中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2009年12月

一年の御礼


一年間このブログを読んでいただき誠に有難うございました。
中東をあまり知らないが中東の出来事には興味があるという方を主たる対象として、基本的には時事問題を中心としながら、若干の文化的、社会的事象および個人的な中東料理など個人的な経験の紹介なども含め、更にはコメント等で質問があれば当方のできる範囲で解説などするということで書いてきましたが、来年もできる範囲で中東について、なるべく面白い記事を書いていきたいと思います。
皆さま良いお年をお迎えください。 abu_mustafa

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イスラエルの人口

31日付のjerusalem post netに依れば、イスラエル中央統計局の調査ではイスラエルの人口は七百五十万人で、過去7年間平均1・8%の増加で、過去1年間で十六万人の子供が生まれ、十四万五千人の移民があったとのことです。
この結果、人口に占めるユダヤ人の割合は75・4%、アラブ人の割合は20・3%で、一家族当たりの子供の数は前年の2・8人から2・9人に増加し、その反面アラブ人の方は3・97から3・84へと減少したそうです。
イスラエルの人口構成についてはユダヤ人に比してアラブ人の子供を産む数がはるかに多いので、和平が進まなければそのうちイスラエルはアラブ国家になるなどという楽観的なことさえ一部アラブから言われていましたが、ソ連崩壊後ロシアからのユダヤ人移民が増加したことが事情の変化をもたらし、最近では子供の数でもユダヤ人が盛り返しつつあると言うことのようです。

中東和平の枠組み(イスラエル紙論説)

オバマ大統領が力を入れた中東和平は交渉開始の目途さえ立たずに年を越えつつありますが、31日のjerusalem post 紙はその論説で、中東和平の枠組みについて次のような提案をしています。まあ、イスラエルの方から出てくる案としてはこんなものでしょうが、もし仮にこんな者が米国から提案されるとしたら、それだけで和平交渉は鼻から決裂でしょう。
なお、その論説に依れば現在イスラエルを訪問中のミッチェル特使は和平の大枠についての考えを示して、アッバス議長を交渉に引き戻そうとしているが、その大枠についてアラブ筋に依れば「サウディの和平案にオスロ合意にブッシュの工程表とアナポリス案とオルマート前首相の提案の総てを含むこと」を期待しているとのことですが、その辺の真偽は勿論不明です。
「まず、米国が東エルサレムのユダヤ人住宅について発言しないこと。アラブ人も東エルサレムの既建設住宅を取り壊さないことは十分承知しており、これらの住宅地があまりに拡大しない前に、これを止めるためには早期交渉開始が重要(注:イスラエル側からの論理ではそうでしょうが、アラブ側からすればよく言うよ、と言うところでしょう)
次に67年前の境界線への撤退については、一部の領土の交換が必要になろうが、アラブ側に残る入植地は、合意さえできれば撤去されるし、イスラエル当局は既に拡大を凍結している。
3番目にイランやアルカイダの根拠地が西岸に出現しないための保障措置が必要である
4番目にアラブ人の帰還の権利はない。イスラエル内に残した財産の保障については、ユダヤ人難民が残した財産で相殺される。アッバス議長はこの厳しい現実をなるべく早くパレスチナ人に説明すべきである。
最後に、イラン政策は中東和平の一部でイランの野心が抑えられれば抑えられるほど穏健アラブの影響力が増大する」。

チュニジアのインターネット規制

明るい地中海の観光地と言う一般的なイメージとは異なり、チュニジアはマグレブの国でも言論の自由が大きく規制されている国ですが、31日のal jazeerah netは、政府がインターネットに対する規制を続行しているとして、次のように報じています。

「チュニジアでは政府が、反対党、人権団体等の運動家たちのインターネットに対する規制と妨害を相変わらず続けている。政治的自由とか改革とかいう表向きの発言とは逆に実際の行動では、チュニジアは北アフリカでインターネットが政府に依り最も規制されている国で、特に政府に対する批判的な言論は許されない。

実は al jazeerah net も、先日発信を止められたが、その表向きの口実は報道に偏りがあったと言うものであるが、本当の理由は al jazeerah net が『カルタゴの女支配者』と題して、大統領夫人の影響力の強さを取り上げたフランスの本を紹介することを妨害しようとしたものである。」

確か、チュニジアにおける大統領夫人とその一族の権力が益々増大して、多くの利権を漁っていると言う話については、随分前に紹介したと思いますが、本日の話もこれと軌をいつにするもので、チュニジアの日本ではあまり知られていない一面を報じているものです。

gazaの女性に対する暴力

イスラム教でよく問題にされるのが女性の地位で、その中でも女性に対する暴力の問題がありますが、30日付のjerusalem post net は、ガザでハマスの支配とイスラエルの封鎖が始まって以来、女性に対する暴力事案が激増しているとの人権団体の調査結果を載せています。要点のみ次の通りです。
全くの一般論ですが、イスラム原理主義運動は、多くの場合女性に対する極めて封建的な価値観を、一つの象徴としており、その意味でハマスも変わりはない、と言うことでしょうか。
「ガザにあるパレスチナ女性情報メディアセンターは、ガザのハマス支配とイスラエルの封鎖以来女性に対する暴力が増加していると報告している。
ガザの女性の77・1%はいろいろな種類の暴力を経験しており、家の中でも安心できないと答えている。
67%が言葉による暴力、71%が精神的暴力、52%が肉体的暴力、14%が性的暴力を経験したと答えている。調査に対して多くの女性が、ハマス支配前よりも暴力が増えているし、他のどの国に比べても暴力は多いと答えている。
暴力以外でもガザの女性は多くの困難を経験しているが、仕事に関しても2006年には仕事を持つ女性の割合は14・5%であったが、今では10%以下である。また結婚した女性の31%は離婚されたか夫より離婚の脅しを受けている。
ハマス政府は女性に対して封建的な価値観を押し付けようとしており、昨年夏には最高裁判所長官が裁判所で働く女性は、髪を覆うようにと命じた。
また、いわゆる名誉の犯罪(注:家族の面子を汚した・・・大体が夫以外の男性と親しくしたという疑い・・・と非難された女性を、家族等の親族が殺害するもの。中東では古い習慣として未だに行われているが、最近その復活が中東各地で問題とされている)も増えているが、政府当局はこれに対して毅然たる態度をとっていない。」
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