中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

エルサレム問題 2

トランプの、エルサレム=イスラエルの首都決定について、トランプ一流の米国内政治の一環だろうなどと思ってきましたが(今でも基本的にはそう思っているが)、ここにきて、背後にサウディ等の支持があったのではないか、という論調が主として英米紙等を引用して散見されるようになりました。
(勿論サウディ系のal arabiya net などにはそんな記事は出ていない)

最も興味深いのはtimes の記事ですが(  要点は下記の通りです)、その他al jazeera net は英のmiddle east eye とかいう雑誌?に、英人が、今回のトランプに決定の背後には、サウディ、バハレン、UAE,エジプトという独裁政権の支持があると書いていると紹介しています。
またal qods al arabi net は、米国dayly pist(アラビア文字からの訳)が、エジプト大統領は、エジプト問題に重大な関心は抱いておらず、彼によってより重要なのは米国との同盟であるとの記事を掲載していると報じています。

これらの記事が、どの程度事実を反映しているのか、判断の材料はありませんが、他方al qods al arabi net は、2の記事で、アンマン(首都)やその他の都市での抗議デモで、サウディ皇太子に関し、「米国の手先」という標語が表れたとし、サウディとバハレンの両大使館は、それぞれの国民に対して、安全のために、これらの抗議に近づかないように7日ネットを通じて警告したと報じています
http://www.alquds.co.uk/?p=841247
http://www.alquds.co.uk/?p=841251
http://www.alquds.co.uk/?p=841119
aljazeera.net/news/presstour/2017/12/8/هيرست-قرار-ترمب-حول-القدس-دعمه-محور-الطغاة-العرب

al qods al arabi net の伝える英times 紙の記事の要点次の通り
「times の特派員は、トランプの決定は、彼が義理の息子やサウディ皇太子を通じて、アッバス議長に売り込もうとした和平プランを拒否されたことに対する、懲罰であると書いている。
トランプの案は、パレスチナ国家を認めるが、その国家は政治的独立性を有せず、入植地に囲まれ、IDFが駐留し、パレスチナ人の復帰の権利は認めず、(最悪なのは)エルサレムはイスラエルの首都であるとされたものである。
更にクシュナーは、時間をかけて協議を重ねて、支持者を増やしていこうとする従来のやり方ではなく、サウディ皇太子を通じて、拙速に物事を運ぼうとした。
サウディ皇太子は10月のクシュナーとの会談で、その役割を果たすことに合意したが、彼自身の意見は不明である。
そして皇太子は11月にアッバス議長を呼びつけて、この案を受諾するか、交渉の起点とすることを求めた。
然しアッバス議長はこれを拒否し、皇太子の不満を高めた。これが皇太子をして、トランプの懲罰措置(エルサレムの承認と米大の移転)を支持させることになったのである。
しかし、皇太子は米国のサウディに対する支持を誇大に考えていて、カタールとの問題及びハリリの離任問題では、米外交はサウディに批判的であった。
しかし、トランプからの温かい言葉にもかかわらず、皇太子は未だパレrスチナ人を捨てる用意はなく、それがトランプの決定に対しての失望したという表現になったものである」
http://www.alquds.co.uk/?p=841095

上記times の記事は確かに、クシュナーの中東訪問や、伝えられた米国案やアッバスのサウディ訪問等一連の流れを、説明できる見方かと思いますが、その事実関係は現時点では不明です。
しかし、上に書いたように、ヨルダンでの抗議デモでサウディ皇太子を非難する標語が表れているとすれば、この記事の様な見方が中東でも広がっている可能性があることを示すものでしょう。

このところサウディのやり方は、カタールとの関係といい、イエメンといい、特にサウディ内の反腐敗キャンペーン等、従来のサウディのやり方とはきわめて異なり、かなり乱暴(良く言えば明確な)なもので、その決定は皇太子が行ったと伝えられています。
しかし、エルサレムの問題となると、他の問題とは異なる大きな重要性がありそうです。
何しろサウディ国王の称号に「2つの聖地の守護者」とあるように、サウディ王朝の正統性の根拠は、イスラムの守護者です。
その王国の皇太子ともあろうものが、イスラムの第3の聖地であるエルサレムをイスラエルのものとする米国の策謀の片棒を担いだとなると、その正当性に大きな疑問符がつけられることになりかねません。
もちろん事実関係は不明だし、またトランプが言うように、既にエルサレムはイスラエルの首都で、単に現状追認に過ぎないとしても、政治では認識の問題が最重要で、イスラムの聖地を売り渡す一役を買ったなどという意識が広まれば、アラブ世界におけるサウディの地位、サウディ内における皇太子の地位も揺らぎかねません。
まあ、取りあえずは、今後どう問題が進展するかを見守るしかありませんが、どうもこの問題はトランプの気まぐれといってすまされない方向に発展する危険性がありそうです

先ほど、上まで書いたのですが、すっかり忘れていたのに2002年だったかのアブダッラー(当時皇太子か?)の和平プランがありました。
確かそれは、イスラエルの67年当時の国境線までの撤退とエルサレムを首都とするパレスチナの承認と引き換えに、アラブ諸国がイスラエルを承認し、外交関係を結ぶというものだったかと思います。
確かこのプランが今でもサウディ政府の公式な立場のはずで、基本的な考えはquid pro quoの取引、というか相互承認です。
トランプ政権になってから、一時このサウディ案のうちアラブ諸国との関係正常化を先行させるという考えがあったかと思いますが、それはquid pro quo の原則に反します。
その意味からも、上に書いた記事の情報の信ぴょう性は疑わしいかと・・・・
まあ、百鬼夜行の中東ですから、何があってもおかしくはありませんが・・・・








エルサレム問題

トランプのエルサレムをイスラエルの首都として承認するとの決定については、8日が金曜日(金曜礼拝の日)であったこともあり、礼拝後のパレスチナ民衆とIDFの衝突で、この問題が起きてから始めて、パレスチナ人の死者が出ました。
アラビア語メディアやy net news によると、死者2名で、8日だけで負傷者300名(800と数字もある)が出た模様です。
y net news nによれば、ガザとの境界近くで2名が死亡し、55名が負傷し、西岸では250名が負傷した由。

更に、イスラエルのsderotを狙ったロケットが、ガザから発射され、iron domeが捕捉したが、その破片が落ちて、1名がショックで治療を受けた由。
これに対してIDF機が報復の空爆を行い、赤ん坊を含む15名が負傷した由。

その他アラブ諸国各地で、抗議デモが生じているところ、現在のところ深刻な騒擾状態は生じていない模様。
またIS等のテロも、昨日の時点では生じていない模様です。
しかし、ヒズボッラーのナスラッラ―書記長などは、パレスチナ人、アラブ人、ムスリムによる息の長い、新たなインティファーダを呼びかけているようで、この問題は今後とも長く尾を引きそうです。

他方、国連安保理は8日(NY時間)に開催され、国連事務局を含めて大多数の国がトランプの決定に批判または非難の意を表明したが、米代表は大統領決定を擁護して、トランプはクリントン、ブッシュ、オバマが議会の決議(エルサレムはイスラエルの首都であるというもの)に同意しながら、実行して来なかったことを実行しただけのことであり、また米国はイスラエル国家の境界については何も決定していないとした由。
代表は更にパレスチナ人やアラブがこの決定を口実に、暴力に走れば、彼らは平和のパートナーではなくなる、と警告した由。
(米代表がいみじくも強調した通り、擬態は確か1995年だったかにエルサレムを首都として承認することを決議しており、今回のトランプの決定はそれを実行したままであるが、その間3人もの大統領が、米外交にとって、また中東和平にとって、議会の決議は阻害要因以外の何物でもないとして実行してこなかったことが物語るように、こと中東和平問題に関しては、欧州の同盟国からも孤立し、いわばグローバル・スタンダードに反する米国(世論も含めて)の立場の矛盾が表れているように思われる)
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/8/معارضة-بمجلس-الأمن-لقرار-ترمب-حول-القدس
http://www.alquds.co.uk/?p=841228
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053724,00.html
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5054033,00.html
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053922,00.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/12/08/تحسباً-لـ-جمعة-الغضب-تعزيزات-أمنية-إسرائيلية-بالضفة-.html

エルサレム問題

トランプが、エルサレムはイスラエルの首都であるとして、米大の同地移転の意向を発表した政策的意図は何であったのでしょうか?

これまでのところ、国際社会のほぼすべての政府から強い非難や批判を浴びていて(中でも独外相は、同盟国としての米国の信頼性に疑問を呈する異例の反応を示したとか)、本日夜(日本時間)には安保理の緊急会合が予定されています(日本が議長)し、確か9日にはアラブ連盟の外相レベルの会合が予定されています。
他方、現地ではパレスチナ人の抗議デモが続いているし、またアラブ諸国の各地でも抗議デモが続いている模様です。
このため、イスラエル政府は、特に西岸に軍及び警察を増強して警備を強化している一方、米国は各地で自国民に対して、周囲に注意を払うように等の警戒情報を流している模様です。
またガザからイスラエル向けにロケットが発射されたことに対して、IDFは報復として、空軍及び砲兵が、ガザの2地点に対して砲爆撃を加えたとのことです。

ここまでは、ほぼ予測されていた範囲内の動きですが、幸いなことに、これまでのところ西岸等で大規模な衝突やパレスチナ人多数の殺傷などの事件は来起きていません。
またISはアルカイダの大規模テロも起きてはいません。
しかし、このまま状況が推移すれば、パレスチナ人とイスラエル当局や、その他のアラブの国での民衆と政府との衝突、さらにこれら過激派のテロが生じることも、かなりの角度をもって予測できることではないでしょうか?
一方、安保理が何らかの意味のある決議を採択することは予測できないし、まして、アラブ連盟に何ができるというのでしょうか?せいぜい大声の非難決議ができるくらいでしょうか?
まさか、アラブ諸国が一斉に駐米大使を引き上げることもないでしょう。

また米政府として、これだけの反発が予測されていた、大統領の決定を発表するのであれば、たとえゼスチャーにせよ、例えば何らかの大胆な和平提案をして、国務長官なり、副大統領がf現地を訪れてアラブとイスラエルに対する大演説をするとかであれば、トランプ一流のショック外交ということで、それなりの意味もあるのでしょうが、今のところそんな話も聞きません。
むしろ副大統領のイスラエル、パレスチナ訪問で、アッバス議長は彼と会談しないんではないかとの推測が流れているほどです。

オバマ大統領は、シリアに関する優柔不断な政策で、随分中東における米国のプレゼンスを傷つけましたが、トランプが米国内政治の都合から、意味のない、見返りとして何も得ることのできない(ネタニアフは、無料でトランプの決定をもらったことで、にこにこしているが、見返りとして何かしようという雰囲気はない)発表をして、中東における米国の影響力の決定的な衰退を後押しするつもりなのでしょうか?
多分国内的にたたかれている彼にとっては中東政策など大きな関心はないのでしょうが・・・・・

どうもこの問題は、書いていけばいくほど、良く分からないことばかりですので、この辺でやめ、取りあえずは安保理の状況とアラブ連盟の討議を見守ることにしますが、その間にも現地で大きな衝突などが起きないことを願っています
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5053878,00.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/12/08/إسرائيل-تقصف-غزة-ردا-على-إطلاق-صواريخ-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=840599





ホデイダ港奪還作戦(イエメン)

イエメンでは、先日殺害されたサーレハ前大統領の遺体を国際赤十字に引き渡すか否かでもめているようですが(hothyグループが拒否の由)、他方、al qods al arabi net とal jazeera net は、政府軍がホデイダ港の奪還作戦を始めたと報じています。
それによると、政府軍はアラブ連合空軍の支援を受け、ホデイダ県で最初の郡都al khakha を奪還し、サナアの外港にあたり、政府軍が長らくhothyグループがイランの武器の密輸入港として非難していた、ホデイダの攻略作戦を開始したと報じています。
また、al jazeera net の方は、政府軍はホデイダと合わせて、イランの武器密輸のルートを遮断するために、サアダに隣接するジャウフ県に対する作戦も開始したと伝えています。
http://www.alquds.co.uk/?p=840634
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/12/08/الجيش-اليمني-فتح-جبهات-جديدة-وقطع-شريان-إيران-للحوثيين.html

取りあえずのイエメン情勢は以上ですが、どうにも良く分からないのは、サナアでの前大統領派とhothyグループが激しく戦闘をしていた直後は政府軍は、サナアの攻略を目指して、マアレブ等から大規模な部隊を首都方面に移していると報じられていたのが、一転してホデイダ攻略作戦に変わったことです。
まさか、あの政府軍にサナアとホデイダの2正面作戦を同時並行的に遂行する力はないのではないでしょうか?
ということは矢張り、軍事的には、hothyグループに対して、政府軍は首都を攻略する力はないので、取りあえずホデイダの攻略に着手したということなのでしょうかね?
ホデイダの攻略など、これまでも何度も叫ばれてきましたね。
しかし、これでホデイダの全面開放と援助物資の大量輸入という希望はまた遠くなったのではないでしょうか?
被害者は一般民衆とは何度も行ってきましたが、やはりそうですね


エルサレム問題(風刺画)

05qpt777[1]トランプのスピーチと題する風刺画です。
絵では、ネタニアフが指人形のトランプにスピーチをさせているところですが、如何にもアラブ人の考えそうな陰謀史観そのものの図にみえます。
どうせトランプは自分の利害(利益)以外のことには関心はないはずで、ネタニアフ(イスラエル)の傀儡というのは、アラブ人の自己欺瞞ではないかという気がします
http://www.alquds.co.uk/?p=839354






ハリリの辞任撤回

どうも、イエメン情勢の急展開等に紛れて、記事にするのをすっかり忘れていましたが、確か先にサウディで辞任を表明し、大きな話題となったレバノンのハリリ首相は、5日彼のレバノン帰国後の初閣議のあと、辞表を撤回しました。
(このことは勿論アラビア語メディアでも報じられていましたが、若干旧聞に属するためか、本日のネット記事には見当たらない(それはそうだろう。トランプのエルサレム問題決定で、もちきりで、こんな古い話を報じている余裕はなさそう!)ので、取りあえず見つけた、ynet news の記事からですが、それによると、ハリリは、閣議が「レバノンは他のアラブ諸国の戦闘や内政には中立で、干渉しない」と決定したことを受けて、辞表を撤回したとのことです。
しかし、同ネットもこの意味は必ずしも明確ではない、としているように、おそらくは親ヒズボッラー(シリア)グループと反ヒズボッラーグループの妥協の産物で、これでレバノンの政策が大きく変わるということではなさそうです。
https://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-5052361,00.html

ハリリの辞任表明の経緯とその後の進展については、未だに謎が多くて、真相は不明ですが(もっとも、他の中東のより深刻な問題が大きく表面出でてきた現在、レバノン内部の問題など、おそらくは国際社会が大きな関心を払う問題ではなくなったような気がします)。
しかし、所詮あの問題もヒズボッラー(ということは後ろにいるシリアとイラン)対その影響力の拡大に反対するスンイ派勢力の角逐問題である以上、より大きな中東全体の問題にかかわる問題です。
ということで、若干手遅れではありますが、かってな仮説を書いておきます。不十分な情報で書くものですから、御異論を持つ向きは多いと思いますので、是非コメント欄にご意見ください。

・レバノン閣議の決定の意味が何であるかの問題はあるが、あの表現は基本的にはヒズボッラーの他のアラブ諸国への干渉、介入に歯止めをかける性質のもので、(ほかのレバノン政治勢力で、そんな大それたこと?をしようとしたり、そんな力を有する者はない)その意味では、建前上一定の歯止めをかけたことにして、ハリリの辞表撤回に道を開いたもの。
しかし、シリアで数千人を失ったようなヒズボッラーがこんな合意位で、大きく立場を変えるはずはなく、所詮は同床異夢の現状糊塗に過ぎない。
・ハリリがなぜ1週間に2回もサウディを訪れ、2回目の訪問で辞意を表明し、その後2週間だったかサウディに滞在したことで、多くの人が、辞任はサウディに強制されたもので、彼はサウディに軟禁されていたなどと、もっともらしい議論をしていた。
・このような議論は、その後の彼の仏メディア等等に対する発言で払拭されたように思われるが、なぜ彼がこんな行動に出たかは、彼が上記インタビューの中で、彼としては湾岸に済む30万人のレバノン人を犠牲にすることはできないと語ったことに一つの鍵があるように思われる。
・想像の域を出ないが、おそらく最初のサウディ訪問はサウディから呼びつけられ、今後ともヒズボッラーがシリアのみならず、特にイエメンで反スンイ派の行動を続ければ、サウディ等湾岸諸国は在留レバノン人を追放することになると警告(脅迫)されたのではないか?
・そこでハリリは慌ててレバノンに飛んで帰り、サウディ等の脅迫を伝え、ヒズボッラーの活動抑制を訴えた(もちろん舞台裏で!)が、これに反発したヒズボッラーやその支持者が、彼を脅迫し、為に彼は生命の危険さえ感じたのではないか?
・そこで彼は再度サウディに舞い戻り、サウディ皇太子らと協議して、辞任表明という奥の手を使って(彼はサウディ支持者ということで知られていて、ヒズボッラ―の支持を受けているアウン大統領のカウンターバランスとして首相にされているもので、彼が辞任することは、レバノンの勢力バランスを崩し、その政治危機の再燃を意味する)物事を動かそうとしたのではないか?
彼やサウディの目論見通り、彼の辞任を受けて、レバノンでは政治危機再来に対する懸念が高まり、関係者(ということはヒズボッラー)が妥協するようにとの圧力が高まった。
このためアウン大統領等も裏で協議をして、ハリリ復帰の見返りに、上記のようなアラブ政治不干渉の政府決定をすることで、取りあえずの幕引きを図ったのではないか?
・お蔭で、レバノンではハリリの帰国で安堵感が広がっていると伝えられている。
・しかし、この問題は所詮はレバノンを舞台にした、中東、アラブ政治の駆け引き問題なので、今後ともハリリが職にとどまり、レバノンは政治危機を脱したのか否かは、イエメン情勢とかシリア、イラク情勢とかの、アラブ諸国問題、イランお対アラブ政策で決まっていくのではないか?
勿論直接的には、今後ヒズボッラーがどのような路線をとるかが大きな鍵かと思われる










プーチンの対IS勝利宣言(シリア東部)

al arabiya net とal jazeera net は、プーチンが6日、ロシア軍参謀長が同日早く、彼に対してシリア東部のISに対する勝利は完全なものになったと報告してきたと発言したと報じています。
プーチン大統領は、まだ若干の抵抗スポットが残っている可能性はあるも、ユーフラティス河の東岸及び西岸のISは壊滅させられたと語った由。
またロシア将軍は、複数の外国軍人に対して、シリア政府軍はユーフラィス川の東岸で、2つの進路から来た部隊が握手をして、ISを掃討したとして、ロシア空軍はクルド勢力(YPGが主力のシリア民主軍)に対しても支援を提供したとした由

デリゾル周辺での、ISの敗北はこれまでも報じられていて、特に新しいニュースということではないが、ロシア大統領が完全勝利を確認したということで取り敢えず
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2017/12/06/بوتين-داعش-هُزم-في-شرق-سوريا.html
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/6/بوتين-انتصرنا-على-تنظيم-الدولة-بضفتي-الفرات-بسوريا





エルサレム問題

前から米大統領府が予告していた通り、トランプは6日、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、米大使館を移転すると発表しました(移転の時期は不明)

これに対して、パレスチナは勿論、総てのアラブ諸国(と思うが、未確認もある)、イスラム諸国の他、ロシア中国は勿論、英独仏などの米の同盟国も非難または批判の声明を発しました。
国連事務総長も、エルサレムはパレスチナとイスラエルの双方の首都であるとして、2国間方式以外に、中東紛争の平和的解決の道はない(彼はplan Bはないと表現)と声明しました。
イスラエルを除く、国際社会のほぼすべての国が、反対の意向を表明したかと思いますが、おそらくこれはトランプとその取り巻きにとっては、「想定内」の事態で、大きく懸念はしていないのではないでしょうか?

またボリビアの要請で、8国が支持し、安保理が8日開催される由
アラブ連盟は9日外相レベルで金きゅ会議を開く予定の由
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/6/وزاري-عربي-السبت-المقبل-بشأن-القدس
http://www.alquds.co.uk/?p=840221
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2017/12/07/8-دول-تطلب-اجتماعا-عاجلا-لمجلس-الأمن-الدولي-بشأن-القدس.html

問題は今後の進展ですが、先ず安保理でアラブ支持派が、どのような戦術を考えているか、現時点では不明ですが、トランプの決定に反対したり、批判的な決議案を通そうとすれば、米の拒否権は確実だと思います。
精々、今後の情勢の悪化に懸念を表明し、関係者が全て平和的解決に努力することを要請する程度の議長声明でも出せれば「おんのじ」でしょう。
問題の一つはアラブ諸国の出方ですが、アラブ連盟会合は安保理会合の翌日に開かれるようですから、それを受けて何か実効的な強い措置を打ち出せるかですが、昔であれば、こんな事態ならおそらく緊急首脳会議だったと思いますが、外相レベルの会合ということは、アラブも成熟した?というのか、テンションが下がったというのか、今一つ口先で非難する割には熱心度が少ない気もします。
勿論外相レベルに引き続いて首脳会議という可能性もありますが、彼らに何ができるのでしょうか?
それよりも、サウディ、ヨルダン等の親米国の対応ですが、この種事件に際しては、先ずは「協議のため」と称して抗議の意思表示として大使の召還等をするものですが、今回そこまで行くのでしょうか?
その上の措置となると、米大使の引き上げ要請、大使館の閉鎖、種々の経済、軍事協力の停止・・・・と種々の抗議の手段は考えられますが、パレスチナ人やアラブ諸国の民衆がイスラエル兵やアラブの軍や警察と衝突して、大規模な騒擾が起きでもしない限り、その様な自国にとっても影響の大きい措置は取らないのではないでしょうか?
要するに口先だけの非難か、と思いますが、勿論今後の情勢の進展如何です
それより、危険度の高いのは過激派の各地におけるテロの可能性で、当分中東は勿論、IS戦闘員が帰還した欧州でも、厳重な警戒が必要でしょうね
せっかくのクリスマス、年末年始の休暇シーズンですが、特に欧州方面へ、旅行される方は、慎重に情報収集の必要があると思います。
独り言ですが、どうも最近は日本が一番安全な気がしています




サナア情勢(サーレハの死の状況等)

サナアの状況は徐々に明らかになりつつありますが、基本的にはサーレハ前大統領の死後、サーレハ支持派の抵抗は急速に崩壊し、サナア市の大部分はhothy グループの支配下にある模様です。

治安筋(というのはhothy筋か?)は、サーレハの死後、サーレハ支持派の抵抗は数時間で終息したとしており、hothyグループはサーレハの複数の息子が捕虜になったとの報道を否定し、複数の息子が病院で手当てを受けていると語った由。

またhothyグループの広報部は、サナアの南部における掃討作戦の模様のビデオを流している由。
ビデオには、サーレハ支持派から押収された多数の臼砲、弾丸、装甲車等の映像が含まれている由。
他方、国際赤十字は1日以来の戦闘で234名が死亡し約500名が負傷したとしている由。
(以上は、al jazeera net が報じるところであるが、サウディ系のal arabiya net は、国連安保理の非公開会合で、イエメン政府代表が、hothyグループは、サーレハの与党の粛清をはじめており、数千名が処刑されたとの警鐘を鳴らした…如何に何でも数千名というのは大げさかと思われるが、報道のまま…と語った由で、この発言も上記のサナアはほぼ完全にhothyグループの支配下にはいったとの報道と合致すると思われます)。

また別の記事はサナアでの、女性の抗議行進に対して、hothyグループが銃撃したと報じていますが、これなども、矢張りサナアはhothyグループに制圧され親サーレハグループでは、表向きの抵抗は精々女性による抗議デモ位であることを示しているのかもしれません(誇り高いイエメン男性にとって、この表現は、非常に侮辱的だが、現実がそうなら仕方がない)。

他方、これまではサーレハはサナアから出生地に逃走中に、hothy武装兵に追いつかれて、殺害されたと報じられていましたが、al arabiya net は、戦闘現場であったサーレハの自宅にいた、hothyグループの幹部の一人の証言として、サーレハは100人くらいの護衛とともに、武器をとって最後まで抵抗したが、ついに相当負傷してhothy グループにつかまったところ、彼をどうしようかとの上層部への電話に対して、「処刑しろ」との一言で、彼の運命が決まったとのニュースを流しています。(それらしい最後の瞬間前の彼の写真もある)。
実は彼の与党は、彼の逃走説を否定し、サーレハは武器をとって最後まで戦ったと主張していましたが、このニュースはその主張と合致します。

因みに、アラビア語ですが、このhothyの幹部の一人の証言は、徐々に縮められる包囲の中で、戦車砲や臼砲の砲撃下で、カラシニコフだけをとった彼の取り巻きや息子どもが次々に、死んだり負傷したりする様子を非常にリアルに伝えています。
どこまでが真実かは不明ですが、関心の向きは下記ご参照。

また、サウディ等のアラブ連合空軍は、6日、サーレ派の死亡が伝えられた後、サナアその他の地域で、hothyグループの拠点に対する空爆を強化している由。
(サーレハが死んでからでは、少々の空爆強化位では大勢を覆すのは難しいのではないか?イエメン政府軍が相変わらず、頼りにならないと、サウディ等の地上部隊の介入の可能性も出てくるのではないか?
時期尚早の見方ですが…)

http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/6/الحوثيون-يحكمون-قبضتهم-على-صنعاء
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/12/06/ميليشيا-الحوثي-تفرق-بالقوة-مسيرة-نسائية-رفعت-صور-صالح.html
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2017/12/06/قيادي-من-المؤتمر-هكذا-أعدم-الحوثيون-صالح.html
http://www.alquds.co.uk/?p=839579

GCC首脳会議の失敗(クウェイト)

クウェイトの主催になる湾岸諸国会議(GCC)は、当初2日間の予定だったとおもいますが、5日、1日間だけで終了しました。
おまけに、al jazeera net によると、首脳会議は開会式と閉会式の2つのセッションを行ったとのことですから、要するに実質的な会議はなかったということのようです。

そもそもこの会議は、カタール対サウディ等のGCC諸国の対立を仲裁しようとのクウェイト首長の試みであったが、おそらくは根回し不足というか、首脳会議で何を議論し、どういう合意を得られるか、ということについて十分な事前協議もなしに開催を決めたものの如くで、カタール首長は出席したものの、ほかの国からは首脳の出席はなかった由。
(サウディからは外相、UAEは外務担当国務相、副首相が出席し、オマーンからは副首相が出席した由。このうちオマーンの副首相…首相は依然としてスルタンが兼務…はスルタンの名代としてよく会議に出席する人物なので、明白な会議ボイコットではないと思われるも、その他の3国は明らかに「首脳」会議のボイコットと評されるのではないかと思われる)

これを報じるalqods al arabi net は、このような湾岸諸国の態度に対して、クウェイトでは、首長に対する冒涜だとして不満が高まっていて、逆に首長が出席したカタールに対する評価が高まっていると報じています。

http://www.alquds.co.uk/?p=839277
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2017/12/5/اختتام-القمة-الخليجية-بتأكيد-التمسك-بمجلس-التعاون

メンツを重んじるアラブ、特に湾岸諸国で、このような不手際な会議が行われるのは珍しく、中身のない会議でも、日本の国会などと同じように、シャンシャンと多数で決まることが普通なのですが今回はどうした事か、おそらく直接的にはクウェイト外交の不手際、要するに妥協ができていないにもかかわらず、首脳会議の開催を強行した事、にあると思われますが、その他クウェイトが何故そんなに事を焦ったのか等、どうも不思議な点が少なくありませんが、取りあえず。
livedoor プロフィール
最新コメント
記事検索
  • ライブドアブログ