中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2011年09月

anear al awlaqiの殺害?

これまで米国は現在のアルカイダの幹部で最も危険な人物のひとりは、イエメン系米国人のanwar al awlaqiであるとして、彼の居住地であるイエメンでの彼の身柄拘束を、イエメンでの最重要の課題としてきましたが(その意味でもサーレハ大統領の米国にとっての価値はテロ戦争の同盟国と言うことでした)、このal awlqi
について30日付のal jazeerah net 及びak qods al arabi netの記事は、イエメン国防省がその殺害を発表したと報じています。
記事によると、イエメン国防省は軍事筋の情報として、al awlaqi及び多数のアルカイダ要員が殺害されたと発表したとのことですが、その殺害の日時や場所やその他の情報は不明とのことです。

彼の殺害に関するニュースの要点は以上しかありませんが、記事はal awlaqiについては、昨年12月にもイエメン政府が30名のアルカイダ要員とともに、その殺害を発表したことがある、とコメントしています。
従って、今の段階で、必ずしもアルカイダ最大のお尋ね者が、本当に殺害されたのか若干疑問もありますが(四面楚歌のサーレハが自己の価値を売り込むために流した宣伝と言う可能性もある)、仮にその通りとすれば米国のアルカイダとの戦いでの大きな戦果であることH間違いないとおもいます。
なにしろ米国はアルカイダとの戦いのためにイエメンに多額の軍事援助をして、要員の訓練もしてきたのですから。
 http://www.aljazeera.net/NR/exeres/52AD04CD-5D29-4827-9857-C767CAC0D038.htm?GoogleStatID=1
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest/data/2011-09-30-08-46-31.htm

シリア情勢(仏紙のルポ)

シリア情勢に関しては2700人もの死者がでたにもかかわらず、毎日抗議デモと政府軍による殺害のニュースで、6カ月間本当に何も変わっていにのか、などと思ってしまいます。
この点に関して28日付のle figro interntionl netのルポは、基本的に政府の弾圧作戦で、抗議デモに参加する者はラマダン前に比して激減しており、政府は弾圧の効果に自信を持っている、しかしこの状況が逆に一部の過激派をして武装闘争を求めさせており、それが平和的改革を求める抗議者を憂慮させている、との趣旨のルポを掲載しています。
常識的に考えても、連日あれだけ激しい弾圧にあって、平和的な抗議運動をいつまでも継続できるわけはないだろうと言う気がしますが、なかなか面白いルポなのでその要点のみ次の通り。
尤も最後のところの抗議運動指導者の言はどことなく現実認識と言うよりは希望的観測の表明と言う感じがしますが、どうでしょうか?

反政府派の幹部も認めているが、政府の激しい弾圧にあって、最近抗議デモはラマダン前よりはるかに少ない動員しかできない。先週金曜日はラマダン前の10%の群衆(シリア全土で30000人)しか集まらなかった由。
多数の逮捕に加え、軍隊のローラー作戦が、この抗議参加者の減少を招いている。
秘密警察に近い筋は、情報機関が抗議調整委員会にスパイを潜入させていると言う。
しかし、この参加者の減少が総てではない。今でも抗議活動を続ける者は、ますます過激化して武装闘争に傾きつつある。抗議活動開始後7月で、状況は変化しつつある。
シリアは明日倒れることがない政権と過激なグループの消耗戦に入りつつある。
現在の抗議者はプロ米国(リビア流の西側の介入を期待している者)、これまで嘘をつき放しであった政権とは一切交渉をするつもりのないもの、及び逃亡兵等の混じったグループである。
未だ少数派であるが、特にホムス及びハマでは武力に訴えようとの呼びかけが出てきている。これらの都市では政府の弾圧が特に残酷であったからである。
最近レバノンのトリポリからホムスへ武装戦士が潜入してきたが、彼らは解放党と言う反アサドの小グループで、トリポリで反アサドのデモなどをやってきた。
既に2000名のイスラム主義者がホムスに潜伏していると言われる。
これに対して、抗議運動の主流は、武闘の仕掛けるわな(要するに政府に更に猛烈な弾圧の口実をあてるだけと言う)に気がついており、方々の住民に武器を取らないことを説得している、
彼等によれば、イラク国境、トルコ国境方面の部族等は、この危険性に気がついて説得に応じTくれているとのことである。
抗議運動指導者は、[確かに抗議が棄権に直面していることは事実だが、3つの原則、即ち平和的抗議、宗派対立の否定、外国介入の否定、を貫けば、脱出する可能性がある」という。

http://www.lefigaro.fr/international/2011/09/28/01003-20110928ARTFIG00726-moins-nombreux-les-rebelles-syriens-se-radicalisent.php

トルコ情勢(PKKのテロ)

最近トルコ東部、東南部でのPKKの活動が活発化していることが注目されますが、29日夜にはPKKと思われるものの道路わきの爆弾で、トルコ兵士2名が死亡し、3名が負傷した模様です。
トルコ紙の30日付のネットの記事によれば、事件は東南部のŞırnak県のBeytuşşebap 地方で、パトロール中のトルコ軍兵士が道路わきの爆弾の遠隔操作による爆発で被害にあったとのことです。その後双方の間で銃撃戦となり、当初負傷していた5名の兵士うち2名が死亡したとのことです。
ゲリラの方の損害は不明。

記事の要点は以上ですが、どうも情勢がエスカレートしそうな感じがしますね。
http://www.todayszaman.com/news-258415-pkk-ambush-in-turkeys-southeast-leaves-two-soldiers-dead-three-injured.html
http://www.hurriyetdailynews.com/n.php?n=two-soldiers-killed-in-clashes-in-se-turkey-2011-09-30

キプロス沖のガス田探査問題(イスラエル航空機の挑発?)

キプロス沖のガスでん探査に関しては、キプロス側の探査開始に対抗して、トルコもキプロストルコ共和国と協定を結び、実際に探査船を現地に派遣して探査を開始したことは前にご報告したと思います。
この問題に関して、30日付のtoday's zaman net の記事は、キプロスの新聞を引用して、イスラエルの戦闘機及びヘリコプターが低空でトルコ船に嫌がらせをしたと報じています。因みにイスラエルはキプロスとの間で大陸棚確定の協定を結んでおり、ある意味でこの古い問題の間接的関係者になっています。
記事によると、イスラエルのF15戦闘機2機は29日夜テルアビブから出て、キプロス及びキプロス・トルコ共和国上空を通って、トルコ海岸に近付き、トルコ空軍のF16機が迎撃したので、イスラエルに戻ったとのことです。
また同じ29日夜イスラエルのヘリ1機がトルコの探査船上空を低空飛行したとのことです。

記事の要点は以上で、これが事実であれば、これまで東地中海について、どちらかと言うと挑発的発言をしていたトルコに合わせて、イスラエルが実効的な方法で警告を発したことになり、事件は起きていないものの極めて危険な兆候ではないかと思います。
しかし、ニュースの元がキプロスの新聞であって、イスラエルやトルコのものでないこと、トルコの新聞ネットでもこの一つだけでhurriyetの方は報じていないこと、イスレルのネットにはいずれも似たような記事は見当たらないこと、等からすればガサネタではないかと思われます。
しかし、世の中時にはガサネタが元で大騒ぎになることもあるので、取りあえず念のためにご報告しておきます。
http://www.todayszaman.com/news-258413-report-israeli-warplanes-harassed-turkish-seismic-ship-off-east-med.html

イラン製の地対空ミサイル

先日はイランが艦上クルーズミサイルの大量生産をしていると言うニュースをお伝えしましたが、今度は新型地対空ミサイルの生産・配備です。
確かイランがロシアから最新型の地対空ミサイルS300を購入する予定であったが、昨年9月だったかに、メドベデフ大統領が、このミサイルシステムは国連の対イラン制裁に違反するとして、輸出を差し止めた事件があったかと思います。
このミサイルに関し、30日付のイスラエル紙のネット版は、イラン政府要人がイランはこの300型の新式地対空ミサイルの製造・配備に成功したと30日語ったと報じています。
イランの軍事専門家によると、このミサイルMersadは、射程70〜150kmで、過去数週間厳しいテストを受けて来たとのことだそうです。
http://www.haaretz.com/news/middle-east/iran-we-produced-domestic-version-of-s-300-anti-aircraft-missiles-1.387387
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4129209,00.html
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