼びかけたもので、欧州のイスラム教徒に対する弾圧に抗して、ブラッセルの他ロンドンのベルギー大使館に対してもデモを呼びかけました。
これに対して、市のスポークスマンは、当日は伝統的な行進とも重なる日で、大きな混乱が予測されるので、デモ行進を禁止したと説明しています。
また警察当局は市に対して、このデモ計画については、主催者には過去問題を起こした者が多く含まれているとして否定的な報告を提出したとのことです。
果たして禁止されたデモが行われるのか、どの程度混乱するのか(例えばロンドのんのデモなども)も勿論不明ですが、遂に言論の自由の欧州にもニカーブ禁止を巡り、デモ禁止という事態が生じてきました。
引き続き、仏でも憲法学者らの反対にもかかわらず、同じような法案を政府が19日承認し、今後議会の審議にかけられることになっているので、この問題はまだまだ欧州を悩ませそうです。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=today\20z44.htm&storytitle=ff?????? ???? ?????? ????? ??????fff&storytitleb=&storytitlec=

無題

IMG_0950中東とは無関係ですが、実はこの写真にも出ている愛犬のハチ(秋田犬)が山では元気だったのですが、変なものを拾い食いした所為か、京都へ帰って来て、直ぐ肝臓を悪くして入院していました。
余り個人的なことを書くのも何だったので、書きませんでしたが、本日は検査値も若干良くなったようで、今後さらに良くなれば日曜日かそこらにはいったんご帰宅と言う可能性がでてきました。
と言うことで久しぶりでご機嫌なので、彼の雄姿をお目にかけることにしました。彼の傍に居るのは引き立て役の老人です。こちらは医者からあと10kg体重を落とすように命じられています。

地中海のための連合首脳会議の延期

21日付のal jazeerah net によれば、エジプトとスペインが20日6月5〜7日までバルセローナでの開催が予定されていた地中海のための連合(注:アラビア語からの音訳。日本では通常どう訳されているかご存じの方教えてください)の首脳会談を11月まで延期したと発表したと報じています。
この連合(注:名前は連合となっているが、実態は地中海諸国の会議体程度と思われる)は、2008年に仏サルコジ大統領のイニシアティブで始められ、メンバーはEU27国の他地中海沿岸アラブ諸国とイスラエルとトルコからなり、政治的な問題よりもこれらの諸国の実態的な協力を進めることで、地中海地域の平和と安全に貢献することが目的だそうです。
ところが今年の首脳会談にはイスラエルの(悪名高い)リーバーマン外相が出席すると表明し、シリアとエジプトが欠席をちらつかせていたとのことです。
こと中東が関係してくると、政治抜きの協力推進と言う理想の実現は誠に難しそうです。
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/799C9E20-5E98-4487-8813-2B89DA2C57DD.htm

ソマリ政情

先日ソマリアの議会が政府不信任案を可決したと言う報道をご紹介しsましたが、21日付al jazeerah net は20日ソマリアの大統領が声明を発して、3日前に政府の解散を命じたが、その後大統領顧問と協議したところ、その意見では議会の不信任決議が憲法違反とのことなので、命令を取り消して、首相以下の政府に継続を命じたそうです。
なにしろ、首にされたはずの首相は議会の投票が憲法違反と言うことで、首相府から退去することを拒否していたとのことですが、大統領も遂にこのような状況を追認したのでしょう。
それにしてもソマリアは典型的な「破綻国家」と言われますが、反政府武装勢力に包囲された中で、政治家どもが権力闘争(と言うよりもむしろ外国援助金の争奪をめぐる闘争か?)に没頭している姿は、正に悲喜劇そのもので、そんな政府を支持しなければならない国際社会の方も堪ったものではない、と言うのが正直な感想です。
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/A0AF001A-3081-4282-A091-3D4FDE5EB7BA.htm
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