中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2010年09月

イスラエル・トルコ関係(トルコに変わるギリシャ、ブルガリアとの軍事協力)

トルコとイスラエルの関係は、現在のエルドアン政権前は、特に軍事、治安面で極めて密接だったことで有名だが、30日付のhurriyet net 紙は、最近の両国の関係の希薄化を反映して、イスラエルとギリシャ、ルーマニアの軍事面での協力がこれを代替していると報じています。
記事の要点のみ
「トルコとイスラエルは隠されてはいたが、極めて密接な治安、政治関係を有していたが、1990年代には最高点に達し、1996年には軍事協力協定g結ばれ、トルコがイスラエル製武器を購入し始めた。
イスラエル空軍はしょっちゅうトルコ上空で訓練していたし、両国軍は年数回合同演習を行っていた。
しかし両国間関係の冷却に伴い、軍の協力も低下していき、イスラエル空軍機のトルコ上空での訓練は行われなくなって、昨年はイスラエルはトルコの年次国際空軍演習から締め出された。
イスラエルは小国で、空軍機の訓練の十分な空域を有していないが、トルコを失った後イスラエル空軍機は、ギリシャの上空と地中海で訓練を始めた。
ルーマニアとの関係は更にまだよく知られていない。冷戦時代にはソ連圏の一つとしてルーマニアのイスラエルとの関係は緊張していた。冷戦終了後、ルーマニアは米国の忠実な友好国となり、イスラエルとの関係も緊密になった。
この関係は殆ど外にはしられていないが、イスラエルのヘリコプターがルーマニアで墜落して、内外の注目を集めることになった。
最近のイスラエル軍の訓練はイラン等イスラエルから遠隔地での作戦を念頭に置いており、先日のヘリコプターもイスラエルから無着陸で、ギリシャで空中給油を受けた後ルーマニア上空に行ったものであるが、このような遠距離作戦の演習でギリシャとルーマニアがきwめて重要な役割を果たしている。
イスラエル関係者に言わせれば、ルーマニアの広い空域と全く新しい場所、特に山岳の多い地形はレバノンなどの場所での作戦のための絶好の場所である」
http://www.hurriyetdailynews.com/n.php?n=israeli-military-offsets-turkeys-loss-with-greece-romania-2010-09-29

トルコ政府の対PKK対策(ロシア等への外交努力)

最近トルコ政府が対外的に積極的なPKK対策を推し進めていることは前にも紹介しましたが,30日付のtoday's zaman netはその中でも最大の対象が、最大の武器供給元であるロシアに対する働きかけであるとして、要旨次の通り報じています。
なお、この記事も、トルコの対外的働きかけとして、ロシアの他には米国との情報面での協力、イラクのクルド自治政府の協力要請等を上げています。

「最近ロシアを訪問した副首相はPKKに関してロシアと協議する為の新しい資料を携えて行った。
たらしい情報のいくつかは米からもたらされたが、米は副首相に対してPKKの入手する武器の80%がロシアからきているとの情報を提供した。この情報はトルコ参謀本部によって確認されている。
参謀本部の用意した資料によれば、PKKテロリスト及びその基地から押収された武器のほとんどはロシア製である。
PKKの使うカラシニコフ銃の72%がロシア製、中国製が14%、ハンガリア及びブルガリア製がそれぞれ4%である。
5713の狙撃銃のうち45%がロシア製で、米国、英国製が13・2および9・4%である。
対戦車地雷の88%、ロケットランチャーの85%がロシア製である。
また最近PKKの副司令官がロシアとロケット購入についても話をしている。
対テロ戦争はトルコとロシアにとって難しい問題で、トルコにとってはロシアのPKKとの関係が重要な問題であるが、ロシアにとってはトルコのチェチェンへの支援が大きな問題である(注:チェチェンはイスラム教徒で、ロシア帝国が奪取する前はオスマントルコに属していたと言う経緯から、トルコにはチェチェンかrの亡命者も多く、またトルコ人の間でもチェチェンに対する同情が強いと言われる)」
http://www.todayszaman.com/tz-web/news-223048-turkey-devises-action-plan-to-dry-up-pkks-foreign-support.html

アサドのアハマディネジャードに対するレバノン訪問延期要請

レバノン情勢の緊張については先ほど書きましたが、同じく30日付のy net news は、クウェイト紙を引用して、アサド大統領がアハマディネジャード大統領に対して訪問の延期と訪問中の発言を慎重にするように要請したと報じています。
記事の要点は次の通りですが、そもそもこのような情報の真偽のほどが先ず問題でしょう。
仮に偽情報(何しろイスラエルの新聞ですから、イランに対する情報戦争の一翼を担いでいる可能性は全くは否定できない)出ないとすれば、流石のシリアも最近のアハマディネジャードの発言には危機感を感じ、彼が南レバノンと言う極めてセンスティヴなところで、イスラエルを刺激して軍事衝突になることを真剣に危惧していると言うことでしょう。やれやれ。

「クウェイト紙al anba によると、10日前アハマディネジャードがダマスカスを通過して、首脳会談が空港で行われた時に、アサド大統領はア大統領に対して何故この時点で南部レバノンを訪問するのかと質問し、これに対してアハマディネジャードは訪問するマルジャユン地域は戦略的に重要で、この地域全体がイランにとってイスラエルとの国境になっていると答えた。
アサド大統領は、これに対して時期がw類ので訪問を延期するように求め、訪問の際には発言を慎重にするように求めた。その理由として、イスラエルが現在レバノンとの関係で不安を感じており、レバノンの安全はシリアにとって極めて重要であるからと付け加えた。
会談の最後にイラン大統領はアサド大統領の要請を真剣に検討すると答えた」
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-3961987,00.html

ハリリ前首相の暗殺とヒズボッラ(国際法廷の起訴?)

2005年ベイルートの中心街でのハリリ前首相の暗殺(ハリリの車列が仕掛け爆弾の標的となり22名が死亡)についてはシリア(及びその指揮下でのヒズボッラ)の関与が当初から疑われていましたが、国内的及び国際的な圧力の下で国際裁判所が設置され、事件について捜査をしていました。
(かなり流布されていた説によると、ハリリの暗殺を命じたのは、シリアのアサド大統領で・・その理由は当時レバノン国内に駐留していたシリア軍の撤退をハリリが要求したからとされている・・、その命令の下で、シリアとレバノンの情報機関がヒズボッラ等を使って暗殺を実行したと言うものです)
その結果がこの秋に発表される予定になっていましたが、どうやら事件の関係者としてヒズボッラのメンバー数名が起訴されるのでは無いか、との噂が流れ、これに反発するヒズボッラとシリアとレバノン国内の各種政治勢力が入り乱れ、レバノン内の緊張が異常に高まり、サウディ国王が調停に乗り出す等、秋の中東の緊張地帯の最たるところとなっていました。
この問題について、30日付のjerusalem post net は、ヒズボッラグループが、国際法廷は嘘の証言で毒されており、ヒズボッラのメンバーを告訴すると言う噂が流れているところ、それを阻止するために法廷の資金(予算)を差し止めることにしたと声明したと報じています。
ヒズボッラは現在のレバノンの連立内閣に加入しており(現在の内閣がでいるまでにごたごたしたが、結局はヒズボッラを取り込むことでかろうじて内閣が成立した)他の親シリア勢力を取り込めば、十分予算を阻止することができるとのことです。
記事のよれば、そもそもこの国際法廷の予算の49%をレバノンが負担し、残りは国際社会が負担しており、仮にレバノンが負担できない時には他の国がこれを肩代わりすることができることになっているが、日序言うに難しい政治問題をもたらすと評しています。
http://www.jpost.com/MiddleEast/Article.aspx?id=189706

イランの原子炉の稼働延期

イランを主目的としたと言われるコンピューターウィルスstuxnetの話については先に紹介しましたが、30日付の中東の各紙はブシェールの原子炉の稼働が数カ月遅れて2011年前半になったと報じるとともに、イランは原子炉がこのウィルスで攻撃されたことは否定しているが、もしかしたらより広範囲なサボタージュがあったのではないかと報じています。
haaretxz net の記事の要点のみ
「イラン当局はstuxnetが原子炉のシステムに影響した可能性を否定しているが、多くの者がイランはより広範なサボタージュにあったと見ている。
イラン政府当局は、このウィルスが原子炉のスタッフのパソコンに侵入したことは認めているが、原子炉のシステムには侵入していないとしている。
イランが8月に原子炉にウランを挿入し始めた時には、イランの科学者は電力供給んでには数カ月を要するが、その能力は1000メガワットdぇイランの焼死する電力の2・5%に当たるとしていた。
多くの観測者が、このウィルスは米国またはイスラエルが期限だろうと見ており、事実多くの外交関係者は、米国とイスラエルがサボタージュがイランの核開発を遅らせる手段の一つとみていると観測している。
イランの原子力関連施設がどの程度ウィルスに犯されたかは不明だが、一部のものはイランはより広範なサボタージュの対象となっていると見ている。例えば、これまでも何らかの不明の原因でnatanz の核濃縮施設が操業を停止している」
http://www.haaretz.com/news/international/iran-puts-off-bushehr-nuclear-plant-launch-to-early-2011-1.316386
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