中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2010年11月

エジプトの選挙(米国の反応)

エジプトの選挙結果については本日(現地時間)中に結果が出てくるはずですが、30日付のal jazeerah net は今回の選挙について、米国務省の報道官が相当強い調子で、公正な選挙とは言いにくいと批判したと報じています。
もしこの報道が真実ならば(勿論疑う理由もありませんが)米国のエジプト選挙に対する批判の中でも、極めてきつい部類に属するのではないでしょうか?
選挙前にはエジプト政府高官が米国の内政干渉を公然と批判しており、どうも米国とそのアラブ随一の友好国との間には、そう問う冷たい隙間風が吹いているようです。
記事の要点のみ

「米国務省の報道官は、種々報道されているエジプト選挙の不規則性は、その公正性と透明性を疑わしめるものがあると批判し、米政府は選挙当日報道された治安当局の干渉と恐怖政治は懸念を呼ばずにはおれないとと考えていると述べた。
また米政府は、選挙に先立って反対派に対する選挙活動妨害及びその支持者に対する逮捕、sらには反対党の支持者の投票を妨害したことには大きく失望していると述べた。
この米国の声明は、エジプト各地で警官隊と民衆との衝突、デモ等の騒ぎが続いている中で出され、つづいている中でだされた」
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/6BFD7221-827E-43F5-A795-8B9A81A4F21F.htm?GoogleStatID=1

イスラエル・湾岸関係

日本等ではwikileaks の中東との関連では、本音ベースでのアラブ指導者の対イラン強硬な意見が注目されていますが、これからぼちぼちと出てくる情報にイスラエルとの関係があると思われます。
これまでもイスラエルとヨルダン(勿論平和条約以前の未だ法的に戦争状態にあった時のkとですが)裏で緊密な関係にあったことはよく知られていましたが、その他のアラブ諸国もイスラエルと裏面ではいろいろと関係があったことが想像されます。
今回の情報漏えいで、さっそく湾岸諸国との関係が表面に出て来たようで、これから当分の間アラブ指導者はこれまで対国内及びアラブ世界向けに言ってきたことと現実の乖離(ある意味では強硬派からすればアラブに対する裏切り行為である)が何時バレルかについて戦々恐々とするのではないでしょうか?

30日付haaretz net の記事の要点のみ
「2009年の外交電の中で、イスラエルにある米大使館は、イスラエル外務省からの情報として、当時のイスラエル外相tzipi livni(現在のカディマ党党首)がUAEの外相であるabudullah ibn zaidと極めて良好な公的及び個人的関係にあると報告している。
勿論UAEはイスラエルとは外交関係はないが、両国間には継続して緊密は連絡があった。
外務省以外でも、モサドの長官dagan がサウディとの連絡を担当していた。
またガザ侵攻に伴ってイスラエルとの代表部交換を取りやめたカタールについても、種々の連絡があり、同国に対する圧力の結果、同国も代表部再開について検討していることが示唆されていた」。
http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/wikileaks-blows-cover-off-israel-s-covert-gulf-states-ties-1.327758

モサドの新長官

イスラエル紙は29日モサドの新しい長官が指名されたと報じています。モサドの副長官を2度やったtamir pardoと言う男で、彼の経歴等は下記の通りですが、かってはモサドは極端な秘密主義で長官の履歴など新聞にでなかったと記憶していますが、情報の世界も変われば変わるものです。

tamir pardoはモサド副長官を2度経験している。
モサドの参加する前の軍勤務では、通信士官経験の後ネタニアフの兄(エンテベ作戦で死亡)が司令官をしていたエリート特殊部隊に勤務した。
モサドに参加した後、種々の部局を経験したが、外国通信によれば、電話傍受および写真を担当している部局にも居たことがある。
またいくつかの管理部門にも居た。
彼はhumint(要するにスパイ)については比較的経験が浅いが、副長官としてその扱いについて経験もしている。
彼は2000年から2005年まで副長官の職にあったが、一時モサドを離れてイスラエル軍の特殊作戦アドバイザーをしていた。
その後長官への昇進を当てにして副長官に復職したが、dagan の任期が延長されたために再びモサドを離れていた。
彼の長官任命は、これまで長官がモサド外から来ることが多く、内部に不満が溜まっていたことから、モサド内では歓迎されるであろう。

http://www.haaretz.com/news/national/who-is-new-mossad-chief-tamir-pardo-1.327699

イラン科学者の暗殺とモサド

昨日はイランの核科学者が暗殺(もう一人は暗殺未遂)されたと言う記事を書きましたが、30日付のhaaretz net は、それがモサドの仕業であることを強く匂わせながら、そのような方法でも核を開発すると決意した国は止めることができないと言う記事を載せています。
同記事は、同じ日にwikileaksの米外交情報の流出、モサド新長官の任命(注・この点に関しては別途)があったのは、勿論偶然だが、一つの流れを暗示している、と書いています。

要点のみ
「暗殺、暗殺未遂は独立の事件ではなく、関連しているのは明らかである。背後には個人かグループが居て同じ手口を使ったものである。
世界中がモサドの仕業だと考えていることに根拠がないわけではない。特に4年間の間に4件もの未遂事件があったことを考えれば、なおさらのことで、おそらく他にも報道されていない他の事件もあったであろう。
オートバイから爆弾を投げるという手口はモサドが1995ねんイスラム・ジハードのshkaki暗殺で使ったものだが、勿論誰でも真似はできる。
流出した情報を見なくとも、イスラエルがイランの核開発を危惧していることは誰でも知っており、natanzの核濃縮工場への役に立たない機材の納入から始まって、コンピュータウィイルスによる攻撃、更には科学者への攻撃と言うのは、一連の繋がった糸と考えるの自然であろう。
これら一連の工作は、イラン、特に核開発にかかわる学者に対して、核から手を引けとのメッセージを送ったものであろう。
勿論イスラエルはその他に米、英、仏、独等の情報機関と共同してイスラエルの核開発を阻止しようとsている。
しかし、核開発を狙っている国はそんなことでは阻止できない、と言うのが歴史の教えるところで、核開発に成功したのは北朝鮮だけではない」
http://www.haaretz.com/print-edition/news/whether-israel-took-out-a-iran-nuclear-scientist-or-not-tehran-will-get-the-bomb-1.327772

wikileaksについて(元外交官の感慨)

昨日からどこのメディアもwikileaks の記事で一杯で、これからさらにどんな新事実が出てくるか興味しんしんではありますがすが、元下っ端外交官としては取りあえずの感慨が2つくらいあります。
一つは、これまでのところ、これが知られたら米国の安全保障を直接害すると言う種類の秘密情報は余りないような気がします。
もう一つは、これが重要で、おそらく米政府にとっても、ここが最も痛い所だと思いますが、こんなに出先の大使とかと本省とのやり取りが表に出てしまったら、誰も正直に自分の意見が言えなくなるだろうな、と言うことです。
外交官、大使としてある国に赴任したら、勿論その国との友好関係の増進が重要な任務ですが、それは何でもかんでもその国の政府が素晴らしい、大統領は世界中で最も優れた人物だとお世辞を言うことは意味しません。
むしろその国の問題点、指導者たちの性格、表には出ていないが本当の政策等について、公正でかつ冷静な評価をして、これを本国政府の参考にすることも重要な仕事です。と言うか、この点を除いたら、単なるおべっか使いになって、本国政府の政策にとっても誤ったシグナルを送り、その政策を大きく損ないかねません。
しかし、そのような正直な評価はその国の指導者にとてt耳に快いとは限りません。むしろ、耳障りなことが多いでしょう。
私もその昔、日本では殆どその国の内情が報道されない国で、観光を通じて耳障りの良いことしか報道されない国で、人権無視とか、選挙の不透明性とかについて、しばしば東京に報告しています。
そのような国であることを十分認識したうえで、それでも日本の国益の立場から、相手とどういう関係を持って行くのが良いのか、どの程度援助したらいいのか、等を考えるのが外交であって、相手を知らないで政策を考えるほどバカげたことはないからです。
しかし、こんな話が相手国政府に知れていたら、いろいろな場面で嫌がらせをされたり、相手にされなかったりして、仕事はやりにくかっただろうなと思います。
その意味で、米政府の困惑は理解できますし、また特に米政府に、相手を信用して本当の本音(と言うのも変だが、アラブの指導者の場合、それくらい特定しないといけない)を言った、サウディとかヨルダンとかバハレンの首脳が怒り狂っているのも、充分想像できるところです。
世の中、知る権利とかいって威張っていますが、場合によっては知らない方が良い、と言うか公にしてはいけない話と言うのも五万とあるものです。
もう一つの驚きは、朝日だったかの報道によると、こんなにも多くの情報が流出した原因として、9:11語米政府が政府内の情報共有を進め、軍人も含めて五十万人くらいの人間が、外務省の秘電報にもアクセスできることになっていた所為だと報道されていることです。
各国首脳の人物評とか各国首脳がイランに対してどういう政策をとてtくれと言ったか、そのような所謂「生情報」がそれほど多くの人間の目に触れる必要は全くないし、そのような情報管理は、ある意味で所違法の管理としては最低のやり方だと思います。
おそらく米国のように世界中にアンテナが張ってあって、毎日それこそ洪水のように情報が流れ込んでくる世界では、いちいち厳密に吟味したうえで、特定の情報だけを共有のネットワークに流すことが難しいからであろうことは想像できますが、このような外交情報が、軍、特に下級兵士たちにとっては何の意味もない、と言うか、またtく必要のない情報である訳で、それを毎日五十万人もの人間が(見ていたかどうかは別にして、その気になれば見れた)見ていたと言うことは、想像を絶しますね。
我が海上保安庁の秘資料の取り扱いなどまるで誠に真面目に見えるほどです。
問題は、先に軍の情報が流れて、今度は外務省ですが、果たして情報機関(例えばCIAとかNSAとか)の情報もこの情報共有システムに綱がているのか、と言う問題で、情報機関の情報が流れだしたらそれこそ人命が危険にさらされる恐れが出てくると思います。
要するにネット社会の問題なのでしょうかね?
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