中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

EU外相会議(シリアに対する3国攻撃問題)

欧州諸国の中でも、米英仏のシリア化学兵器に対する攻撃については、温度差があり、その点を調整するために、16日外相会議が開かれましたが、取りあえずの調整はできた模様です。
会議後発表されたコミュニケでは、
 ・英米仏の攻撃は、シリア政権が再び化学兵器を使って、シリア国民を殺傷するのを防ぐという唯一の目的のための、単発的な攻撃であったことを理解し、
 ・化学兵器使用を阻止するためのあらゆる努力を支持する
としている由です。
なお、この点に関しては、各国の外相も、化学兵器使用阻止という唯一の目標だから支持したとしつつ、今後はシリア問題の平和的解決のためにロシアとも協力することが必要になると語った由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/04/16/-مستقبل-سوريا-أوروبا-تبحث-تداعيات-الضربة-العسكرية.html
http://livedoor.blogcms.jp/blog/abu_mustafa/article/edit

以上EUは取りあえず統一的立場を取り戻した模様で、その意味でも今回の攻撃に英仏が加わったことは、政治的に米国にとっては大きな意味があったかと思います。



サウディ向けミサイルの発射(イエメン)

どうもhothyグループは無尽蔵の弾道ミサイルを保有している、との印象を受けます。
彼等は16日またサウディ向けにミサイルを発射しましたが、このような状況を、サウディと対立するカタールのal jazeera net は「弾道ミサイルがサウディを征服している」との若干どぎつい表現で報じています。

事件は16日夕イエメンからサウディのナジュランに向け弾道ミサイルが発射されたが、サウディの防空システムが捕捉、撃墜したよし。このミサイルはナジュランの発電所を狙ったものの由。
これを発表するアラブ連合軍の報道官は、先週hothyグループがサウディに2機のドローンを飛ばしたことについて警告を発し(確かこの話は報道はなかったように思うが)、今後とも彼らがサウディ向けにドローンを飛ばすのであれば、厳しい報復をすると警告した由。
また特にイランに対し、ミサイルやドローンの供与をしているとして非難した由。
なお、記事はアラブ連合軍の情報として、サナア空港がミサイルやドローンの倉庫になっているとコメントしています。
http://www.alquds.co.uk/?p=917790
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/4/16/بالستي-حوثي-يغزو-الأراضي-السعودية
これだけ毎日発射するミサイルを(イランが供給したとすれば)、イランの財政負担も相当なものだろうと思われます(何しろ密輸ですから、輸送の方にもそれなりにkなりの経費が掛かっているでしょう)
ドローンの方は、小型のものであれば、世界中どこででも調達でき、密輸も簡単かと思いますが、先日ゴラン高原でIDFが撃墜したイラン製ドローンは爆薬を積んで、イスラエルを攻撃するはずであったと報じられています。
たすか数年前、イランは米のプレデターだったかをほぼ無傷で捕捉し、それをリバースエンジニアリングで、イラン製のドローンを製造しているという報道もあるようで、そうなると、そうなるとドローンと言っても軽視できないと思います。
なお、これらドローンやミサイルがサナア空港に置かれているというコメントは気になるところで、アラブ連合空軍が今後報復するとなると、まず第1に狙われそうで、現在同空港からどのくらい国連等の援助物資が入っているかは分かりませんが、仮に攻撃されれば、人道援助がさらに停滞しそうです

米国の家畜を守るトルコ犬(トルコ紙ネットの記事)

5ad0a6c9b699de1e10417cb5[1]トルコ・米関係が緊張している所為でしょうか?
hurryiet  net は、トルコのkangal 犬(写真)が、米国には300万匹も居て、方々で家畜を守ったりする重要な役割を果たしていると報じています。
http://www.hurriyetdailynews.com/turkish-kangal-dogs-protect-american-cattle-across-the-atlantic-130278
犬の種類はよく知りませんが、いかにも強そうな犬ですね

イエメンの弾道ミサイル(風刺画)

cartoon-Reserve--1--1-222[1]イエメンでの弾道ミサイルに関する風刺画です。
手前の標識にはイランとあり、鉄条網の向こうの標識にはイエメンとあり、ミサイル発射台にはhothyと書いてあります。
説明は不要と思いますが、因みにこのネットはSaudi系のものです
https://aawsat.com/home/cartoon/1238591/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A






米等のシリア攻撃(欧州諸国の立場)

先日の米英仏のシリア攻撃は、英仏も入っており、欧州で(少なくとも政府レベルでは、大衆レベルは別か?)大きな亀裂はなかったと思っていましたが、al qods al arabi net によると、欧州ではかなりの亀裂があった模様で、その修復のために本16日外務大臣会合が開かれるとのことです。

記事によると、(これまで割かし批判的かと思われていた)ドイツのメルケル首相は攻撃は必要なもので、適切であったとの声明を出したとのことです。
しかし、EUは、シリア政府の化学兵器使用は受け入れがたく責任者は処罰されねばならないとの点では合意したが、EUの外務担当委員は、英米仏の攻撃を支持するとまでは言えず、化学兵器使用の責任者に対する処罰が必要とまでしか言えなかった由(他方、ほとんどのEU諸国が入っているNATOの事務局長は明確に攻撃支持を表明した)
専門家によれば、複数の政府はロシアに燃料のガス供給を依存しており、、その反応に懸念した由。
また欧州28国は英国の圧力もあり、ロシアが元情報局員とその娘を毒殺しようとしたことを非難する声明に、賛同したが、そのうち19国だけがロシア外交官を追放し、その他はロシア大使に文句を言う程度のことしかせず、3国は何もしなかった由。
http://www.alquds.co.uk/?p=917495
いずれにせよ、会合の結果待ちですが、ウクライナ事件の時から、ロシアは天然ガスの供給をてことして欧州に圧力を加えていたと言われていますね。









ダルナに対するリビア軍の攻撃開始(リビア)

このダルナという町(リビアの東端にあり、昔から過激派の勢力の強い所として知られていた模様)も、過激派と政府軍との間で、何度も取ったり取られたりを繰り返してきた記憶がありますが、al arabiya net は町を包囲している政府軍に15に攻撃の命令が出て、攻撃が始まると報じています。
リビア軍報道官は、ダルナに対する攻撃でリビア軍がいかなる外国の軍とも協力していないことを強調して、協力があるのはエジプト軍との間で、過激派がエジプトに逃げ込まないように、またエジプトとの間の補給線を切断するための協力だけであると強調した由
(わざわざ強調せざるを得なかったのは、おそらくエジプト軍等との協力の噂が流れているためかと思われる。いずれにせよ、エジプト軍は今年初めだったかに、リビア国境から近い所に一大、陸軍空軍基地を開設しており、このような作戦に備えるためであったと思われる)

このダルナについて、al arabiya netの別の記事は、町の殉教者評議会は、過激派のアルカイダが中核となり、これにansar al shariaとかスラム青年軍とか複数の過激派集団が結集していると報じています。
彼らは2011年以降、町を支配してきたが、2014年にこの名前で統合されたともしています
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/04/16/الجيش-الليبي-لا-تنسيق-مع-جهات-خارجية-في-عملية-درنة.html
https://www.alarabiya.net/ar/north-africa/2018/04/15/يد-القاعدة-في-ليبيا-من-هو-مجلس-شورى-درنة؟.html

取りあえず







シナイ半島情勢(エジプト)

エジプト軍はシーシ大統領の直接の命令で、確か2月からシナイ半島等で過激派に対する大掃討作戦を行ってきましたが(確か大統領は3月で過激派を掃討するように命じていませんでしたかね?)、エジプト軍の戦果とやらはしょっちゅう発表されていますが、どうもIS等を完全掃討するにはまだまだ時間がかかりそうです。

al arabiya net は、エジプト軍は中部シナイの掃討作戦で過激派14名を殺害したが、エジプト軍の方も兵士8名を失ったと発表したと報じています。
この衝突がいつあったのか、上記報道では不明ですが、al qods al arabi net はISがその通信社amakを通じて、15日、シナイ中部のal qasimaの軍事基地に攻撃を仕掛け、士官7名、兵士15名を殺害し、20名を負傷させた発表したのがこの事件に該当するようです
(IS側は自己の損害については明示していない)

上記al arabiya net は更にエジプト軍報道官は、過去数日の攻撃で、空爆で過激派27名を殺し、119名を逮捕したが、そのうちの27名は司法当局が追及していたものだとしている由。
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2018/04/14/عملية-سيناء-مقتل-27إرهابيا-وتدمير-150-وكرا-ومخزنا-.html
http://www.alquds.co.uk/?p=917174

確か、エジプトは先週だったかに非常事態をさらに3月延長することにしたと思いますが、シナイ半島での過激派の掃討は時間がかかっていても、このところ本土(アフリカ側)においての、目だったテロは報告されていないことを見ると、エジプト軍を上げてのテロ掃討大作戦はそれなりの成果を上げているのではないでしょうか?







米等のシリア攻撃(ロシア、イラン、トルコの興味ある反応)

米英仏のシリア攻撃に対するロシアとイランの激しい反発は、日本おマスコミも詳しく報じているようですが、al arabiya net は、プーチンとロウハニ大統領が15日電話で会談し、ロシア大統領府の声明によれば、両首脳は攻撃は国際法違反で受け入れがたく、シリア問題の平和的解決を困難にすると非難したとのことです。

他方hurryiet net は、トルコのエルドアン大統領は14日、仏大統領、ロシア大統領とそれぞれ電話会談したとして、プーチンとはシリア問題の政治的解決の重要性につき確認し、今後とも連絡を取り合うことで合意したと報じています。
同じく同紙は、トルコの反応として、トルコ外務省がアサド政権の無実の民衆に対する残酷な化学兵器の使用に対する今回の米英仏の攻撃を歓迎するとの声明を発したと報じています。
更に、エルドアンは、与党AKPの幹部との会合及び、イスタンブールでの大衆集会で、シリアの民衆はもっと前にアサドの残酷な攻撃から守られるべきであったとして、攻撃は適切なものであったと述べた由
http://www.hurriyetdailynews.com/turkey-welcomes-us-led-strikes-targeting-assad-regime-in-syria-130299
http://www.hurriyetdailynews.com/erdogan-discusses-syria-with-french-russian-leaders-over-phone-130306
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/04/15/بوتين-ضرب-سوريا-مجددا-سيحدث-فوضى-في-العلاقات-الدولية.html
シリア情勢はこの半年くらいの間では、米国が除外されて、ますますロシア―イラン―トルコの3国が取り仕切る傾向が強まっているように見えましたが、やはりトルコと他の2国の間には、対アサドで依然深刻な見方の違いがあることが見てとれます。
このような差が今後3国の連携にどの程度の影響を与えるかは、情勢を注視する必要があるでしょうが、取りあえずご参考まで

hothyグループの弾道ミサイル発射(イエメン)

先にhothyグループはほぼ毎日弾道ミサイルを発射していると書きましたが、15日にも2発発射したようです。

但し、今回の目標地点はイエメン西南部の海岸のモカ(その昔ここからコーヒーが出荷されたことからモカコーヒーという名前が付けられたとされるところ。因みにこのブログの冒頭の写真がモカで・・・ただし時間的にな1990年頃・・で後ろの建物がコーヒー館で、2回の丸い穴3つがコーヒー館の印とのことです)ですが、2発ともアラブ連合防空軍が捕捉、撃墜し、人的、物的損害はなかった由。
また、hothyグループがどこから発射したかは調査中の由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2018/04/16/دفاعات-التحالف-تعترض-باليستيين-حوثيين-غرب-اليمن.html
昨年にはこのモカを巡って政府軍とhothyグループのかなり激しい戦闘があった模様ですが、その後この方面の情勢に関しては、ぱたりと報道が途絶えていました。
わざわざ弾道ミサイルを2発も発射したということは、政府軍が奪還して、その他の地域への攻撃の拠点にでもなっているのでしょうか

アラブ首脳会議

サウディのダハランで開かれていたアラブ首脳会議は、15日最終コミュニケを採択しましたが、これほど注目もされず、実りの無い「首脳会議」も珍しいかもしれません。

会議ではパレスチナ問題(特にエルサレム問題)、シリア問題、イエメン問題、イランのアラブに対する干渉問題等、アラブ諸国の直面する諸問題が議論され、これらの問題については最終コミュニケにそれぞれ含まれていますが、皆会議の前から予測されたような表現で、特に注目すべき新しいことはなかったように思われます。
そもそも、会議にはカタールがサウディ等との対立を反映し、首長どころかレベルを非常に低くし、確か大使レベルの傘下にとどめ、シリアについては確か代表は招致されていないはずです。

パレスチナ問題では、大使館のエルサレム移転を表明したトランプの政策を非難し、パレスチナ人に対する支持を確認し、国際社会にも支援を呼びかけたが、大使館を移転するという米国に対して、何らかの措置をとるとか、アラブとして、何らかの具体的な措置をとるとの表明はありません(トランプを非難するだけならだれでもできるし、首脳会議などと言う大げさな仕掛けは不要)
シリア問題については、アサドの化学兵器使用を非難するとともに、米英仏の攻撃を非難したようですが、いったいどちらが本音なのでしょうかね?日本の何処かの新聞のような言い方ですね。

会議を主催したサウディからすれば、イエメンのアラブ諸国に対する介入を非難し、サウディに対するミサイル発射を非難することができたことは成功であったのでしょう。

なお、会議の冒頭かに、アラブ連盟事務総長が、シリア問題について、アラブ諸国首脳が和平のための共通の戦略を構築し、問題の主導権を取り戻すように促す発言をした模様ですが、無いものねだりの犬の遠吠えでしょうか?
いずれにしても、アラブの諸問題に関して、アラブ連盟は全く対処能力を失っており、事務総長としても、、このような発言がせいぜいのところなのでしょうが・・・

いずれにせよ、来年の首脳会議はチュニジアで開かれる由
http://www.alquds.co.uk/?p=917192
http://www.aljazeera.net/news/arabic/2018/4/15/القمة-العربية-ترفض-قرار-ترمب-بشأن-القدس










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