中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2011年08月

世界で最も住みやすい都市

30日付のtoday's zaman net は、英国economist 誌のintelligence unit を引用して、世界の最も住みやすい都市を報じています。
中東のニュースとは関係ありませんが、若干の味直しに、記事の要点のみ次の通り。

世界で最も住みやすい都市は、これまでNo1を占めてきたバンクーバーがハイウェイの閉鎖等のために3位に下落し、1位がメルボルン、2位がウィンであった。
この住みやすさの要素としては、安定、医療、教育、インフラ、環境、文化等から総合的に判断される由。
1位以下10位までの都市名は次の通り、
メルボルン、ウィーン、バンクーバー、トロント、カルガリ(カナダ)、シドニー、ヘルシンキ、パース、アデレイド(豪州)、オークランド(NZ)
イスタンブールは109位になったが、最低の点数を得た10都市は次の通り
ダカール(セネガル)、アビジャン(象牙海岸)、テヘラン、ドゥアラ(カメルン)、カラチ、トリポリ、アルジェ、ラゴス、ダッカ、ハラレ(ジンバブエ)
東京も大阪も名前が出てきませんが、何位くらいにあるのでしょうか?
最も住みやすい都市は豪州とカナダに集中しているように見えますが、まあ妥当なところでしょうか?因みに欧州の都市は多くが順位を下げているとのことです。特にアテネなど。
http://www.todayszaman.com/news-255364-melbourne-tops-liveable-city-list-istanbul-109th.html

リビア情勢(リビア革命の犠牲者数)

リビアではカッダーフィ派と革命軍との激しい戦闘が各所で行われ、その都度断片的な死傷者の数は報じられていましたが、抵抗活動(武装抵抗)発生以来の犠牲者数については、これまでまとまった数字を見た記憶がありません。
この点に関して、31日付のhaaretz net の記事が、ロイターが伝える革命軍の大佐の言として、6か月間で5万人が死亡したとみられると伝えています。
記事によると、ミスラタとズリタンで1万5000人から1万7000人の間が死亡し、西部山岳地帯でも多数が死亡したとのことで、また革命軍は28000人を収容所から解放したが、未だ消息の知れないものは死亡したとみられる由。
更に激戦地のブレガ、アジュダビア等の激戦地でも多数が死亡した由。
この数字は戦闘で死亡したカッダーフィ派、革命派の双方を含み、また行くへ不明者を含んでいるとのことです。

記事の要点は以上ですが、このHisham Buhagiar大佐がいかなる資格で発言したのか(公式の数字か否か)も不明で、いずれにしても取り敢えずの試算と見られますが、正確な数字はともかくリビアの革命がエジプトやチュニジアとはけた違いの犠牲者を出したことは間違いなく、今後の国つくりに当たっての重大な問題になる(要するに旧政権にいた者たち、特にカッダーフィの軍、警察、情報機関等にいたものの処遇、報復の要求、裁判等)可能性があると思われます。
http://www.haaretz.com/news/middle-east/libya-commander-says-50-000-dead-in-anti-gadhafi-uprising-1.381606

南コルドファンに関するスーダンの苦情申したて

先月南スーダンの独立後、スーダンと南スーダンの国境地帯で、双方の間の緊張が高まっていましたが(一つは両国の係争地域abiye ,もう一つはスーダンに編入された南コルドファンだが、そこには内戦期間中に南の側についた部族等も多く、スーダン政府とこれら部族その他住民との間で、紛争、戦闘が絶えないようです)31日付のal jazeerah net の記事は、スーダン外務省が30国連安保理に対して、南スーダンが南コルドファン地域の不安定を助長しているとの苦情を申し立てたと報じています。
記事によると、スーダン外務省は、苦情は南スーダンが同地域の動揺を引き起こし、平和を損ない、政府に対する反乱分子を援助しており、これは両国間の関係に関する2005年の合意違反であるしているとのことです。
他方この問題について国連内部では、国連の関係者に対して同地域へのアクセスがほとんど認められていないとの不満があるとのことです。
また今月初めの国連の報告(国連のどの部局か不明だが、人権理事会か?)は、南コルドファン地域で、スーダン軍が殺人、誘拐、教会の破壊、反政府部族に対する爆撃等を行っているとの疑惑があり、仮にこの疑惑が真実ならば人道法違反を形成すると述べたことがあるとのことです。
また米国務省も、南コルドファンでは住宅地隊が爆撃されているとの情報があり、重大な懸念を有しているとして、両スーダンに対して、2週間停戦に応じるように呼びかけたとのことです。

どうもスーダンと南スーダンの関係は、このままで行けば危険な方向に動きそうです。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2011-08-31-05-20-40.htm

リビア問題(凍結資産の一部解除)

先日安保理の制裁委員会が米国に凍結されているリビア資産の一部である15億ドルの凍結解除に同意したことはお伝えしましたが、今度は英国に凍結されていた16億ドルの凍結解除です。
31日付のal qods al arabi net に記事の伝えるところですが、それによると安保理の制裁委員会で中国が反対を取り下げたので、解除が可能となったとのことです。
記事によると、中国代表は当初反対していたが、北京(要するに本国政府)が解除に同意したので、制裁委員会として解除することになったとのことです。
英国代表はこの同意を歓迎して、解除された資金は人道目的のために使われると声明したとのことです。中国政府もカッダーフィ政権崩壊という現実を受け入れたということでしょうか?
なお、この他、独が14億ドルの凍結解除を希望しており、仏も72億ドルの解除を希望しているとのことですが、制裁委員会がこれらの解除に同意したか否か不明とのことです。

このようにリビアの対外資産が凍結を徐々に解除されつつあり、カッダーフィ後の国民評議会のとりあえずの、リビア国民の生活確保とい仕事はずいぶん楽になるものと思われます。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2011-08-31-05-33-27.htm

リビア情勢(カッダーフィに関するアルジェリア大統領発言)

カッダーフィの娘の出産については先ほどお伝えしましたが(ちなみに彼女を含む入国した家族は国境近くの町の邸宅から外出禁止になっているとのことです)、カッダーフィその人の所在はいまだ不明ですが、30日付のal jazeerah net の記事は、アルジェリア大統領がカッダーフィがアルジェリアへ入国すれば逮捕すると発言したと報じています。
これはアルジェリアの新聞が報じたところを引用したものですが、それによるとブーテフリカ大統領は、大臣たちのとの会議の席上、アルジェリアとしては国際法に従って、カッダーフィが入国した場合にはこれを逮捕して、国際刑事裁判所に引き渡すと発言したとのことです。
記事はコメントとして、この決定はカッダーフィ政権の崩壊とは関係なく、国際刑事裁判所がカッダーフィ等に国際逮捕状を発していることに基づくものだとのことです(先日入国したカッダーフィの家族のうち、女性たちはともかく、長男には逮捕状が発せられていましたっけ?)。

この報道が事実ならば、カッダーフィがアルジェリアに亡命する(または亡命の経路として利用する)のは難しくなったのかもしれません。ただし、別の発想からすれば国際法廷の方が、死刑がないとか、公正な判決が期待できるとかの点で、国内裁判所よりは得かもしれません。
尤も、国際法廷に立たされ、世界中にその姿が発信されることを、カッダーフィのような男なら最大の屈辱と感じると思うのですが、どうでしょうか?
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/0568195D-1FB1-40C9-A2F3-5599CB95B11F.htm?GoogleStatID=9
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