中東の窓

長年、日本の外交官として中東に深く関与。中東から見た国際関係を日々発信するブログ。

2011年11月

シリア情勢(トルコ・シリア関係)

シリアの情勢において、トルコの重要性が極めて増大しているところ、hurriyet net 及びtday's zaman net の記事は、シリア情勢との関係で幾つかのトルコの動きを伝えています。
とりまとめると次の通りです。
・Davutoğlu外相は30日の記者会見で、トルコはシリアに対して制裁を実施すると発表したが、制裁の内容としては
   シリアとの総ての金融取引の停止
   シリア資産の凍結
   総ての武器の供給停止
   協力協定の停止
等を含むとしており、またアサド政権は終点に来たので、トルコとしては新しい正当政府の成立を待って、新しい協力関係を築くと述べた。
・シリアの国民評議会議長Burhan Galiounは28日シリア・トルコ国境に近いhatay県で秘密裏に自由シリア軍のアサアド大佐らと会合した。会合にはSNCからAhmed Ramadan及びAbdulbaset Seidaも参加した。会合でSNC議長は自由シリア軍の闘争を支援すると約束した由。
またトルコの外相は会合について質問され、会合の事実は知っているが内容は知らないと答えたとのことです。
(秘密会合と言うが、hurriyet net には両者の並んだ記念写真も載っており、場所がシリア国境に近いhatay県と言うのはシリアにとり刺激的であり、またトルコ外相が季語の事実を知っていたと公に認めたことは、何らかの形でトルコ政府が関与していたことを示唆しており、トルコがSNCと自由シリア軍の協力を裏で支援している可能性が強いように思われます)
・トルコのシリア制裁にともない、トルコ政府はこれまでシリアを経由してヨルダンその他のアラブ諸国へトラックを通じて運輸に当たっていた輸送路の検討を始めた。シリア向けの輸送は既に大幅に落ち込んでいるが、他のアラブ諸国向けの輸送路の開拓は、トルコ輸送業界にとって極めて重要な由。
またトルコの大企業のシリアでのセメント工場の操業及び建設は既に中止しているか、操業率が極めて低くなっている由。
・(その他不思議な事件として)イスタンブールのトプカピ宮殿で、リビア国籍の男が銃で警備その他計2名を負傷させ、本人は警官に射殺された。この男はシリアのナンバープレートの車で現地まで来ており、当初はシリア人と思われたが旅券等でリビア人と判明した由。犯行の理由、シリアの事件との拘わりは不明の由

http://www.hurriyetdailynews.com/n.php?n=turkey-imposes-sanctions-on-syria-2011-11-30
http://www.hurriyetdailynews.com/n.php?n=secret-syria-meet-in-hatay-2011-11-29
http://www.todayszaman.com/news-264296-turkey-plans-alternative-routes-for-exports-bypassing-syria.html
http://www.todayszaman.com/news-264348-libyan-gunman-injures-two-in-topkapi-palace-shooting.html

非常事態の再延長(チュニジア)

チュニジアではチュニス大学でのサラフィー主義者と世俗派の衝突をお伝えしたばかりですが、30日づkのal jazeerah net のきじは、暫定大統領が30日非常事態法を12月1日から年末まで全土で1月延長する大統領令に署名したと報じています。
記事によると、非常事態令は本年1月14日に施行されてから、既に3回延長されており、これで4回目の延長とのことです。非常事態法は、行政当局に外出禁止や車両の通行制限等を行える幅広い権限を与えるもので、チュウニジア全土でも一部の地域でも施行可能とのことです。
非常事態延長の背景についての公式説明は無い様ですが、記事はチュニジアでは最近南西部、特に鉱山地域でデモや破壊活動等の社会不安があり、さらに大学でイスラム主義者と世俗主義者の衝突があった事を挙げ、それらが背景であることを示唆しています。

せっかく無事選挙を行ったチュニジアでも社会の安定までには相当の時間を要する模様です。
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/2CF57169-BEE0-4343-BD0B-992ACEF80194.htm?GoogleStatID=9

エジプト(タハリール広場の衝突)

どうもいくら中東のネットでも一部のものに頼っていると駄目ですね。
本日はつい先ほどまでal jzeerah netでもal qods al arabi net でも、エジプト選挙の第1段階の開票が始まったなどと言うニュースばかりで(BBC放送もそうであった)、のんびりしていたら、イスラエル紙のネットを見ていたら、タハリール広場で抗議者と別の群衆が衝突して、85名が負傷したとのニュースがありました。
慌ててエジプトのal aharam  net を開いてみたら、写真がたくさん入ったトップ記事で、29日の深夜からタハリール広場で衝突があり、85名が負傷したと報じていました。
記事によると座り込みの抗議運動家に対して、露天商人達が攻撃し、それに他からの加勢も加わり、火炎瓶、実弾、ガスボンベ等を使った衝突があったとのことです。
記事はまた、騒ぎは、露天商と座り込み者の間で起きた衝突が元で、座り込み側が露店商人を排除しようとしたところで、最初の衝突から2時間後に再度の大きな衝突があったと報じています。
露天商の方は火炎瓶などを投げながら数方向から広場に突入しようとし、座り込み側は広場の入口に人間の盾を作って防戦したとのことです。
他方hjerusalem post net は80名が負傷したと報じて、大統領選候補のエルバラダイが、ならず者が抗議運動参加者を攻撃したと非難したと報じています。
もう一つのy net news の方は題が80名負傷と言うのですが、中身は選挙でムスリム同胞団が躍進していると言うものでした。 

取りあえずのニュースは以上で、背景とか暴力の組織者(もしいれば)等全く不明ですが、推測して見れば、抗議運動のためにカイロの交通の中心のタハリール広場が麻痺して、抗議運動家に不満を有していた、露天商等の下層の市民が、何かのきっかけ、または誰かの扇動で、日ごろの不満を爆発させたと言うことか、とも思いますが、そのうちもう少し詳しい報道も現れるでしょう。
http://www.ahram.org.eg/Al-Mashhad-Al-Syiassy/News/116001.aspx
http://www.jpost.com/MiddleEast/Article.aspx?id=247526

送信後チェックしたら、他のアラビア語ネットでも報じていましたが、特に目新しいことはないと思います。

チュニジア大学での原理主義者と世俗派の衝突

29日付のal qods al arabi netの記事は、チュニス大学文学部でサラフィー主義者(イスrム原理主義者)と世俗派の学生との間で衝突があり、数人が負傷したと報じています。
衝突の原因は、ニカーブを被った女子学生が試験を受けさせることを要求し、当局と対立し、試験ができなかったところに、他の学部の原理主義学生も押しかけ、試験をするように要求する世俗派の学生と衝突したとのことです。
事件自体は死者もでず、それほどの大事件でもないと思いますが、今後チュニジア始めイスラム勢力が影響を増しつつある国では、今後ともこの種事件が起きることは間違いなく、例えばチュニジアでアルナハダ政府がこの事件をどう取り扱うのか、注目されるので、取りあえずご紹介しておきます。
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2011-11-29-18-03-22.htm

エジプト選挙

エジプトの選挙第1段階は、28,29の投票日を無事平穏に終了した模様です。
当初投票用紙未配布とか種々の不手際があり、若干の時間の延長はあったようですが、選挙管理委員会は選挙日がもう一日延期されるとの噂を否定しっとのことです。
投票率は有権者の関心が高かったこともあり、極めて高かった模様で、正確な数字は不明ですが、70%に達したとの見方もあり、場所によっては80%にも達したであろうとのことです。
29日付のal jazeerah net の記事によれば、第1段階の選挙はカイロ、アレキサンドリア、ポートサイド、アシュート、ルクソール等の都市を中心に、1750万人の有権者が、全議席498のうち168議席を選出するもので、そのうち56が個人に、112がリストに対する投票によるとのことです。
また投票所は3307とのことです。
なお、カイロ市内等で選挙監視にあたった欧米の監視員は、投票率が極めて高かったこと、基本的に選挙運営に問題がなく、また暴力行為がなかったことを高く評価しているとのことです。

以上取りあえずの第1段階の選挙は、直前までの騒動にもかかわらず、極めて成功裏に行われたとうことだと思います。
但し、選挙の最終結果発表は来年1月半ばになります。
 http://www.aljazeera.net/NR/exeres/1F6B8A96-EEFE-4E3F-B94C-682EDD3C3E66.htm?GoogleStatID=1
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