中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

黄色いジャケットを着て逮捕(エジプト)

エジプトでは、仏の抗議運動のシンボルの黄色いジャケットの販売が制限されたことは報告しましたが、どうやら現実に黄色いジャケットを着て、仏の抗議に連帯を表明した弁護士が逮捕された模様です。
al qods al arabi net はアレキサンドリアで、人権派の弁護士が抗議の意思表示で黄色いジャケットを着用し、その写真がネットに掲載されたら、彼は12日警察により拘束され、検察に送られたと報じています。
記事は更に、シーシ大統領の選挙後(2014年)、エジプトの人権弾圧は、この数十年で最もひどくなっていると人権運動家たちが訴えているとコメントしています
https://www.alquds.co.uk/%d9%85%d8%b5%d8%b1-%d8%aa%d8%ad%d8%a8%d8%b3-%d9%85%d8%ad%d8%a7%d9%85%d9%8a%d8%a7-%d8%a7%d8%b1%d8%aa%d8%af%d9%89-%d8%b3%d8%aa%d8%b1%d8%a9-%d8%b5%d9%81%d8%b1%d8%a7%d8%a1-%d9%85%d8%b9-%d8%aa%d9%82%d9%8a/

黄色いジャケットを着て仏の抗議に連帯を表明しただけで逮捕されるとは、ちょっと信じがたい話ですが、記事には逮捕された弁護士の名前も載っています。





難民の帰還(シリア)

シリアでは、激しい戦闘はごく一部を除いては、少なくなりつつある模様で、近隣諸国に逃れていた難民の帰還も始まってきました。
al qods al arabi net とal arabiya net は、国連難民高等弁務官事務所の11日の話として、2019年(来年)には25万人の難民の帰還が実現する見込みだと報じています。
これに対して本年の難民の帰還は3万7千名だった由。
同事務所によると、難民の帰還が大幅に増える見込みなのは、シリアの大部分で激しい戦闘が収まったからだが、今後のシリアの状況如何では、その数が増加したり、減少したりすることがある由。
また同事務所によれば、現在トルコ、ヨルダン、レバノン、エジプト等の近隣諸国には560万のシリア難民が滞在している由にて、その大分部の帰還にはまだまだ時間と国際社会の支援が必要でしょう。
同事務所も、これら難民はいずれも、身分証明書等の書類やシリアでの財産問題(特に不動産か?)を抱えており、アサド政権の協力が不可欠であるとしている由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2018/12/11/-المفوضية-تتوقع-عودة-250-ألف-لاجئ-سوري-لبلدهم-في-2019.html
https://www.alquds.co.uk/%d8%b9%d9%88%d8%af%d8%a9-%d9%85%d8%b1%d8%aa%d9%82%d8%a8%d8%a9-%d9%84%d8%ad%d9%88%d8%a7%d9%84%d9%8a-250-%d8%a3%d9%84%d9%81-%d9%84%d8%a7%d8%ac%d8%a6-%d8%b3%d9%88%d8%b1%d9%8a-%d8%a5%d9%84%d9%89-%d9%85/
これだけの数の難民の帰還は大事業ですが、さらに大きな課題は破壊された町やインフラの再建で、戦争ではなく再建であれば日本の出番も出てくるでしょう。
然し、兵器輸入が世界最大のサウディをはじめ、口では常にアラブ同胞などと言っている、富裕産油国がどの位支援をするかが注目されます。それによっては、それこそそれらの国の品格が問われることになりそうです。










ジャスミンの村(エジプト)

4c4bfc02-ef6c-4112-a95f-c84a5a3d3f9c_16x9_1200x676[1]何時も生々しい話ばかりで申し訳ないので、少しは香しい話を。
al arabiya net は、カイロの北90卉賄世離ルビヤ県のshobra baloula村はジャスミン(写真)の村として知られ、ここで世界のジャスミンの50%が収穫されるとの記事を載せています
収穫期には、日量10トンのジャスミンが取れ、5万人の村民はジャスミンの栽培、収穫、香水にするための油の抽出に携わっている由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2018/12/11/قرية-مصرية-تنتج-50-من-ياسمين-العالم-هنا-القصة.html
香水用ジャスミンの世界生産の50%というのは、いくら何でも誇大ではないか、という気もしますが、折角の香しい話ですから、そのまま紹介します。

イスラエル・レバノン国境情勢

レバノンからのヒズボッラーの地下トンネルについてはIDFは第3のトンネルを発見したとのことです(おそらくさらに複数のトンネルが見つかる可能性もあるのでは?)
これまでIDFは現場でブルドーザー等の重機を使って、トンネルの破壊を行ってきたところ、haaretz net 及びal qods al arabi net は、IDFの作業は爆破の段階に入り(確か数日前にIDFはトンネルの上にある住居の住民に避難するように呼びかけていた)、ものの弾みで、IDFとレバノン軍の間に衝突が生じる危険が迫っていると報じています。
それらによると、この地域は国境の北部で、そこには両国を分離する分離壁が建設されておらず、双方の兵士はお互いの姿を見ながら、警戒しているとのことで、誰か一人の血気にはやった兵士の誤りで、双方の衝突に至る危険性があるとのことです。
現地のレバノン兵士は、銃やRPGを携帯して警戒している(それはIDF兵士も同じ)とのことで、今後の動きが懸念されます
https://www.haaretz.com/israel-news/.premium-israeli-tunnel-operation-in-lebanon-enters-its-explosive-stage-1.6729435
https://www.alquds.co.uk/%d8%a7%d9%84%d8%ad%d9%85%d9%84%d8%a9-%d8%b9%d9%84%d9%89-%d8%ad%d8%af%d9%88%d8%af-%d9%84%d8%a8%d9%86%d8%a7%d9%86-%d8%af%d8%ae%d9%84%d8%aa-%d9%85%d8%b1%d8%ad%d9%84%d8%a9-%d8%a7%d9%84%d8%aa%d9%81%d8%ac/









黄色いジャケット(エジプトでの販売制限!)

確か若干前に、エジプトのメディアは仏の抗議運動(黄色いジャケット)の黒幕にムスリム同胞団がいる!!、などと言う報道を流していることを報告したかと思いますが、エジプト政府までがそのような宣伝を信じているのか、度重なる補助金カット、必要物資の値上げ等で、庶民の生活が苦しくなっているために、仏の抗議活動(おまけにマクロンの譲歩を引き出し、当初の要求は実現させた)の波及を恐れたのか(こちらの方は深刻かもしれない)、al qods al arabi net はエジプト当局が、黄色いジャケットの販売を制限し始めたと報じています。
それによると、ジャケット販売の制限は1週間前くらいから始まったとのことで、カイロの中心地の商人は、匿名条件で、当局から黄色相ジャケットの販売はちゃんとした企業に限り、個人には売らないようにとの指導を受けていると語った由。
https://www.alquds.co.uk/%d9%86%d8%b8%d8%a7%d9%85-%d8%a7%d9%84%d8%b3%d9%8a%d8%b3%d9%8a-%d9%8a%d9%85%d9%86%d8%b9-%d8%a8%d9%8a%d8%b9-%d8%a7%d9%84%d8%b3%d8%aa%d8%b1%d8%a7%d8%aa-%d8%a7%d9%84%d8%b5%d9%81%d8%b1%d8%a7%d8%a1/
公式の禁止ということではなさそうで、ことの真偽は不明ですが、エジプトで物価が高騰し、庶民の間に不満が高まっていることは事実のようですから、根も葉もないうわさではなさそうです

イエメン和平協議

どうやら現在行われているストックホルムでの和平協議は一つの山場に来たようです。

al arabiya net は、会議筋の話として、国連事務総長が特別代表の努力を後追いし、双方に対して合意へ努力するように働きかけるために、12日ストックホルムに到着すると語ったと報じています。
また和平を推進してきた諸国(安保理常任理事国やGCC)の外相が、双方に最後の努力をさせ、来年早々の会議再開を確実にするために圧力を加えるべく、到着する由
(事務総長と各国外相の来訪は、当然ながら調整されたものであろう)

議論されている中身について、ホデイダは特別代表が特に難しい問題としてきたが、同代表は双方の部隊のホデイダからの撤退と中立的機関による管理を提案している由。
但し、イエメン外相はこの案に強く反対している由。
他方捕虜の釈放については、ほぼ合意ができ、総計15000名の交換が近く行われることになる由。
交換サナア空港とセイウン空港(ハドラマウトにあり政府の支配下)で行われ、数週間かかる予定の由
また政府は、捕虜とは別に8576名のhothyが逮捕している、地方実力者、ジャーナリスト、活動家、部族その他の者の釈放も求めている由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/yemen/2018/12/11/مقترح-أممي-حول-الحديدة-وغوتيروس-في-ستوكهولم-داعماً-.html
















ベツレヘムのクリスマス(イスラエル占領下の西岸)

1.6729527.2013780398[1]haaretz net は、ベツレヘム(写真はキリスト生誕教会)は、クリスマスを前にこれまでにない巡礼者等で賑わっていると報じています
記事は更に、2015年には度重なるテロで、ベツレヘムへの訪問者も激減したがその後徐々に回復したと報じています

クリスマスにはまだ時間がありますが、キリスト生誕の地ベツレヘムが、平和なクリスマスを迎えられることは、私のような宗教には縁のない男にとっても、大変結構なことで、これからもテロや暴力がないことを祈念しています
https://www.haaretz.com/middle-east-news/palestinians/tourism-in-bethlehem-booms-as-christmas-nears-1.6729525

イエメン情勢(風刺画)

cartoon-Reserve--7-[1]イエメン情勢に関する風刺画です。
箱の中から抜け出そうとして、地球(国際社会?)に手を引っ張られている男にはイエメンと書いてあり、それを重そうなお尻で邪魔している男にはイランと書いてあります。
サウディ系のメディアですから、そういうことなのでしょうが、本来ならばイランの隣にもう一人サウディ皇太子らしき人物でも書いておけば、より説得的になったかも知れません
https://aawsat.com/home/cartoon/1499136/%D8%A3%D9%85%D8%AC%D8%AF-%D8%B1%D8%B3%D9%85%D9%8A



世界最大の武器輸入国サウディ(アラビア語メディアの記事)

確か、トランプ大統領は、記者団からkhasshoggi 事件への対応を問われたときに、サウディは数百億ドルの武器輸入者で、米国が供給を止めても、ほかの国がその分漁夫の利を占めるだけだと答え、余りの率直さ?に唖然としたことがありましたが、al jazeera net の記事は、サウディが世界最大の武器輸入国であるとして、トランプの発言を裏付けています。

これはストックホルム国際平和研究所の報告書によるとのことですが、それによるとサウディは2017年インドを越えて、世界最大の武器輸入国になった由。
同国に対する供給先は、(当然ながら)米国、次いで英、仏で中国の名前も出ています。
記事によるとサウディの軍事費は、2015年のイエメンへの介入以来急増し、昨年は694億ドルに達し、同年の武器輸入も40億ドルに達した由。
この間2015年から2017年にかけて、最大輸出国が米国で、次いで英、仏、スペイン、イタリア、スイス、カナダとなる由(何のことはない、欧米の主要国はなべて「死の商人」ということでしょうか?疑問は独の名前が出てこないことで、イスラエルとの関係もあって独はサウディへの輸出を制限・自粛していたのかもしれません。またそれがkhasshoggi 事件後、メルケルが独の武器輸出中止を表明できた背景かもしれません)
またこの期間に、安保理常任理事国5国のうち4国(米英仏中国)がサウディの武器輸入の90%を占めていた由
(ロシアではなく中国が主要供給国とは若干驚きました)

記事は更に、これら主要国のサウディへの武器輸出は、イエメン内戦介入で非常に多くの民間人を殺傷したこと、及びサウディ内では(khasshoggiに限らず)、多くの人権侵害、政府による弾圧があり、これに対して国際人権団体からサウディへの武器輸出に対する批判の声が上げられていたにもかかわらず、ほとんど影響されなかったとしています。
http://www.aljazeera.net/news/politics/2018/12/11/السعودية-اليمن-الأسلحة
報道では、かなり前に、マチス国防相と国務長官が、イエメンの戦闘停止と和平交渉に向けてサウディに圧力を加えたとあったかと思いますが、他方政権の有力者が、米国のアラブ連合軍事行動支援停止には強く反対すると語ったとかいうニュースもあったように思います。
確かにこれだけのお得意様なら、そう言いたくもなるのでしょうか?







バスラの水汚染(イラク)

バスラの水問題は更に深刻になっている模様です。
確かバスラ等イラク南部では水、電気の欠乏から、住民の不満が大規模抗議行動になっていましたが、渇水の影響もあってか、その後水の深刻な汚染が伝えられてきました。
この問題についてal arabiya net は、バスラの副知事事務所が報告書を出して、バスラ地域ではすでに10万人が中毒症状を呈しているとしてシャットルアラブ川(ユーフラティス川とティグリス川が合流して、イラク、イラン国境を流れるシャットルアラブになり、その後ペルシャ湾に注ぐ)の水は飲用等に適さないと警告したとのことです。
そして中東政府に対して、至急汚染の原因を調査し、特にカドミウム等有害物資の原因、その排除の仕方等について調査すべきで、当面住民に対して、代替の安全な水を供給するように求めたと報じています。
シャットルアラブの汚染は、渇水に加え、農薬、化学物資、下水の垂れ流し等の複合汚染と見られる由
https://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2018/12/09/البصرة-تحذّر-من-شرب-مياه-شط-العرب-الملوثة.html
 それにしても10万人の中毒とは大ごとですが、もしかすると、当面問題はイラク北、中部を襲った大雨で、汚染された水が流され、少しは状況が緩和するかもしれません。
しかし、イラクの政府が未だ内務省の問題を巡って、完全に機能してはいないことを考えると、来年の夏場の渇水期までに抜本対策をとる時間はあまりないと思います。










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