中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

ガザ船団事件の影響(コンサートのキャンセル)

どうもこの事件についてばかり書いているので気が引けるが(この2〜3日他に余りめぼしい話が無いことも事実)、どうせここまで来たら「毒食らわば皿までも」という心境で、もう一つ事件の影響を。
7日付のhaaretz net によれば、今夏イスラエルで演奏する予定であった米国のロックバンドpixiesが公演を取りやめたとのことです。
同紙によればこのキャンセルは、前に発表されたklaxons and gorillas sound systemのキャンセルに次ぐ2つ目の有名バンドの公演キャンセルだそうです。
余り詳しい説明がないので、イスラエルの軍事行動に抗議したのか、イスラエルでの治安の悪化を懸念したのか、いまいち解りませんが、どうも抗議と言う意味が強いという調子の報道です。
因みにロックなどと言う騒々しい音楽が嫌いな私には、これらのバンドがどのくらい有名かと言うことすらわかりません。
誰か解説してください。
http://www.haaretz.com/news/national/pixies-cancel-israel-concert-1.294451

ガザ船団の影響(韓国)

未だにガザ船団事件の影響は世界各地で続いていますが、遂にこの極東にまで波及してきました。
イスラエル大統領のペレス(ノーベル平和賞受賞者)は韓国及びヴィエトナムを公式訪問することになっていたが、この事件に対する国際的批判を受けて、ヴィエトナムは訪問をキャンセルし、韓国は国賓としての訪問を格下げして実務訪問としたとのことです。
peresは7日韓国を訪問しますが、韓国も当初訪問延期を考えていたが、peresが実務訪問でも良いとしたとのことです。
その結果、ソール大学からの名誉博士号授与は無くなり、また学生との対話も無くなったとのことです。
また学生の中には反イスラエルでもを計画している者も多いとのことです。
やれやれ、韓国も大変ですね。7日付のhaaretz の記事は下のリンクから。
http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/south-korea-lowers-status-of-peres-visit-in-wake-of-gaza-flotilla-raid-1.294523

革命防衛隊の船団護衛?

ガザ支援船に対するトルコ海軍の護衛の可能性に関するニュースは昨日ご紹介しましたが、今度はイランの革命防衛隊です。
7日付のy net news は革命防衛隊に対するイランの最高指導者ハメネイの代表が、6日革命防衛隊はガザ支援船を護衛するための準備ができていると語ったと報じています。
最高指導者の代表shirazy はさらに、国際社会はガザを援助するための努力を強化すべきで、我々の敵イスラエルのみにくい行為を世界中に知らせることが重要であると強調したとのことです。
記事はさらに革命防衛隊は独自の空軍、海軍を有しているが、その介入は極めて危険な事態をもたらすと付記しています。
記事は以上で、この話は具体的な問題ではなく、イランの現政権に特有の原則的な立場の表明だと思われますが、記事の指摘する通り、革命防衛隊が介入した場合には自体は極めて危険なものとなるでしょう。
但し、イランは今のところ地中海には、海軍基地等有していないはずで、どこを根拠にするつもりでしょうね?考えられるのはシリアでしょうが、いくらイランの子分であるアサドとしても、そんな危険なことをしますかね?
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3899856,00.html

イランの核関連資材の密輸

安保理での対イラン制裁強化決議案の採決が注目されているところ、6日付のy net newsは、英国のsunday telegraph しを引用して、イランはドバイの会社を使って核開発に必要な精密機械を輸入していると報じ得ています。
イランの種々の密輸との関係でのドバイコネクションは前から指摘されていたところで、特に目新しくはないが、記事の要点のみ。
「イランの会社で、その核開発と密接に関係しているものが、偽の最終使用者証明書を使ってドイツの会社の知らないところで、その会社からコンピューター、コントローラー、通信カード、ケーブルを含む高度な部品を購入した。
このドバイの会社はその後これらをイランの会社に転売した。
IAEAの報告によれば、イランは既に2400kgの低濃縮ウランを入手したが、これが高度に濃縮されれば2個の原爆を製造しうる量である。
上記の機材を入手したのはイランのkalaye electronic co.であるが、この会社は核開発との関連で制裁の対象となっている。この会社がnatanz の濃縮工場の機材を輸入したのである。」
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3899662,00.html

PKKとイスラエル

先日トルコ南部のイスケンデルンでPKK(クルド労働者党)が海軍基地を襲い、水兵7名が死亡した事件について、トルコの政党の中にはイスラエルとの関係を疑っている者が居ると言うニュースはお伝えしましたが、6日付のy net news はトルコのtoday's zamen net を引用して、トルコ政府は同事件はトルコに対して反イスラエル行動を慎むようにとの情報機関を通じたイスラエル政府のメッセージであった可能性があると報じています。
双方の記事を読んでみましたが、事件がトルコガザ援助船に対する攻撃と同じ日に起きたことで、これは単なる偶然ではない、と言っているだけで具体的な根拠は示していないと思います・
TZNからその要点のみ次の通り。
「トルコ情報機関は同じ日に、数時間の差を置いて起こった2つの事件の間の関係を調査している。
専門家はモサドがPKKをリクルートして、トルコ政府に対するメッセージを送らせたと考えている。
それによると、イスラエルはPKKのイラン支部であるPJAKと密接な関係を有しているが、その根拠としてはモサド要員及び退役軍人がPJAKの訓練基地に居たところを目撃されている。
トルコ海軍基地に対する攻撃と船団に対する攻撃がほとんど同じ時刻に行われたことはこの疑いを強くしており、また6月1日にPKKが休戦提案を破棄すると述べたことが更に疑いを強めている。
内務大臣も双方の事件について調査中であるとして両者間の関係を疑っていることを示唆している。」
http://www.todayszaman.com/tz-web/news-212267-suspicion-growing-about-possible-link-between-pkk-and-israel.html

ガザ船団(調査委員会)

ガザ船団問題は真相究明の調査団問題と封鎖の緩和問題に移ってきた感じがあるところ、6日付のhaaretz net はバン国連事務総長がもとNZ首相の率いる調査団についてイスラエル政府に打診して来たと報じています。
要点のみ
「バン事務総長は先週ネタニアフ首相に対して電話で、NZの元首相geoffrey palmer(海洋法の権威の由)を長として、米国、イスラエル、トルコを含む国際調査団の設立について打診してきた。
イスラエル外務省の高官は、バンの提案する調査団の権限はまだ不明確だが、事件の国法上の問題を取り上げることは確実で、団長は国連事務総長が任命したいとして、palmerの名前を示唆したとしており、この案に対してはおそらくトルコが反対するであろうから、イスラエルは受諾すべきであると考えている。
国連事務総長の提案の他、米国が支持している案としては北朝鮮の韓国警備官撃沈事件と同じような国際調査団の考えがあるが、ネタニアフは両者は全くこと異なった種類の事件であるとして拒否している。
いずれにしてもネタニアフもバラク(注:国防大臣)も調査団に外国人を含める方向に傾きつつあるが、イスラエル軍に対する尋問等については反対であるとしている。
それとは別に米国とイスラエルとの間でガザ封鎖の緩和方法についての話が始められた」
http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/un-proposes-former-new-zealand-pm-head-gaza-flotilla-probe-1.294376

イスラエル女性と結婚したエジプト男性(2)

先ほどは若干驚いた(何故ならソ連があったことにはこの手の政治的理由で結婚が認められないことなどざらにあったが、なにしろいくら「冷たい平和」と言ってもエジプト・イスラエルはれっきとした平和条約と外交関係を有している国だから、今更との気持ちがあった)ので、あわてて一つの記事だけで書いてしまいましたが、もう少し探していたら、同じく6日付のal jazeerah net に同じニュースがもう少し詳しく出ていました。
その要点のみ(前のニュースとダブらない範囲で)次の通りですが、これで見ると矢張り理由は政治的と言うことのようで、そうであればわが日本国籍を有する女性が同様の問題に直面することはないと思います。
「行政裁判所は国籍は主権の問題で極めて重要な問題であるとしている。
実はこれまで1948年からイスラエルに住んでいた(注:この年にイスラエルア独立したが、イスラエルの残留したパレスチナ人も居り、彼らはイスラエル・アラブと呼ばれる)アラブ系イスラエル女性との結婚については、もともとがパレスチナ人で1948年以後は占領下にあったものとして、ユダヤ系イスラエル人とは別なカテゴリーに属するとして、エジプト男性との結婚が認められた。
エジプト人のユダヤ系女性との結婚は彼がスパイにされる危険性を含んでいるという。
問題を提起した弁護士によると約3万人のエジプト男性がイスラエル女性と結婚しているがそのうち1948年前からのアラブ系イスラエル女性との結婚は10%で、残りはユダヤ系女性であると言う。
そのように両者の結婚が増えた理由はエジプトの失業率の高さで、イスラエルに職を求めてわたる若者が増え、行政裁判所は2009年にユダヤ系イスラエル女性と結婚したエジプト人男性の国籍はく奪について、判決していたが、エジプト外務省及び内務省が彼らの名前を裁判所に通報してこなかったものである」
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/B01EA2E1-1EF8-4D5A-A1A6-D2BACA10AE8B.htm

イスラエル女性と結婚したエジプト男性の国籍はく奪

6日付のal qods al arabi net は標記の記事を掲げているところ、背景等不明で、その重要性等についてはにわかに判断できませんし、また法律問題でもあるのでアラビア語訳が不正確である可能性も強い(アラビア語で法律を読んだ経験なし)のですが、興味のあるニュースなので、とりあえずご紹介します。
どなたかより正確な事情や背景などご存じの方がおられたらコメントください。
要点のみ
「国家評議会(注:アラビア語からの翻訳)に属する最高行政裁判所は5日、第1級行政裁判所の下した、イスラエル女性と結婚したエジプト男性の国籍ははく奪されるとの決定を支持した。
裁判所はこの問題について内務省が、国籍はく奪問題は一つ一つ閣議に図ることを命じた。
この問題を提起した弁護士は、イスラエルがアラブ人を恒常的に迫害し、アラブ諸国及びイスラム世界を侵略し、アラブ人の間にスパイを作り上げている時には、エジプト青年が単にイスラエル女性と結婚することが法律、憲法違反であると主張している。
第1級及び最高行政裁判所は、2重国籍はその持ち主に対して国家に対して半分の忠誠しか求め得ず、イスラエル女性との間の子供がエジプト及びイスラエルの2重国籍を得ることは職業その他の点でエジプトで大きな問題となりうるとしている」
難しいアラビア語で多分不正確だと思いますが、国籍はく奪の理由として挙げられた2のうち最初の法律的な議論としては余りに杜撰で政治的な理由としか見られませんが、第2の方が真の理由であれば、わが国始め殆どの先進国が自国の女性が外国の男との間に産んだ子供に対しても自国籍(日本国籍とか)を認めているので、この点を文字どおりに解釈すればエジプトは多くの国との間で難問を抱えることになりますが、どうにもその辺の実情はよく解りません。

レバノンの電気量支払い問題

非常に貧しい国では所得の低い階層が電気代を支払えずに、公共電線に勝手に引き込線をつけて、無料で電気を使う(早く言えば電気を盗む)ことが行われていますが、非常に貧しいとは言えないレバノンで、しかも政治化や大企業が堂々と電気代を支払わないできたようです。
このためレバノンの電気庁(と言うことは基本的には国)が電気関係で多額の借金を背負い、遂にはこれらの有名人に対しても再度支払い催促状を送り、期日までに支払われない場合には電気を止めることにしたとのことです。
一般的にアラブの国の中でもレバノンは比較的地中海的、西欧的雰囲気に溢れた魅力的な国ですが、その半面極端な個人主義、経済利益優先の国としても有名です。
レバノンの電気代騒動に関して6日付のal qods al arabi net の記事の要点のみ次の通りです。
「電気・水大臣が政治化や有名人や影響力を有する者に対する電気代支払期限の猶予期間とした1月経過後、同大臣は5日これら政治家や有力者のうち23%が期日内に請求金額を支払ったと記者会見で語った。
電気庁がこれら政治家等に対して電話等にて支払いを求めたところ23%の者が支払いに応じたとのことで、電力庁は行政命令を発して、未だに正当な料金を支払わないものに対しては7月1日以降送電を停止することになる。
電力大臣によると未支払いの料金は8億ドルに上るとのことで、また実際に悪質なものに対しては、すでに送電を停止したとのことである。
勿論電力料金について問題提起したり不審を訴えたりしたものについては、通常の手続きに従って処理されるとのことである」
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=today\04z46.htm&storytitle=ff(23) ?? ????? ?????... ????? ??????? ????? 8 ?????? ?????fff&storytitleb=????? ??????? ???????? ??? ??????. ??? ?????? ???? ????????&storytitlec=

ガザ支援船団(外国の反応)

先ほど6日付の朝日新聞のことを紹介しましたが、そこにも米国がガザ封鎖は長続きしないとしてイスラエルに政策変更を求めていると言う記事がありました。
このような米国の反応は先日もこのブログでご紹介したところですが、今やイスラエルの「唯一の親の友人」として、安保理などでの矢面に立たなければならず、おまけにこの事件の影響で対イラン制裁決議の安保理審議が遅れるとかの影響が出る(尤もこの点については報道も錯綜していて、今のところ具体的な動きは不明ですが)とあっては、オバマでなくても「ちょっと、いい加減に止めてくれよ」と言いたくなるのも無理が無い所です。
そもそもガザ封鎖に関しては、国連は明確に国際法違反で、人道的に問題なので即時解除すべきであると言う立場でバン事務総長なども、この立場を繰り返してきました。
これに対して、イスラエルは国連はそもそもアラブに偏向しているとして、その声に聞く耳持たないと言う立場でした(これもまた世界の奇観ですね。そもそも世界中に国連のおかげで自分の国を作れたと言う国はそれほど多くはありません。イスラエルはその中の数少ない1国ですが、建国後は周辺国に対する武力行使、占領地の返還問題等、ことごとに国連と対立して、国連の要求を無視してきました。まあ、人間、と言うか国がここまで図々しくなれれば大したものです。日本などぜひ見習うべきです)が、ガザ封鎖に関してもまたtく同じことの繰り返しで、国連の無力ぶりをさらけ出してきました。
ここにきて、オバマ政権がイスラエルに対してガザ封鎖の見直しを求めだした訳ですが(確か前から要望はしていたと思いますが、おずおずと言う感じで要求と言う形からは程遠く、常にイスラエルの言い分には耳を傾けてきました)、これだけ国際的に注目を集め、イスラエルにとっても、中東における目下の最大の案件がイランの核開発防止であることに鑑みれば、イスラエルがどこまでオバマの要求に強い立場をとれるのか疑問です。
結局はいろいろと言い訳をしながらかなり封鎖を実質的に緩和せざるを得ないと言うのが、このブログの読みですが、仮にそうなった場合には久しぶりに中東でのオバマの得点と言うことで、少なくともこと中東に関しては、物事を動かし得るのは矢張り米国だと言うことになるのではないでしょうか?
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