中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2010年03月

イラン核科学者の米国亡命

朝アルジェリアでのモサド要員逮捕のニュースとその否定のニュースを書いたばかりですが、intelligence(注:日本では情報と言う言葉は一つしかないが、英語では通常のinformationという言葉の他にintelligenceという言葉があり,こちらは政府の情報機関とかその情報活動とかその情報と言う意味で使われます)好きの本性の所為か、また情報関係の良ニュースを取り上げました。
尤も今度は先ほどよりは真剣な話です。
「30日のABCニュースに依れば6月以来行方不明になっていたイランの核科学者は米国に亡命していた。
その名前はshahram amiriという学者で、サウディに巡礼に行ってから行方不明になていたが、彼は慎重に準備された亡命計画にしたがって米国のCIAに匿われ、イランの核開発について詳しい情報を提供した。
もう一人の核科学者が行くえ不明になっていたが、彼はジョージアで逮捕されたとも伝えられ、いずれにしてもイランは彼が核に関係していたことを否定している。
イラン人の亡命については2007年国防次官が亡命したが、これにはCIAとモサド(注:イランについてモサドが出てくるのは若干唐突と思われるかもしれないが、シャーの時代にはモサドとサバク・・イランの情報機関が極めて密接な関係を有していたこともあり、モサドはイランに関しては相当コネを有していると思われる。たとえばレーガン大統領の悪名高いニカラグワのコントラのための資金獲得目的での対イラン武器供与の仲介をしたのはこれも悪名高いイスラエルの武器商人・・10中8,9モサドが絡んでいたことは間違いないでした)がからんでいたと言われる。」

イラク政局(アラウィのイラン非難他)

先日のイラク選挙では元首相のアラウィ率いるイラクグループが現首相マーリキーの連合に対して、確かわずか2票の差で第1党になったが、議会の多数を制する政党(または政党連合)がなく、おまけにマーりキーは選挙結果に異を唱えるなど、当分イラク政局は混乱すると見られていましたが、31日のal jazeerah はその一端を報じているので、余りまとまった報道ではありませんが、要点のみ。
「アラウィは31日のBBC放送とのインタビューでイランが彼が首相となることをあらゆる方法で妨害しているとして激しく攻撃した。彼はまたシーア派の強硬派のサドル師(注:米軍がイラク内の宗派抗争に悩んでいたいた時、よく名前の出てきた若い強硬派の指導者です。懐かしい名前です)が首相を誰にするかは国民投票で決めるべきだと発言したことも非難した。
またアラウィはイランが彼の連合を除くすべての政治勢力をテヘランに承知したが、イランはイラク内政を左右しようとしていると非難した。これに対してサドル師はイランに赴いたのは、イラン新年に際してのイラン大統領からの招待に基づくもので(注:イラン新年に際してのアハマデぃネジャードの近隣諸国に対する招待については前に書きましたが、どうやら招待されたのはシーア派のみか、イランと国に親しい連中だけだったように見えます)その際いろいろと意見交換するのは自然なことだと反論している。
また彼の政治グループはイラクの連邦最高裁判所が彼のグループに対してではなく、マーウィキー首相のグループに対して組閣の権利を認めようとしていることも憲法に反すると批判した。
このように誰が組閣する権利があるのかという議論が激しくなっているなかで、サドル師の側近が国民投票を呼びかけたものである。
またマーリキー首相は彼のグループとナショナリストグループとの連立は最終段階にきていると述べた。
これに対してアラウィは連立交渉を始めたが、連立の相手は総てのグループに開かれていると述べた。
さらに事態を複雑にする可能性のあることは、アラウィのグループの4名がバース党との関係と言うことで当選無効となる可能性があることである」。

モサド要員の逮捕(アルジェリア内相の否定)

今朝イスラエルの新聞がアルジェリアがモサドのスパイを逮捕したと報じていると書いたばかりですが、31日のal jazeerahはアルジェリアの内相が同日スパイの逮捕については全く知らないと否定したことを報じています。
何しろアルジェリアと言えば反イスラエル感情の非常に強い国ですから、仮に報道の通りであれば、極めて小さな扱いであるのは奇異だなと思ってはいたのですが、どうもモサドの要員がアルジェリアで逮捕と言うキャッチフレーズにつられた感じです。
余りスパイ小説の読み過ぎはいけませんね。

モサド・スパイのアルジェリアでの逮捕?

少し前からイスラエル人がアルジェリアでアルカイダに誘拐されたと言うニュースが流れていましたが(イスラエル人が国交もなく通常イスラエル国身の入国も認めていないアルジェリアには入れたのか不明でした)31日付のhaaretzsはアルジェリア当局が、スペインの偽造旅券で入国していたモサドのスパイを逮捕したと発表したとアルジェリア紙を引用して報じています。
それによると、この男は35歳のスペイン人の名前の偽造旅券で入国し、逮捕までの間10日ほどアルジェリアに滞在していたとのことですが、彼はバルセローナ経由で入国し、アラビア語も上手いとのことです。
この男については両国間に国交がないためFBIが釈放方交渉しているとのことですが、先に行くえ不明が伝えられていたイスラエル人もスペインの旅券を所持していたとのことで、おそらく二つの事件は同一人物に関してではないかと思われます。
いずれにしても先日のドバイ暗殺事件の後を受けて、またモサドのスパイが偽造旅券で捕まったとなるとアラブのマスコミは大騒ぎをすると思うのですが、本件ほとんど報じられていません。
と言うことはモサドのスパイと言うのは嘘で、商売か何かでアルジェリアに入ったイスラエルの民間人であるのか、仮にモサドのスパイであっても、いわゆる特殊作戦担当ではなく、純粋に情報収集担当で、しかも下っ端のスパイのどちらかではないかと思われます。

英国のイスラエル武器売却見直し?

日本は兵器生産国の中では世界一厳格な武器輸出規制(と言うかほとんど輸出を認めていないと言うべきか?)を課していますが、紛争当事国への武器輸出はどこの国にとっても悩ましい問題ですが、31日付のhaaretz は英議員(どこの党か解らないがおそらく労働党の左派ではないか?)がイスラエル向けの武器輸出を見直すべきであるとの要求を30日すると報じています。
要点のみ
「最近発表された下院の報告書で、まず確実に英国製の武器が2008年12月のイスラエルのガザ侵攻で使用されたとされたことに鑑み、英議員グループが英国製武器の対イスラエル輸出政策についてレビューを求めることになうだろう。
英国の対イスラエル武器輸出は25・5百万ドルに上るが、英国はそれら武器が占領地で使用されないことを政策としている。
英国製の武器で主要なものはF16のコックピットのディスプレイとアパッチヘリコプターの部品等である」
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