中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2010年06月

イスラエル兵士のヒズボッラのためのスパイ容疑

先ほどはイスラエルのためのレバノン携帯電話会社経営人のスパイ容疑のの話を書きましたが、今度は逆の話で、イスラエルの兵士がヒズボッラのためのスパイ容疑で逮捕されたと言う話です。
しかも今回はスパイ小説宜しく、スパイと麻薬取引も絡んでいるようです。
30日のhaaretz net は、イスラエルの職業兵士(注:要するに徴兵された兵士ではなく志願兵と言うことでしょう)が、レバノンからイスラエルへの麻薬の密輸及びヒズボッラのためのスパイを働いたとして逮捕されたことが30日発表されたと報じています。
それによると数週間前に容疑者は逮捕されており、その他に5名の容疑者が逮捕されているとのことですが、彼らはヒズボッラに手渡した情報が極めて機微なものであることを十分認識していたとのことです。
http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/idf-career-soldier-suspected-of-spying-for-hezbollah-1.299184

レバノンのイスラエル・スパイ(ヒズボッラの非難)

レバノンの携帯電話会社の経営陣の一人がイスラエルのスパイとして逮捕されたことは先にご紹介しましたが、早速ヒズボッラが政府に対してスパイ対策を強化するように要求しているとのことです。
30日付のal jazeerah net は、ヒズボッラの国会議員fadhlallaが、イスラエルはレバノンの通信網を支配していると非難して、携帯電話会社のスパイの情報によってレバノンの国益を害してきたと非難したとのことです。
fadhlallaはレバノン国会の広報通信委員会委員長をしているが、彼によれば、逮捕された男は1998年以来イスラエルのためのスパイをしており、イスラエルにレバノンの通信及び国家安全保障の重要な機密を流してき、レバノンの通信を自由に盗聴させたとのことである。
またFはレバノン政府が大至急情報被害の実情調査をするように要求したが、2009年以来レバノン政府は70にのイスラエルスパイを逮捕したとのことです。
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/8B66B823-2855-4EED-AB01-B63952FE0EA1.htm

アラブ連盟の改称?

28日にリビアで開かれたアラブ5カ国首脳会議(リビアの他、エジプト、イラク、イエメン、カタル)の結果について、29日エジプト外相のabul gheit がアラブ連盟をアラブ連盟連合と改編することに合意したと発表したと30日付のal qods al arabi net が報じています。
記事の要点は次の通りですが、先ず気がつくことはこの名前の不思議さです。連盟と連合が並んでいます。
これについてA外相はアラブ連盟は歴史的に重要なアラブ諸国の財産であり、その名前を残すことが重要と説明していますが、何やら舞台裏で種々議論した揚句に、面倒くさいから連盟も連合も一緒にしておこう、と言うやつけ仕事が見え見えの気がしてなりません。
もう一つはまたも「連合」と言う言葉を選んだことです。確かアフリカ統一機構がアフリカ連合に改称した時もカッダーフィの強い主張で、要するに欧州連合にならってアフリカも統合を進めると言う趣旨だったと思いますが、その後のアフリカ大陸がどうなっているか、よく知られているところです。
南アフリカでのワールドカップを通じての一体感(政治に比べたらスポーツは偉大なりか!!)は確かに盛り上がっているらしいですが、それ以外ではむしろ各国の利害が対立しているのが現実でしょう。
アラブも連合と言う名前を付けてみても、所詮は問題は現実の統合を進めるのかどうかという実態問題が重要で、こちらの方は益々対立を深めているのが現実と違いませんか?
とすると、連合と言う言葉に固執したのがカッダーフィ、連盟に固執したのが連盟の本部があるエジプトと言う図式が透けて見えてきますが、どうでしょうか?
記事には写真も付いていましたが、アラブ人に交じり(アラブの首脳会議ですから当然ですが)一人だけクルド人がいました。イラクの大統領ですが、アラブも統合するためには誰か非アラブ人を持って来るのも手か、などと失礼なことを考えてしまいました。

「A外相は首脳会議が極めて友好的で積極的であったとして評価するとともに、アラブ連盟の公式名称を「アラブ諸国連盟連合」とすることを勧告するとのムバラク大統領の提案に合意したと発言した。
連盟と言う言葉を残したのはそれが歴史的に重要な言葉で数世代にわたり重要な役割を果たしてきたからであると説明した。
その他の勧告としては、アラブ首脳会議を年2回開き、1回は定期会議、
もう1回は協議のための会議で、6月に1度アラブ首脳が会談することで、協議と調整を強化できるとした。
また分野別の首脳会談、例えば経済協力とか文化協力についての会議を開催することについても話し合われたとのことである。
更に首脳はアラブの議会、裁判制度についても意見交換する必要性を認め、またアラブとしての難民救済機関と設立することについてアラブ連盟事務局に検討させることになった」
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest/data/2010-06-29-13-57-36.htm&storytitle=??? ????? ???? ???????? ??? ????? ??????? ??????? ??? ????? ????? ????? ???????&storytitleb=&storytitlec=

サウディ国王の激しいイランとイスラエル非難

最近サウディアラビアとイランとの関係悪化が目立つところ(注:確か29日にご報告したal sharq al awsat net のイラン軍、革命防衛隊の沿岸への前進配備の関する記事について、あの新聞はサウディの息がかかっているので、若干眉に唾して読んだ方が良いという注意を書くのを忘れました)、29日付のle figaro net は、先にサウディを訪れた仏国防相との会談の中で、サウディ国王はイスラエルとイランを激しく攻撃したと報じています。それにしても公表されないという前提にしても随分思いきった表現を使ったものです。
イスラエルに関してはガザ支援船団がイスラエルの武力行使で9人の死亡者が出た直後と言う事情があったかと思います。
記事の要点のみ
「6月5日仏国防相の herve morinと会談したアブダッラ国王は、その中で「世界で存在するに値しない国が2あるが、それはイランとイスラエルである」と激しく両国を非難した。
仏国防相には多くの国防省関係者の他に外交官も含まれたいたが、国防大臣がどのような反応を示したかは不明である。
イスラエルに関しては、その数日前にガザ船団に武力行使をして9名を殺したばかりで、そのことと中東紛争に関するサウデイ国王の包括的和解案がイスラエル政府から無視されていることに対する国王の怒りが左右していたと思われる。
イランに関しては核開発の恐れの他に、伝統的なスンニ派とシーア派との対立(サウディとイランが双方のチャンピオン)に加えて、イランがサウディのシーア派を扇動しているとの疑いが影響しているものと思われる(注:サウデイにとってシーア派の動向は極めて機微な問題で、サウディの石油の大半を産する東部州ではサウディ全体では少数派のシーア派が多数いて、サウディ政府の元で差別、抑圧されていると感じていると非難されてきた)。
http://www.lefigaro.fr/

トルコの国家安全保障政策ペーパーの改定

多くの国では国家機密として、その国の直面する安全保障上の脅威に関するペーパーを策定していますが、トルコのそのようなペーパーを作り、これは憲法以上に国の行くへを決めていたと批判されていました。
ところがエルドアン率いる現政権のもとで、トルコの国家安全保障に対する脅威のありかが相当変化したようです。
最近のトルコの外交政策の変化を反映して、イランとギリシャは安全保障上の最大の脅威とは見られていないようです。
29日付のtoday's zaman net の記事の要点次の通りです。
「政府は国家安全保障政策文書で規定されていたトルコ国家に対する脅威を見直している。
この文書はトルコ軍に対しての安全保障政策に関する具体的な指針だが、その脅威のリストから宗教勢力の他イランとギリシャが格下げになる。
この文書はred book としても知られ、軍の行動に関する言わば憲法とみなされてきたが、エルドアン政権の成立以来、首相はその正当性に対して疑問を付してきた。
前回のred book では宗教的反動主義、分離主義、極左が国内の最大脅威と見られ、対外的にはイランとギリシャが最大の脅威とされていた。
しかし国際情勢の変化に伴いイランとギリシャは脅威としての可能性はあるが、重要な脅威との位置付けではなくなった。
また極左と反動主義が国内的な主要な脅威ではあるが、そこに「宗教的」という肩書はなくなった。いずれにしても分離主義が最大の脅威の一つであることは変わらない。
このred book はトルコがNATOに加盟して以来、用意されてきたが、当初は極左勢力がトルコの脅威と言うことであった。1980年のクーデター後分離主義がリストに入り、その後1995年の福祉党の政権獲得以来、宗教過激派と分離主義者が2大脅威とされてきた。
red book は極秘文書と言うことで国会で議論されたことはないが、エルドアン首相はその正当性について疑問を投げかけてきた」
http://www.todayszaman.com/tz-web/news-214527-religious-communities-iran-no-longer-top-threats-in-red-book.html

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