中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

トルコの議会、大統領選挙

トルコの大統領、議会選挙は本日行われる予定ですが、al jazeera net やhurryiet net は、今回の選挙は、憲法改正で、トルコの政体を大統領制に移行してから最初の選挙で、トルコにとっては歴史的な重要性を有する選挙であると評しています。

今回の選挙はエルドアンが、選挙予定を大幅に繰り上げて行われるものですが、双方とも大方の予測では、エルドアンの大統領選勝利と与党AKPの議会選勝利が予測されているが、一部ではエルドアンの支持率も下がっているとして、大統領選では2回目の投票となることもあり得ると見ているとしています。
そのような状況を予測してか、エルドアンは一部野党との連立もあると発言しています。
エルドアンの目論見通り、彼とAKPが大統領と議会を握れば、行政面でほぼ全権を有する強力な大統領の支配する体制が実現するが、仮にそうならなくとも、野党が健闘し、攻勢で平穏な選挙が行われることが、欧州等との関係で重要であるとコメントしています

なお、hurryiet net はトルコ選挙の重要なポイントとして、エルドアンが選挙を早めた要因について、
・第1の考慮は、経済情勢で、高い成長率にもかかわらず、高いインフレ率、高い利率、財政赤字は今後改善するよりも悪化する可能性があったこと
・2016年のクーデター未遂に対して、政府支持に固まった民意も薄れつつあること
・シリア介入、クルドYPGとの戦いで高まった愛国的雰囲気も、あと1年もたすことができるか否か不明なこと
・野党の分裂状態に鑑み、突然の選挙では、彼らの連立を阻止することができること
であったが、野党間の関係については、第1野党の共和人民党党首が新党のIYIに手を差し伸べ、更に至福党
spとも提携し、その思惑が外れた由。
http://www.hurriyetdailynews.com/key-points-for-turkish-elections-news-analysis-133682
http://www.aljazeera.net/news/international/2018/6/23/تركيا-تدخل-الصمت-الانتخابي-وتنتظر-موعد-الحسم






ホデイダ情勢(イエメン)

ホデイダの情勢にはその後大きな変化はないようですが、al jazeera net の記事の要点のみ次の通り

・ホデイダを巡る戦闘はその後も続いていて、政府軍等は空港制圧後(hothyグループは依然これを否定している由)、市の北にある港の攻略を目指している。
hothy兵は、これに対し、臼砲、狙撃兵で攻撃し、政府軍等は同じような形で反撃している由
また海岸地帯では政府軍がhothy部隊の浸透を防止している由。

・市内の状況としては、多くの地域で停電し、また断水も続いていて、発電機の使用も燃料不足で困難になりつつある由
水、電気の途絶で、国連ではコレラ等伝染病の蔓延を懸念している由(あの地域は紅海に面し、かま底のような地形になるので、1年中暑い所で、これからは高温多湿が続くところ)
国連の推定で、これまで約6万人が周辺に避難したとみられる由。

・EUは25日外相会議を開いてイエメン情勢を検討するが、外相は紛争当事者に対して、民間時の被害を極力く避けるように呼びかけ、政治的解決を呼びかけることになると見られている由
(申し訳ないが、これはこれまで国際社会の全てが口にしてきたことで、もう少し具体的な提案とか援助額の提示とかPKOとかの話でも出ないことには、意味のない会合となるか?)
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/6/23/موجات-نزوح-بالحديدة-والاتحاد-الأوروبي-يدخل-على-الخط












女性運転の解禁(サウディ)

58279f86-b7e5-4875-ba0e-4ea33c60dbc4[1]イヤ驚きました‥というより待ちに待った解禁だったのでしょう。

アラビアメディの他,BBC等も大きくサウディの女性運転追解禁を報じていましたが、まだ夜のはずだと思ったところ、24日の0000になった途端に車を運転して街に出る女性が多数いたとのことです。
写真を見ても、確かに真夜中のようですね
https://www.alarabiya.net/ar/saudi-today/2018/06/24/بالصور-السعوديات-ينطلقن-بسياراتهن-في-شوارع-المملكة.html

米国のパレスチナ和平プランの行くへ

トランプ大統領の中東和平特使クシュナー(娘婿)とJason Greenblatt,特使は、中東を訪問中で、サウディ、エジプト、カタール、ヨルダンを訪問し、22日にはネタニアフとも会談したとのことです。
また25日にはヨルダンの国王とも会談する予定の由。
しかし、パレスチナ暫定政府がトランプの米大のエルサレムへの移転に対して米国には仲介者としての資格はないとしたため、パレスチナ側とは会談していない由。
この二人が中東各地で話し合ったことはガザ問題の平和的解決と中東和平に関する米提案(いわゆる「世紀の取引」と言われるもの)の内容をさらに詰めることだった模様です。

そのうち最大の懸案がパレスチナ問題解決に関する「世紀の取引」であることは言うを待ちませんが、この問題についてynet news とal jazeera net 等から取りまとめたところ、取りあえず次の通りです。
この報道が事実であれば、流石のトランプも現在の状況は、「米国のアイデア」を提起できるような状態にはないことを悟ったのかもしれませんが、何しろ頑固で国内の大統領支持率にしか関心のないような彼のことですから、「世紀の取引」をあきらめることはないのでしょうね。


・パレスチナ側は、米国の立場は完全にイスラエル寄りで、公平な仲介者の資格がないとしていることから、米大統領府の会議でも、現在その内容を明かすことが適当か否かに集中し、一部の参加者は、現在米国の案を提示することは、中東和平の動きを刺激し、穏健アラブ諸国がパレスチナ人を、交渉のテーブルに連れてくれば、その地域的影響は大きいと論じた。

・当初イスラエル側は、案は6月に提示されると見ていたが、その後8月とされ、さらに9月とされた模様。
また、当面はガザ情勢の平和的解決を優先させることとなった由。

・イスラエル側は、ネタニアフは米案の提示を支持しているが、その理由は一つにはパレスチナ側が拒否すれば、非はパレスチナにあるとできること,もう一つは米案は所詮ネタニアフの支持できるものと考えているからとしている。

・米の和平案の内容については、al jazeera  net がイスラエル紙haaretz の報じるところとして、下記のような内容を報じている(現在見たところではhaaretz net には当該の記事は見当たらず、また同紙は中道左派のメディアであり、どの程度イスラエル政府からの情報を得ているのか不明なところがあり、どの程度信頼できるかには疑問がある。いずれにせよ、公表が9月以降になるのであれば、更に変更の可能性も強く、全くの取りあえずの報道として見ておく方が賢明か)
   パレスチナ国家の首都はエルサレム近郊のabu dis(アラビア文字からの訳)とする
   エルサレム旧市街はイスラエル領とし、イスラエルはエルサレムの近郊3地域から撤退する
   ヨルダン渓谷は完全なイスラエル支配下にとどまる
   パレスチナ国家は重火器と軍を持たないものとする
   入植地についてはその撤退を要求しない
https://www.haaretz.com/us-news/kushner-greenblatt-meet-with-netanyahu-in-israel-on-peace-plan-gaza-1.6199309
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5293888,00.html
https://www.haaretz.com/us-news/kushner-greenblatt-meet-with-netanyahu-in-israel-on-peace-plan-gaza-1.6199309
所謂「世紀の取引」の内容が、仮に基本的に以上のようなものとすれば、パレスチナ側には殆ど得るところはなく、いわゆる穏健アラブ諸国も、これをパレスチナ人は勿論、多くの自国民に対しても売り込むのは難しいのではないでしょうか?
まあ、これまでも確かabu dis  を行政的なエルサレムの一部に取り込み、これでもって、パレスチナもエルサレムを首都としたと強弁するアイデアはあったと記憶するので、おそらくサウディやエジプトはそのような宣伝をすることとなるものと思われます。
エルサレム以外の点でも、一見したところ、基本的にイスラエルが書いても同じような内容になると思われそうなほど、イスラエル寄りの案ではないかという気がします。
尤も、それに対する反論としては、その様な原則論を繰り返してきても、パレスチナ問題は全く進展がないどころか、現地の既成事実ばかりが進んでいて、現地の情勢を反映した案となれば、イスラエル有利な案とをならざるを得ないということでしょう。
おそらく、それに加えてサウディや湾岸等が巨額の援助資金をつぎ込むので、政治的正統性よりも実利を求めるべきではないかという議論が加わるのでしょうかね?

いずれにしても、現時点で云々するのは勿論時期尚早ではあります





アフリカ移民の悲劇(地中海)

最近欧米の報道ではイタリアの新政権の移民に対する強硬策の影響で、救出された移民(かっては難民と称されていたが、どうも最近は移民という表現が多く使われている模様)を載せた船が、行先が無くて翻弄されているという話でもちきりだが(少し前はイタリアが入港を拒否した船がはるばるスペインのバレンシアまで行ったが、現在1隻の入港を巡ってイタリアとマルタが争っている模様)、国連難民人権高等弁務官UNHCRによれば、リビア沖で舟艇が転覆したりして、溺死する移民の悲劇が増大しているとのことです。

これはal qods al arabi net がUNHCRの言として伝えるところで、この数日間でリビア沖(難民、移民船の出発場所)で220名もの移民が溺死した由。
UNHCRによると19日、転覆した舟艇に乗っていた10名のうち5名だけが救助された由
また同日130名が乗ったゴムボートが転覆し、70名が死亡した由
また別のボートでも50名が死亡した由
UNHCRは、増大する難民、移民の溺死に重大な懸念を表明して、国際社会が迅速に行動し、支援に当たるNGO等を支援するように呼びかけた由
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/06/21/الأمم-المتحدة-غرق-220-مهاجرا-خلال-أيام-قبالة-ليبيا.html
しかし、先ほど見たBBCニュースでもイタリアの強硬派の内相は意気軒昂で、NGO等が不法に移民をイタリアに入れる場合には法的措置もあり得ると発言していたが、EUではハンガリアの強硬な反移民法の成立、ドイツ内の移民に対する反感の増加等、むしろ状況はUNHCRの呼びかけとは逆の方向に向かっているように思われます。
いずれにしても、今後夏の季節を迎え、移民、難民問題は今年もEUにとっては頭の痛い問題となりそうです


ホデイダ情勢(イエメン)

ホデイダを巡る攻防はまだ激しく続いているようですが、米国もようやく最悪の事態回避のために、サウディやUAEに圧力をかけ始めた模様です。
アラビア語メディアから取りまとめ

・政府軍等が、ホデイダ空港を制圧したことは先に報告しましたが、サウディ、UAE軍は、モカからホデイダに至る海岸通りの掃討を進めるとともに、市の中心への攻撃は当面見合わせ、空港と合わせて、港の制圧を図っている模様。
これは市の中心への攻撃に伴う住民被害を極力避けるための由。

・(国連のイエメン特使がサナアでhothyグループ幹部と会談したことは先に報告済みで、彼はイエメン問題は、政治的解決しかない屯立場を繰り返したが、どうやらホデイダ港管理の国連への移管についても、打診した模様で)
hothyグループは、初めてホデイダ港の管理を国連委移管することに賛成するかもしれないと示唆した。但し、この問題は未だ検討中の段階の由

・米国の国務次官補は、国連やサウディ、UAE等との間で、ホデイダ問題の政治的解決について協議を続けているが、彼はロイター等に対して、サウディ軍やUAE軍がホデイダ市を攻撃し、住民に多数の損害が出ることは
受け入れがたいと語った由。
さらに彼は国連特使の提案を支持するとして、特に港の国連への移管を支持した模様。
ホデイダ港の管理が国連に移される場合には、港からの収入はイエメン中央銀行に振り込まれ、政府役人が国連職員と並んでその管理を監視することになろう由
http://www.alquds.co.uk/?p=959631
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2018/06/23/عملية-تمشيط-واسعة-في-الحديدة-لمنع-تسلل-الحوثيين.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/6/22/تحرك-أميركي-لاحتواء-أزمة-الحديدة

トルコのシリア政策の(部分的?)成功

トルコの北部シリア政策(クルド政策)についてhurryiet net は2の記事を載せているところ、それらの要点次の通り

・トルコ外相は21ひ、manbij に関する米との調整は円滑に進んでいて、YPGは7月4日に同地から撤退する予定であると語った。

・他方選挙遊説中のエルドアン大統領は、20日与党の大会で、al bab (トルコ軍等がISから奪還した都市)に、トルコの大学と協力して、応用科学の大学を設立する計画で、大学の授業は本年9月から始まると語った
(この大学の設立というのは事実であれば、今後ともトルコとしては北部シリアに影響力を確保していくという意思の表れでしょうか)
・エルドアンは同時に、北シリアの状況が落ち着いてきたこともあり、トルコ内に居たシリア難民のうち、20万人が既にシリアに帰還したと語った

http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-to-set-up-university-in-syrias-al-bab-as-200-000-refugees-returned-133585
http://www.hurriyetdailynews.com/ypg-to-withdraw-from-manbij-on-july-4-turkish-fm-133592









物価高騰と自由の束縛(エジプト)

21qpt777[1]エジプトの経済、人権状況に対する風刺画です。
右上の文字は「物価騰貴と自由の制限」とでも読むのでしょうか。その下に居るシーシ大統領がかチョークで物価騰貴を書いていて、そのグラフが人民の口を封じているという図式です。
http://www.alquds.co.uk/?p=959134

ガザ情勢

ガザ情勢はかなり鎮静化した所為か、アラビア語メディアにはざっと見たところ新しい報道はなさそうですが、y net news は、焼夷凧の起こした火災は21日も方々で生じているとして、今後このような状況が大きな紛争に発展する可能性は残っているとの分析を載せています。

・ガザからの焼夷凧、風船の飛来のために、西ネゲブ地方で、21日、15か所の森林火災が発生し、未だに燃えている。
この事件で死傷者はない
IDFは、イスラエル軍が凧を飛ばす若者に対して警告射撃をしたことを認めたが、それに関連する死傷者も居ない模様

・IDFは、現在のところ焼夷凧に対する対応を変更する意図はなく、またイスラエル側もパレスチナ側も、紛争を拡大させる意図は有していない。
しかし、ハマスが発表した18日の政策(イスラエルの攻撃に対しては、同規模の砲撃ロケット攻撃で対応するというもの)は、ある意味で状況も変えるものとも見られている。
ガザからの45発の砲弾、ロケット弾の大多数はハマスの発射したもので、これらは調整された射撃と見られている。
今後とも凧等の飛来が続き、IDFが空軍力で対応し、状況がエスカレートする場合には、本格的な紛争に至る恐れがある
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5293106,00.html
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5293327,00.html











シナイ半島のUAE部隊(米紙報道)

これは事実でしょうか?

最近UAE軍は、イエメン各地においてその活動を拡大、強化していますが、先ほど書いたリビア情勢でも、前からエジプトと並んでUAE空軍が介入してきたことは報じられています。
それに加えて、al qods al arabi net は米誌ニューヨーカーが、UAE軍がシナイ半島でイスラエル機の援護を受けて軍事的に介入していると伝えていると報じています。
UAEの人口から見ても、空軍だけの介入ならともかく、同国がこれほど広範な地域で軍事力(特に地上兵力)を展開し、活動できるとも中々考えにくいのですが、確か2〜3日前のアラブメディアは、これも米国筋の情報として、UAEは米国等の退役軍人(特に特殊部隊出身者)等を傭兵として大々的に雇用して、イエメン等に派遣していると報道していました。
確かに人口の少ない、同国が米特殊部隊出身者を傭兵として使う可能性は大いにありそうです(従来から湾岸諸国はアラブ系の人間を傭兵とすることは、将来クーデターを起こされる可能性があるために消極的とされてきており、その点米国人等であれば、その危険性は低いと思われる。また最近お戦闘は特殊部隊の出番をますます多くしている)
事実関係はともかく、取りあえずal qods al arabi netの記事の要点のみ次の通り

・米誌ニューヨーカーは、最近数年、イスラエルとUAE等湾岸の軍事協力は、シナイにまで広がったとして、特にUAE兵がイスラエルの空中援護の下で介入しているとしている。
・同誌は更に、アブダビ皇太子は、訓練とエジプト軍支援の為として、シナイ半島にUAE軍を展開したが、彼らは時には対IS軍事作戦にも参加しているとしている。
・ネタニアフは、アブダビとサウディの皇太子との軍事面での協力について、公表することを希望しているが、彼らの立場を害さないために彼等自身が公表することを望んでいる。
・しかし、これはイスラエルがシナイ半島に軍事介入しているという初めてのことではない。
これまでもny times とか外国報道は、シーシ大統領の同意も得て、イスラエル機がIS等の過激派攻撃に参加していることを報じてきている。
・報道は、エジプト軍の努力にもかかわらず、シナイ半島の過激派掃討は必ずしもうまくいってなく、イスラエルとしても隣接地の過激派に神経をとがらせ、軍事介入することになったもので、これまでドローン、攻撃ヘリ、空爆等100回以上の空爆を行っているとしている由
http://www.alquds.co.uk/?p=959274





























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